俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
~なのは視点~
「やはりこうなったか......」
「クロノ君?」
どこか諦めた様子で神木君の立っていたところを見るクロノ君。 もしかしてだけど、クロノ君は何かを知っているの? そう思っても、どうしてだかわからないけど聞くことができない。 少しの間神木君の立っていたところを見つめていたクロノ君だったけど、何時もの表情に戻ってこちらを向く
「この空気ではパーティーどころの話じゃないな、悪いが帰らせてもらってもいいだろうか? この後、なのはの家族に魔法の説明があってね」
魔法の説明。 今日はクリスマスということもありうちのお店、翠屋は忙しい。 こうやってすずかちゃんたちにクリスマスパーティーに誘われていたし、魔法の説明もしなきゃいけないと思って夜にしていた。 外を見れば、いつの間にか暗くなっていて、雪も降り始めていた
「うーん...... 流石にこの空気でやるのもちょっと、それに勝手に帰った人もいるし......」
「私も構わないわ」
ちょっと困った顔のすずかちゃんにアリサちゃんも同意する。 さっきまでの楽しい空気はなくなり、どこか気まずい空気になりつつあるパーティー。 私も、この空気の中では流石に遠慮したいかなぁ...... でも、そんな解散の雰囲気に待ったをかけたのは、はやてちゃんだった
「あー、ちょっと待ってほしいんや」
「はやて?」
「はやてちゃん?」
どこか気まずそうに、そしてめんどくさそうに頭をかくはやてちゃん。 リインフォースさんを近くに呼び、夜天の書を受け取っていた。 何をするのかわからず私たちが首をかしげていると、はやてちゃんは説明をしてくれる
「あー、まぁ、簡単に言えば理樹君の記憶をダイジェストで見せる、そう言うことやな」
「記憶を見せる?」
「どういうこと?」
魔法に詳しくないアリサちゃんとすずかちゃんは首をかしげてこっちを向くけど、私だってわからないよ!? 私は手を前に出し、首と一緒に横に振る。 私たちがそれを行っている時、クロノ君もわからなかったのか聞いてくれる
「どういうことなんだ、はやて」
「闇の書の時理樹君を取り込んだやろ? その影響で、理樹君の記憶も夜天の書に記録されてるんや」
「なるほど。 アリシアは解せないが、君と神木が仲がいいのはそういう理由か」
「ま、そう言うことやな。 騎士のみんなも、理樹君のことに関しては一応許してるみたいやしな」
そう言ってはやてちゃんがヴィータちゃんたちを見ると、複雑な表情をしながら頷いていた。 記憶を...... だからはやてちゃんと神木君は仲がいい。 そう言われても、私は何処か釈然としない気持ちだった。 それに気づかないふりをして、話に耳を傾ける
「理由は分かったが、記憶を見せる意味は?」
「理樹君のこと、勘違いしてほしくないんや」
「勘違いも何も、アイツは」
「黙っとき」
織君が何か言おうとするけど、はやてちゃんは鋭い視線で黙らせた
「藤森織、アンタが理樹君を語るな。 特にアンタが」
「はやては知らないかもしれないけど、神木は」
「フェイトちゃんもや。 私が何も知らないと思ってるようやけど、全部
「見てきたならアイツの酷さは!」
「フェイト、そこまでだよ」
「お姉、ちゃん?」
なおもヒートアップしそうになったフェイトちゃんを止めたのは、アリシアちゃんだった。 でも、何時ものアリシアちゃんと違う気がする。 アリシアちゃんは元気一杯と言うか天真爛漫と言うか、ともかく明るくて突っ走るようなイメージだけど、今は違う。 どこか落ち着いていて、少し冷たい感じがする
「そこまでだよフェイト。 あまり知らないのにそれ以上言っちゃだめだよ」
「知らないって、私だって嫌がらせを」
「言い方が悪かったね。 一側面しか知らないのに、ううん、知ろうとしなかったのにそんなこと言ったら駄目だよ。 まぁ、理樹がそこらへん徹底していたからだけどね」
「ん、まぁ、そやな。 ばれないように徹底してたし。
苦笑しながらいつもの雰囲気に戻るアリシアちゃんに、同意するはやてちゃん。 少し、よくわからない気持ちになりながら話をじっと聞く
「そういうのは後にしてくれ、あまり夜遅くになるのもこちらとして好ましくないんだ。 それで、見せるといったがどうやってなんだはやて?」
「おっと、そうやった。 そんなものは、夜天の書に集まった叡智で何とかなるやろ」
「意外に行き当たりばったりだな...... だが、いいのか?」
「そのいいのか、が私の思った通りならいいやないかな? 方法をこっちに任せたのは理樹君やし、私としてはちょっとした意趣返しができるし」
「はぁ......」
クロノ君は頭を抱えつつも、特に否定的な意見を出さなかった。 ということは良いってことなのかな? その間にも、はやてちゃんはリインフォースさんと一緒に準備を進めていく。 それを数分やれば準備完了したみたいだけど
「あ、なのはちゃんレイジングハート貸してもらえる?」
「え? な、なんで?」
「流石に夜天の書から空間に映し出すのだと雰囲気出ないから、レイジングハートから映し出そうかなぁ、と。 ダメやったらいいんやけど」
「え、えっと、はい」
一応、レイジングハートに聞いたらOKが出たので、戸惑いながらもはやてちゃんに渡す。 それを受け取り、満足そうに頷くはやてちゃん。 その去り際に
「一応言っておくけど、多分なのはちゃん的に辛い記憶になると思うで。 見たくなかったら見なくてもいいと思う、一応レイジングハートにデータは入れとくからあとで見てもええで」
「え?」
聞き間違いかと思いはやてちゃんを見るけど、にっこりと笑ってこっちを見ていた。 それも一瞬で、すぐに準備を始めていた。 気のせい、だった? 違う、そんなはずないけど。 私にとってつらい記憶? どういうこと、なの? そんな私の思いとは裏腹に、頭が少しずつ痛くなってくる。 この頃はそんなことなかったのに、少しずつ痛みが増してくる。 まるで、これを見ないほうがいいといわんばかりに。 でもその一方で、私は見なければいけないと思う。 どうしてって聞かれるとわからないけど
「なのは、顔色悪いけど大丈夫なの?」
「大丈夫、アリサちゃん」
「椅子は用意しておくから、辛くなったらいつでも座ってね?」
「すずかちゃんもありがとう」
アリサちゃんとすずかちゃんに心配をかけちゃったみたいだけど、今はそんなことを気にしている余裕はない
「それじゃあ、上映開始や。 レイジングハート、たのむで」
はやてちゃんがそうやって声をかけると、レイジングハートは答えるように点滅する
~なのは視点 end~
タイトルは適当です
感想が意外に多くてびっくり。 それはさておき、次回はいよいよネタバレ回! お待たせしてすみません