俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第七十六話 Help always

「なんともまぁ、悪趣味な」

 

吐き捨てるように言う。 件のビルの屋上、遅れはしたが状況を見る。 すでに戦闘は始まっていた。 人形は高町なのはに変身しており、守護騎士、高町なのは達を相手取っていた。 と言っても、数も質もこちらの方が上、人形は押されていた。 まぁ、事は人形の思惑通りに進んでいるのだろうが。 八神はやては目を覚ましており、戦いを見ている。 必死に戦いやめるようを呼び掛けてるし、守護騎士や高町なのは達もそうしようとしているが、人形が擬態している高町なのははそれを気にせず戦闘を続行している。 たぶん、闇の書の覚醒を促しているのだろうが、ページ数も足りていないので覚醒には至っていない。 だが、八神はやての苦しみようからして、覚醒までもう少し、か。 手に持った人形の片割れを見る。 結局、物語は予定通りに進む、か。 いや、ここで暮らしている限り、物語ではないが

 

「予定通りに進む?」

 

自分で言っておいてなんだが、どういうことなのか? いや、多分()()()()()のだろう、つい最近までの俺は。 原因は直死の魔眼。 白面金毛九尾の狐も言っていたように、()()()()()()()を犠牲にしたのだろう。 まぁ、いいさ。 これが終われば、俺も用済みだ。 人形を戦闘中のど真ん中に投げつける。 もちろん、高町なのはに変身している人形に見えるように。 相方の人形の変わり果てた姿に動揺してか、動きが止まる人形。 ・・・・・・流石にあの姿を切るのは、俺もいささか抵抗があるようだ。 何をいまさら、とも自分でも思うが。 あぁ、ちょうどいい魔法があるじゃないか、ストラグルバインド。 これでもいろいろな魔法を勉強しているのだ、俺は。 相手の強化魔法、つまり変身や肉体強化などの魔法を解く魔法だ。 高町なのはの姿から、仮面の男に戻っていく。 さて、これで腹に穴を空けた借りをまとめて返せる。 一気に接近して四肢を切断する

 

「なぜ、貴様が!」

 

「・・・・・・」

 

そのまま急ブレーキをかけ、頭をつかみ地面に押し付ける。 本当に耳障りなんだよ

 

「ぐあ!? そ、そもそも貴様は死んでいるはずだ!ぐっ!? あのお方の呪いが!」

 

「お前、喋りすぎだろ」

 

もう面倒くさくなり、宙に浮いている闇の書をつかみ、蒐集させる。 666ページ、全ページが埋まり妖しい光を放つ闇の書。 同時に、八神はやても胸を抑えて苦しみ始める。 だが、その苦しみながらも俺に問う

 

「なんで、っぅ...... どうしてなんや、理樹君!」

 

「・・・・・・軽蔑してくれても構わない、いくらでも罵倒も受けよう。 だが、今はその時じゃない。 少し待っててくれ、必ず助ける。 やった俺が言えることじゃないけどな......」

 

自嘲気味につぶやけば、八神はやての足元に魔法陣が展開される。 ベルカ式魔法陣。 白い魔法陣が妖しい紫色に染まっていく、そのなかで

 

「ホンマ、後で覚えとけ...... ああああぁぁぁぁぁ!!!!」

 

その言葉を最後に、八神はやてを中心に魔力が解放され、莫大な魔力が俺の頬をなでる。 プロテクションを展開してはいるが、凄い暴風だ

 

「我は魔導書の主、封印解放」

 

八神はやて、いや、闇の書の意志とも言うべきものが闇の書の機能を開放する。 それを眺めていれば、ヴィータが俺に殴りかかってくる。 それを俺は受け入れる

 

「お前、お前!はやてに何をしやがった!!」

 

「何をした? 見ての通り闇の書の封印を解いただけだ、お前らが望んだように、な」

 

「アレが、アレが私たちのしたかったことだというのか!!」

 

「そうだ。 お前らが蒐集し、機能を開放して使おうとしていた代物はああなっていたんだ。 警告していたはずだ、高町なのはもフェイト・テスタロッサも。 それに耳を貸さなかったのはお前たちで、その結果がこれだ」

 

「じゃあ、じゃあ!私たちは間違っていたというの!?」

 

「そんなもの誰にもわかるはずがない、誰にも、な...... どちらにしろ、時間はもとには戻らないんだ。 自分で針を進めたんだ、その責任くらいとるさ」

 

それっきり反応がなくなる守護騎士たち。 自分たちが使おうとした代物がああなっていたのはショックだろうが、戦う気がないのならどっかに行ってほしい、邪魔だ。 すると間髪入れずに殴りかかってくるのは、雑種だ

 

「お前は!お前はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「うるさいんだよ、お前」

 

「がぁ!?」

 

勢いよく殴りかかってきた雑種の拳を受け止め、そのまま身体強化した状態で背負い投げをする。 地面にたたきつけられみっともない声をあげる雑種だが、その瞳に諦めは見られなかった。 はぁ、一発で気絶すればいいものを

 

「あれを見て、何も感じないのか!知り合いだったんだろう!!」

 

「それがどうした? さっきも言った通り、起こってしまったことは変えようがない。 なら、そこからどうするかが問題だ」

 

「お前、は!!」

 

「だからうるさいんだよお前は、これ以上吠えるなよ雑種」

 

「っ!?」

 

立ち上がり俺に言ってくるが、背負い投げが相当なダメージが入ったのかその動きは鈍い。 気絶寸前というところか。 俺が親切に答えれば、弱弱しく拳を握りながらこちらに向かって来ようとする雑種。 俺はそれよりも早く雑種に近づき、鳩尾に拳をお見舞いする。 本気でやりたいところだがやればただでは済まないからな、加減はした。 ようやく気絶したのか、俺にもたれかかってくる雑種。 やめてほしい。 俺は雑種を投げ捨てる。 運が悪いことに、雑種を投げ捨てた方向がビルの柵が壊れており、高層階から真っ逆さまだが問題ないだろう

 

「織ぃぃぃぃぃ!!」

 

フェイト・テスタロッサが向かったし

 

「神木君、だよね?」

 

恐る恐る、と言う感じで高町なのはが近寄ってくる。 なぜそんなに恐る恐るなのかが分からないが、まぁいい

 

「そうだが?」

 

足元に転がっていた二体の人形にとどめを刺しながら応じるとヒッと、小さく悲鳴を上げる高町なのは。 まぁいいが

 

「本当に神木君なの? いつもと、雰囲気が......」

 

「さてな? お前の知っている神木理樹が本当の神木理樹なのか、今の俺が本当の神木理樹なのか...... 会話はここまでだ。 戦う気がないならどこかに行け、邪魔になる」

 

高町なのはとの会話もそこそこに、空を見上げる。 八神はやての姿はなく、代わりに

 

「また、すべてが終わってしまった。 一体、幾たびこんなことを繰り返せばいいのか......」

 

闇の書の意志がいた

 

「闇の書に意志、闇の書の管制融合騎、夜天の魔導書の管制融合騎、まぁ呼び方なんてどれでもいいか」

 

「・・・・・・我は闇の書、ただの道具だ」

 

闇の書が何かを言うと、闇の書の意志は上に手を掲げる。 その手から魔力があふれ出し、圧縮される

 

「広域殲滅魔法か。 フェイト・テスタロッサのところに行け、今は雑種の介抱でそれどころじゃないだろうからな」

 

「で、でも!」

 

「良いから行け、俺なら問題ない」

 

王の財宝から宝具の原点を取り出し、構える。 なかなか動こうとしないが、しびれを切らしたのかようやく動いた。 直後、黒い塊が広がり視界も黒くなる。 ダメージもないから問題ない。 ようやく黒いものが晴れた時、目の前に闇の書の意志がいた

 

「味方をも巻き込み、広域魔法とは恐れ入る」

 

「騎士たちのことを言っているのなら、闇の書の中だ」

 

まぁ、それもそうか。 主のためにと言っているコイツが、家族である守護騎士たちを傷付けるはずがないか。 出していた宝具の原点、盾を王の財宝にしまう。 暢気におしゃべりをするために来たわけじゃないだろうしな、デバイスを構える。 その間に、闇の書の意志は結界をはり終えたようだ

 

「一つ、聞きたいことがある」

 

「・・・・・・」

 

相手は構えていないが、闇の書がある。 油断はしないほうがいい

 

「お前はこうなることを知っていた。 防ぐ手立てもあったはずだ、何故それをしなかった」

 

「・・・・・・」

 

何を言ってもいいわけになる、それは分かっているがコイツ等には知る権利がある

 

「やりたくてもできなかった、そう言っても信じてもらえないだろうがな。 だから軽蔑も罵倒も受け入れる、お前らにはその権利があるからな。 だがな、八神はやては返してもらう。 アイツに言ったからな、必ず助ける、ってな」

 

「お前が、お前がやったことだろう!お前がこの状況にしたんだろうが!!何を今更ぁ!!」

 

闇の書の意志の怒りが反映されたかのようなシューターと言うか刃物の数。 それと同じ数を展開しながら向かってくる闇の書の意志を迎撃する

 

「お前の怒りももっともだ。 だが、俺は八神はやてを助ける、必ずな」

 

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