俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
さて、急いで離れたはいいが正直言ってあのクラスの純粋魔力砲撃だ、この狭い結界の中をいくら逃げたところで意味がない。 適当なところで防御でもしようと思うのだが、そうも言ってられないらしい
「マスター、近くに生体反応が」
「迷い込んだ一般人か? はた迷惑な」
舌打ちをしつつ、ペイルの指示に従い探す。 流石ペイルだ、すぐに見つかったのはいいのだが
「アンタは神木? 何でそんな格好を?」
「神木君」
「・・・・・・」
一般人はアリサ・バニングスと月村すずかで、急にこんな姿で現れた俺に目を丸くしていた。 アースラに通信をいれようにも、魔力砲のせいかどうにもうまく繋がらない。 俺一人ならいくらでもやり方はあるが、この二人を守るのは少し心配だ。
『誰か、聞こえるか』
『神木君? どうかしたのかい?』
『一般人を保護した。 アリサ・バニングスと月村すずかだ。 俺一人だと不安があるから誰か来てほしいんだが』
『アリサちゃんとすずかちゃんが!?』
どうやら全員で来たらしく、勢揃いだ。 まぁそれはさておき、魔力砲もチャージが終わったのか、こちらに向かって微調整をしていた
「なのは、織、それにフェイトまで!」
「みんな何を?」
「そ、それは......」
「話は後だ、ペイル、プロテクションを数枚展開しておけ、焼け石に水だろうがな」
「了解です、マスター」
俺の目の前に展開される数枚のプロテクション、だが言った通りこんなのは焼け石に水だろう。 あまり使いたくないのだが、緊急事態だ仕方がない
「マシュ、お前の盾、借りるぞ」
宝具には原点がある。 それは知っての通りだ。 その原点は人類最古の英雄であるギルガメッシュの蔵、つまり
「仮想宝具、疑似展開!」
仮想宝具が展開し終えると共に砲撃が直撃する。 何重にも展開したプロテクションは文字取り紙のように脆く、一瞬で崩れ去った。 ガンガン魔力を放出してはいるが、流石にこの物量を防ぎきることは不可能なのか徐々に押されていく。 だが、負けるわけにはいかない。 後ろには、今回の件に何も関係ない
「なるほど。 余計なことをする」
幻聴だろう、アイツ等はまだ呼んでいないし。 だが、頑張ってと言われた。 だから俺は、砲撃が終わるまで耐える。 徐々に力も弱まっていき、ようやく砲撃が終わる
「ほんと、阿保みたいな魔力だな......」
魔力を大量に放出したせいか、身体がかなり怠いが問題ないだろ。 後は両手が痛いくらいだが、こちらは治癒魔法をしているので痛みも引いてきている。 盾を王の財宝の中にしまい、前を見据える。 アレだけの魔力を放出したにもかかわらず、闇の書の意志は健在だった。 それどころか、ピンピンしている
「ねぇ、アンタたちは」
「ごめんアリサちゃん、すずかちゃん...... 後でちゃんと話すから」
「なのはちゃ」
後ろから気配が消えた。 どうやら転送したようだ。 と言ってもこの結界だ、安全なところに転送しただけで結界内に居るのだろうが
「ユーノ、アリサ・バニングスと月村すずかを頼めるか? いくらアースラでも、この結界から出すのにはそれ相応の時間がかかるはずだ」
「君たちが遠慮なく戦えるように、だね」
俺の言いたいことをわかっているのか、頷いてくれるユーの。 流石空気が読めるな、ついでに雑種もつれて行ってくれると嬉しいのだが。 ユーノとアルフは飛び去って行く。 なるほど。 あくまで目的は俺たち、と言うわけか。 直後、地面から勢いよく炎の柱が上がる
「早いな、もう崩壊が始まったのか」
「崩壊?」
「もう私も時間がないというわけか、そしてこの星も」
「崩壊って、まさか!?」
「くっ!!」
「落ち着け雑種、無策で突っ込んだところで結果は変わらない」
この星と聞いた瞬間突っ込もうとした雑種だが、バインドで縛り転がす。 本当に世話のかかるやつだ
「お前たちに咎がない、いや、神木理樹、貴様は別だ。 貴様だけは暴走前になんとしてでも」
「殺す、か? さっきも言った通り軽蔑も罵声も受けよう、だが八神はやては助ける、そう言ったつもりだが?」
「貴様さえいなければ!貴様さえいなければ、こんなことにはならなかった!!」
「逃げるのはやめろ。 守護騎士たちがページを集め続ける限り、どのみちこうなっていた違うか?」
「それでも、今日ではなかったはずだ!少なくとも、こんな日にこんなことは起こらなかったはずだ......」
「・・・・・・」
こんな日。 今日はクリスマスイブ。 確かに静かな聖夜を過ごせていたはずだ。 だが
「だがな、起こってしまったことは戻らない。 なら進めるだけだ」
「お前と主が出会わなければ!」
「・・・・・・」
なおも続く罵倒に、俺は口を閉ざす。 こいつは本の中からとは言え、八神はやての隣にずっといた。 隣で見てきたこいつには、言う権利がある
「タラれば話か、私らしくない...... 私はただ、主の命を果たすのみ。 ただすべてを壊して、終わらせるのみだ」
「はやてだって生きてる、シグナムたちだって!」
「もう遅い、すべてが遅いのだ。 闇の書の主の宿命は始まった時が終わりの時だ」
「終わりじゃない!まだ終わらせたりしない!!」
デバイスを構える高町なのはとフェイト・テスタロッサ。 だが、闇の書の意志は興味を示さない。 闇の書は妖しく光り、地面からは変な生物が。 いや、蒐集でリンカーコアをとられた生物か? 資料で見たような気がする。 高町なのはやフェイト・テスタロッサは手足を縛りあげる程度だが、俺は特別らしい。 かなりの数が俺を囲う
「泣いているのは諦めたくないからじゃないの!? 本当に全部諦めているなら、泣いたりなんて、しないよ!!」
「我は道具だ。 この涙は優しい主のものだ」
収束砲。 範囲は俺たちを軽く覆うものだが、このくらいなら
「呪相、炎天」
生物と砲撃を焼き払うならこのくらいで十分だ。 高町なのは達は自力脱出したらしい
「伝わらないんだったら何度でも言うぞ」
「助けたいんだ、貴女のことも、はやてたちのことも」
直後、火柱の後は、石の柱だった。 石の柱が地面からせり上がってくる。 どんどん時間が無くなってきているようだ。 だが、どうすれば?
「主や騎士たちの最後の思いを」
「この、駄々っ子!!」
ソニックフォームのフェイト・テスタロッサはその機動力を生かし急接近するが、闇の書はの意志は何もせずに突っ立っている。 いや、どういうことだ? 嫌な予感がした俺は、闇の書の意志が展開した魔法陣に触れる前にフェイト・テスタロッサを吹き飛ばす
「なっ!?」
「バカかお前は。 こんなもの、普通に考えても罠だろう」
それで、その代わりに魔法陣に俺が触れているのだから世話がない
「お前にも心の闇があるのだな」
「あー、ほんとままならないわ」
まさか吸収されるとは。 だんだんと意識が闇に染まっていく
「神木君!!」