仮面ライダーライトニング 作:至高のオーバーロード
病室に戻った翔駒を待ち受けていたのは、やたらとハイテンションになった杏里沙であった。片足を包帯でグルグル巻きにしているのを感じさせない明るい表情で、ベットに腰掛けたまま足をブラブラと遊ばせている。
「ねえねえ、聞いてよ翔駒君!私、社長さんからスカウトされちゃった!怪我が治り次第、寮に住み込みでタチバナエンターテイメント所属のアイドルになって欲しいんだって!」
「おう。すごいな」
「私にはねー。すっごい才能が隠されてるんだって!それも美山奏多に負けないくらいなんだって!こんなに褒められちゃったの、私生まれて初めてだよー!いつも杏里沙はドジでダメダメだってみんなから言われたからさー!」
「へえ。よかったな」
「急に決まって悪いから、転校先も社長さんが手配してくれるんだって!早く実家に戻ってお引越しの準備しなきゃね!あっ、その前にお母さん達にこのことを伝えなくちゃ!どんな反応が返ってくるのかなー!楽しみだなー
!」
「そうか。大変だな」
ウキウキ気分で未来の自分を想像して物思いに耽っていた杏里沙も、流石に翔駒の様子がおかしいことにようやく気づいたようだ。怪訝そうに顔をしかめる。
今の彼は椅子にだらんと腰掛けたまま、ぼーっと焦点の合っていない目で天井を眺めていた。大の男の全体重を受け止めているせいでギシギシと椅子が軋む音が病室内をむなしく響く。
「……どうしたの?なんだか元気無いね」
「まあな」
返ってくるのかな返事の全てが上の空。心ここに在らずといった様子の翔駒を訝しげに見つめていた杏里沙は、やがて視線を足元に移してテーピングされた部分をそっとさすり始めた。
「仮面ライダー兼アイドル……もしかして翔駒君はやらないの?」
そこでようやく翔駒が天井から目を離して正面に向き直った。そして、どうでも良さそうに椅子の背もたれに全体重を預ける。
「俺みたいなボンクラよりよっぽど向いてる奴はいるだろ。あの神村とかいうキザ野郎とかさ」
あくび混じりの投げやりな表情のまま、ベルトとバッテリーをテーブルの上に放り出す。もう二度と変身しないという彼なりの意思表示だ。
「なんか人の命背負うとか責任重すぎだしさ。正義の味方のモノマネは分不相応なんじゃねえかな。ほら、俺って平々凡々のフリーター様だしさ。村人Aとして正義のヒーローに守られてる側にいるのがお似合いっていうかさ」
ヒーローとして人々を守る。
ステージに立ってスポットライトを浴びる。
今まで日々を細々と過ごしてきた翔駒にとって、それはあまりにも刺激的すぎた。確かに退屈な日常に飽き飽きしてきたが、ここまでくるといくらなんでも度がすぎるというものだ。
処方箋も加減を間違えれば毒に等しい劇薬になるのが常。輝かしい刺激に満ちた新しい世界は、翔駒にとって少々躊躇せざるをえない物だったのだ。
「ナイトメアに魂を食われた母親のガキを見てて思ちゃったんだよ。あんな涙を見せつけられる毎日とか正直しんどいわ。ムカつくけど、あいつの言う通りなんだな。なーんの覚悟も無いような奴が思いつきで戦ったって、足手まといになるのがオチってもんさ。まっ、俺だって危険な真似して痛い思いするのは嫌だしな。下手こいて死ぬなんてなおさら御免だ」
なんてことはない。ただいつものつまらない日々に帰還するだけ。命の危機を経験して平凡な日常のありがたみを痛感したから、元の平穏な世界に戻るだけだ。ただそれだけの話。これからは流唯や杏里沙のような相応しい人間が主人公として、物語を紡いでいく。そして、自分は世界の脇役として生きていく。それが翔駒の出した結論だ。
「さあ!早く帰って次のバイトに備えないとな!今日はゴタゴタでシフト入れなかったから、店長に謝ってしっかり埋め合わせしねえと!」
椅子から立ち上がり、背筋を伸ばす。既に翔駒の頭の中では、急な欠勤を決めたせいで迷惑をかけることになった職場の同僚達へどう謝罪するかでいっぱいになっている。
「おっと、その前にあの社長さんに辞退しとかなきゃなんねえか。こういう場合の断り文句ってどうすりゃいいんだっけ?今回はご縁が無かったっということで……違うな」
「あのね……」
黙って翔駒の独白を耳にしていた杏里沙は、俯いたまま静かに口を開いた。
「翔駒君はそう言うけど、私を見捨てずに体を張ってくれたあの時の翔駒君は最高のヒーローだったよ」
レイコを探して院内をウロウロしていた翔駒は、さんざん歩き回ってようやく見知った顔を発見した。正直言って好きな相手ではないし、さっきのこともあって顔を合わせづらいが、レイコに話をつけるならば選り好みはしていられないだろう。
「あんたか。こんな所で何やってんだ?」
壁に寄りかかっている青年は相変わらずの仏頂面のままだ。
「社長の付き添いだ。もしかして、社長に辞退を申し出るつもりか?」
「ああ。あんたの言う通り、仮面ライダーっつーのは俺にはちょいとどころかメッチャ重そうだからな。人類を守る重大な使命はあんたに任せるよ」
「そうか。それがいい。社長ならあそこだ」
そう言って流唯は通路の奥を顎で差した。
「あれは……」
念願の尋ね人であるレイコだ。外見だけならさっきまでと変わらない、キャリアウーマンを思わせるビシッとしたスーツ姿の女性。
しかし、とある大病室の扉を見つめる彼女の表情はとても切なげで、さっきまで翔駒達との出会いに興奮していた人物と同じとは到底思えない。
神妙そうに扉を見つめる彼女の姿は、さっきまでのおちゃらけた態度とはまるで正反対な雰囲気を纏っていた。
黙ってレイコを眺めていた翔駒の隣に流唯は並び立つ。
「あの部屋には自我が崩壊したナイトメア被害者達が収容されている。なんせ肉体的には彼らはまだ死んでいない。今は全く見込みが無いが、今後意識が戻ってくる可能性だって無いわけじゃないからな。そして、ライブ会場で襲われた研究員もその例外じゃないということだ」
翔駒は頭をハンマーで殴られるような衝撃を味わっていた。能天気ぶりを絵に描いたようなやりとりのせいで気づかなかったが、彼女は多くの大事な仲間達を失っているのだ。
「お前達の前では茶化して明るく振舞っていたが、ライブ会場襲撃で犠牲になったサーキットドライバーの開発メンバーが全滅した件に関しては、社長もかなり気に病んでるんだ」
レイコも自分で言っていた。ナイトメアにスピリットを捕食されると死んだも同然であると。つまりに、彼女は親しい仲間達を殺されたも同然と言えた。そうでありながら、翔駒と杏里沙の前では苦しい心中を曝け出したりはしなかった。そこを踏まえれば、レイコはただ単にハイテンションで無茶苦茶な人物ではない。
「ありがとう、みんな。今はゆっくりおやすみなさい。後は私に任せて。いつか必ず目を覚まさせてあげるから」
静かに頭を下げた後に立ち去ろうとするレイコだったが、こちらに向いたと同時にハッとした様子で目を逸らす。そのまま照れ臭そうに頭を掻きながら近づいてくる。
「……うっす」
「あれえ?どうしたの翔駒?もしかして契約してくれる気になっちゃったあ?なんちゃってー」
元のふざけた態度で空気を和らげようとするが、二人の青年が全く笑ってないのを察したらしく、肩を落としてトーンダウンしていく。
「……良いのよ、今回の件を断ってくれても」
黙って何も言わない翔駒に先んじたレイコ。スカウトの翻意はさっきまで望んでいたはずだったが、今は何故か心が痛んでしかたない。さっきまでのハイテンションからは想像出来ない悲しげな八の字眉毛を見せられると、後悔が湧き起こってくる。
「さっきは強引に迫っちゃったけど、やっぱりあんな怪物としょっちゅう戦うだなんて危険だもの。躊躇するのは当たり前よねえ。ははっ!せっかく見つけた適合者を手放すのは惜しいけど、前途ある若者に無茶をさせるのは忍びないわ。誰だってナイトメアと戦うだなんて危険なこと率先してやりたくないだろうしねー」
だから気にするな。彼女はそう言いたいのだろうが、犠牲者達に思いを馳せる姿を見せられては気にせずにいられる人間がどれだけいるだろうか?少なくとも翔駒はそんな器用なタイプではない。
時が止まったように沈黙が続く中、横を通り過ぎる影に3人の注目は移っていった。影は例のナイトメア被害者が集められた部屋に立ち止まると、扉をジッと見つめたまま全く動こうとしない。
その影、年端もいかない少年は翔駒には見覚えがあった。
「あの子……さっきナイトメアに襲われた女性の息子さんよね」
頬が林檎のようにほんのり紅い少年は、おそらくまだ小学生に通い始めたばかりの歳頃だろう。母親を目の前で喪う経験をするには、あまりにも幼すぎた。
「お母さん……」
意識の無い母を求めてポツリと呟く。見かねた翔駒は腰を下ろして、自身とは身長差がかなりある少年と視線の位置を合わせた。
「なあ、ボウズ。我慢なんてしなくていいんだぜ?辛い時は泣いちまえよ。俺もさ。お前くらいの歳で母ちゃんと離ればなれになったからすげえ気持ちわかるんだ」
しかし、少年は必死に堪えながら首を横に振った。
「ううん、もう泣かない。だってお母さんは死んだわけじゃないんだもん。今はただ眠ってるだけだもん。いつか……いつか絶対目を覚まして帰ってくる。僕が1人で泣いてばかりだったら、お母さんが不安になっちゃうよ」
ならば少年の気持ちを尊重しよう。翔駒は少年の頭部をそっと撫でる。
「そっか。ボウズはまだ小さいのに偉いな」
その時だった。突如翔駒の意識は反転して、何故か病院とは違う別の場所に移動していた。辺りは月すらも見えない夜の闇に沈んでいる。
淡々とお経を読む僧侶の声。辺り一帯に漂う、蒸せるような線香の香り。薄暗い空気が充満するその風景は、そこに集まる人々の重苦しい表情もあって鬱々とした息苦しさを呼び込む。
『翔駒、あんまり無理をするんじゃないぞ。父さん達とはこれで最後のお別れになる。いくら性根の腐った親戚どもの前とはいえ、お前が涙を堪える必要は無いんだ。もし本当は泣きたいのなら、今の内に泣いておけ』
黒服に身を包んだ大人達が俯いている中で、詰襟の学生服を着た少年が幼少時代の翔駒を肩に手を回して抱き寄せる。
『ううん、お兄ちゃんが泣いてないから僕も絶対泣かない。だって、お兄ちゃんが我慢してるんだもん。泣くのは……お兄ちゃんと一緒にって決めてるんだ』
『そうか。翔駒はまだ小さいのに偉いな。さすがは俺の弟だ』
幼い翔駒の頭を大きな手のひらが優しく撫でる。微かな温もりと柔らかなが感触が幼子を包み込んでいった。
「……よりにもよって俺1人で泣きべそかいて引きこもってるだなんて、情けないマネ出来るかよ!」
意識が再び反転して、翔駒は元の病院へと戻っていた。目の前ではスマートフォンを手にしたレイコが真剣な面持ちで何度も頷いていた。
「そう……わかったわ」
通話を切ったレイコは隣で壁に寄りかかっていた流唯に目配せする。
「流唯。奏多から連絡が入ったわ。さっきのクモのナイトメアの居場所を察知したみたい。場所は四丁目の工場付近よ」
「了解」
レイコの指示に何の迷いもなく従って何処かへと走り去っていく流唯。事情をよく知らない翔駒には彼らの会話が意味することの殆どが理解できない。しかし、それでもさっき戦ったナイトメアの話だというのだけはわかる。
「社長……俺!」
握り拳を作ってワナワナと手を震わせる翔駒を目にしたレイコは、満足そうに笑みを浮かべる。そして、翔駒の手を突然掴んで、何かを握らせた。
「言わなくてもわかるわ。はい、これ」
「これは……」
ニッコリと翔駒に微笑むレイコが手渡したのは、ライトニングへの変身時に使っていたものとは別のライフバッテリーだ。ラベル部分にはアーモンドやカシューナッツ、マカダミアナッツといった種実類のイラストが描かれている。
「あなたが倒したナイトメア、グラヴィティの核を成していたライフバッテリーよ。あなたが撃破したナイトメアのバッテリーはあなたが所有する権利がある。きっと役に立つはずだわ」
レイコの心意気に感謝しながら、翔駒はバッテリーをギュッと握りしめる。
「翔駒!グッドラック!」
親指を立てたレイコに見送られた翔駒はすぐさま元にいた病室へと全力で駆け出す。途中、看護師に怒られたりもしたが、今の彼はそんなのは気にしていられなかった。ようやく病室に着いてドアを開ける際にも、はやる気持ちを抑えきれずにド派手な音を立ててしまう程だ。
「おかえり」
呼吸を乱した翔駒を満面の笑みで迎えた少女は、ベルトとバッテリーをそれぞれ両手で抱えていた。
「見つけたぞ」
工場の敷地に駆けつけた流唯の前には、丁度食事を終えたばかりのクモのナイトメアがいた。既にスピリットを吸い尽くされてしまった作業員と思わしき男性がゆっくりと地面に崩れ落ちる。
「また仮面ライダーか。しつこい奴らだ。ん?相方はどうした?」
「貴様程度、俺1人で十分だ。そもそも俺は奴を頭数に入れてなどいない」
極めて冷徹に言い放つ流唯の姿が逆におかしく見えたのか、クモのナイトメアは愉快そうに肩を揺らした。
「はは!なんだよ。仲間割れでもしたのか?言っておくが、今の俺は食いに食いまくったおかげでフルパワーで戦えるんだぜ。たかがお前1人で勝てると思うなよ。このスパイダーナイトメア『ストリーム』になあ!」
クモ特有の鋭い牙をケタケタと鳴らしながら嗤うストリーム。虫ならではの醜悪な外見は生理的嫌悪感を引き起こす。常人ならあまりのおぞましさに吐き気が催しそうだが、流唯は決して臆せず毅然と構えてバッテリーを取り出した。既にベルトも巻かれている。
「人数なんて関係ない。お前は……いや、ナイトメアは全て俺が駆除する!」
ストリームから決して目を逸らさないまま、ベルト中央の窪みにバッテリーを装填する。
《ヴァニラ・トルネード!》
《アイスクリーム!》
バッテリーを装填されて通電を開始したサーキットドライバーがうねりをあげる。膨大なエネルギーを供給されてたために、軽快な電子音声が辺り一帯に響き渡る。変身準備が完了した証だ。
「変身!」
トリガーを引いた青年の叫びと共に、無数の白いブロックが飛来してくる。流唯の全身に張り付いたそれらはやがて彼を仮面の戦士へと変化させていく。
《ヘイレツセツゾク!》
《ヴァニラ/アイスクリーム!》
全身にクリーム色の装甲を纏って仮面ライダートルネードに変身完了した流唯は、同時に召喚された大槍『ヴァニランス』の切っ先をストリームに向け、地面を蹴って一気に駆け出した。
狙うは胴体。クモの特性を持つならボディの防御力は決して高いとは言えないはずだ。厄介なクモの糸を操る能力を駆使される前に、怒涛の猛攻を仕掛けて反撃の隙を与えず一気に仕留める。
それが流唯が前回の反省を踏まえた戦術だった。
「なにっ!?」
しかし、ヴァニランスがストリームに命中する直前で受け止められたことで、想定が狂った流唯は裏返った声を漏らしてしまう。
「おいおい、ずいぶんぬるい一撃をくれてるじゃねえか。そのデカい槍はお飾りか?」
ナイトメアの胴体を容赦なく貫くはずだったヴァニランスの鋭く尖った切っ先は、ストリームの手でガッシリと握りしめられたために動きを止められていた。それでもなんとか刃を先に進めようと力を込めるが、逆に流唯の腕が力負けしてプルプルと震え始める始末だ。
「くっ!やはり以前より強くなっている!」
苛立ち混じりの声を漏らして、一旦バックステップで距離を置く。出鼻をくじくことに成功したストリームは愉快そうに空を仰いだ。
「当然よ!俺達ナイトメアはスピリットを食えば食う程、核のライフバッテリーがたっぷり充電されてパワーも増していくからな!」
ここまで格段に強くなったのなら、相当数の人々が犠牲になっているはず。救えなかった犠牲者達への申し訳なさと、ナイトメアへの怒りが激しく込み上げてくる。
「ちっ!」
舌打ちしながらもう一度突き技を繰り出す。今度は避けずらい脇横を狙った確実にダメージを与えるポイントだ。これなら必殺の一撃とはならないが、完全に防ぎ切ることも叶わないだろう。
しかし、そんな流唯の狙いもストリームにはお見通しだったようだ。牙に覆われた口を大きく開き、白い塊を流唯に向けて吐き出した。
「例の拘束用の糸か!」
翔駒を一度は戦闘不能に追い込んだ粘着質の糸だ。野球ビール程に固められた糸の塊は、銃弾の如き射出スピードもあってもはや白い砲弾のように見える。正面から絡め取られてしまう失態を演じてしまった彼の二の舞にならぬよう、慎重に身を翻してやり過ごしていく。
数発放たれた糸の塊の内、最後の一発を避けきれないと判断した流唯は命中する直前にヴァニランスを振るって斬り払う。しかし、次の瞬間、腕に違和感が走る。
「……っ!なんだこの硬さは!まるで鋼鉄のようだ!」
腕に残る痺れはとてもではないが、糸という軟性物質の集合体を弾いたからとは到底思えない。
「御名答。俺の体内で形成されるこの糸は、スピリットの補充に合わせてより強度や持続性が高くなる代物でな。腹が裂けそうなくらいに食いまくった今なら、象やトラックだって容易に動けなくさせれるんだぜ!丸めて射ち出せば、ほれこの通り即席の砲弾の完成よ!」
「なるほど、確かにこれだけ強固なら捌き切るのは厄介だ!」
おかげでライダーの力で常人とは比較にならない程に強化された流唯の腕力であっても、切り裂くのは至難の技のようだ。
「それだけじゃないぞ。しかも、連続発射出来る!」
ストリームの宣言通りに、高速で連続発射された糸の塊が流唯に襲いかかる。自動小銃の如く繰り出されるそれは本来ならとても防ぎきれるような物ではない。
だが、流唯は無駄の無い最小限の動きで殆どの塊を上手く避けつつ、残りを腕の痺れに耐えながらヴァニランスで弾き飛ばしていく。
頭部を覆うセンサー類の恩恵で銃弾であろうと捉えてしまう程に視覚が強化されている上、その反応速度に追いつくための身体能力がパワードスーツによって与えられているからだ。さらには流唯の場合、昨日今日初めて戦場に立った翔駒とは違って戦いに関して一日の長がある。
仮面ライダーの性能と戦いの経験。この2つが一見不利な状況下でも耐え抜く力を彼に持たせているのである。
だが、それでも限界は来る。次々と糸の塊をいなしていった流唯も絶え間なく迫り来る猛攻の前に、遂に動きが鈍ってしまった。対応が遅れたために、ヴァニランスを握っている右腕が武器ごと丸々、糸が変化して出来た網に包み込まれてしまったのだ。
「くっ!しま……」
一度隙が出来れば、その後も連鎖反応的に糸が流唯の体に飛びついていく。あっという間に彼の全身はさながら寝袋のように白い繭と化していた。寝っ転がる羽目になった流唯は、唯一自由になっている頭部を必死に動かして抵抗を試みる。
「こんなもの!」
「ははっ!抵抗はやめておけ!いくらお前達仮面ライダーと言えど、充電を重ねて強化されたこの糸からは簡単には逃れられんぞ!」
今のストリームと流唯はまさにクモの巣に囚われた蝶々と、獲物を得たクモのようなもの。そして、動けなくなった獲物の末路はいつも決まっている。捕食者の糧として生を全うするのだ。
(マズいな……こうなったら『アレ』を使うしか……)
獲物の内心など知る由もない、捕食者側であるストリームは流唯にトドメを刺すため、鋭い爪をゆっくりと伸ばしていく。
「ちょーっと待った」
爪がトルネードの装甲に届こうとした直前に手が止まった。背後から声をかけられたストリームは慌てて背後に振り向く。
「よう、待たせたなクモ野郎!俺に会えなくて寂しかったか?」
そこにいたのは人間の青年だ。突然の乱入者の登場に、ストリームは苛立ちを見せる。
「お前は赤い方の仮面ライダーか。ふんっ!性懲りもせず、まだ立ち向かって来るつもりか?」
仮面ライダートルネードを返り討ちにして気が大きくなっているようだが、そんなストリームの余裕ぶりを乱入者である翔駒は逆に鼻で笑い飛ばす。
「よく言うぜ。さっきは尻尾巻いて俺達から逃げ出したくせによ。大口叩かれた挙句に何度も再戦するのも面倒だし、今度は敵前逃亡無しのファイナルデスマッチと洒落込もうじゃねえか」
手に持ったチョコレートバッテリーを揺らす翔駒。あからさまな挑発に乗せられたストリームはぐぬぬと唸り声を漏らした。
「うるさい!言っておくが、今の俺はあの時とは同じじゃないぞ!敗北の屈辱に打ちひしがれるのは貴様の方だ!」
実際、流唯をピンチに追い込んでいるのは事実だ。にも関わらず翔駒は緊張感が無く、ストリームの言うことを真に受けてる様子も無い。これには縛られたままの流唯も不安を煽られた。
「なぜ来た!」
「悪いな。なんか体が勝手に動いちまったんだよ」
肩を竦めて、腰にサーキットドライバーを装着する。
「よせ!今のこいつはスピリットを大量に摂取した影響で戦闘力が急上昇している!戦い慣れてないお前では無理だ!」
「なーに格好つけてんだ。だいたい1人でノコノコ出張って秒殺されてる先輩が偉そうに言えたもんじゃねえな」
糸が絡まって動けずにいる先輩を尻目に、翔駒はバックルにバッテリーを装填してすぐさまトリガーを引いた。
「変身!」
《ヘイレツセツゾク!》
《チョコレート/ヒャクパーセント!》
ダークブラウンのチョコレートを模した外部装甲が特徴の仮面戦士へと変身を遂げた翔駒は、拳をポキポキと鳴らしながらストリームと対峙する。
「さあ、覚悟しなクモ野郎!」
「ほざけ!またグルグル巻きにしてくれるわ!」
ストリームが口を大きく開いた。翔駒ももはや何度も目にしたから流石にわかる。あれは糸を吐き出す予備動作だ。あれを受ければ翔駒も流唯同様にたちまち糸に絡め取られ、身動きが取れなくなってしまうのは違いない。
だが、今の翔駒は色々な意味で一味違う。
「この力……試してみるぜ社長!」
その手に握りしめられているのは、ナッツ類がいくつも描かれたライフバッテリー。サーキットドライバーに設けられた2つのスロットの内、ヒャクパーセント・バッテリーを外して、代わりにこのバッテリーを装填する。
《トッピング!》
今までとは違う音声と共に、右手首の装甲がダークブラウンからクリーム色の物に変化した。
《ナッツ・グラヴィティ!》
《チョコレート/ナッツ!》
「さあ、一味変えるぜ!」
「こけおどしを!」
バッテリーを入れ替えた翔駒へ目掛けて、クモの糸が吐き出される。回避の体勢も防御の体勢もとらない無防備な彼を糸で搦めとるのは容易いだろう。だが、翔駒はそうならなかった。
「ふっ!」
あわや命中してしまうその直前に、翔駒がかざした右手の動きに合わせて工場の廃棄材が1人手に宙を舞い、弾丸と化したクモの糸を遮った。翔駒の手前で滞空して盾の役目を果たしている鉄の塊。その光景を前にストリームはビクリと肩を震わせる。
「こ、これはまさかグラヴィティの奴の!」
同じナイトメア同士で既知の関係だったのかもしれない。ライブ会場を襲ったバットナイトメアであるグラヴィティと同じ能力を目にしたストリームは素っ頓狂な声を漏らした。
「あのコウモリ野郎お得意の物体操作って奴だ!」
「くっ!」
ストリームの口から自動小銃の如く、数多の糸で作られた弾丸が翔駒に襲いかかる。しかし、いずれも翔駒によってグラヴィティと同じ力で操られた廃棄材達によって未然に防がれてしまうのだった。
「ははっ!すげえなこれ!超便利じゃねえか!」
すっかり気を良くした翔駒は、今度は攻勢に移ることを決めた。防御に使っていた廃棄材の内の1つを逆にストリームに向けて跳ね返した。
「な、なに!?」
まっすぐこちらに飛来する廃棄材を避ける余裕はストリームには無かった。顔面を激しく殴打されたために怯んでしまう。この僅かながら発生した隙を翔駒は逃さない。
「まだまだだ!こいつも……もらってけ!」
続けざまに無数の廃棄材が次々と流星群のようにクモの怪人に降りかかった。いくら人間よりも遥かに頑強な存在であるナイトメアと言えど、それなりの質量を持つ鉄の塊を尋常ではない速さでぶつけられては無傷ではいられない。膝をついて全身から煙を立ちのぼらせる。
「ちっ!」
立ち上がったストリームは、このままでは埒があかないと判断したのだろう。糸による搦め手を諦め、今度は両手の爪を用いた白兵戦を仕掛けだした。翔駒の体を真っ二つにしようと勢いよく振り下ろされる。
「おっと!」
突然に戦術を変えられたせいで少し反応が遅れてしまったが、なんとかギリギリで避けることに成功。逆に大振りの袈裟斬りは翔駒に反撃を与える隙を作ってしまった。
「そらよ!」
その隙を見逃さずに、翔駒はストリームに拳の連撃を叩き込んだ。
「あれ?効いてねえ……」
仮面の下で翔駒は血の気が引かせていた。決して手を抜いていない。それどころか相手をねじ伏せる気概で殴ったつもりだった。それにも関わらず、ストリームは屁でもないと言わんばかりに、逆に翔駒に向かってカウンターの爪による切り払いを放つ。アクシデントで思考が止まっていた翔駒は避ける暇もなく弾き飛ばされる。
「どうした?まるで蚊が止まったみたいな威力しか無いぞ?」
「くっ!」
地面を転がった翔駒はすぐさま立ち上がり、自分のベルトを見直していた。『100%』の力を外したその意味をようやく理解したのだ。
「なるほどな。チョコレートにナッツを混ぜたら100%じゃなくなるから、強化されるはずの身体能力も低下しちまうってわけか。こりゃ使い所考えなきゃマズいな」
ならば、と心の中で頷きながら、ナッツ・バッテリーを外した。そして、代わりに元のヒャクパーセント・バッテリーに入れ替える。
《チョコレート/ヒャクパーセント!》
「こいつでどうだ!」
ナッツから元のヒャクパーセントに戻ったと同時に、ストリームの胴体に拳を叩き込んだ。今度は翔駒の狙い通りに後方へと吹き飛び、廃棄材の山へと突っ込んでいった。
「ぶほおっ!」
「へへっ!どうだ!今度は痛えだろ!」
自慢気に笑う翔駒をギロリと睨みつけて、廃材の山から顔だけ出したストリームは口を大きく開く。
「馬鹿め!その姿では物体操作が使えまい!」
今度は嬉々として再び糸を吐き出した。
「おおっと!?」
翔駒がピョンピョンと跳ね回る。少々距離が離れたおかげで命中こそしなかったものの、油断していた翔駒は突然の攻撃によって足元を狙われ、おかげで情けないダンスを披露する羽目になったのだった。
ピンチから一転、再び主導権を握ったストリームは高笑いする。
「ハハハ!これでまた仕切り直しだなあ!」
「そうでもない」
高笑いからさらに一転、今度は血相を変えて振り向く。糸で身動きが取れなくなっていたはずの流唯が拘束を解いているところであった。
「糸の拘束を外すには良い時間稼ぎになった」
《ヴァニラ!エナジーチャージ!》
後輩のサーキットドライバーと同じく腰に設置されたスロット部にヴァニラ・バッテリーを装填。脚部に膨大なエネルギーを急速供給させる。
そして、右脚が白銀のエネルギーに包まれたと同時に、空中へと跳躍した。
《ブレイクタイム!》
右足を突き出すと共に、流唯は白銀のエネルギーを起点にして回転を始めた。
「ヴァニラ・ツイスト!」
その名の通り、自ら竜巻となった流唯がクモの怪人の肉体を貫こうと突き進んでいく。ストリームもなんとかこの一撃を相殺しようと、頑強な爪を盾代わりにして受け止めた。
火花を撒き散らしながら衝突する2人。やがて、力負けしたストリームが後方へと吹き飛んでいく。
「ぐっ!」
宙を舞うストリームは内心安堵していた。いじゅら必殺の一撃と言えど、あえて覚悟を決めて防御に専念していれば決して防げないわけではないようだ。これならダメージはあっても致命傷は避けられる。
「おっと!これで終わりじゃねえぜ!」
体の自由が効かないストリームが声のした方へと振り向く。丁度ストリームが吹き飛ばされている方角の先で翔駒が待ち構えていた。
「こいつはさっき不発だった分のお返しだ!」
《チョコレート・エナジーチャージ!》
スーパーエナジーチャージャーにチョコレート・バッテリーをセットした翔駒はウォーミングアップに腕をグルグルと回した後、チョコレート色のオーラを纏った拳を腰まで引いて力をさらに貯めていく。
狙うは宙を舞って姿勢制御が不可能になってガラ空きになったストリームの背中だ。
《ブレイクタイム!》
「チョコレート・クランチ!」
飛び込んできたストリームの背中に、渾身の右ストレートを叩き込んだ。螺旋状の白いエネルギー波と、ダークブラウンの拳型オーラがストリームを挟み撃ちにする形でぶつかった。2つのエネルギーの波動が怪人の肉体を粉砕しようとせめぎ合う。
「ウオオオオオオオッ!!!!」
ついに耐えきれなくなったストリームは押しつぶされながら爆散していった。粉々になって空中に拡散していくクモ型怪人のの残骸を見上げながら、翔駒は得意気に腕を組んだ。
「へへっ!あんたとは初めての共同作業だな」
2人の仮面戦士の複眼が互いを見つめ合う。その時間はしばらく続いたものの、やがて流唯の方からため息混じりに逸らされる。
「……その表現はやめろ。なんだか気持ち悪い」
「ちーっす……」
「お、お邪魔しましゅっ!」
後日、レイコに事務所へと呼ばれた翔駒と杏里沙の2人は小さなオフィスビルに足を運び、ゆっくりと扉を開けた。
「ここがタチバナエンターテイメントの事務所……すごい。私、今美山奏多のいる職場の空気を吸ってるんだ!」
「へえ……想像してたのとちょっと違うな」
興奮した面持ちで周囲を見渡す杏里沙に対し、有名アーティストを抱える事務所というから、てっきり厳格な雰囲気のオフィスを想像していたのだが、実際は木製の家具が並んだ親しみやすい部屋造で、どちらかと言うと個人経営喫茶店に雰囲気が近い。とはいえ、別に不満があるわけではなく、むしろ緊張感を与えない落ち着いたリラックス空間は好みではあった。
それと気になるのは部屋そのものよりも別にある。
「……」
奥の席では、1人の女性が黙々とPCに向かって作業に励んでいた。
「あの……」
杏里沙が女性にそっと声をかけたが、返事は来ない。相変わらず無表情でキーボードを叩き続けている。
「あのさ。今日からこの事務所に入ることになった昴翔駒と門脇杏里沙っつーんだけど、社長は何処?」
女性はようやく顔を上げた。
「……御二人のお話なら既に聞いています。社長達なら上の階で会議中です。そろそろ降りて来る頃だとは思いますが」
再びPCの画面に向かう女性。あまりにも簡潔過ぎてそれ以上何も聞けなかった。女性の言う通りに、すぐにバタバタと足音を派手に立てながら誰かが2階から降りてくる。この事務所の主人であるレイコだった。
「よく来たわね!待ってたわよ、我が社のホープ諸君!今日からここが貴方達の秘密基地よ!」
少し大げさな気もするが、異形の怪人と戦う組織でもあるんだからあながち間違いではないだろう。それに、今はもっと気になることがある。
「なあ、あの女は……」
「その子は事務員の巴加代ちゃんよ。ちょっとスマイルが足りないところはあるけど、優しくて良い子だから安心して頼ってあげてね!」
レイコは満面の笑みを浮かべるが、新人2人は逆に苦笑いするしかなかった。
「いや、足りないなんてレベルじゃねえだろ。これで芸能事務所の事務員とか本当に勤まんのかよ」
社長から直々に紹介されたというのに佳代は口を開くどころか、視線もPCから一切逸らそうとしない。初っ端から翔駒はとてつもない不安に駆られていた。
ただのスタッフとはいえ、まさか無愛想ぶりで流唯すらも上回るツワモノが在籍するとは。スーパーのアルバイトからの転職は間違いだったのではないかと一抹の後悔が翔駒を襲った。
「あら〜ん?もしかしてその子達がレイちゃんが見つけたっていう至高の原石ちゃん達かしら?」
階段からパタパタと足音を立てて、誰かがこちらへとやって来る。その人物を目にした瞬間、翔駒と杏里沙は思わず面食らってしまった。
「ええ、そうよ朱美ちゃん!昴翔駒君と門脇杏里沙ちゃん。仲良くしてあげてね」
「もちろんよ〜。だって他ならないレイちゃんの頼みだもの〜♪」
朱美ちゃんと呼ばれたその人物は体をクネクネさせながら、再び翔駒達に目を向けた。
「アタシは〜ここのダンスレッスンのトレーナー渡辺朱美よ〜ん♪堅苦しいのは嫌いだから朱美ちゃんって呼んでね〜♪」
朱美と名乗ったその男性は……翔駒が見上げる程に長身で大柄の男性は、男性の圧倒的存在感に気圧されて引き気味の翔駒達に熱い眼差しを送りつける。眼差しを受け止める羽目になった2人は逃げたくなる衝動を抑えて、無理矢理愛想笑いを作った。濃い目のアイシャドウに、カラフルでファンシーな衣装、そして、女風の言葉遣い。いわゆるオネエ系である。
「チッ、朝っぱらからうるせえな。たかが新人が2人入ったくらいでギャーギャーはしゃいでんじゃねえぞ朱美」
佳代を除いた全員の視線が階段の方へと向けられる。
そこにいたのは形容し難い程の不審者だった。なにせ、手入れの痕跡が全く見えない長髪はまるで針金タワシように縮れてボロボロ。伸びきった口元の無精髭も何日放置されてきたのか想像がつかない。服装も非常に小汚く、勝手に事務所に侵入したホームレスだと言われれば、そのまま信じてしまいそうだ。
だが、他のスタッフ達と気兼ねなく接する姿は、彼もまた同僚の1人であると証明していた。
「別にいいじゃない。流唯君より後に入った28人はみんな辞めちゃったから、おかげで毎日が寂しくて寂しくて……」
「へ?全員辞めたって……」
不穏な話が耳に飛び込んできたために翔駒は上ずった声で聞き返した。あまりの衝撃に、目の前でクネクネしている朱美の奇行も頭に入ってこない。
「ふんっ!こいつらがその記念すべき30人目になるかもしれねえけどな。どいつもこいつも根性無さすぎなんだよ。社長ももうちょい厳選してから事務所に連れてこいや」
「あら?私は自分の中にある厳しい感性に従ったまでよ。貴方とはすこーし基準が合わないだけ」
「そうかい。まあ、俺は俺のやり方を譲る気はねえからな」
ボサボサ頭に無精髭の男は憮然と鼻で笑いながら近くの席に腰掛けた。不機嫌さ全開で頭髪をガシガシと掻き回すたびに、大量のフケがパラパラと宙を舞う。
「ようヒヨッコども。俺はボイスレッスントレーナーの千堂正志だ。歌のレッスンは俺に全て一任されている。例え音痴だろうが一応稽古はつけてやるが、妥協は一切してやらないからな。荷物まとめるのもいつだって構わねえ。覚悟しとけよ」
無愛想を絵に描いたような人間達とオネエ系。初日から変人のスタッフに囲まれるという衝撃を味わった翔駒は、やはり内心でとてつもない不安に駆られてしまっていた。とはいえ、一度決めたことを今更翻意にするのも許せない。もうなるようになれ、だ。
「今いるスタッフはこれで全部。残りは出払ってる流唯と奏多の2人よ。奏多とはいずれ会うだろうから、その時に改めて挨拶してあげてね!」
美山奏多。その名を聞いて杏里沙はゴクリと喉を鳴らした。彼女にとって自分の芸能活動のルーツと言える存在だ。そんな奏多に近づくという夢が意外な形で大きく前進した。その実感が杏里沙に緊張を与えているのだろう。
肩肘を張った杏里沙を眺めていたレイコはニヤリと口元を釣り上げる。
「ウェルカム!ようこそ!我がタチバナエンターテイメントへ!歓迎するわ!」
社長用デスクの背後に貼り出された掛け軸が翔駒と杏里沙の目を引いた。
『仮面ライダーとアイドルは1日にしてならず!』
判明データ
神村 流唯(かみむら るい)
20歳。主人公よりも以前から活動していた仮面ライダートルネードに変身する。誰もが認める美青年ではあるが、かなり慇懃無礼な言動が目立つ。なお翔駒に限らず、大抵の相手にあの態度である。