俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
~なのは視点~
「神木君!!」
「なのはやめろ!」
「離して!神木君が!!」
「ダメだよなのは!なのはまで吸収されちゃう!!」
神木君が吸収されてしまった。 フェイトちゃんをかばって。 それを見ていることしかできず、気が付いた時にはもう神木君は吸収された後で...... そんな風に取り乱した私を、フェイトちゃんと織君が二人係で止めている。 でも、闇の書さんは何処か遠くを見ながらつぶやく
「我が主もあの子も、醒めることない眠りのうちに終わりなき夢を見る。 生と死の狭間の夢、それは永遠だ」
「永遠なんてない!私が救い出して見せる!!」
フェイトちゃんと織君を振り払い、レイジングハートを構える。 でも、闇の書さんはやはりどこか遠いところを見たままだ
「例え、それを本人が望んでいなくても、か?」
「え?」
本人が、神木君が望んでいない?
「どういう、こと?」
「いや、私が言えた事ではないか...... さっきまで、彼のことを責めていた私が」
「どういうことなの、神木君が望んでいないって!答えてよ!!」
ようやくこちらを見たと思ったら、その瞳はどこか悲しそうで。 答えを聞こうとしてもはぐらかされる
「彼が言わないなら、私が言うことではない」
「望んでいようがいまいが、関係ない。 アイツがこれまでしたこと、それを謝らせていないから。 だから俺が連れ戻す」
「ふっ...... 何も知らない、と言うのは幸せなものだな藤森織。 彼は自分のことを道化だというが、お前のほうがよっぽど道化ではないか」
「なに!?」
「織、抑えて!織やなのはのことを全然知らないのに、惑わすようなことは言わないで」
「お前もだぞ、フェイト・テスタロッサ。 まぁいいさ、知らないということは知る必要のないこと。 知らないほうが幸せな真実もある」
そう言って、構えをとる闇の書さん。 頭の中はごちゃごちゃで考えもまとまらないけど、やらなくちゃ
「はぁ!!」
一瞬で距離を詰められ、拳を振るわれる。 何とかレイジングハートで受けたけど、かなり手がしびれてる
「なのは!この!」
フェイトちゃんがバルディッシュを振るうけど、そこに闇の書さんの姿はなく数メートル離れたところであの紅いナイフを用意していた。 短時間であんなに!
「穿て、ブラッティダガー」
「アクセルシューター!!」
「フォトンランサー!!」
「「シュート!!」」
フェイトちゃんと私で何とか数を減らし、避けられるようにはなったけど。 織君がいない
「織!接近戦は危険だよ!」
いつの間にか織君は紅いナイフの弾幕を超え、闇の書さんに接近戦を挑んでいた。 フェイトちゃんの言うように危険なはずなのに、止まる様子はない
「フェイトちゃん!」
「わかってる!」
織君は向かっていったけど、投げ飛ばされはるか彼方に。 それを追いかける闇の書さんにフェイトちゃんと一緒に闇の書さんに砲撃を発射するけど、まるで効果がない
「フェイトちゃん!私は良いから、織君を!」
「わかった!」
ソニックフォームで織君に追いつくフェイトちゃんを確認しつつ、私はその場で停止しカートリッジをロードする
「レイジングハート」
「イエス、マスター」
これで防御を抜けるかわからないけど、足止めにはなるはず!織君もフェイトちゃんもまだ体勢を立て直せてないし、それくらいの時間になれば!
「ディバイン、バスター!!」
「・・・・・・」
足を止めるのには成功したけど、プロテクションを抜けてる感じがしない。 確かにカートリッジ一発分でチャージもあまりしてないけど、それにしたって。 硬い。 硬すぎる
「なのは、そのまま!ハーケンセイバー!」
フェイトちゃんが魔力刀を飛ばすけど、防がれる。 二か所同時はさっきも防がれた、でも三か所なら?
「もらった!」
織君の放った砲撃が直撃するかと思われたけど、闇の書から砲撃が出て、織君はそれに飲み込まれる。 そして、私やフェイトちゃんにも赤いナイフが迫っている
「くぅ!」
砲撃を素早くやめ、プロテクションを展開することでダメージはなかったけど、闇の書さんの接近を許してしまう
「沈め!!」
プロテクションを慌てて展開するも、その上から殴られて勢いよく海に落ちる。 途中で海面からせり出た岩に当たったけど、バリアジャケットのおかげでダメージはない。 少し離れた海面からせり出た岩が地面のようになったところから様子をうかがう。 闇の書さんの周りには、フェイトちゃんや織君の姿はない。 私と同じように海に?
『なのは』
『フェイトちゃん、無事だったんだね!』
『うん、織も一緒』
フェイトちゃんたちもあの後海に落とされたらしく、こことは別の陸地になったところで様子をうかがっているようだった。 そこまではよかったけど、これからどうするか
『砲撃は通じないから、接近戦?』
『でも、あの防御力が......』
『やっぱり』
『フルドライブ?』
私もフェイトちゃんも同じ結論に至ったらしい。 フルドライブ。 私はエクセリオンモード、フェイトちゃんはザンバーフォームがそれにあたる。 フルドライブは長く使うと体に影響があるらしいけど、今の状況ではそれしかない
「行こう、レイジングハート」
レイジングハートを持つ手に力を籠める。 それに呼応するかのように、レイジングハートの形が変わる
「フルドライブ、エクセリオンモード!!」
フェイトちゃんと織君も、示し合わせたように闇の書さんに向かっていいく。 カートリッジをロードし、チャージを始める
『織君、フェイトちゃん!』
頷いて離れるフェイトちゃんと織君、その時にバインドで動きを封じてくれる。 一瞬だけど、その一瞬さえあれば!
「バスター!!」
直撃したみたいだけど、煙が邪魔でよく見えない。 でも、これで駄目なら......
「驚いたな」
「「「っ」」」
その声とともに現れる闇の書さん。 目立ったダメージは、掲げている手のグローブが焦げてなくなっていることぐらい
「お前たちも眠れ、よくやった」
掲げていた手を下ろし、そう呟く闇の書さん。 その声は相変わらず苦しそうで、悲しそうだった。 でも
「いつかは眠るよ...... でも、それは今じゃない!!」
「行くよ!」
『フェイトちゃん、時間稼ぎ、お願いできるかな』
砲撃で闇の書さんを牽制しつつ、フェイトちゃんに念話をいれる
『いいけど、何か作戦があるの?』
『ちょっと、ね』
『わかった、なのはに任せる』
「レイジングハート」
「ACS、スタンバイ」
エクセリオンバスターACS、ストライクフレームを展開し、相手のプロテクションなどを貫通してゼロ距離で砲撃を当てる技。 もちろんゼロ距離で砲撃をするわけだから、私も...... でも、今はなりふり構ってる場合じゃない。 はやてちゃんや神木君を救い出さなきゃ
「ストライクフレーム」
「エクセリオンバスターACS、ドライブ!!」
「なっ!?」
「なのは!」
かなりの距離離れていたはずなのに、一気に闇の書さんに接近する。 急いでプロテクションを展開したみたいだけど踏ん張ることはできず、そのまま私の押す力に負け壁に激突する。 壁を何枚も抜き、ようやく止まったけど闇の書さんのプロテクションは抜けない
「フェイトちゃんが隙を、レイジングハートが力を貸してくれてる。 だからお願い、届いて!」
押し返されそうになるけど、カートリッジをロードして、無理やり押し込む。 そのかいあって、ようやく届いた
「ブレイク、シュート!!」
「くっ!?」
ほぼゼロ距離、プロテクションを抜いてのバスター直撃。 これなら
「あぁ、まさかここまでやられるとは思わなかった」
「え? っ!?」
煙と共に現れた闇の書さんは服がところどころ焦げ、擦り傷をいくつも負っていた。 でも、私もフェイトちゃんも織君も、捕まってしまった
「お前たちはよくやった、だからもう、眠れ」