ゆるドラ!〜※ゆるいパズドラの略です〜   作:ハッカ@黒猫ドロップアウト

2 / 2
ヴェルダンディの出番が多いかもです。


時女神と夏 その1

 ドロップアイランドの何処かにある、三人の時女神が暮らす小さな家にて。

 

「二人とも行かないの? 海」

 

 ソファーに腰掛けながら女性誌を読んでいた刻火の時女神ウルドが、残念そうに言った。

 

「行きませんよ……と言うか、私とスクルドは、ウル姉と違って水着が無いから行けないんですよ‼︎」

 

 ヴェルダンディが声を上げる。その手には缶ビールが握られており、近くのテーブルには空き缶が幾つも置かれていた。顔も赤い。

 

「ヴェル姉の言う通りだよ。夏ガチャに実装されてるのは、ウル姉だけなんだから」

 

 ヴェルダンディの隣に座る刻水の時女神スクルドが、不満そうに口にした。両手でオレンジジュースの入ったグラスを持っている。

 

「それじゃあ仕方無いわね……それにしても、なんで私だけ季節ガチャに登場してるのかしら」

「さあ? なんででしょうかね」

 

 ヴェルダンディもスクルドも、キャラ人気はそれなりにある筈なのに、いつまで経っても季節ガチャに登場しない(2017年8月17日現在)。

 

「ヴェル姉はともかく、ボクはそろそろ実装されてもいいと思うんだけどなー」

「おいチビ。まるで私の人気が無いみたいな言い方ですねぇ?」

「だってボクは☆6なんだよ? コンボ強化も一つ多いんだから。あととってもキュート」

「…………‼︎」

 

 スクルドが自慢げに言うと、ヴェルダンディの持っていた缶が一瞬で潰れ、中に残っていたビールが飛び散った。

 

「あーはいはい。喧嘩するなら、夏らしいもので勝敗を決めなさいな」

 

 女性誌を閉じ、眼鏡を人差し指でクイッと上げる。

 

『夏らしい勝負?』

 

 ヴェルダンディとスクルドの声が重なった。

 

 

☆☆☆

 

 

『夏らしいもので勝敗を決めろ』

 時女神の眼鏡のこの一言が、二人を海へと駆り立てた。

 やって来たのはドロップビーチ。太陽が照りつけているので非常に暑いが、ヴェルダンディもスクルドは水着になれないので、我慢するしかない。

 

「勝負の内容は、ズバリ『スイカ割り』よ」

 

 ウルドは水着に着替えを済ましている。羨ましい。

 

「スイカ割りですか。確かに、夏らしいと言えば夏らしいですね」

「それで異論は無いよ。何やってもどうせボクが勝つんだし」

 

 両腰に手を当てて、無い胸を張るスクルド。

 

「ウル姉、質問いいですか?」

「どうしたの? ヴェル」

「罰ゲームはありますか」

「そういうのは特に無いけど、必要なら付け加えるわよ?」

『……』

 

 ヴェルダンディとスクルドが、無言で目を合わせる。

 

『ではお願いします』

 

 そしてまた、声が重なった。

 

「了解、考えておくわ。……さて、そろそろスペシャルゲストに登場願おうかしら」

「スペシャルゲスト、ですか?」

「来ていいわよ」

 

 するとウルドとヴェルダンディ達の間に紫色の魔法陣が現れ、そこから黒い瘴気が放たれた。それが晴れた時、そこには一つの影があった。

 雪白の美姫ヴァルキリークレール。彼女の背後には、蝙蝠の羽を生やしたスイカが、何体も飛んでいた。

 

『モンポで買える人‼︎』

 

 そして三度、二人の声が重なったのだった。




ヴェルダンディは酒飲み。スクルドはボクっ娘ナルシスト。
書いてるうちにこんなキャラになってしまいました……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。