神様、俺を異世界へ。   作:Watapon-

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ついに二桁!
(まだまだこれからですね。)


第10話 神様、俺達は王都に呼ばれました。

「ヒロトさん、今日はどんな依頼を受けるんですか?」

 

「うーん…そうだなぁ。」

 

今、俺とエストの二人は、また新しい依頼を受けるために冒険者ギルドに来ている。

お金を稼ぐ、という目的もあるが、今回俺が魔法を習得したので、実戦で使ってみようという話になったからだ。

 

「あ、これなんてどうですか?」

 

エストが掲示板の張り紙を一枚はがして持って来た。

 

ーーー『リザードマン討伐』ーーーー

〈依頼内容〉

西の森に生息するリザードマンを七体以上討伐する。

〈報酬〉

七体で銅貨30枚。七体以上の討伐報酬は要相談。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

報酬は3万ポーラで七体以上倒せばボーナス付きか。…これはおいしい。

報酬はそこまで高くないが、魔法を試すには丁度いい相手だろう。

 

「よし、これにしようか。」

 

リザードマンとは、剣や盾を持つ、龍の戦士。冒険職でいう戦士のような戦い方をするモンスターで、攻撃と防御をバランスよく行う。

だが、魔法には耐性がないらしく、魔法使いたちの格好の獲物になっているそうだ。

 

「…しかし、東の森と違ってちゃんと道が出来てるな。どこかの街に繋がってるのか?」

 

「ここは王都に続く道になっているんです。…なのでここを通る人を狙って襲うリザードマンは厄介なモンスターなので依頼数以上倒すとボーナスが付くんですよ。」

 

リザードマンも、そこそこ知能のあるモンスターらしい。

…それよりも王都か。一度行ってみたいもんだなぁ。

 

「あ、そうだ。今この近くにリザードマンがいるのかを調べよう。」

 

「え?そんな事が出来るんですか?」

 

俺には人の無属性魔法を使うことの出来る能力がある。そして、昨日エストに教えてもらった魔法の一つに敵感知の魔法があった。

 

「それじゃあ使うか…『エネミーサーチ!』」

 

『エネミーサーチ』を使用すると、周りに敵が居るかどうか、そして数や距離を把握する事が出来る。

これの応用で『トレジャーサーチ』なども使えるらしい。

 

「…この近くには居ないみたいだけど、少し離れた場所にリザードマンの反応がある。」

 

「どの方角ですか?」

 

「…北西だな。そこに数体のリザードマンの反応がある。すぐに向かおう。」

 

北西を目指して、俺とエストは走り出す。それと同時に、俺はある魔法を掛けた。

 

『サイレント!』

 

すると黒い靄が俺とエストの周りを取り巻き、すぐに消える。

 

「こ、これは何ですか?」

 

見たこともない魔法を掛けられて、少々ビビり気味のエストが尋ねてくる。

 

「これは無属性の支援魔法で、主に隠密行動を取る時に使用する魔法なんだ。これで、一気に詰めて奇襲をかけよう。」

 

この前ギルドの資料室で見つけた無属性魔法の魔道書に載ってた。

 

「…何気に私より使いこなしてませんか?」

 

「え?そうかなぁ?…っと、話してられるのもここまでだ。行くぞっ!」

 

獣道を抜けると、そこには道が。

俺は一体のリザードマンの背後に迫ると後ろから背中を切り裂く。

そして、仲間を倒されたことに気づいた他のリザードマンたちがこちらを振り向く。

「今だエスト!」

『コロナボール!』

エストがそう唱えると数体のリザードマンへ火球が飛び、次の瞬間、小爆発を起こした。巻き込まれたリザードマンはバラバラに飛び散る。

「…ヒロトさん!今です!」

俺はエストの合図を聞いて残りのリザードマンへ向き直る。

そして、手を空にかざすと、こう唱える。

『ライトニングボウッ!』

それと同時に空中に無数の光の矢が現れる。そして、俺は掲げた手をリザードマンへ振りかざすと、光の矢が高速で降り注ぎ、リザードマンを串刺しにした。

「上手く決まりましたね!ヒロトさんの『ライトニングボウ』カッコ良かったですよ!」

戦闘が終わり、安心したエストがこっちへやってくる。

「お褒めに預かり光栄ですよ、先生。」

と、俺もふざけて笑いかける。

…だが、俺にはまだ気になる事があった。

「…まだ近くに居るな。エスト、ここから数百メートル先に何かモンスターが群がって場所がある。」

「…リザードマン、でしょうか?」

「…多分。だけど、何か様子が変だ。取り敢えず向かおう。」

「は、はい!」

 

 

『ワイドセンス!』

「今度はなんの魔法ですか?」

「感覚拡張魔法だよ。何か遠くに見えるんだよな…あれは…馬車だ!馬車が襲われてるぞ!」

「い、急ぎましょう!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「グルルルル…」

「し、しまった…このままではお嬢様を守りきれない…」

「ガァッ!!!!!」

「う、うわぁっ!!」

 

『ウインドカッター!』

『アイシクルレイン!』

 

 

「こ、これは、一体?」

何が起こったのか理解出来ていない様子の男性にエストが話しかける。

 

「大丈夫ですか?…ギリギリだったみたいですね。」

 

「ああ、助かったよ。…君たちは?」

 

「それは後で。…エスト、この人達を避難させてくれないか?後は俺がなんとかするからさ。」

 

俺の指示でエストが馬車を誘導すると、それを追いかけようとリザードマンが走り出す。が、俺は走って来た二体を斬り捨てる。

 

「ここから先には行かせないぞ!『トルネード!!』」

 

俺が風属性の魔法を唱えると、残りのリザードマンを巻き込む竜巻が発生し、遠くへ吹き飛ばした。

 

…エストに貰った魔道書のお陰で色んな魔法が使えるようになった。

 

「ふぅ…魔法もだいぶ使い物になって来たな。…おっと、エストの所に行かないと。」

 

 

「本当に感謝致します。…貴方方が駆け付けなければ私共は全滅していました。」

 

…そう言って、恐らく護衛だと思われる彼らは地に片膝をつき、頭を深々と下げて来た。

 

「あ、頭を上げてください!俺達はただ当然のことをしたまでですから…」

 

「…なんと謙虚なお方だ。人が出来ておられる。」

 

そう言って、護衛の方々は微笑んだ。

 

「そういえばまだ紹介ができておりませんでしたな。…お嬢様。どうぞこちらへ出て来てください。」

 

護衛のリーダーと思しき男性が、馬車へ向かって話しかけると、金髪の少女が馬車から降りて来た。

 

…まだ、10歳かそこらだろうか?

 

「我々は公爵家専属の騎士団でございます。そして、こちらのお方が公爵家の一人娘。リオナ・クレウス・ハルバート様でございます。」

 

こ、公爵家ってなんだ?

 

「初めまして。私はハルバート家の令嬢。リオナ・クレウス・ハルバート申します。…助けていただき、感謝致します。」

 

そう言ってリオナは一礼する。

 

「あ、あの、俺は霧島ヒロトって言います。…ってエストは何してんの?」

 

「こ、公爵というのは爵位の最上級。それも王族しか持つことのできない爵位ですよ?何でそんなに平然としてられるんですか!?」

 

なるほど、公爵家ってのは王族で、この娘は国王の姪…って、めちゃくちゃ偉い人じゃんか!?

 

「リ、リオナ様って読んだ方がいいでしょうか?」

 

「貴方達は命の恩人ですから、敬語など使わないでください。気軽にリオナ、と呼んでください。」

そう言って彼女は微笑む。

…何というか上品な笑顔だ。

 

 

事情を聞くと、リオナはアイギシュタと友好関係にある国とのパーティーに参加した帰りだという。そこであのリザードマンの群れに襲われてしまったらしい。そして、そこにたまたま俺たちが駆け付け、今に至るという訳だ。

 

「さて、お嬢様。そろそろ御帰りになりませんと公爵様が心配なされます。馬車にお乗りください。」

 

「分かりました、すぐ行きます。…貴方方には必ずお礼をさせていただきますので。それでは、」

 

と言うと、リオナはニコッと笑い、馬車に乗り込んだ。

そして、リオナ一行は王都に続く道を登って行った。

 

その後、ギルドで依頼の達成報酬を受け取った俺達は宿へ戻って就寝した。

…実は宿に帰るともう夜の10時を過ぎていた。良い子は寝る時間なのだ。

 

翌日、俺が日課のコーヒーを飲んでいると、アルバーさんが一枚の手紙を持って来た。

 

「ヒロト、お前ら宛に手紙だ。差出人は公爵家当主 エルトレア・クレウス・ハルバート…ってこれ!公爵様からの手紙じゃねーか!」

 

「こ、公爵様から!?」

 

俺は急いでアルバーさんから手紙を受け取ると、中の手紙を読み始める。

 

『我が娘の恩人へ。

この度は娘を助けていただいた事。心より感謝する。それにつき、屋敷にて君達に礼を渡したいので、その封筒に同梱した地図を使って、私の屋敷まで来てはくれないだろうか?

王都には検問所がいくつかあるが、その封筒を提示すれば通行証がわりになる。

それでは屋敷にて君たちの到着を待っている。

 

エルトレア・クレウス・ハルバート』

 

…勿論、断れるはずもなく、俺たちは王都へ向かうことになった。

 

そして…

 

「ヒロト!お前らの部屋はちゃんと用意しといてやるから、王都でヘマするんじゃねーぞ?」

 

「しませんよ…それじゃ、行って来ます!」

 

俺達は、公爵の屋敷に行くため、王都へと旅に出た。




これで一章は完結です。
ここまで読んでくれた皆様、ありがとうございました。
次章もよろしくお願いします。
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