意地の悪い野郎をGに変える魔法とか欲し…かは無いかな?
ギルドで冒険者登録を済ませた俺とエストは早速依頼を受けることにしたのだが…
「なぁスライムでいいじゃん!雑魚だし報酬もそこそこだし!」
「嫌です!スライムだけは絶対に嫌です!この、コボルト狩りにしましょうよ!」
俺はスライムが雑魚の中でも報酬が高かったためエストに提案したのだが…エストはスライム狩りだけは絶対に行きたくないと拒否を続けている。
「なぁスライムって雑魚じゃないのか?」
「雑魚モンスターといえばそうですけど…女性冒険者からすれば、スライムは絶対に手を出したくないモンスターなんです!…それに、スライムには打撃が効かないんです。ですから剣使いのヒロトさんではバラバラにするのが精一杯だと思いますよ。」
あれ?スライムって意外と強いのか?
…じゃあ仕方ないか。でも、スライムが何故乙女の敵なのか。それは何度聞いても教えてくれなかった。
俺は仕方なく他の依頼を受けることにした。
「それで、どの依頼を受けるんだ?」
「あ、コボルト狩りです。さっき受付の方に聞いたのですが、コボルトは初心者でも比較的狩りやすいモンスターとの事だったので。」
なるほど、やっぱりコボルトは雑魚モンスターなのか。
「でも、どうやって依頼を受けるんでしょうか?私、今回が初めての依頼なので受注の仕方とか知らないんですよ…」
「それなら任せろ、依頼の受注の仕方ならバッチリだ。」
「さて、コボルト狩りに行こうか。」
「はい!…でもよく受注方法が分かりましたね。」
依頼の受注作業はRPGの基本だ。…これまで沢山のRPGをやって来たがその経験がこんなところで役に立つとは思いもしなかった。
「それで、何体倒せば達成なんだ?」
「ええと…五体ですね。コボルトは群れで狩りを行うモンスターなので五体ならすぐに見つかると思いますよ。」
「よし、じゃあ作戦だけど…俺が前に出てコボルトを狩るから、エストは魔法で背後から援護してくれ。」
「はい!…なんか冒険者っぽいやり取りで興奮して来ました!」
「…コボルトが出てくるまでに落ち着いとけよ。相手が雑魚でもイレギュラーが起きることもある。興奮してるとそこまで頭が回らなくなるからな。」
「はい、分かりました。」
「ここにコボルトが居るのか…」
俺たちがやって来たのは街から少し離れた所にある森林地帯。コボルトは獣系のモンスターだからこういう場所を好むのだろう。
「…気配しないですね。ここら辺には居ないのでしょうか?」
「…そうみたいだな。もう少し奥に進もうか。」
と、俺たちが奥へ進もうとした時だった。エストの背後に白い影が!
俺はエストを突き飛ばすとその白い影を斬り裂いた。
影はキャイーン…と声を上げると地面に倒れる。
「…エスト、今のがコボルトでいいのか?」
「は、はい。間違いないです。…その、助けてくれてありが…」
「仲間なら助けるのは当然だ!…それよりマズイな。もう囲まれてるみたいだ。…エスト、手筈通り行くぞ。」
「は、はい!」
俺たちは作戦通りの陣形を取る。
…コボルトも様子を伺って居るのか、なかなか出てこない。
そして、野鳥が飛び立ったのを合図にコボルト達が飛びかかって来た!
「はぁぁぁぁぁ!!」
コボルトは雑魚だが素早い。俺はコボルト達が俺に攻撃する前に剣で斬り落とす。だが、剣の扱いは素人だ。いくらスピードが強化されていても、一度に4匹のコボルトを倒すのは厳しい。
「エスト!左の二匹に魔法で攻撃だ!俺1人じゃカバーしきれない!」
「了解です!…『アイシクルレイン!!』」
エストがそう唱えると、エストの頭上に鋭く尖った氷の針が形成されていく。そして、エストがコボルトに向かい掌を翳すと、二匹のコボルト目掛け氷の針が放たれる。…高速で放たれた氷の針はコボルトの体に突き刺さり、確実に息の根を止めた。
俺は残った二体を斬り捨てると、エストの元へ向かった。
「今のが魔法?…その、初めて見たもんだからちょっと興奮してる。」
「はい!私は水の魔法を専門で使っています。今のは『アイシクルレイン』という無数の氷の針を対象物に放つ魔法です。他にも火の魔法が使えますけど、専門じゃないので威力はそんなに出せません。」
これが魔法での戦闘。…迫力が半端じゃなかった。…俺は少し落ち着くと、これからの異世界生活でかなり重要になることを尋ねてみた。
「魔法って俺にも使えるのか?」
魔法の習得。これは多分俺がこれから戦っていく中でも大切な事だ。魔法が使えるのと使えないのとでは大きく差が出る。
「魔法はそれぞれに属性があって、適性を持つ属性の魔法のみを使用する事が出来ます。…今この場では調べられないので、街に戻ったらやりましょうか。」
「おお!是非頼むよ!」
「…まぁこれで依頼は達成なので、ギルドで承認をしてもらいましょう。」
…俺たちは依頼を終えて来た道を降り始めた。幸いな事に神様は俺の記憶力も強化してくれたらしく、来た道はしっかり覚えている。そして、油断し切っていたその時。俺の恐れていた事態。『イレギュラー』が起こってしまった。
「…!?何か来る?」
「コボルトでしょうか?きっと私たちの声を聞いて反応したんでしょう。」
「いや、違う…この足音はコボルトじゃない!!」
そして、俺たちが身構えたその時、先程のコボルトの数倍はあるであろう、白い毛に包まれた大きな獣が鋭いツメを振り下ろして来た!
俺は咄嗟にその攻撃を剣で弾く。だが予想以上に重く、そして速い攻撃は俺の全身に響いた。
そして同時に、このモンスターが普通ではないことに気がついた。
「お、大きい…」
エストはその獣のサイズと恐ろしい容貌に恐怖を感じたのか、足がガクガクと震えている。
俺も少し恐怖を感じていた。…あの鋭いキバやツメでの攻撃をまともに喰らえばいくら耐久力があっても瀕死の重傷を負ってしまうだろう。それが俺ならいいが、エストが喰らえばまず間違いなく『死』だ。
…それに、この巨大な体を持つ獣にはエストの魔法は通じないだろう。なら、ステータスの高い俺がこいつを惹き付けるのが最良の策だ。
「…エスト、お前は先に逃げててくれ。こいつを仕留めて後を追う、だから早く逃げろ!」
「え!?で、でも、私だけ逃げるのは…それに、いくらデカイ相手でも二人でやれば!」
…確かに二人で掛かれば勝てるかもしれない。…でも、俺の素人剣術じゃ、コボルトはまだしもこいつを相手にしては万が一の事態からエストを守りきれない。
依然、コイツは俺の方を睨み、唸りを上げている。
「エスト。コイツの攻撃を喰らえば俺はまだしも、お前は即死だ。…万が一だってある。お前をここで死なせるわけにはいかない。…頼む、逃げてくれ。」
「…!!」
エストは何か言いたそうだったが俺の意思を理解してくれたらしく走って逃げていった。
「…!!グラァァ!!」
…威嚇。いくら神様に力を強化してもらったとはいえ元はただの高校生。…こんなデカイ獣に威嚇されると逃げたくなる。
だが俺は…覚悟を決めた。
「さぁ…始めようぜ。正々堂々、一対一で勝負だ!」
…文章で戦闘シーンの表現をするのって凄く難しいですね。
(誰か教えてください!!)
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