悪役お姫様でゴメンあそばせ   作:れべるあっぷ

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2話:クエスト開始

 さあ、<特別授業(クエスト)>を開始する。

 これから始まるのは仲間との友情・絆・青春を描いたファンタジー物語ではなく、裏切り者による一方的な狩りゲーだ。

 総勢245名が持つスマホに通知音が鳴る。初めのミッション内容の知らせは以下の通りである。

 

<東の(ケムルズ)へ向かえ>

・生きて辿りついたら:5点

 

 尚、この点数は彼らの期待値である。

 大学、企業、国さえ、英雄の卵が欲しい各々がこぞって得たい情報だ。数値で内定を決める企業もいるほどに、期待値が高ければ高いほど将来の選択も増えるというシステムだ。小太郎様が<特別授業(クエスト)>を仕掛け魔法に関連するありとあらゆる機関が彼らの活躍振りに期待している。

 屋敷内にいる彼らは移動を始めた。しぶしぶではあるが屋敷内に留まり続けるの無意味で、私もリア達と固まって屋内から出た。

 改めて外観を見ると廃屋とまでいかないが寂れており、庭園も手入れが行き届いていないようで落ち葉が散乱しては枯れていたり、さらには生憎の曇天の空模様にどんよりとした空気のせいで不気味さ2割増しだ。後ずさりする彼らを生暖かいそよ風が頬を撫で歓迎していた。

 

「ぷはーっ、外の空気めっちゃ美味しいわ~」

 

「京、その台詞はどこかおかしいのですよ」

 

 これは例外である。噴水広場辺りで背伸びする京は本当に美味しそうに空気を吸っていた。衣鶴も真似て深呼吸してみるが怪訝な顔をして首をかしげるぐらいに美味しくなかったようだ。

 

「しかし小汚いわね……」

 

 リアは水がすっからかんになった噴水の大理石を指でなぞり汚れを確認した。屋敷の使用人にも逃げられた哀れなミンチィ伯爵に屋敷を手入れする心の余裕というものはないだろうがな。

 

「私達って本当にゲームの中にいるのかな?どうみてもリアルなんだけど……」

 

「どこかの外国に飛ばされたっていう線はないかしら?そっちの方が納得できるわよ」

 

 衣鶴とリアは指に付着した汚れやら落ち葉やら拾い観察してはニオイまで嗅いでいた。あまりにリアルな土や草のニオイがどうしてもゲームの中だとは思えない様子。しかし、人の五感は結局のところ脳がミソであり、催眠の一つや二つかけてやれば視覚や嗅覚の情報なんて簡単に錯覚して騙せるなどという意地悪な回答はやめておこう。

 

「それにしても、アタシ達を値踏みするですって?ふざけてるのかしら??」

 

「点取りゲームみたいなものなのかな。点数が良い生徒は来年はクラス昇格もあったり……っ!!」

 

「衣鶴、鼻息荒いところ申し訳ありませんが、その逆も然りなのですよ?」

 

「か、簡単には死ねないかも……」

 

 F組よりさらに下はないのだがな。成績が悪すぎると補習授業とかはありそうだ。

 

「赤点取ったらウチらF組はどないなんねんやろなー?」

 

「退学とか?」

 

「リア将軍、それは流石にシャレにならないよ~」

 

「うふふ、じゃあ、なるだけ生き延びないとですね。しっかり活躍して点も取って華々しく散るのを目標にしてみませんか?衣鶴」

 

「うぅ~自信ないかも……」

 

 果たして衣鶴は赤点を回避できるのだろうか。

 

「なんにしてもこのゲーム、あの男は高みの見物なんでしょ?それが腹立たしいわ」

 

「たぶんですがあの方だけじゃないでしょうね。ゲームの点数を期待値っていう程なのですから、私たちの活躍振りに期待している方々は他にもいらっしゃるんじゃないでしょうか?」

 

「ウチらは良い見世物っちゅうわけか?」

 

「あくまで可能性を述べたまでですけどね。しかも、どこぞの誰かさんに観られているかもわからないので、それはそれで困りものですよねー」

 

「考えただけで鳥肌もんやな」

 

「私たちの人権とはいったい……」

 

「最低限はあるんじゃない?」

 

 最低限のラインがどこなのかは定かじゃないがな。

 私の得意魔法はこれです。私には必殺技があります。弱点はここです。どうですか?私を雇いませんか?と企業へ自分を売り込んでいくようなものだろうと彼らは想像しなければならない。想像して、どこまで自分を売り込むかを考えていかなければならない。

 まぁ、でもこのシステムを理解するのはクエストが終わってからでもいいだろうと私は思う。傍観者たちは新入生の素が見たいだろうし。

 ただし、私たちはあーでもない、こーでもないと議論し続けている場合じゃないのだ。

 

「やっぱり何を考えているのか、わからないわ。アイツの頭ん中って……やっぱり金のことしかないのかしら?」

 

「まーあん人の考えてること、ウチらでは到底理解できひんしなー。愚痴ってもしょうがないし、それよかもっと目を向けるべき問題があるで」

 

「そうかもだけど……でも、こういう依頼を平気で引き受けるから暗殺とかされるのよ。マジでさっさとくたばってくれないかなー、アイツ」

 

「あははー、リアったら。心の声が駄々漏れですよ……?」

 

「あらやだ……また口に出てた?じゃ、今のは無しね」

 

 口に手を宛ててお茶目にウインクしてくるリア。いや、手遅れだから。そんなリアを見てケラケラと笑う京。衣鶴は内心はらはらしているようだ。やれやれだが、最悪の先輩よりこちらのゲームに集中してもらいたいものである。

 

「リア、京の言うとおり今はクエストに集中しましょ?文句はコレが終わってからでもいいでしょうに」

 

「まずは裏切りもんがどういうつもりでウチらを拉致したんか……やっこさんの目的は、ケムルズって町に行けばまた何かイベント起きるんやろ?それを確かめんと話しは先に進まんでー」

 

「わかったわよ……」

 

「だ、だったら皆……早いことこの屋敷から出ようよ。ここからケムルズの町ってそれなりに距離があるんだよ?このペースだったら一日かかると思うし」

 

 とろとろ先頭を歩く私達を急かす衣鶴。制服の背中の所をちょこんと掴まれて歩きにくいのだが。たぶんだが、私を盾代わりにしようとしている腹黒さを垣間見た。そんな脅える小動物をケラケラと笑う京が告げる。衣鶴だけじゃなく、だらだらとまだ屋敷の外へ足を踏み出していない彼ら全員に向けてだ。

 

「残念やったなー、衣鶴。それは無理な話しみたいや」

 

「ど、どういう意味……?」

 

「いや、どうもこうもウチらすでに囲まれとる」

 

 もうすでにクエストは始まっているのだ。

 

「うわぁあああああああああああああああ!??」

 

「「っ!?」」

 

 誰かの悲鳴……というより断末魔というべきか。私達よりも先に屋敷外へと足を踏み入れた生徒の内の誰かが犠牲となった。スマホで確認すれば244/245名と表示されていた……

 

「ひっ、こっちに来るなぁあああああああああ!?」

 

「だ、誰か助けてくれぇええええええええええ!!」

 

「死ね死ね死ね死ね死ね死ぬぅううう………っ!!」

 

「おかあさぁああああああああああああああん!!」

 

「「「「………」」」」

 

 否、違うか。残り240/245名だ。

 最後のお母さんはよかった。良い意味で残り240名の生徒たちに緊張感と恐怖感を煽れただろう。何が起きたの?と衣鶴が私のブレザーに皺を作りかねないほど強く握ってくるのが何よりもの証拠だ。彼女ほど一般素人はいないだろう。だらだらと歩いていた彼らはピタリとその場に立ち止まり辺りを警戒し始めた。

 

「お、おい、あれ……っ!?」

 

「な、なにかこっちに来るぞ……っ!!」

 

 正面にある門からではなく外壁からガッガッガっと横着しては、よじ登り何者かが姿を現した。そいつはボロボロの布キレを覆っていて姿がわからないが恐怖の塊みたいなモノだった。ホラーというべきかこの不気味な屋敷に相応しい何者(バケモノ)だ。

 誰もが硬直する………。私も苦笑いが精一杯だった。

 先ほどの犠牲者と戦ったせいもあるだろう。ヤツは上半身のみで活動を続けるバケモノとなって、何故かこちらに向かってきていた。半分しか胴体がないので両腕だけで壁を登り下り地面を這いずり、しかしその速度は野生のオオカミに匹敵する。誰もが恐怖のあまりドン引きして魔法が撃てない。

 衣鶴が可愛い悲鳴を上げてしまったこともあり、調子に乗った何者かが「おおおお嬢ちゃんぅぅううう!いないいないばぁああああああああああ!!」と脅かすものだから、見かねた京が衣鶴を庇いその強襲をただのグーパンチで返り討ちにするのであった。

 

「お、お見事なのですよ京……」

 

「まーいつもこんな連中相手にしとるからな~」

 

 妖怪退治屋はスマホのアプリいらずだそうだ。外壁まで逆戻りになった何者かは外壁と衝突し木っ端微塵になってしまったため正体不明のままとなった。

 しかし、そいつら(・・・・)の正体は嫌が応にも次で明らかになる。

 

「ひぃっ、ア、アンデットだ!?ガイコツ兵が攻めてきたぞーーーっ!!?」

 

 肉体はいつか生命の活動を停止して朽ち果て屍だけが残る。亡骸は埋葬され遺族に見届けられ冥界へと安らかな眠りについた。しかし、死した彼らはここにいる。それが私との契約を交わしたレア度<N(ノーマル)>のガイコツ兵。

 何十体ものガイコツ兵はボロの布キレを身に纏いボロボロの剣を手に正門から足並み揃えて侵入してきた。

 

「う、嘘でしょ……」

 

「あ、ああっ、あああああああああああああああああああ………っ!!?」

 

「衣鶴、漏らすにはちーとばかし早いんとちゃうか!?」

 

「い、衣鶴。離れてくださいまし……」

 

「いやいや、何でそんなに暢気なんだF組み女子ども!!こいつはシャレにならん!!マジでやベー!!」

 

 周りの男子達がガイコツ兵を見て騒ぎ出した。煩い。

 

「裏切り者ってネクロマンサーかよ!?禁術じゃないか!!」

 

「バカっ、これはゲームなんだから何でもありなんだよ。きっと……」

 

「いや、ゲームでも無しだろ!知った風な口きいてんな!大罪ものだぞ!!?」

 

「最悪だ!!俺たちの中に最悪の犯罪者が紛れ込んでいたんだ!!?」

 

「ちくしょう……っ!!もうおしましだ!!」

 

「こ、殺されたくねぇ!!死にたくねーよ!!スケルトンにされるとかまっぴらごめんだ!!」

 

「それはゲームの話だろ!!」

 

「ぐ、ぐちゃぐちゃ煩いわよ男子っ!!男なら黙って私達の盾ぐらいになりなさいよ!!」

 

「そ、そーよ!!ちょっとB組男子の良いとこ見てみたい!!そんで私達のために死ねっ!!」

 

「おい誰だ最後に死ねつったのは!?FUCK YOUしてるお前がそうなんだな!!覚えておけよ!!」

 

「おいおい仲間割れしてる場合じゃないって……っ!!」

 

「ひ、怯むなっ!う、うううう撃てっ!!撃ちまくれぇぇえええええええええええええええええっ!!」

 

 誰かの号令で一斉にアプリを起動し白銀の魔弾が発射された。押し寄せてくる禍々しい骨を玉砕するかのようにデタラメに容赦なく打ち込んでいった。まるでシューティングゲームのようにバキュンバキュンと倒していく。もちろん単純なゲームじゃない。インベーダーゲームも序盤だけがイジーモードであり徐々に難易度は上がっていくものだ。

 

「お、おい!また壁からよじ登ってくるヤツもいるぞ!!気をつけろ!!」

 

「な、何体か行動パターン違うヤツもいるからな!!うおっ!?犬のガイコツまで出てきやがった……って、ああああああああああ足噛まれたっ!!ひひひひ引きずりこまれるぅううう誰かぁああああああああああああ………っ!??」

 

 彼の足を噛み引きずるのはレア度<HN(ハイノーマル)>のスカルごん太だ。ごん太は忠実に飼い主の言いつけを守って獲物を正門の外へと引きずっていくのであった。

 また、

 

「や、殺られた……A組の小山がガイコツに斬られて殺されたっ!!?」

 

「はははははは灰になって死んだっ!!?」

 

「ははっ、A組の奴で無理なら俺たちは終しまいだ……」

 

 魔弾で撃ちこぼしたガイコツ兵が特攻してきて小山という生徒が犠牲になったらしい。すぐさまそのガイコツ兵は駆逐されたが、小山は助からなかった。いや、小山だけじゃない。ちらほらと狙撃の腕が未熟な生徒たちは撃ちこぼしが多くなっていき犠牲者が続いて出てきた。

 

「嘘だっ!!こんなの嘘だと言ってくれ……っ!!」

 

「お母さん、お父さん!!助けて……っ!!」

 

 素人で精神の未熟な者たちは恐怖し持ち場を離れていく。英雄の卵たちはこれほどに脆いものなのか……

 

「もうだめだ、ここも持たない!!屋敷に避難して篭城戦に持ち込もう……っ!!」

 

「それもそう簡単な話しやない。アレを見てみぃ、メガネ君」

 

「え……」

 

 メガネ君と呼ばれた男子生徒は京に声をかけられ屋敷の方を振り返った。

 

「えぇっ……!?」

 

 四方から脅威が迫りつつ後の退路は屋敷だけだが、どうやらそれも断たれたようだ。そもそも篭城などしてはケムルズの町にたどり着けないだろうに。屋敷の窓からはミンチィ伯爵がガイコツ兵に捕まって「助けてくれー」と叫んでいる。彼は役者だ。

 屋敷の二階、三階の窓からロープを垂らして降りてくるシュールなガイコツ兵たちにメガネ君は二度振り返った。屋敷はすでにガイコツ兵だらけなのだ。言い換えれば屋敷にいの一番に逃げた腰抜け野郎への罠である。

 

「い、いつの間に……?」

 

 そんな疑問を考える余裕はあってないようなものだ。いつの間にと問われれば彼らが寝てる合間にすべて仕組んでいたと答えるけども。

 メガネ君の足元からガイコツ兵の腕が生えた。生えたのではなくガイコツ兵が地中から腕を伸ばして現れたのだ。メガネ君の足を掴み払い転げさせてはひと突きグサリといきたいところであったがな。

 

「おっとメガネ君、油断は禁物やで~」

 

「あ、ありがとう。助かったよ……」

 

「その礼はここを切り抜けてから言ってもらおかー」

 

「あ、ああ……っ!!」

 

 どうやらメガネ君は命拾いをした。京は地面から出しゃばってきたガイコツ兵を足蹴りに粉砕してみせた。京の傍にいた彼は運がいいようで、それは京の活動範囲が徐々に広がってきてエンジンがかかってきている証拠だ。

 京は今、私達を置いてけぼりにして他の生徒を助けて回っている。それは厄介だ。

 

「こ、これ衣鶴!!もういい加減、手を離してくださいましっ!!戦いづらいじゃありませんか!!」

 

 衣鶴は恐怖のあまり指が硬直したように私のブレザーを離さない。何があっても離さないようで、ここで私が死んでしまってはナンセンス。今はリアやF組みのクラスメートと協力して難を逃れているところだ。

 

「えぇーい!!この~~~~!!は~な~し~て~くださ~い~~~~~!!」

 

「は~な~さ~な~~~~い……っ!!姫とここで心中するんだ!!今決めた!!そう!!今!!この瞬間!!ここが私達のお墓だよ!!」

 

「お漏らし小娘と心中とか論外ですから!!せめて最後にリアとチュー以上のことしてから逝きたいのですよ!!」

 

「それはアタシがごめんだわ。それよか、ブレザーを脱いだら問題解決するんじゃない?」

 

「はっ!?言われてみればそうですね!!」

 

 貴女は天才ですか、リア。

 

「うふふっ、これで私達は離れ離れになれましたね?衣鶴」

 

「あぁん!!泣いちゃうううううううううううううう!!」

 

「いやアンタ達は何で追いかけっこ始めてんのよ!?自由か!!」

 

 だって衣鶴が追いかけてくるんだもん。しかし、ブレザーを脱ぎ捨てて正解だった。このままあの場所(ポイント)にいれば戦渦に巻き込まれてしまう恐れがあった。私は私が生き残れるように襲撃ポイントと安全地帯を定めてあり、適当に移動してやり過ごさなくてはならないのだ。この調子で一介の生徒を演じ逃げ切るのみだ。

 さて、問題はここからである。

 私は現在、自身の魔法を使えないでいる。それはネクロマンサーという悲しき性であり、何故か他の魔法が使えないので、小太郎様の作ってくれた特性アプリ<銀色魔法>を使用するしかない状況下だ。固有魔法というかアプリを媒介にせずに魔力を練れば魔力の色やら濃度で京クラスになれば見分けてしまいそうだ。彼女は妖怪退治専門であるが故に特殊なことをすれば正体を見破られかねない。それは論外だ。

 そもそも、この(ガイコツ)たちは決まった時間に勝手に活動してくれるよう、昨晩の屋敷の外に魔法陣を埋め込んでいたものだ。4月9日午前8時半に魔法陣が発動して新入生を襲い掛かるようにプログラムされた<小時限式死霊魔法(タイムズ・ネクロマンス)>というもので、問題なのは決められた時間に決められた場所でしか活動できない魔力の省エネも考えた魔法であるわけだが……そろそろデッドゾーンのところにいる生徒は次に出現する<N>ドクロ・アーチャーによって仕留められてしまうワケなのだが……

 

「あぁぅううう、転んじゃった。てへへ……」

 

「バカっ!早く立ち上がりなさい……っ!!?」

 

 私に追いついた衣鶴が転んだ場所はまさしくデッドゾーンだ。私はバカだった。私は彼女を見捨てるべきだった。助ける演技をするよりも早く彼女を見捨ててこの場から離れるべきだった。いや、もう遅い。振り返った時、屋敷の屋根には<N>ドクロ・アーチャーが弓を構え今まさに矢を放つところだ。デッドゾーンにいる衣鶴とアーチャーの直線ラインに私がいた。固有魔法(ネクロマンス)を使わない限り指令を与えない限りアーチャーの動きを止めることはできない。私の正体がここでバレるわけにもいかないし私はここで死ぬわけにもいかないのだ……

 

「………」

 

 私は思わず衣鶴を庇って息をするのをやめていた。

 ………。おかしい、アーチャーの矢が飛んでこない。アーチャーが攻撃をやめたのか、それとも仕事をしていないか……うずくまって固まる私を衣鶴が心配そうに声をかけているのがわかった。そんな衣鶴が次に悲鳴をあげたのは矢に撃たれたからでなく、覆いかぶさる私の隙間から見えるガイコツ兵が剣を構えてその隙間から衣鶴だけに狙いを定めていたからだ。

 周りから見ればJK2人を串刺しにしようとする骨軍団の絵だ。結局手元が狂って私も串刺しになることはなかった。

 

「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけどさー。何で皆アイツのアプリばっかり頼ってんのよ?他の魔法使っちゃいけないルールなんてないわよね……??」

 

 それはリアの声だった。バチバチと稲妻が走りガイコツ兵が灰となるのがわかった。

 

「2人とも、怪我はない?」

 

「「り、林檎将軍~~~!!」」

 

 貴女は女神ですか、リア?




悪役お姫様を完全ヒロイン化して男主人公にした方がよかったのかなー・・・
感想もお待ちしております。
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