神様、俺を異世界へ。   作:Watapon-

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今回は終始、緩々です。



第8話 神様、俺は散財しすぎました。

「…やってしまった。」

 

ー数時間前ー

「ヒロト!お前ってば、本当に白獣を

倒したのかよ!!ガハハハハ!」

 

「ちょ、アルバーさん!酒臭いっすよ!アハハハハ!」

 

俺の奢りで始まった白獣討伐並びにクエスト初達成のパーティーはいつの間にか宿の人だけでなく、ギルドにいた冒険者の連中まで加わって大変な事になっていた。

 

エストもこんなに大きなパーティーをしたのは初めてらしく、遊びに来た冒険者たちと楽しく会話している。

 

俺はというと…

 

「ヒロトさんは凄いっすよ!だってあの白獣っすよ?あれを一人で倒すだなんて信じられないっす!」

 

「だよなぁ!おい、そこの姉ちゃん!ヒロトさんに酒と料理をバンバン持ってこーい!!」

 

…酒飲みたちに絡まれていた。

 

それより、俺には大きな問題があったのを思い出した。

 

「あの、アルバーさん。俺まだ未成年なんで酒飲めないんですけど…」

 

「あぁ?未成年って何だよ。酒ってのはな14過ぎりゃ誰でも飲めるんだよ!」

 

「そ、そうなんですか?…でも、酒は慣れてないのでやめときます。」

 

しかし、この世界では飲酒の条例も違うのか。

 

「まぁそれなら仕方ねーな。…まぁお前の白獣討伐の御祝いだからなぁ、主催者のお前が楽しまねーと意味ねーだろぉ?」

 

…それじゃあ存分に楽しませてもらうとしようか。

 

「…よっしゃぁ!!みんな!今日はヒロト様の奢りだ!じゃんじゃん飲んで食いまくれよ!アハハハハ!」

 

「おいっ!…まぁいいか。」

 

みんな楽しそうにしてるし、これでいいか。

 

 

ー現在ー

「…二日間でもらった報酬を半分以上使っちまった。」

 

あれだけの人数に、あの料理や酒。アルバーさんによると全部一級品を揃えたらしく、その総額は実に900万。

前に手に入れた200万は生活費やその他諸々で残金が160万。

…今度、資金を調達しに依頼を受けないとな。

 

…でも、この二日間で本当に沢山の事があった。神様に暇つぶしで殺されて、土下座されて。

 

ステータスを底上げして貰ってこの魔道具を受け取り、この異世界へやって来た。

 

そして馬車の騎手を助けるためにホーンピッグとの戦闘になって、そこで俺の力がチート級な事に気づいた。

 

そして、馬車でこの街へやって来て、エストに出会って、アルバーさんや宿の人たちと出会って。

 

冒険者パーティーを組んだその日に賞金首を討伐。

 

そして、一気に大金持ちになったかと思えば報酬のほとんどを散財。

 

本当にいろんな事があり過ぎた。

でも、この世界の人たちはとても温かくて、とても自由で、笑顔で。

 

この世界に来て本当に良かったと、俺は思った。

 

 

ー翌日ー

俺は日課のコーヒーを飲みながら、ふと思う。

 

「あんなに散らかってたのによく片付いたな…」

 

昨日、あれだけ散らかしたというのに、食堂の汚れはおろか、ゴミ屑一つも落ちていなかった。

本当に宿の人達の働きようには頭が下がる。

 

そして、俺は昨日。

 

致命的な問題に気が付いた。

 

「…装備買い換えなきゃいけないな。」

 

昨日の白獣との戦いで、黒コートを囮に使ってしまい、服装備はボロボロだった。

 

つまり、今俺にはちゃんとした服装備が無い。

 

服装備が無いというのは冒険職の俺からするとかなり致命的だ。

 

「…服屋に行くか。」

 

 

俺はまだ朝早い街を歩き始めた。

やはり朝の風というのは気持ちがいい。それに何よりとても静かで、心が落ち着く。

…俺には一つ気になる事があった。

 

何故白獣のような賞金首モンスターがこんな初心者しかいない街に現れたのか。

 

普通、RPGの世界では大体、始まりの町付近にいるのは経験値稼ぎになる雑魚モンスターが主流だ。

 

だが昨日戦った白獣に関してはボス級の強さだといっても過言ではない。

 

白獣に遭遇したのが俺ではなく他の駆け出し冒険者なら、間違いなく喰われていただろう。

 

俺はあの人に聞く事にした。

 

「神様、聞きたい事があるんだけどいいか?」

 

『聞きたい事じゃと?…なるほど、昨日の白獣の件じゃな。』

 

神様は俺の考えている事がわかっていたらしい。

 

「それなら話が早い。…何でこの街の近くにあんなモンスターが住み着いたんだ?」

 

『…白獣はモンスターの中でもかなり知能が高くてな。よく弱いモンスターを囮にして、駆け出し冒険者を餌にしとるのじゃ。』

 

「…つまり、雑魚で冒険者を釣って食べてるってことか?」

 

『そういう事じゃ。だからあのモンスターには王都から高い賞金が掛けられておったというわけじゃ。』

 

「なるほど、これで納得できた。ありがとな、神様。」

 

『なーに、また何か知りたいことがあるなら聞くといい。…散財もほどほどになぁ。』

 

…ぐうの音も出ない。

 

 

ー服屋 アルビオンー

「いらっしゃいませー!」

 

「どうも、2日ぶりですね。」

 

「あ、貴方はあの時の冒険者様ではないですか!今、店長をお呼びしますので少々お待ちください。」

 

…何だろう、このVIP待遇は。

 

暫く待っていると、店長がやってきた。

 

「どうも、先日は良いものを頂きまして有難うございました。」

 

「いえいえ、服を無償で用意してもらったのでとても助かりましたよ。」

 

「それはどうも。…それでは本題の方へ入りましょう。聞きましたよ、まさか白獣を倒されるとは。」

 

…多分この街の人は全員俺が白獣を倒したって知ってるんだろうな。

いや、そんな事はどうでも良い。

 

「あの、また装備の方を見繕っていただけないでしょうか?俺、あんまり詳しくなくて…」

 

「ああ、そうでしたか。お任せください!良い物を見繕って差し上げます。」

 

 

ー10分後ー

「お買い上げ、有難うございましたー!またのお越しをお待ちしておりまーす!」

 

今回も店員総出で俺のお見送りをしてくださった。…なんかどこぞの貴族になった気分だ。

 

俺が購入したのは双剣使いなどがよく装備する物。

俺には底上げされた耐久力があるのでスピード重視の軽装備で行こうと思う。

そして、普段着も何着か購入した。

 

宿へ戻ると食堂でエストが昼ご飯を食べていた。

 

「あ、ヒロトさん。お帰りなさい。何処か行ってたんですか?」

 

「ああ、ちょっと装備を整えにな。昨日の白獣討伐で服装備が使えなくなっちまってさ。」

 

「そうだったんですか。…あの、先に昼ご飯を頂いてて良かったですか?」

 

「大丈夫。俺は荷物を部屋に運んでから昼飯にするよ。」

 

「分かりました。それじゃあまた後で。」

 

 

ー数分後ー

俺は昼食にサンドイッチを食べることにした。元の世界にあったような食べ物もここには幾つかあるようだ。

俺が運ばれてきたサンドイッチを食べていると、そこに飲み物を持ったエストがやってきた。

 

「はい、どうぞ。…あの、コーヒーで良かったですか?」

 

エストは気を利かせて、俺にコーヒーを持ってきてくれた。

俺はそのコーヒーを飲みながらコボルト戦の時にした、ある約束について聞いた。

 

「なぁエスト。明日もし時間があるなら、俺に魔法を教えてくれないか?」

 

コボルトを倒した後、俺はエストに属性の診断と、魔法を教えて貰うことを約束していた。

 

「あ、そう言えば約束してましたね。…じゃあ明日、宿の裏にある広場へ来てくれませんか?そこで教えるので。」

 

「明日の朝でいいか?」

 

「勿論、構いませんよ!」

 

「それじゃあ宜しく頼むよ。エスト先生。」

 

俺がそう言うと、エストはどこか恥ずかしそうに笑った。




次回、遂にヒロトが魔法習得!
と言う訳で次もよろしく!
(感想も書いてくれると嬉しいです。)
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