俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
結局、あの高町なのはのことがあってから、俺は家に寄り付かなくなった。 一日の大半はアースラ内で書類や、時に任務などに出て過ごした。 俺が家にいないということで、玉藻たちもアースラに来たが、特に何も言われることもなく任務に駆り出された。 年越しは、メールがあったようだが任務中だったし、違う世界に居たため参加できなかった。 そのことで月村すずかやアリサ・バニングスから怒りのメールが来たが、任務と言うとそれ以来返信はなかった。 というか、今思ったがアイツらどうやって俺のメールアドレスを知ったんだ? まぁ、月村すずかは人の家に来て、いきなり拉致るような人物なので、知っていても不思議じゃないが。 そんなわけで、冬休みを終え久しぶりの学校となった。 そもそも、もう学校にも行くつもりはなかったのだが、クロノもリンディさんも小学校くらいは卒業してほしいということで、通うことになった。 まぁ、その割には任務が夜遅くにあるとか、ふざけているとしか思えない
「ふわぁ...... おはようございます、マスター」
「おはようマシュ、眠そうだな」
「まぁ、昨日夜遅くに任務がありましたから...... それはともかく、おはようございますマスター」
「そう言えば、そうだったか。 お疲れマシュ、リリィ」
ともかく学校ということで、朝からせっせと起きて朝ご飯を作っていたというわけだ。 昨日の夜、任務だったマシュとリリィ。 玉藻は俺の代わりで連日任務だし、テスタロッサ家、主にアリシアに呪術を教えたりしている。 ハサンは...... たぶん元気にしているはずだ。 いや、魔力のパスはつながっているのでどこかに居ることは確かなのだが、何処にいるかはわからない。 まぁ、ハサンも自由時間が欲しいと思うので好きにさせている。 いざとなったら令呪で呼び出せるし。 そんなわけで朝は三人と少し寂しいが、朝食をとり、少し早めに家を出る。 流石に外は海も近いことがあって寒く、防寒対策は忘れない。 そもそも、この頃はアースラ内か、任務で違う星に居たので地球の寒さは久しぶりだ。 それなりに寒い土地に行ったりもしたが、身体強化魔法や防寒対策はしっかりしていたしな。 今も学校指定のコートにマフラーをしているが、やはり寒い。 吐きだした息が白くなるのを見ながら、学校に向かう。 学校につけば、クラスメイトに挨拶を交わし、自分の席に座る。 冬休み中どこに行っただとか、お年玉をいくらもらっただとか、子供らしい会話を右から左に聞き流しつつ外を見る。 外は晴れで、よく照っていた。 教室内ということもあり、程よい温かさが眠気を誘う。 任務の疲れか、休みで気が抜けているのか判断しづらいところだった
「お、来たみたいだぞ理樹」
「ん?」
クラスメイトに肩を叩かれ、視線を教室内に戻す。 何か楽しいものを見つけたかのように声を出すが、よくわからん。 ニヤニヤしたクラスメイトの視線を追えば、納得する。 高町なのは達だった。 言いたいこともわかるし、いつもならしたであろう行動を面白がっているのだろうが、それも今日で最後だ。 俺は立ち上がり、高町なのは達に近づいていく
「・・・・・・」
教室内がいつものが始まるということで静まり返るが、気にしない。 そして、高町なのは達までもう少しというところで、何時ものように邪魔が入る
「「・・・・・・」」
片や無表情で見下ろす俺に、睨みつけてくる雑種。 ギャラリーもいつもと違う雰囲気に、ざわざわし始める
「邪魔」
「いい加減にしろ!なのは達が迷惑しているのがまだわからないのか!!」
「それを謝るのに、お前が邪魔なんだよ」
「なんだと!?」
勝手にヒートアップしていく雑種だが、俺の対応は冷ややかなものだった。 つーか、謝るって言ってるんだからどけよ。 流石に俺の様子がおかしかったのか、高町なのはを守るように前に出たのは、フェイト・テスタロッサ。 まぁ、まだ冷静みたいだな
「織、やめなさいよ」
「おはよう神木君、私たちに何か用かな?」
そんなヒートアップしている雑種を止めるのはアリサ・バニングスで、さりげなく挨拶をしつつ俺に用件を聞く月村すずか。 てか、月村すずかが俺に挨拶したことで、再び教室がざわめきだしたぞ
「いやなに、今までのことを謝ろうと思ってな」
「・・・・・・」
その言葉に、真意を測ろうとしているのか目を細めるアリサ・バニングス。 別に嘘でも何でもないので、見続ける。 その間に月村すずかが話をして、雑種はようやくわめき散らすのをやめたようだ。 相変わらず睨みつけているけどな
「今まですまなかった。 金輪際、用がなければ話しかけないにする」
高町なのは達に頭を下げれば、別の意味で騒がしくなる教室。 とてもうるさく、やかましいがコイツ等は俺が謝ったという証人だ。 にしても、本当に外野がうるさい。 とりあえず、頭を下げるだけ下げ、さっさと席に戻る。 俺が席に戻れば、今のはどういうことかという質問攻めにされるが、俺が黙秘したこともあり聞きに来るものは減っていく。 そもそも、その前に先生が来てHRになったので、難を逃れたわけだが。 先生の話を聞き、休み時間。 珍しいことに雑種が俺の席にやってきた
「おい」
「・・・・・・」
確実に面倒ごとなので無視したのだが、それがいけなかったらしい
「聞こえてるんだろ、無視するんじゃない!」
「大きな声で騒ぐな、ガキか?」
興奮したのか、机をバンバン叩く雑種。 流石にこうもうるさいと反応しなければならないので、面倒くさくなりながらも空から視線を戻す
「お前が無視するからだろ!!」
「どうでもいいから用件を言え。 用件がないならさっさとどこか行け」
「なんだと!?」
本当に話が進まない。 勝手に一触即発の空気を出すのは勝手だが、これを先生に見られれば面倒ごとになるに決まっている。 本当にはたから見たら、どっちが踏み台かわかったものじゃない。 てか早く用件言えよ
「休み時間は短いんだ、早く言え」
「くっ...... お前と戦いたい」
「は?」
今なんて言ったこのバカ? 俺の耳が悪くなっただけと信じたいが
「お前は嘘をついている。 あの優しい神様が、あんなことをするはずがないんだ。 闇の書に取り込まれたとき、どうにかして改竄してあんなものをはやてに見せたんだろ? それに、あんなに血反吐を吐くような特訓を、お前がありえない」
「・・・・・・ククク、ハハハハハハ!」
何を言い出すかと思えば、闇の書が取り込んだ記憶はおかしいと抜かしやがった。 なるほどなるほど、通りでコイツだけ態度が変わらないはずだ。 アリサ・バニングスや月村すずかは、半信半疑ながらも信じた。 フェイト・テスタロッサはたぶんアリシアやプレシアさん、それにはやての言葉などがあったから態度を少しばかり軟化させた。 だが、こいつだけは変わらなかった。 別にどうでもよかったが、納得がいった。 こいつは初めから、否定していたんだ。 これが笑い話でなかったら、何なのか
「何がおかしんだ!!」
「いやいや、雑種お前の頭はお花畑だと思ってな。 まず、ここでそんな話をしていいのか?」
俺が周りを指せば、そこには目を点にしているクラスメイト達。 そりゃあ、いきなり神様がどうのとか、特訓がどうのこうのとか言い出せばこんなことになるだろう。 それを見て、流石にまずいと思ったのか自分の席に戻ろうと思った雑種だが、去り際に
「昼休み、校舎裏にこい。 そこで話を付けるぞ」
何て言われた。 集まってきたクラスメイト達に適当に説明しながら、別のことを考える俺だった