俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
いやね、理由はありますよ? もうね、前と同じことになってるのは分かってるんですが、前の感想言われる前にこれが書き上がっていたわけでして...... そんなわけで許してください(土下座
「それで、お前は記憶を取り戻しに来た、そういうことで間違いないな?」
相変わらず泣きじゃくる高町なのはに確認すると、一応頷いていた。 それを見て、頭を掻きながら一応警告をする
「忘れているなら、それでいいんじゃないか? 思い出したら思い出したで、辛いだけかもしれないぞ?」
「それでも、それでも思い出したい...... 辛いからって逃げてたら、神木君と、向き合えない、から」
「・・・・・・」
頑固者と言うか、何と言うか。 つっかえつっかえになりながらも、自分の意志を言葉にする高町なのは。 瞳は涙にぬれているが、その目には確かに覚悟があった。 この世には、知らないほうが幸せということがあるのにな。 俺は王の財宝を開き、中から瓶を取り出し机に置く
「お前にそこまでの意志があるのなら、俺からは何も言わない。 これがその記憶の封印を解く薬だ。 たぶん、その記憶はお前にとってつらい記憶だがな」
「・・・・・・」
何のためらいもなく机に置いた瓶を手に取り、一気に飲み干す高町なのは。 飲み干した直後は何ともなさそうだったが、いきなり気を失う高町なのは。 それを一応受け止め、玉藻たちが場所を空けたソファーに寝かせる。 気を失ったようだが、顔色などは別に悪くない
「大丈夫なんですか、マスター?」
「わからんが、何かあったらやばいから様子見だな」
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~なのは視点~
いつの間にか、気が付いた時には私は公園に立っていた。 近くってわけじゃないけど、小さいころによく行っていた公園。 さっきまで神木君の家に居て、神木君と話していたはずなのに。 いつもより視線が低い、それに気が付いたのはブランコに乗ってから。 それをおかしく思いながら私は、サッカーをしている小さな子たちを見ていた
「いいなぁ......」
不意に漏れた言葉、でも私はそんなことを思っていない。 頭を振りながら、私は訳が分からなくなる
「あのさ、帰らないの?」
「え?」
訳が分からずボーっとしていた私だったけど、声をかけられてハッとする。 それと同時に、顔を上げるとさっきのサッカーをしていた子が声をかけてくる。 いつの間にか夕暮れで、辺りは暗くなり始めている。 帰らなきゃと思うけど、体は動こうとしない
「か、帰らないのかなーって」
「・・・・・・まだ、帰らない」
「でも、もう暗くなってきてるし、お家の人心配しない?」
「・・・・・・」
この子、見覚えがある。 誰だったか思い出すために考えていたけど、頭に靄がかかったような感じで思い出せない。 不意に会話に意識を向けると
「そうだ僕、神木理樹。 君は?」
「・・・・・・高町なのは」
「なのはちゃんだね!なのはちゃんのお家に行こう!」
「・・・・・・うん」
神木、君? でも神木君は、もっと背が高くて...... そこまで考えて思い出す、私が薬を飲んだことを。 これは、私の記憶? 封印した? そう考えれば納得した。 いつもより低い視線に、小さい神木君。 私は今、封印されていた記憶を追体験していると
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どうして、こんな大切なこと忘れていたんだろう...... 理樹君が封印したって言ってたけど、それでもこの記憶は忘れられるものじゃなかったはずなのに...... 理樹君にお母さんたちのことを相談して、勇気を持って話し合いしたらちゃんとわかって貰えて。 運動が得意じゃない私を、みんなの輪の中に入れてくれたこと。 他にも一杯、いっぱい大切な思い出があったのに......
~なのは視点 end~
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眠ってから一時間ぐらいが経った。 だが、今だ高町なのはは起きる気配がない。 流石にあの記憶の封印の薬を使ったのは高町なのはが最初で最後なので、これが普通なのか異常なのかが分からない。 あまり長く寝るようなら、強制的に起こすのも視野に入れないとだめか。 そんなことを考えていると、高町なのはは寝ながら涙を流していた。 器用だな、こいつ。 涙を拭いてやりつつ、そんなことを考えていた。 すると、瞼がかすかに震え始めた。 ようやくか、そう思いながら高町なのはから離れる
「ん......」
体を起こしながら、ゆっくりとあたりを見回す高町なのは。 そして、俺が目に入ると目を見開きながら泣き始める。 いや、こんな状況どうしろと? そんな高町なのはに戸惑っていると
「ごめん、なさい」
「はぁ?」
「ごめんなさい、理樹君との大切な記憶忘れて、あんな態度取って」
何を言い出すかと思えば...... 呆れてため息をつきたくなるが、ぐっとこらえる。 忘れても何も、記憶を封印したのは俺だ。 それなのに、なぜ高町なのはが謝る必要があるのか。 責められることはあっても、まさか謝られるとは思ってなかった
「その記憶を封印したのは俺だ。 文句を言われることはあっても、謝られることはないと思うが?」
「でも、忘れていい記憶じゃなかった!独りぼっちだった私に、理樹君は色々なものをくれた!お母さんたちと仲直りさせてくれたし、一緒に遊ぶ仲間だって。 でも、でも!それをくれた理樹君を忘れていたなんて!」
「
「でも、辛く当たったのは!」
一向に人の話を聞こうとしない高町なのは。 流石にこう何回も、同じこと言わされるのは俺も怒る
「いい加減にしろ!」
「っ!?」
「俺の記憶見たのなら、知ってるんだろ。 俺は生き残るためにお前たちを利用した。 それは、どうあっても変えられないんだよ。 お前たちの好意を、優しさを、想いを、利用して踏みにじった。 それは紛れもない事実だ、たとえ命がかかっていたとしてもな」
「それ、でも、私は......」
「・・・・・・」
目尻に涙をためながら、それでもと手を伸ばす高町なのは。 だが、俺にはその手を取る資格はない。 その手に気が付かないふりをして、俺は高町なのはに背を向ける
「帰ってくれ、これから出かけるんだ。 用件は済んだだろ」
「・・・・・・ぐすっ」
少しづつ気配が遠ざかっていく。 顔は分からないが、多分泣いてるんだろうな。 胸は痛むが、知らないふりをする
「あぁそうだ、ずっと言おうとしていたことがあったんだ」
「・・・・・・」
そう言うと足を止める高町なのは。 記憶が戻ることが万が一あったとして、ずっと言おうとしてたのだ。 今言うべきじゃないのは分かっているが、今を逃したらずっと言えない気がするしな
「なのは、お父さん退院してよかったね」
「っ!?」
振り向く気配がするが、俺はそのまま台所の奥に消える。 ようやく、玄関の扉の音がする
「ふぅ......」
「よかったのですかマスター、あれで」
「良いも悪いもないさ、リリィ。 俺にはあの手を取る資格はないしな」
「逃げているだけ、じゃないんですか?」
「リリィさん、それ以上は怒りますよ」
「よせ玉藻。 確かに、そうかもしれないな」
一息つき、天井を見上げる。 逃げてるだけ、か。 確かに、そうかもしれないな。 リリィの言葉に同意しつつ、本当に人生はままならない。 そう考えつつ、立ち上がる
「マスター?」
「着替えて散歩でも行ってくる」
「なら、私がお供いたします、マスター殿」
「好きにしてくれ」
そう言いながらリビングを出る。 これからのこと、真面目に考えないといけないかもな