俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第九十四話 男たち

「謹慎中なのに朝からいきなり来て、仕事をさせろとは...... 一体何があったんだ?」

 

「ま、細かいことは気にするな」

 

高町なのはが記憶を取り戻した次の日、俺はアースラに来ていた。 家が知られた以上、家に居れば誰が来るかわからないからな。 そういう意味で、俺はアースラに来ていた。 別に逃げたとか、そういうわけではない

 

「君の場合は、そう言って何かあるからな。 出来るだけ早く解決してくれ、今までのようにフォローはしないからな」

 

「へいへい」

 

相変わらず正直ではないクロノに適当に返事をしつつ、今回の闇の書事件に関しての書類を進める。 と言うかクロノ、何だかんだ言って書類やらせてるじゃないか。 正直にそんなことを言えば、クロノが不機嫌になって仕事をやらせてくれないのは目に見えているので言わない

 

「にしても、ちゃんと寝てるのかお前」

 

書類を進めながら、俺はクロノに聞く。 目の下のクマはすごいし、頭はぼさぼさだ。 仮眠などはとっているのだろうが、ちゃんと寝てないだろコイツ

 

「まぁ、君に嘘をついても仕方ないと思うが寝てはいる。 と言っても仮眠をとったりするぐらいだが」

 

「やっぱりかよ...... ある程度終わらせたら寝ろよ? 俺だっているんだし、ちょっとは楽になったろ?」

 

案の定ちゃんと寝てないらしい。 まぁ、身体のことは本人が一番わかっているだろうし、あまりうるさくは言わないが

 

「元々そのつもりさ。 ちょうどキリのいいところまで終わったところだ、艦長に提出したら少し寝てくる」

 

「あいよー」

 

今やった書類を持ち、部屋を出るクロノ。 俺はそれに返事をして、書類を進めた

 

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「おお、ゾンビが一杯いる」

 

「失礼すぎやしないか、君」

 

四時間くらい寝てクロノはすっきりしたのか、髪を整えて部屋に戻ってきた。 俺はその時書類と格闘していたが、昼時ということもあり食堂に来ていた。 俺が言った通り、食堂は徹夜明けのアースラスタッフが集まっており、のろのろ歩くその様はまさにゾンビだ。 かなり不気味な食堂だが、俺たちは特に気にせず隅っこの席に座り食事をとり始める

 

「みんなこんな様子ということは、闇の書事件の後処理は大変そうだな」

 

「あぁ。 まだアルカンシェルを使わなかったからよかったものの、やはり事件が事件だ。 君のことも含めて、慎重に事を進めないとな」

 

「あー、まぁその、何だ? 迷惑をかけるな、すまん」

 

「いや、気にしてないさ。 管理局(こちら)としても、得るものが多いだろうからな」

 

俺が謝れば、苦い顔をしながら言うクロノ。 まぁ、今回の件、リインフォースや夜天の魔導書が残ったのだ、それは管理局その上層部にとってかなりの収穫になるだろう。 それに長い間管理局を苦しませた闇の書事件も終わりを告げたのだ、管理局にとってはこれほどうれしいことはないだろう。 まぁ、そんなことはどうでもいい。 俺が助けられたのはクロノたちで、管理局ではない。 今回の事がどこからか漏れて、お上が何か俺にチョッカイをかけてくるようなら、その時は秘密裏につぶせばいいだけだ

 

「珍しい組み合わせだね」

 

「ん? ユーノか」

 

そんな風に会話をしていると、声をかけてきたのはユーノだった。 俺は口の中に食べ物があったので、会釈をする。 そんな俺に会釈を返しつつ、クロノの横に座るユーノ。 そのころには俺も口の中ものもがなくなり、改めて挨拶をする

 

「そこまで珍しくは...... あぁ、人前だと控えていたから。 とりあえず改めて、こんにちはユーノ」

 

「なるほどね」

 

そんなわけで一緒に食べることになったユーノだが、特に俺とクロノを気にしている様子はない

 

「それにしても、随分しっかりした顔をしてるねクロノ。 いつもなら、ゾンビみたいな顔をしているのに」

 

「君もかユーノ......」

 

「まぁ、今の状況じゃ誰だってそんな感じだろ。 ユーノは普通みたいだけど」

 

「僕の立場だと、民間協力者だからね。 調書なんかが終われば、それで終わりだから」

 

「なるほどな」

 

「まぁ今日は、どこかの謹慎者が手伝ってくれたからな。 今日の分の報告書の提出は終わったんだ」

 

「随分嫌味ったらしく言うな。 まぁ、気にしやしないが」

 

「ははは......」

 

苦笑するユーノ。 意外なことに、話は弾んでいた。 もはや俺の事情は、このアースラ内でも知られているしな。 今更俺が何かやっても、とやかく言われることはない。 それに加え、ユーノはパーティーにもいたからな

 

「それじゃあ、またこれから?」

 

「いや、今日はこのまま家に帰って寝なおそうと思う。 もしかしたら、明日からまた徹夜かもしれないしな」

 

「少しは計画的にやれよ......」

 

 

 

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