タイトルは思いつかなかった…
「57人……前見た時から10人も増えてないじゃないですか……」
「だからこそ、次のラブライブ予選に賭けるしかないのよ」
「だろうな、他に手があるならもう既にやっててもおかしくない。それがないってことはもうAqoursのライブしか希望がないだろうな」
理事長室で鞠莉とダイヤ、それと何故か俺も呼ばれて入学希望者の人数について話している。今の入学希望者の人数は57人。100人と決められた期限まであとわずか。その日は、ちょうどラブライブの予選の日だ。もうそこに賭けるしかない状況になっている。
「それしかないのですね」
「そうね」
「2人とも、たしかにそこに賭けるしかない。でもな、入学希望者を集める方法はもうラブライブ予選だけだ。プレッシャーに感じるなとは言えないけどさ、自分たちが今出来る限りのパフォーマンスをするしかないことは理解しとけよ」
「もちろんよ」
「わかってますわ」
それならいい。俺が1番怖いのはいつものパフォーマンスができなくなることだからな……
「それでさ、鞠莉に1つ聞きたいんだけど」
「私に?」
「なんで俺もここに呼ばれたんだ?」
「ああそれ?なんとなくよ?」
「なんとなくかい!?」
「先生、鞠莉はこのような人ですからいちいち突っ込んでたらキリがありませんよ」
「そ、そうか……」
「酷いわね、さっ、練習行きましょう」
「酷くはないですが……そうですね」
俺はなんとなくで呼ばれたみたいだ。
結論、鞠莉はこういう人だということで終わりにした方がいいってことになった。まぁ練習行かないとだしこれでいっか。
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「1.2.3.4.5.6.7.8!
はいストップ!」
鞠莉が手拍子でテンポを取り梨子と花丸がステップの練習をしている。一通り終わったところのポーズでストップをかけた。
「花丸はもうちょっと腕を上げようか、角度合わせたい」
「こ、こうずら?」
「ストップ!うん、これくらいかな」
「そうね、それじゃあこの角度を忘れないようにね!それじゃあ休憩にしましょう!」
「「ふぅ…」」
みんないい感じに練習できてるな。入学希望者の人数のことはみんなで共有したけど誰も気負いはない。いらない心配だったかな。
「疲れた〜」
「まだ練習続くししっかり休めよ、ほら」
「あ、ありがとうございます」
「みんなもな!」
『はーい!』
「あっ!」
いつも通り休憩時間に持ってる飲み物を渡してみんなを休ませると、急に曜が声をあげた。何かあったのか?
「曜?どうかしたのか?」
「曜ちゃん?」
「今ラブライブ本戦出場予想グループっていうの見てたんだけど、Saint Snowがあって他に見てたらAqoursの名前があったの!」
「ほんと?」
「ヘイ!何か書かれているの?」
曜はそれを見てたのか。というかそんなの出来てたんだな。
鞠莉が何か書かれているか聞いたら曜は携帯を見ながら答え始めた。
「前回は地区大会では涙を飲んだAqoursだが、今大会予備予選の内容は、全国大会に出場したグループに引けを取らない見事なパフォーマンスだった。今後の成長に期待したい」
「期待…」
「クックック、このヨハネの堕天使としての闇能力を持ってすれば、その程度造作もないことです!」
「そう、造作もないことです!……はっ!?」
「さすが、我と契約を結んだことだけはあるぞ。リトルデーモンリリー!」
「無礼な!我はそのような契約交わしてなどないわ!」
…………は?
「どうしたの?」
「リリー?」
「これが本当の堕天ずら」
「うゆ!」
「違うの!これは違くてー!」
「おい梨子?どうしたんだ?善子はいつも通りだとして」
「でも先生、梨子ちゃん楽しそうだしいいんじゃないですか?」
「ま、まぁ強制されてないなら別にいいけど……」
「千歌ちゃん…それに先生まで…」
千歌の言う楽しそうかどうかは置いておいて、善子が無理矢理やらせている様子でもいいしほっとくか
「今回の投票は、会場とネットの両方でやるんだって」
しれっと話題変えたなルビィ。まぁどうでもいい内容より予選の話の方がいいか。
「ほんとに?よかった〜何日も結果待つことにならなくて」
「そんな楽観的になってる場合じゃないぞ千歌」
「えっ」
「先生の言う通りですわ」
よし、ここはダイヤに任せよう。
「会場には出場する生徒も見に来るのよ?」
「つまり、生徒数が多い学校ほど有利ということですわ!」
「そっか…そうなると私たちは不利ってことだね」
まっ、人数だけみたらそうなるか。
「たしかに鞠莉やダイヤの言う通り会場には出場校の生徒は見に来ると思う。それにネットでも見れるから投票するかもしれない。だから不利って思っても仕方ないだろう。でもな、そんな他校の生徒たちを惹きつければいいんだよ。もちろん出場する学校の生徒とは関係ない人たちもな」
「ふむふむ」
「まっ、そう言っても今から特別なことをするっていうのも無理だし、今できることをやるしかないさ。さ、ちょうど休憩時間も終わるし練習再開だ!」
『はい!』
とりあえず話はここで一旦終わりにして練習を再開することにした。生徒数の差は今更どうしようもない。そこはパフォーマンスでどうにかするしかもう方法はない。
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「まだ持ってたんだね、そのノート」
「鞠莉……ダイヤも……
まさか……やるなんて言わないよね?」
「まさか、やらないなんて言わないわよね?」
夜、鞠莉とダイヤは果南の家に来ていた。果南が手にしてるノートについて話すために。
果南はそのノートについてやらないつもりだが、鞠莉とダイヤはやるつもりだ。
「状況はわかっているでしょ?それに賭けるしかない」
「今回は私も鞠莉さんに賛成ですわ。学校のためにできることはやる、それが生徒会長としての務めだと考えています」
「でも2年前、これをやったせいで鞠莉は足を…」
「あの怪我は私がいけなかったの、果南に追いつきたくて、頑張りすぎたせいよ」
「そうですわ。それに今は私たちだけじゃない。9人いますわ」
「ダメ、ダメだよ!届かないものに手を伸ばそうとして、そのせいで誰かを傷つけて、それを千歌たちに押し付けるなんて……こんなの!!」
鞠莉とダイヤは果南の説得にかかる。でも果南はまだやりたくないと思っている。2年前のようなことになるのを恐れて……それどころかノートを海に投げ捨てた。それを鞠莉は飛び込んで取りに行った。
「鞠莉!?」
なかなか上がってこない鞠莉を心配して飛び込もうとしたその時、鞠莉はノートを持って浮かび上がってきた。
「否定しないで?あの頃のことを……私にとっては大切な思い出なの。だからあの頃夢みてた、私たちのAqoursを完成させたい」
ダイヤに手伝ってもらい上がってきた鞠莉は、果南にノートを返そうと差し出したが、少しの間見つめて受け取ろうとしなかった。
少しの静寂の後、そのノートを手に取った。
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「Aqoursらしさ?」
「うん、昨日聖良さんと話した後考えたの。私たちにしかできないライブってなんだろうって。結局答えは出てないけど」
やっぱり千歌もいろいろ考えたりするんだな。
「ふふ、このタイミングで千歌さんからそんな話が出るなんて、運命ですわね」
「ダイヤさん?」
「ダイヤ?」
何かあるのか?
「果南さん、あのノートを渡しましょう」
「ノート?」
「なんのノートだ?」
「実は2年前、私たちがやろうとしていたフォーメーションがありますの」
「でもあれは……」
何か訳あり…か。
「様子を見る限り鞠莉もダイヤと同じって感じがするけど果南、渡したくない理由でもあるのか?」
「あれはセンターに物凄く負担がかかるんです」
「そっか、推測だがそのノートの内容が、鞠莉が怪我する原因となったってところか」
「そうです。だからこれをやるなんて……」
「なんで?なんでやらないの?まだやれることがあるならやろうよ!もう次のライブしかチャンスがないんだよ?」
「千歌……でもこれはさっきも言った通りセンターに負担がかかるの。あの時は私だったからよかったけど千歌にできるかどうか……」
「やるよ!それでも私はやる!」
「果南さん、渡しましょう」
「…………わかった。でも危ないと思ったらすぐに止めるからね。たとえラブライブを危険棄権することになっても」
「わかった」
結局渡すことになったけど……ノートの内容が気になるな。果南があそこまで渡すのに躊躇してるし……
「果南、ちょっとそれ見せてもらえるか?千歌も、先に見せてもらうぞ」
「いいですよ」
「私も」
「サンキュ………なるほどな」
これはたしかに進んでやる気にはなれないかもな。
「千歌、このノートを受け取る前に俺とも約束してくれ」
「約束?」
「危険だと判断したら果南だけじゃなくて俺も止める。果南より先に止める可能性はあるけど、最悪力づくでも止める。それでもいいって約束するか?」
「します!」
「ほんとだな?」
「はい」
「わかった」
ノートは渡したけど、口だけならなんとも言える。でもいざそういう時になったら言うことを聞かないかもしれない。その時は本当に力づくになったとしても止めてみせる。
二度と以前みたいなことにならないように……絶対あの頃みたいなことにはしない。絶対に……
今回はここで切ります。
次回いつになるかわからないですがお楽しみに