神様、俺を異世界へ。   作:Watapon-

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あんま関係ないんですけど、ゾンビってめちゃくちゃ怖くないですか?(バイオは別。)


第13話 神様、ゾンビ達に襲われました。

リドルトを出発してはや3日。

俺とエストは、チンピラに絡んでいた少々男っ気のある双剣使いの少女、イリアを仲間に加え、王都に向かっていたのだが…

王都まであと少しという所で、チンピラの数十倍面倒な輩に絡まれていた。

 

「…クソッ!何だよコイツら!エスト!イリア!大丈夫か!」

 

「私たちは大丈夫です!…ですが、どの魔法も全然効果が無いです!」

 

「何でこんな所にゾンビが…」

 

そう、俺たちが今絡まれている奴というのは、メジャーアンデッドモンスター ゾンビ。墓場から召喚された彷徨うアンデットであるゾンビには死という概念が存在しておらず、斬っても焼いても、少しすると再生して、また襲ってくる。

 

…そういえば、アンデットの弱点ってなんだっけ?ある所では光、またある所では水だとか火だとか言われてたけど…

 

「エスト!アンデッドモンスターの弱点ってなんだ?」

 

「え?弱点ですか!?うーん…確か、光だったようなー…水と火の魔法が効かないのでそれしか無いと…」

 

『ライトニングボウッ!』

あれ?なんだかゾンビ以外の悲鳴も聞こえたような気がするけど…

 

 

「…もう、危ないじゃないか!あたし達までまきこまれるところだったぞ!」

と、イリアが。そしてそれに続いて。

 

「本当ですよ…まぁ確かに緊急事態だったので仕方がないっていうのは分かりますが…」

エストも、

 

「す、すいません。反省してます。」

 

俺はゾンビの群れを倒した後、二人に正座させられ、説教を喰らっていた。

…今度からは気を付けよう。

 

「…でも、なんであんなにゾンビが湧いたんだ?今は別にダンジョンとかに潜ってる訳でも無いのに…」

 

「ゾンビは夜になると稀に出てくる事があるんだよ。…でもこの量はオカシイよなぁ。」

イリアの言う通り、稀に出てくるモンスターがこんな大量に出てくる訳がない。

俺が考えていると、ふとエストが呟いた。

「…召喚魔法でしょうか?」

 

「召喚魔法?そんな物もあるのか?」

 

「召喚魔法は闇属性の上位魔法で、自らの魔力に応じたモンスターを呼び出せるのですが…」

 

「ゾンビってそこそこ魔力の高い人が呼び出せる階級のモンスターなんだよね…」

 

なるほど、そこそこ高レベルな魔法使いがこちらを狙っているのか。

…召喚魔法にも範囲というものはあるだろうか?取り敢えず…

 

『ワイドセンス!』

範囲があるならこれで見つけられるはず。…でもこの魔法にも有効範囲があるからなぁ…

 

「ん?ヒロトは何してるんだ?」

と、イリアが首をかしげる。

「視覚を拡張して、魔法を発動した人を探してるんだよ。…あれ?居ない…のか?」

360度、見える範囲は全て確認したのだが…どこにもそれらしき人物が見当たらない。

俺は魔法を解除すると、次は敵感知の魔法を。

 

『エネミーサーチ!』

 

「こ、今度は何だ?」

 

「敵感知の魔法ですね。…どうです?何か居ましたか?」

 

うーむ、やっぱり反応が…無い。

 

「どうやらここら辺にはもう居ないようだな。」

と俺が言うと安心したのか、エストとイリアはその場に座り込んだ。

 

すると、俺の脳内にある人の言葉が聞こえて来た。

 

『…ヒロトよ。ワイドセンスの範囲は100メートルじゃ。召喚魔法の範囲はそれより狭いはず。…何処かに隠れて居るのでは無いか?』

そう、神様だ。

(…どう言う事?ワイドセンスでも見つけられない所なんてあるのか?)

『…潜伏魔法だろうか。ヒロトも前に同じ魔法を使ったであろう。どれ、一つ便利な魔法を教えてやる。』

(便利な魔法?潜伏魔法を破るとか?)

『いや、破るのでは無い。『サーチ』の応用でな。『サイレントサーチ』と言うものがある。範囲は狭くなるが、潜伏魔法を発動して居るものでも見つけられる。』

なるほど、これは便利な魔法だ。

(召喚魔法の範囲はカバーできるのか?)

『勿論カバー出来る。そこそこ魔力を喰うが、ヒロトの魔力量ならまず問題はない。』

(…よし、分かった。)

俺は神様との通信を切ると、すぐにその魔法を試す事にした。

 

『サイレントサーチ!』

…お、居た。ここから東に大体20メートルくらいか。

「…見つかったぞ。あの森の中からだ。エストは氷の針を。イリアはいつでも攻撃できる準備を。」

エストとイリアはまだ俺が何をしたいのか理解していなかった様だが、うん、と頷いた。

 

 

サイレントサーチに反応した場所をワイドセンスで確認すると、そこには黒いローブを着た魔法使いが。

俺は勘付かれない様に魔法使いが見える場所へ。

「エスト、」

俺がそう合図するとエストは指を立て、

『アイスニードル』

と唱える。するとダーツするには丁度いいサイズの針が作られる。

俺はその針を受け取ると、

『ナムネス』

と唱え、その針に麻痺効果を付ける。

「…相変わらず、予想外の使い方をしますね…もう尊敬を通り過ぎて呆れますよ。」

と、エストが苦笑する。

「そりゃどうも。…よし、狙いは定まったぞ。イリア、俺が魔法使いをこの針で狙撃するから、合図と同時にそいつを捕まえてくれ。」

 

「りょ、了解!」

と、イリアも頷く。

そして魔法使い目掛けてその氷の針を投げる。

「うっ!」

と言う悲鳴と同時にドサッと落下した音が聞こえる。…俺はイリアに合図を…あれ?どこ行った?

「イリアさんなら氷の針を投げた瞬間にその方向へ走って行きましたよ。」

と、エストが言うと、

「捕まえたぞー!」

と、イリアの声が。…どんだけ足速いんだよ。

 

 

イリアが捕まえた女魔道士の麻痺を解き、紐で拘束すると、

「…何でこんな事をした?」

と、俺が尋ねる。するとその魔道士は

「公爵様に『リオナを助けた者達の実力を調べよ。』との命を受けまして。

…申し遅れました、私、公国魔術師団所属のアリエと申します。」

おっかない事をするなぁ、ここの公爵様は。…まぁ他の公爵様は知らないが。

「…ということは、国家魔術師様のお弟子さんですか!?」

「いかにも、私共は国家魔術師シーヴィル様より魔法を請うております。」

とその魔道士が答えると、エストは彼女に尊敬の眼差しを向けていた。

しかし、国家魔術師かぁ…名前からして凄そうだな。

「あの、こっちこそごめんなさい。そうとも知らずにこんな酷いことしちゃって…」

と、魔道士を縛り上げたイリアがシュンとする。

「いえいえ、こうなる事は想定の範囲内でしたから。別に謝ることなどないのです。」

と、魔道士はイリアを慰める。

そして、俺の方を向き直ると、

「しかし…魔法を組み合わせ、潜伏魔法を使っていた私の位置を暴き、そしてあの距離で的確に命中させられるとは…貴方の腕には恐れ入ります。」

 

「いや、あれは俺一人でやったことじゃないですよ。…それで、実力検査の方はどうですか?」

と俺がとぼけたように聞くと、

「言うまでもないですよ。貴方方の実力は私の想定を遥かに超えていました。」

「なら良かった。…それで、貴方はどうするんですか?俺たちはこのまま王都へ向かいますけど…」

と俺が尋ねると、エストが

「是非!私達と一緒に公爵様の屋敷まで行きましょう!」

…あれ?エストって魔法の事になると此処まで積極的なのか?

「ええ、私も公爵様に結果をご報告しなくてはならないですからね、ご同行させていただきたく思います。」

 

 

その後、エストは彼女に魔法について沢山教えてもらい、俺とイリアは御者席で馬の操縦をしていた。…まぁ、俺は全く何もできなかったのだが。

そして…

 

「着きましたね。…此処がアルカゼニア公国。王都アイギシュタです。」

 

遂に俺たちは王都へ到着した。




やっと王都へ到着ですね。
此処からが第2章の本編です。
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