オリ主が逝くリリカルなのはsts   作:からすにこふ2世

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
そして、本作もいよいよ本編が50話を突破いたしました。70話いくまでに終わるといいなー。


読者の皆様からのお年玉に挿絵が欲しかったり、こんな駄作に貰ってもという感じで欲しくなかったり。


第50話

 

 フェイトとの話は終わった。そして今は、私と入れ替わりに入ったスカリエッティが彼女と話をしている最中だろう。彼女が一体どのような選択をするのか……それによって、今後の方針が大きく左右される。もしも彼女が協力を拒んだのなら、スカリエッティは夢中になって実験をするだろう。そうなれば私の妹の治療法の研究は後回しにされる可能性が高い。脳の移植など聞いたこともない手術を行うよりは、もっとリスクの小さな方法を探してもらいたい。あとあまりそちらに集中し過ぎると管理局への攻撃作戦に粗が出てくる可能性すら出てくる。

 だが、フェイトがこちらに協力するとしても問題が幾つかある。

 一つは反逆の可能性。何かしらの対策を練っておかないと、戦力として運用するどころかこちらに噛み付かれて重傷を負う可能性がある。

 二つ。協力すると口で言っても、やはり元の巣に戻りたいという気持ちはあるだろう。従うふりをして脱出され、こちらの情報をみすみす持って帰られては今後の行動に支障が出る。

 三つ。協力し、管理局側を攻撃するとして、全力を出すかどうか。やはり元味方に対して刃を向けるのは躊躇うだろう。全力を出さない兵士など居ても意味が無い。

 これらを解決するにはどうすればいいだろうか。薬漬けにして抜けられなくする……パフォーマンスが低下するから却下。それに戦闘中に薬が切れて戦えなくなったら、役立たずもいいところだ。洗脳するのも同じく本来の能力を発揮できないだろうから却下。となると、脅迫位しか方法がないか……しかし何をネタに脅そうか。これといって彼女を脅せるようなシロモノは手に入れていない。彼女自身以外は……死を恐れない、という事は多分無いだろうし、それがいい。爆弾付きのネックレスでもくれてやろう。

 

 そこまで考えた所で、ちょうど自分の部屋まで戻ってきた。カードをドアの横にある機械に通してロックを解除し、ドアノブを回して扉を開く。靴を脱いでスリッパに履き替え、コートを脱いでハンガーにかけて部屋の奥へと進む。座って考え事をしようと思っていたソファーには、既に先客が居た。

 

「遅かったな」

 

 読みかけの本を閉じて、トーレが座ったままこちらに向く。

 

「それほど時間は経っていないはずだが」

 

 時間にして十分と過ぎていない。遅いと言われるには短すぎると思う。それでも、トーレからすれば遅いと判断するほど長い時間なのだろうか。とりあえず対面のソファに座り、トーレに向き合う。

 

「それで、話は何だ」

「あー、そうだな。どうしてお前は命を粗末にするんだ?」

「命を粗末に、そう見えるか?」

 

 自分ではいまいち自覚がないが、周りからはそう見えるのだろうか。まあ、確かに少し無謀なことをしたりしているかもしれないが。

 

「ついさっきだって、私がうっかり反撃していたらお前の頭くらいは簡単に吹きとばせてたぞ」

「そうだな。迂闊だった」

 

 足をかけたのはまずかったか。せめて後ろから銃を向けるくらいにしておけばよかった。いやそれもまずいか。

 

「それに、その前もだ。エース魔導師を捕獲するのに、どうして私に声をかけなかった。一言言ってくれれば手伝ってやったのにどうして戦闘向きじゃないセインとクアットロ、それと調整も済んでないあの新人を連れて行ったんだ。返り討ちにされる可能性だってあっただろう」

「それについては、言い逃れはできないな」

 

 声をかけるなとは言われていなかったし、後でバレるのは間違いなかっただろうが、スカリエッティに黙って連れて行くのは可能だっただろう。それをしなかったのは私だ……ひょっとすると私は、無意識の内に死にたがっていたのかもしれない。

 

「その前は護衛も観測手も付けずに単独で狙撃したし。ひょっとして死にたがりなのか?」

「……そうなのかもしれない」

 

 痛みを感じないから、負傷を気にせず戦っているからそう見えるからなのかもしれないのに加えて、そうでもしないと。言われてみれば、自分の命を軽んじている節はいくらかある……まあ、フェイトが戦力に加われば私が前線に出る必要もなくなり、命を投げ出すような真似をしなくて済むだろう。加わらなくともどうにかして無理やり前線に引っ張りだすが。せっかくリスクを犯して捕まえたのに実験材料としてダメにするのはあまりに惜しい。

 

「まだ付き合いは浅いが、それでもお前は仲間だ」

 

 仲間と認めてもらえていたのは意外だが、ナンバーズの中でちゃんとした会話をしたことがあるのは、ウーノ、ドゥーエ、トーレ、クアットロ、セイン、チンク。ウェンディからはボードのスペアを借りるときに、扱い方を少し聞いただけ。あとは軽い挨拶だけで、一言も言葉を交わしたことがない。それを仲間と言ってもいいものか。

 

「ありがたい話だが、私は戦闘機人じゃないし魔導師でもない。特別に強いわけじゃない。再生能力が少し高いだけで、最悪殺傷設定の魔力弾が頭に一発直撃しただけで死ぬ。そんな奴の心配をしてたらキリがないぞ」

 

 そうならないために今のところ撃たれる前に撃っていたが、それができたのは私の存在が知られていなかったから。八神はやては私がヴィータを撃った犯人だと確信しているし、そうなれば確実に六課メンバー全員に狙撃への警戒を命じているだろう。狙撃手は警戒していない相手を撃ってこそ真価を発揮するのに、警戒されてしまえば脅威はかなり減少する。対物ライフルなら普通の防御魔法は抜けるだろうが、威力はかなり減少するから致命傷を与えられるかどうかわからない。できればもっと口径の大きな、初速が早く、貫通力が高いものが欲しい。

 しかし、今持っている物以上のものとなると地上本部の保管庫から盗んでこないと。だがアレにそんなリスクを犯すほどの価値はないし、スカリエッティに今から開発を頼んでも間に合わない。今の武器で満足しておこう。

 

 考えが逸れてしまった。今はトーレとの会話の最中だ、それを忘れてはいけない。

 

「それなら心配をかけさせないよう、強くなれ」

「無茶を言うな」

 

 私のスタイルは既に完成している。相手の手の届かない場所から一撃入れて殺す。外すか仕留められなければ逃げる。という卑怯な物だが。しかしそれ以外のやり方は知らない。以前は魔力がないから魔法は使えなかったし、肉体強化以外の魔法を使った白兵戦は経験がない。今は蛇のお陰でそれなりの魔力があるが、砲撃、射撃魔法などの複雑な演算式を必要とする魔法を扱いながら、戦闘行動を取れるほど私の頭の演算能力は高くない。それを補助するためのデバイスも、そこらの犯罪者から殺して奪った安物の上事務処理特化に改造してしまっているため、戦闘にはとてもじゃないが使えない。バリアジャケットを構築して余波から身を守る程度が限界だろう。

 つまり私は質量兵器を扱うのと、近寄って殴る蹴る切る以外の戦い方はできない。優秀な近接戦魔導師は身体能力と付け焼き刃な技術で圧倒できるほど弱くない。つまり実質役に立たないと考えてもいい。そこをどうにかして役に立てるようになれ、ということなのだろうが、あまりにも時間が足りない。無理な話だ。

 

「それに私の仕事は、敵を狙って、撃って、殺すこと。殴り合わなきゃならない距離まで近寄られた時点で負けだし、近寄られる前に逃げる」

「そういう状態になっても負けにならないために、強くなれと言っている」

「一週間や二週間程度鍛えた程度で何になる。たったそれだけの訓練でAランクの近接魔導師と殴り合いで勝てるわけがないだろう」

「なら近寄った敵を撃ち落とせ。お前の武器は咄嗟に張った防御魔法くらい貫通できる威力があるんだろう?」

「無茶苦茶だ」

 

 痛覚はないはずなのに、頭が痛い……気がする。対物ライフルはただでさえ長い狙撃銃の中でも最大級の大きさだ。子供の身長ほどの長さがあり、かつ十キロを超える重量を振り回して高速で動く魔導師に照準をつけ、弾丸を当てるなんて、肉体を強化していても無茶だ。かといってPDWでは火力が足りない。拳銃など論外だ。結局蛇か拳でケリをつけるしかない。

 やはり、近寄られた時のことは逃げること以外考えない方がいい。しかし……

 

「そこまで言うなら、私が殴りあう必要がなくなるように、敵を蹴散らせ」

 

 それが現実的だ。私がこれ以上強くなるよりも、ずっと現実的。

 

「それがお前の役目だろう」

「私が居なければどうなる」

「他のやつが居るだろう。さっきも言ったように、狙撃手の仕事は遠距離から敵を撃ち殺すこと。殴りあう距離まで寄られたら負け。わかったか」

 

 他のナンバーズに、ゼストにルーテシアの召喚獣。フェイトの返答により、彼女も戦力に加わる。それに加えて私はずっと遠い場所から狙撃をする。それも最低でも戦場から数百メートルは離れた位置から。それだけの距離を前衛を無視して突破できるほどのスピードを持つ奴はフェイト位しか居ない。警戒が必要なのは、それだけの距離から狙撃または砲撃を仕掛けてくる奴。高町なのは、八神はやて。そして、元狙撃手だったというヴァイス・グランセニック。この三名のみ。あとの連中は近寄られたらどれも同じ結果にしかならない。

 

「それもそうだが。訓練して無駄ということはないだろう」

「無駄じゃないが、効率が悪すぎる。その間射撃の訓練していたほうがマシだ」

 

 本気で殺す気のシグナムを相手に格闘戦をしたら、こっちが万全の状態でもきっと三秒持てばいい方だ。前にシャッハとかいう騎士を相手に蛇を連続で変形させて不意を打ったが、結局無駄だったし。勝機があるとすれば、対物ライフルを腰だめで狙いを定めて、撃つ。それはあまりにも現実的じゃないから前衛が突破されたら抵抗は考えずさっさと逃げる。それが最善。

 

「……そうか」

 

 少し残念そうに見えるのは気のせいか、と思いカマをかけてみる。

 

「訓練に付き合って欲しいのか」

「そういうわけでは……」

 

 目をそらすのと、言葉に若干の乱れ。嘘をついている人間特有の仕草。眼を使って覗くまでもなく、黒だ。

 

「それなら、フェイトにでも頼むんだな。あいつならお前の高速機動にも対応できるはず……ん? あ」

 

 そこまで言って、一つ大変なことに気が付いた。自分のやってしまったことだが、自分が銃と肉体だけで戦っていたからすっかり頭から抜け落ちていた。自分が魔導師ではないから、すっかり忘れていた。そして、事の重大さに思わず頭を抱えた。

 

「どうした」

「海に投げ捨てた」

「何を」

「あいつのデバイス」

「はぁ!? いや……だがドクターの命令はこなしたんだから、怒るのは筋違いか。だがあいつがこちらに加わるとしても、デバイスが無ければ戦力にならないぞ」

 

 そう。フェイトのデバイス、バルディッシュに発信機のような機能がついているかもしれないと思い、アジトが割れる可能性を警戒し海に投げ捨てたのだが、魔導師はデバイスによる補助がなければ大規模な魔法を行使できない。そこらのDやCランク魔導師ならば標準的なデバイスを本人に合うように調整すれば問題ないが、Aランク以上となると完全な実力を発揮するために特別なデバイスが必要になる。

 しかも、彼女のデバイスは幼い頃からずっと使用し続けてきたものだ。今更アレ以外のデバイスを与えた所で、能力の大幅低下は避けられないだろう。

 

「戦力に加える予定だったが……マズイな」

 

 今から捨てた場所に行って、潜って探すか。もう捨ててから時間が経っているし、きっと沖に流されているだろうから厳しい。今から行っても夜になるからさらに難易度が増す。最悪スカリエッティにデバイスを作らせて、というのもアリだろうが。やはり探すのが最善だろう。

 

「トーレ。ナンバーズの中で一番索敵能力が高いのは誰だ」

 

 索敵能力が高いということは、敵を探すことに優れているということ。探すものが敵かデバイスかの違いだ。サイズがかなり違うが、できないことはないだろう。できてもらわなければ困る。できないと言ってもやらせる。あとは、信号を発していた場合に備え信号遮断用の容器が必要だ。探せばそういう物の一つくらいはあるだろう。無ければクアットロにジャミングさせる。

 

「ディエチだが……まさか、探させるつもりか?」

「もちろん。さすがに潜るのは私が潜るが」

 

 戦闘機人は体が非常に重いから、潜らせるつもりはない。潜らせて浮かんでこれずに溺死しましたでは、正直どう責任を取ればいいかわからないし。

 

「泳げるのか?」

「訓練してたから、人並みには」

「どうやって行くんだ。ディエチは飛べないぞ」

「ライディングボードのスペアを使う。あれに乗せて行けば、飛べなくても問題ないだろう」

 

 スペアと言っても、あれは魔法使用機能を全てオミットして機関銃やミサイル、爆弾、緊急離脱用のロケットブースターを載せた全くの別物になっているが。スカリエッティに許可はもらっているから問題ないだろう。多分。

 

「探している間に襲われたら?」

「ボードに載せてあるブースターに点火すれば逃げ切れる。レーダーは海面スレスレを飛行していれば探知できないし、振り切ったらどうにかして戻ってくればいい」

 

 完全空戦可能な護衛を付けたほうがより安全に探せるが、素早く動くためには人数が少ないほうが都合がいい。こういう考えをするのは私が過去仕事をするときに、大体単独かツーマンセルで動いていたからだろう。その方が証拠も残らないし。

 

「護衛について来てくれるなら、それはそれで有難いが」

「なら一緒に行かせてもらうか。お前一人ならともかく。大事な妹をお前の巻き添えで敵に捕まるのはマズイ」

「……そうか」

 

 計画通り。というわけではないが、ダメ元で頼んでみて正解だった。ナンバーズの中で最も戦闘力が高いトーレが護衛につくのなら、これ以上心強い事はない。ソファの肘掛けを抑えながら立ち上がり、ドアを開いて出て行く。

 

「どこへ行く」

「出るなら早い方がいいだろう。準備だ」

 

 潜水具は酸素ボンベ以外は不要。事務処理特化に改造したデバイスでも、水圧に耐えられる程度のバリアジャケットなら構築できる。それ以外で必要なのはディエチとボードと容器のみ。ボードは倉庫に置いてあるし、容器はスカリエッティに聞けばわかる。ディエチも頼めば多分協力してくれるはず。してくれなければ、させるだけだが。

 




多分みなさん知ってるとは思いますが、もしかすると知らない方も居らっしゃるかもしれないので一応この場でお知らせを。昨年の十二月二十九日に、18禁ボツ案の続きを投稿してあります。ユーザーページから移動してください。

あと今回話の中に出てきた地上本部の倉庫にある武器。ボツです。絶対に出ません。

35mm対地対空狙撃用電磁投射砲 グングニル
全長2m50cm
総重量1300kg
初速(フルチャージ)7500m/s
有効射程15km
口径45mm
連射速度 10発/分 
スイッチ排莢
ベルト給弾

弾種 単純徹甲弾
   榴弾
   徹甲榴弾

金属弾体を電磁加速させ、高速で撃ちだす兵器。元々はどっかの世界で運用されていた固定砲台。ボードに載せて使用する主任砲に弾薬コンテナがひっついたみたいな形をしている。

初期の頃に考えてたものですが、その頃には頭が逝ってたようです。はい、当然のごとくボツです。こんなのチートすぎんじゃん。出せるわけねーじゃん。なんだよ射程15kmって。アホかい。
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