Fate/Grand Order -Anger of Judgment-   作:ぬのハンカッチ

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今回の描写は残酷要素がありますのでご注意下さい

なお、今回の話にはレジスタンスのライダーの真名バレがありますのでご注意下さい


第13話 ネロちゃまはちょろ可愛い

ヴィンセント視点

 

次の特異点であるセプテムに行く準備を終えたベルベット達は、ドラえもんの出したどこでもドアの前に集合していた

 

ほとんどのメンバーは遠足に行くかのようなテンションであったが、実際あそこは何度も言うがオルレアンの時と比べれば難易度はそこまで高くない

 

だから俺もベルベットも気軽にしていた

 

「んじゃ、そっちの方はお願いねもう一人の私?」

 

「へいへい、お前もカルデアの奴らを誤魔化せるような内容考えとけよ?」

 

ベルベットは俺にウィンクした後、どこでもドアを開けてセプテムへと向かった

 

「じゃあ、早速召喚するかね」

 

俺はあらかじめ作っておいた召喚陣に聖晶石を投げ入れる

 

これで本当にあいつが出てくるのだろうか

 

しばらく待っていると、召喚陣の輪っかが3つになり、その後ライダーの絵柄が現れる

 

そして、強い光が晴れると同時にそれは現れた

 

「俺はコロンブス。クリストファー・コロンブスだ。さあて、今回の航海にゃぁどんなお宝が待ってんだろうなァ?」

 

ベルベットがこいつを召還してくれなんて頼んだ日には気が狂ったかと思ったが

 

レジスタンスのライダーことクリストファー・コロンブスはビジネスパートナーとして見るならこの上なく最高なのだ

 

なにせ奴隷や金目のものには目がない奴だからな

 

んでコロンブスを召喚した理由だが、答えはいたってシンプル

 

それはコロンブスと共に歴史に影響をあたえない特異点へと向かい、そこにいるであろう人間達を全員連れ去ってセプテムにて奴隷として販売するのが目的だからだ

 

本来ならこの行為は人間の屑がやる行為だが、ネロが治めるローマ帝国では奴隷制度社会が存在し、しかもそれを悪いとは思ってもいない

 

ベルベット曰く、ネロちゃまを信用させるなら黄金と奴隷と美術品は必要だと言う

 

確かにネロは巷では可愛いと評判こそいいが、その正体は列記とした悪名高き暴君

 

質のいい奴隷を持ってくれば大喜びすること間違いないだろう

 

だからベルベットは奴隷においての専門はコロンブスが一番だろうと言う事でレンタルサーヴァントとして選ばれたのである

 

「コロンブス、召喚早々で悪いが、あんたとビジネスの話がしたい」

 

「ほう、ビジネスと来たか。そりゃどんなビジネスだぁ?勿論俺にも徳のある話なんだろうなぁ?」

 

俺はこれからある所へと行ってそこで金目の物や奴隷を集める事の話をした

 

「…てな訳だ。報酬はお前の好きなだけくれてやるが、どうだ?」

 

「いいねぇ!俺の事を理解してくれるマスターは大好きだぜ!そうと決まりゃ気分良くお宝を手に入れに行くとしますかぁ!」

 

コロンブスはそう言って笑いながらどこでもドアへと足がを運ぶ

 

「…大丈夫なのヴィンセント?」

 

「まあ…なんとかなるだろう」

 

少し心配だったが、ビジネスに関してだけは信用できる相手な為、俺はとりあえずマリーの肩を抱きながらどこでもドアへと足を運ぶのだった。

 

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ベルベット視点

 

セプテムへと到着した私達が最初に目撃したのはネロ陣営とレ…レ…レムリアモジャモジャ野郎陣営との戦いだった

 

性格にはカエサルの陣営だけど、裏で動いているのはあのモジャモジャ野郎の為、実際モジャモジャ野郎の陣営とも言ってもいい

 

私達は今の現状を見終わると、すぐに指示を出す

 

「それじゃ皆、手筈通りにネロちゃま陣営に入るわよ!ルビーちゃん達はワイスちゃんの氷を使って敵の足場の無力化。その後ターニャちゃんのタケコプター部隊と私達地上部隊による2方面からの攻撃で一気に行くわよ!」

 

『おー!』

 

ルビー達が前に出る

 

ワイスが水色のダストの所まで回し、それを地面に突き刺す

 

すると敵陣の周りだけスケートリンクが出来上がる

 

敵は次々に氷の上で転んび、起き上がろうとしても転びを繰り返していた

 

その隙を見逃さまいとターニャ率いるタケコプター部隊が上空から銃を連発し、敵を次々に撃退してゆく

 

そして残った私達地上部隊で残りの敵を各個撃破していく

 

この惨状を見た敵軍の指揮官は怯えながらも全軍に指示を出した

 

「ぜ、全軍撤退ー!」

 

指揮官が指示を出すと、敵軍は我先にと一目散に逃げ出した

 

しかし、この撤退はあくまでも一時撤退

 

恐らく次はサーヴァントを連れてくるだろう

 

そうなると色々と面倒だけど、まあなんとかなるかもだしこのまま放っておくのもアリだね

 

私はみんなの無事を確認しようとすると、私の前に突然ネロちゃまがやってきた

 

「そなたが指揮官か?」

 

「…なにか?」

 

あれ?なんで私冷たく接してるの?

 

私はただ「なーに?」って言っただけなのに…

 

「先ほどは見事な采配だった!おかげで余の兵士達の損害も少なく済んだ!」

 

「…そう」

 

だーかーら!なんで冷たく接っするのよ!

 

私はそんな冷酷無比な人じゃないぞ!

 

「そなたには何か褒美を与えたい!余の国に共にこないか?」

 

「…私はただ通る道のゴミを掃除したに過ぎないわ。礼なんて無用よ」

 

…もうやだ死にたい…

 

「遠慮するでない!それにこれ程までの力を持つお前達をこのままにしておくのは非常に惜しい!悪いようにはせぬ、ローマ皇帝である余が言うのだ。間違いない!」

 

「…はあ。しょうがないわね、そこまで頼まれたら断るにも断れないわ」

 

「決まりだな!では早速行こうではないか!」

 

ネロちゃまは上機嫌になりながら歩いていく

 

「…どうなってるのよ一体」

 

私はそう口ずさんでしまう

 

すると辺り一面が白い空間に包まれる

 

見間違えようもない、これはゲル神様の空間だ

 

『いやーゴメンゴメン、言い忘れてた事あったわw』

 

まるで忘れ物をした子供の如く現れたゲル神様に呆れ返る私

 

「ねぇゲル神様、なんで私の口調がこんなに変わってるの?」

 

私はそうゲル神様に聞くしかなかった

 

ゲル神様は頭をかきながら言った

 

『いやね、それは君が信頼してる相手によって口調が変わっているんだよ』

 

「…はい?」

 

『例えば僕や君の…正確にはヴィンセントのだけど…サーヴァント達に対してはいつも通りでしょ?』

 

「うん」

 

『けど、さっきのネロもそうだけど、心から信頼していないとさっきみたいな冷たい口調になるんだよ』

 

「…え、何それ意味わかんない」

 

『まあ、僕もよくわかんないだよねこれが。でもその衣装は影響してない事は確かだから、そこんとこ誤解のないようにね』

 

そう言ってゲル神様はじゃあまたねって言って消えてしまう

 

肝心な所を教えないで何が神様よ全く…

 

まあでも嘆いてたって仕方ないしね

 

せっかくネロちゃまと会えたんだから、これから信頼していけばいいよね

 

うん、そうしよう!

 

そうと決まれば善は急げ!ネロちゃまの後を追わなきゃ!

 

私はみんなに念話でネロちゃまに着いていく事を伝え、ネロちゃまの国であるローマへと向かうのだった

 

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ヴィンセント視点

 

一方で別行動をしている俺達は、神様の力によって小さな特異点に足を運んでいた

 

たどり着いたのは、海の上にポツリとある小さな無人島

 

しかしその無人島のすぐ近くには大きな島があり、人の姿も確認できた

 

コロンブスはすぐにでも略奪を始めようとしているが、先ずは島の住民の様子を伺うのが先と言って待っててもらっている

 

俺はドラえもんから衛星カメラを借りて色々と島の様子を探っていた

 

するとどうだろう

 

この島の連中は例えるならば虫のサムライアリの如く人間を奴隷の如く働かせ、金銀財宝を採掘させていた

 

見る限りだと採掘させた財宝だけでも、日本円で数億円の価値は間違いなくあった

 

極めつきはこの島の連中はコロンブス以下だが外道の連中だとわかり、まさに俺たちの『奴隷』にするにはうってつけだった

 

「…さて、コロンブスや。こいつらに捕まっているお宝を解放しに行くか?」

 

「おうよ!こんなクズ共に捕まっているお宝達が可哀想だぜ!こりゃ略奪してやらなきゃよも廃るってもんよ!」

 

コロンブスは自分の船であるサンタマリア号を呼び出し俺たちはそれに乗り込む

 

乗り込む際、マリーが複雑そうな顔をしていたが、俺の手をがっちりホールドするやいなや頬すりしていた。可愛い

 

そして島まで近かった事もあり、コロンブスに上陸許可を出した

 

「よし、いいぞコロンブス。派手にやってやれ」

 

「おっしゃあ!野郎共!『錨を下ろせぇ!』」

 

コロンブスのこの合図は略奪の合図

 

この合図が始まったが最後、この島の連中のほとんど命は保証できないだろう

 

サンタマリア号から発射された錨は砂浜へと突き刺さり、サンタマリア号からコロンブスの部下達が溢れるばかりに上陸する

 

「ヒャッハー!略奪だー!」

 

「逃げない奴はいい奴隷!逃げる奴はダメな奴隷だぁ!」

 

コロンブスの部下達は一斉に島に入り、各々略奪を始める

 

コロンブスもそれに続かんとばかりにサンタマリア号を降りる

 

「さーて、品定めといくかねぇ!」

 

コロンブスはそう言ってサーベルを片手に部下達の元に向かう

 

俺もニンジャスレイヤーにだけ船に残ってもらい、後のメンバーでコロンブス達の元に向かった

 

ただ、ニンジャスレイヤーはマリーと同じく複雑そうな顔をしていた

 

何かひっかかるが、まあ些細な問題だろうと考えてコロンブス達の元に向かった

 

俺たちが最初に目にした光景は『女子供は品定めするかのように個別に縛られていて、屈強な男、ひ弱な男とそれぞれ同様に縛られて、残りの奴らはコロンブスの部下達に無意味な虐殺をしていた』

 

「な、なによ…これ…」

 

マリーはその悲惨な光景に己が目を疑っていた

 

だが、これが現実

 

実際史実のコロンブスの部下達はマトモなのもいたがその殆どが海賊に近い思考の持ち主ばかりだ

 

しかもコロンブスは虐殺を組織化までするぐらい徹底している

 

それにより、殺すべき物と娯楽として楽しむ物と分けるかのように虐殺していた

 

そりゃいくらなんでもマリーにはあまり耐えられないわな

 

では何故俺はこの悲惨な光景をマリーに見せたかと言うと

 

俺の指示によって生み出される『結果』を見て俺の元を離れるか否かを聞き出す為だ

 

確かに俺はマリーが好きだ

 

だが俺は見ての通り狂っている

 

この光景を見て、カルデアに帰るなら俺は別に止めもしないし何も言わない

 

当初の目的であるマリー生存はもう果たせている

 

俺もマリーといられなくなるのは嫌だが、だからと言って俺のこの狂気じみた作戦や戦法に着いていかせるのも野暮ってもんだ

 

豊久にもその辺りを決めさせるために呼んでおいた

 

ニンジャスレイヤーは元々俺の狂気に気づいてたっぽかったけどな

 

俺はマリーに離れるなら今だぞと言ったが、マリーはこの悲惨な光景に目を逸らさずに、真っ直ぐに見ていた

 

「…言ったでしょ。私は貴方の側にいるって」

 

マリーはそう言って俺の腕に抱きつく

 

…俺は少しマリーの覚悟を甘く見ていたのかもな

 

豊久も同じく目を逸らさずに今の光景を見ていた

 

「確かに酷い光景じゃが、女子供には手を出しとらん。それに、おいのいた所でも、同じ光景はなんぼも見たぞ」

 

流石に関ヶ原で戦っただけのことはあるな

 

けど豊久、お前は真っ直ぐすぎる

 

いずれ、その考えも変わるかもな

 

一通りの虐殺が終わると、部下達が大量の金銀財宝をタル一杯に持ってきていた

 

それもその数30以上

 

コロンブスもその光景に心を踊らされていた

 

「おぉ!黄金に宝石、俺のだーい好きな物ばかりだ!しかも奴隷にぴったしな奴らも大量にいる!まさに宝島だなぁこりゃ!ムッはっはっはっは!」

 

「確かにこりゃすげぇな…」

 

「ホント…こんなに黄金があったなんて…」

 

俺とマリーも思わす目を黄金に向けていた

 

そりゃそうだろう

 

黄金一つ一つが博物館に展示すれば多くの客が押し寄せるくらい美しく輝いていれば、誰だって目を奪われてしまう

 

「コロンブス、とりあえずどれぐらいここに滞在するんだ?神様曰く4日しか持たせられないって言ってたが?」

 

「マジかよ!しょうがねぇな!ならこいつらが使ってた商品にもならない中古の奴隷を使い潰すしかねぇなぁ!」

 

コロンブスはこの島の連中に捕まっていた奴隷達を見る

 

「見た限り2〜30人はいるみてぇだし、これだけいりゃ黄金も掘り尽くせるかもしんねぇな!よぉし!そうと決まれば早速働かせてやらねぇとなぁ!」

 

コロンブスは鞭をもって捕まっていた奴隷達の前に行く

 

「お前らもう十分休んだだろ?ならこれからは死ぬまで採掘してもらうぜ?」

 

「む、無茶言わないで下さい…!私達はもう何日も…グキャ⁉︎」

 

コロンブスは鞭を使って奴隷の首を締めている

 

「おいおい?逆らうんじゃねぇよ?今のご主人様は『俺達』なんだぜ?ご主人様に逆らったらどうなるかは…お前らが一番知ってるんじゃねぇか?」

 

この時のコロンブスの表情は笑っていたが、どう考えても下衆な笑い顔にしか見えなかった

 

奴隷達は観念したのか、次々に各々の仕事に取り掛かった

 

「それでいいんだよそれで!奴隷は働き者でなきゃなぁ!ムハハハハ!」

 

こうして、この島にいた奴隷達は、コンキスタドール(征服者)の異名を持つコロンブスにより、使い潰される運命になった

 

これには俺も思わず手を合わせてしまう

 

だが、一瞬俺の心が変化したような感覚に襲われる

 

だけど、それはまるで、本来の性格に戻るような、そんな感じがした

 

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藤丸立香視点

 

カルデア側がローマに来たのは、ベルベット達が来てからおよそ3日後の事だった

 

メンバーはいつものマシュ

 

そこにエミヤ、酒呑童子、茨城童子、レオニダス、クーフーリン(キャスター)、オプティマスプライム(目立つので霊体化中)、何故かいた清姫といった編成になっていた

 

立香達がレイシフトした所は運のいい事にローマ帝国近くの平原であった

 

平原にはまた偶然にもローマ帝国軍がおり、何かを探している様子だった

 

立香達はローマ帝国に協力を求めるべく、兵士に話しかけようとしたその時

 

「むっ?もしや異国の魔術師様であらせられるか?」

 

「え?ええ、まあ…」

 

思わず立香がそう答える

 

「そうでしたか!いやーお待ちしておりました!さあさあ、どうぞこちらへ!」

 

ローマ兵士は立香の腕を掴んでローマ帝国内に入ろうとした

 

「え、いやあの」

 

「お連れの方もどうぞー!」

 

やけに親切なローマ兵士に驚きを隠せなかったが、逆に好都合と考え、マシュ達と兵士と立香と後に続くのだった

 

ローマ兵士に案内させられた場所は、なんとローマ宮殿

 

その一番奥に行くと

 

「陛下!異国の魔術師様達をお連れいたしました!」

 

「おお!そうか!やはりベルベット殿の予知は当たったか!」

 

立香達が目にしたのは、何処と無く以前冬木にて戦ったアーサー王によく似た赤い服を着た女性がいた

 

そしてその横には見慣れない服装を着て、片手に包帯を巻いている女性がいた

 

「あ、あの…」

 

「余はこの帝政ローマの第5代皇帝ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスである!よくぞ来てくれたな異国の魔術師達よ!」

 

「そ、その、どうして私達が異国の魔術師だとわかったのですか?皇帝陛下」

 

マシュがふとした疑問を伝えると

 

「うむ。疑問に思うのは当然であろうな。しかし安心してよいぞ!余の隣にいるこの女性、ベルベット殿が余に予言したのだ!このローマに勝利を約束できるやも知れぬ異国の魔術師達が現れるとな!」

 

「ベルベット…?」

 

ベルベットと思わしき女性は立香達の前まで歩いていく

 

そして立香の周りをウロウロしていた

 

「…間違いないわ。彼こそ私の言った異国の魔術師よ」

 

「おお!やはりそうか!」

 

ベルベットの言葉に喜ぶネロ皇帝

 

しかしベルベットは何かを考えるかのような仕草をしていた

 

「でも、彼らの強さが果たして私の予言通りの人物なのか気になるわね…」

 

「あなたは一体…」

 

マシュがふとした疑問を言う

 

ベルベットは一旦考える仕草をやめて、マシュに答える

 

「私はベルベット。ヴィンセントの『姉』よ」

 

「⁉︎」

 

「ヴィンセント…!」

 

ベルベットの言った「ヴィンセント」という言葉に異様に警戒する立香とマシュ

 

しかしベルベットは呆れたような口調になる

 

「けど安心なさい。私は別にあなた達を取って食おうだなんて思ってないから」

 

「それはどういう…」

 

「けど、貴方達がこの先の戦いについていけるかどうかは不安ね」

 

「え…」

 

「ヴィンセントは強敵よ。あなた達が思っている以上に。だから、貴方達がどこまであいつに対抗できるのか、試してあげるわ」

 

「試す?」

 

ベルベットはそう言うと、ネロの所に戻り、何かを話していた

 

立香はベルベットの試すという言葉に何か嫌な予感を感じた

 

そしてそれは現実となった

 

「うむ、ではその通りに」

 

ネロは玉座から立ち上がる

 

「皆の者よく聞け!我らローマ帝国の『救世主』ベルベット殿からの提案だ!この異国の魔術師の力が、我らローマ帝国の勝利を約束するかどうかを決める為、コロッセオにおいて異国の魔術師とベルベット殿の団体戦を開始する事をここに宣言しよう!」

 

「た、対決⁉︎」

 

立香達が驚く中、宮殿内にいる兵士達は大盛り上がりな状態だった

 

ネロ皇帝も非常にご機嫌な様子でいた

 

「開催は5日後とする!それまで各自コロシアムの設計や宣伝を急がせよ!」

 

「はっ!聞いたなお前達?早速準備や宣伝にとりかかれ!」

 

『うぉぉー‼︎』

 

兵士達は一斉に宮殿内を出てそれぞれ宣伝やコロシアムの設計を行っていた

 

「…なんか、とんでもないことになっちゃったねマシュ」

 

「はい…」

 

「これは賑わいそうやなぁ、茨木もそう思うやろ?」

 

「…」

 

茨木はただ黙りながらベルベットを見つめていた

 

その目には憎悪が宿っているかの如く、赤く光っていた

 

これを見た酒呑童子は何がそこまで茨木を変えてしまったのかと珍しく悩むのだった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ゲル神様視点

 

「…ダーリン」

 

アリスが夫であるゲルの様に近づく

 

ゲル神様達は現在ヴィンセント達の拠点にて、タブレットを使いながら何かを探していた

 

「ダーリンってば!」

 

『んー?』

 

「んー?じゃないわよ!私の話聞いてた?」

 

『んー…』

 

ゲル神様は同じことしか言っておらず、流石にアリスもこれにはイラついた

 

しかし、ふとタブレットを見ると、そこには何かを辿ったような線が何本も伸びていた

 

「ダーリンそれは?」

 

『…やっぱり』

 

「やっぱり?」

 

『アリスちゃん、今回ばっかしは僕達も動かなきゃなんないみたい』

 

ゲル神様の周りを光が包むと、ゲル神様の体が徐々に人間の体へと変わっていった

 

「……奴が、動いた」

 

「…あの子ね」

 

アリスはゲル神様の言った奴と言った言葉で全てを察した

 

「これから僕はあいつを探しに行くから、アリスは急いでベルベット達のとこに向かってくれ」

 

「いいけど、なんで?」

 

「ベルベットはヴィンセントの半分の力、つまりビーストの力が半分入ってる。そんな状態の彼女を、あいつは見逃さないからね」

 

「わかった、ダーリンも気をつけてね」

 

「あいよ」

 

ゲル神様は適当な服を着て、その姿を消した

 

アリスもそれに続かんとばかりにその姿を消した

 

To Be Continued……




今回遅れた理由としましては、リアルが大変忙しくなってしまい、書く暇がありませんでした

次回もいつ投稿できるかわからない状態です

なるべく早めに投稿できるよう努力するので、よろしくお願いします

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