オリ主が逝くリリカルなのはsts   作:からすにこふ2世

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第7話

 

 

人体とはなかなか頑丈なものだと、私は思った。技術が優れているのもあるのだろうが、入院から五日で退院できてしまった。医者曰わく、「ここまで回復が早いのはどうかしている」とのこと。ロストロギアの判明していない機能に、宿主の回復力強化でもあるのか。

 それと退院するときには、医者からは、鎧でも着て働いたらどうかと言われた。銃を構えるときに邪魔になりそうなのであまりよろしくないアイデアだ。

 医師からは一応少しの間激しい運動は避けるようにと言われたので、今日は訓練はしない。

 

「諸君。今日の訓練はなしだ。倉庫の整理をしてもらう」

 

 質量兵器はその特性上ほとんどが地球製だが、管理局が管理世界として登録する前には科学を使い生活をしていた世界には、よく質量兵器が存在している。しかし、たった100年程度で管理局が手を出すのを躊躇するほど発展した科学を持つようになった地球製品の前には大抵の物は劣って見えてしまう。だが優れている物が無い事も無いはず。今回はそういうものを探すのが目的だ。

 

「あの山をたった四人で片付ける? 無茶を言うなよ隊長」

「ここで、諸君にサプライズだ、なんと我が部隊の要望が聞き入れられ、人員の追加が決定したのだ」

 

 一号から三号までが、少しの間フリーズしたように動かなくなり、数秒後に再起動し、その場で子供のように飛び回り喜びを全身で表現していた。むさいオッサン三人が飛び跳ねて喜ぶ光景は、二度と見たく無いほど見苦しかった。

 

「といっても一人だけだが」

 

 直後、一斉に肩を落として地面に膝をつく。こいつら気持ち悪いほど息が合っている。日頃の訓練の賜物か。

 

「なん……だと? よくも騙したな隊長!」

「人聞きの悪い事を言うな一号。私は人数を言った覚えはないぞ」

 

 それにしてもこいつら全員、頭は大丈夫なのか。少し訓練がキツすぎるのかもしれない。緩くするべきか? いや、それは不要だな。映画で見た訓練はもっと激しかった。うちは厳しいと言われるが、規則や口の聴き方に関してはぬるい方だし問題ないはずだ。

 

「陸は人が少ないんだ。新しく人を回してもらえるだけありがたいと思え」

 

 本当に、陸には人が居ない。空や海に比べると本当に少ない。あちこちから人を集めていた機動六課から声をかけられたのに、同じ課の人に行かないでくれと懇願されたから断ったという話があるほど少ない。

 まあそんなわけで、私含め隊員が四人から五人になっただけだが、できる事はかなり増えるだろう。何ができるようになるかとか、具体的な事は運用を始めてからでないとわからないが。

 

「あと忘れてたが、お前らは全員、一等陸士から陸士長に昇級。先日の活躍が認められたそうだ。階級章は後で配る」

 

 私の階級は変化なしだが。まあ、准尉ともなればそうそう階級は上がらない。何度も目覚ましい戦果を上げ、管理局へ大きく貢献しなければ難しい。機動六課のトップ達はそれぞれPT事件、闇の書事件で大きな活躍をしているのでまあ納得の行く階級だ。

 私は今までテロリストの暗殺や調査、拠点の爆破等色々と表沙汰にはできない物騒な事ばかりしていたせいか、わずか数年でいつの間にやら准尉になっていた。

 

「さて、それでは新人の御披露目の時間と行こう。4号、入れ」

 

 プレハブ小屋の扉を開き入って来たのは、肩にかからない程度の長さの茶髪、それなりに整った顔に大きな火傷の跡を残した女性だった。目つきは非常に悪い。しかもガタイもいい。

 事前に写真は見せてもらったが、実際に見るとなかなかインパクトがある。偽装フィルムがあるはずなのにあえて使わないなんて、素晴らしい根性がありそうだ。

 

「エレーナ・ルーダス三等陸曹だ。よろしく頼む」

「ルーダス陸曹。ここでは貴様の事は4号と呼ぶ。また、ここでは階級の概念は捨てろ。1号から3号まで全員陸士長で、貴様よりも階級は下だが、見下す事は許さん。個人的な理由で嫌うのは勝手にすればいいが、その場合は速やかに相手に改善を要求しろ。できなければ私に言え。私相手なら敬語は使わなくていい。最後に個人的な質問だが、なぜ顔の傷を隠して居ないんだ?」

「女だからといって見下される事が嫌だからだ。何か問題でも?」

 

 素晴らしい、気に入った。これは使えそうな奴を送ってくれた、中将には感謝しなければな。

 

「むしろ素晴らしいと感服するよ。質問はあるか」

「なら一つだけ。この部隊は質量兵器を扱うと聞いているが、私は資格を持っていない。大丈夫なのか?」

「隊員として活動中には許可が降りるようになっている。それじゃ2号、質量兵器の講義を4号に30分ほどしてやれ」

 

 本人に聞いた話では2号はさわやか美中年(自称)な見た目とは裏腹にかなりの質量兵器マニアらしく、毎月地球から取り寄せている雑誌のおかげで知識だけなら私よりも優秀だ。特に好きなのは爆弾らしい。自作爆弾を中等学校の課題として持ち込んだときに大騒ぎになったのを、誇らしげに話すほどの危険人物である。

 

「30分? 短いぜ隊長。せめて12時間は欲しいね」

「使う上で最低限の知識と注意だけ教えて、それ以上は今度にしろ。倉庫を片付けるのに一体どれだけかかると思ってる」

 

 雑に積まれて、黒い山になっている武器を全て持ち出して外に種類別に並べて、使えるものと使えないものに分けて、使えないものはバラして使える部品を修理用に保管。後は屑鉄として買い取ってもらう。使えるものはそのまま整備して使う。

 うちの部隊だけでは一体どれだけの時間がかかるやらわかったものではない。手の空いている部署に応援を頼まなければきっとかなり長い時間をかけないと終わらないだろう。パトロールの仕事がある治安維持課以外に拒否された所がなくてよかったと心から思う。

 

「25分経ったら電話をかけるから、適当に切り上げろよ。来なかったら走る的になってもらう。1号、3号行くぞ」

「「へーい」」

「他所の部署にも協力してもらうんだから、気合を入れろ」

「「オッケーボス」」

「誰がボスだ」

 

 茶番を続けながら、窓から見える質量兵器保管倉庫に目をやる。倉庫は厳重な警備で常に見張りが居る……というわけでもなく、監視カメラが一台あるだけ。使うなら倉庫の見張りもやってろという事なのか、倉庫の真正面にプレハブ小屋を作られて、そこを隊舎として使わされているのだ。

 倉庫は正面に大型の質量兵器を入れるための大きなシャッターと、トラック用の普通のシャッター。人が入るためのドアがあり、今日はすべての出入り口を使って外に搬出する予定だ。もう既に何十人かの人と数台のトラックが倉庫の前に集まって、作業を始める準備をしている。現場指揮を取らないといけないのが面倒だ。そう思いながらも、さっさと外に出て集まった人たちの前に出る。

 

「おはようございます。今日は本来なら私達だけで行うべきこの倉庫の掃除を手伝っていただき、感謝します。あまり長い事を言うつもりはないので、安全のためにいくつかの注意だけ話して開始していただきます。

 掃除をするときに、銃がたくさんありますが一つずつ確実に安全装置をかけて持ち出してください。わからない時、安全装置がない時には、銃口を地面に向けて、絶対に人に向けないでください。銃を持ち出す時に、トリガーに指をかけずに、また絶対に放り投げないでください。粗悪品の場合には暴発する可能性があります。以上です。質問がないようなら、仕事に取り掛かっていただきます。ではよろしくお願いします」

 

 挨拶を終えると、倉庫のシャッターがすべて開き、中から錆臭い空気が流れてくる。そしてシャッターが開き切ると、大量の質量兵器が山を作っていた。中に入る度にいくらなんでもこれは雑すぎる。そこに息を巻いて突入する地上本部の職員たち。踏んで暴発したら、危ないだろうな。責任は取らないが、きっと文句はいくつか言われるだろう。

 

「射撃場と好きな銃を貸すってだけで、こうもやる気を出してもらえるか。安上がりでいいな」

「触れる事はあっても撃つことは普通ありませんから。興奮するのも仕方ないでしょう」

 

 大人は皆大きな子供、ということか。これだけの人数が射撃場に入り切るか不安になるが、もし入らなければ数分ごとに交代させればいいだろう。

 そんな甘いことばかり考えていると……

 

「投げても大丈夫だろ」

「うぎゃ!?」

「暴発したぞ! 医療班をよこせ!」

 

 ……というような声がいきなり上がった。先行きが激しく不安だ。私としては死人さえ出なければいいのだが、参加させてからには私に責任がある。とか言われてしまうと非常に困るので、できれば怪我人も出ないほうがありがたい。

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