俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
冗談はさておき、皆さん大切なこと忘れてませんか? ネタバレよりも先に、イベントがありますよ?
「あのバカげた威力を発揮する剣と貴方の底なしの魔力、サーヴァントと名乗る貴方の使い魔、すべて説明しても答えるかしら、神木理樹君」
「はぁ...... 何度も言っているように、あのバカげた威力を発揮する剣は乖離剣エア。 正確に言うなら、その最高出力であるエヌマ・エリシュを発動した状態がバカげた威力を発揮するわけですが。 宝具、つまり過去の英雄たちの逸話、アーサー王ならエクスカリバーなどの中でも、あの剣だけは異彩を放つ。 最古にして、最初の英雄が使った人類最古の地獄の再現と言ったところでしょうか。 続いて底なしの魔力に関しては、制限を付けた状態で無理やり持たされた、と言うのが正解ですね。 続いてサーヴァントに関してですが、アイツ等を使い魔と呼ぶのはいくらリンディ提督としてもやめていただきたい。 俺の家族、何ですから」
「・・・・・・その説明で納得しろと?」
「納得しろも何も、事実ですから。 それに、馬鹿正直に話したところで、今の貴女では全部信じないでしょう?」
アースラに戻ってきた俺を持っていたのは、艦長であるリンディさんの取り調べ。 これまでの行いと、最後のエヌマエリシュは到底看破できるものではなく、事情を聞く必要がある。 そういう体で連れてこられたが。 同じ話を何回もさせられたためか、俺も態度が悪くなってきていた。 ぶっちゃけ、ここに拘束されてから結構な時間がたっている。 戦闘の疲れもあるし、そろそろお暇したいところだ
「何度も言うけど、これは貴方のためでもあるの。 そんな力を持っていれば、管理局にいいように使われるのは目に見えてるわ。 それを防ぐためにも、ここで正確な能力を把握しておかないと......」
「俺自身、蔵にあるものすべて把握しているわけじゃないですよ。 それこそ、色々なものの原点が蔵には収納されているわけですしね。 この問答も何回もしましたよ......」
リンディさんが本気で心配してくれているのは分かるが、こうもしつこいと邪推してしまいそうになる。 ため息をつきながら、俺は天井を見上げた
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「はぁ......」
ようやく調書も終わり、部屋の外に出る。 座りっぱなしだったせいで、身体が固まっていた。 俺は体をほぐしながらアースラ内を歩く。 誰ともすれ違うことがないが、まだ事件の後処理で忙しいのだろう。 俺も一応嘱託魔導士として登録されてはいるが、今回の独断専行、命令無視、虚偽申告等で謹慎だそうだ。 まぁ、上にも俺のことはどう報告するかが問題なので、そこら辺をどう誤魔化すのかは俺の専門外だ。 玉藻たちも今回の事で、魔導士として登録されることになったらしい。 と言っても、俺の部下でアースラ内だけの登録にとどめるらしいが。 そんなわけで、これからもまだ調書はちょこちょこあるらしいが、今回の件は蹴りが付いたようだ。 俺は謹慎なので、とっとと家に帰ることにするが
「神木」
「クロノか」
少し気まずそうに声をかけてきたのはクロノ。 戦闘もこなし、これから書類仕事とは恐れ入る。 どこか話辛そうにしているクロノに、俺から声をかける
「色々とすまなかったな。 今回の事もそうだが、前回の
「・・・・・・」
「お前らの善意に付け込んで騙していたんだ、許されるとは思っていないが謝らせてくれ。 すまなかった」
そう言って頭を下げる。 仕方ない、そんな言葉では片付かない。 今はもう命の危険がなくなったためこうやって素直に話すことができるが、謝ってすむ話ではない。 リンディさんには調書の時に話したが、クロノにはアースラに連れてこられるときにすべてを語った。 荒唐無稽な話だが、クロノは黙って聞いてくれていた。 それからすぐに調書だったので、話してから話すのはこれが初めてだったりする
「・・・・・・謝らないでくれ。 君は自分のやったことが間違いだったと思うのか?」
「・・・・・・どう、なんだろうな? 自分でもわからないさ。 何が正しくて、何が間違っていたのか。 やりようはいくらでもあった。 ジュエルシード事件だって、もっとスマートなやり方があったはずだ。 今回の件だって、先に八神はやてに知り合っていたんだ、忘れてたとはいえもっとスマートにできたはずだ。 未来視で見た未来のために、俺はあえて見てみないふりをした。 その結果が今現在さ」
「確かに、君のやったことは許されることじゃない。 犯罪行為だっていくつもある、証拠がないけどな。 だがそれによって助かった命もある、そうじゃないのか?」
「・・・・・・アリシア・テスタロッサとプレシア・テスタロッサのことか?」
本来の歴史なら、助からなかった二人。 そのことを言ってはいないはずだが、俺との会話で察したのか? 流石執務官と言うべきか、何と言うか。 まぁ、別にばれても問題はない
「胸を張れ、とも言わないさ。 君のした行為は間違ったものもある。 でも、必要以上に自分を貶めるのは、僕は許さない」
そう言って俺を睨みつけてくるクロノ。 本当に、何で俺みたいなのをそこまで気にするのか。 そこまで俺を気にする理由は分からないが、ありがたく思うと同時に、どこか悲しい気持ちになる。 それを悟られないように背を向け、歩き始める
「・・・・・・ほんと、お人好しだよ、お前」
「君に言われたくないさ」
俺のどこが優しいというのか、そのクロノの言葉には答えず俺はアースラ内を歩く。 すると、見知った顔が
「八神はやて?」
「理樹君!!」
車いすを漕ぎながら、どうも焦った様子だ。 周りに守護騎士がいないことを不審に思いながら、声をかける
「どうした?」
「リインフォースが、リインフォースが!!」
「リインフォース? あぁ、管制融合騎か」
少し眠いため頭がボーっとしていて、リインフォースと言われて誰かとも思ったが、管制融合騎の新たな名前がそんなんだったと思いだす。 それにしても八神はやての周りに居ない守護騎士、それにリインフォース。 いよいよ怪しくなってきた
「それで、リインフォースがどうしたって?」
「消えようとしてる!!」
「・・・・・・・」
未来の記憶がごっそりとなくなているためわからないが、多分これは原作通りなのだろう。 ペイルに聞いてみれば一発なのだが、今は解析に回されているため手元にはない。 これだけではよくわからないので、詳しく聞いてみることにする
「消えようとしているって、どういうことだ?」
「わからない、分からないけど、なんとなくわかるんや!だから理樹君、お願い!リインフォースを助けて!!」
そう言って俺に泣きついてくる八神はやて。 これも、俺がこの世界を引っ掻き回した影響なのか、それとも正史なのか...... わからないが
「リインフォースはお前に何も告げずに行くつもりだった。 つまり、何らかの理由や覚悟がある。 お前はそれお踏みにじりたいのか、八神はやて」
「そんなの関係ない!私がいてほしい、そう思うからお願いしてるんや!!あの子たちの主は私や!!」
「お前もつくづく傲慢になったな。 リインフォースの覚悟を踏みにじるとか」
「どっかの誰かさんの記憶みたからやな」
「はぁ......」
なんというか、負い目を感じているからか俺も甘い。 デバイスなしでの魔法なんてお手の物だ。 謹慎中だから使いたくはないが、まぁ別に構わないか
「もう一回確認するぞ、八神はやて。 さよならを言わないということは、それ相応の覚悟を持って消えたようとしたということだ。 お前はそれを踏みにじることになるが、いいのか?」
「このまま離ればなれは嫌や。 あの子には、これまでがこれまでやったんや。 幸せになる権利がある」
「・・・・・・そうか」
「もちろん、理樹君もやで?」
そう言って俺の顔を覗き込んでくる八神はやてだが、それに目を合わせず転送を開始する
「そう言えば場所分かるん?」
「上空から探せば何とかなるだろ」
「・・・・・・私は?」
「もちろん浮遊魔法はかける」
「なら、よろしくな理樹君」
「別に連れて行くだけだ。 本当にリインフォースが消える気なら、俺は止める気はないからな八神はやて」
「はやてでええよ?」
「・・・・・・転送」