元μ'sマネージャーと女神たちの物語   作:カット

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お待たせしました。やっとできたので投稿します。

今回で6話終わり+少し7話に入ってます。それではどうぞ


50、大事な人

 

「いきまーす!」

 

「頑張ってー!」

 

「……うわぁ!?」

 

学校の体育館のステージ上、マットを出して千歌が次のパフォーマンスの練習をしている。俺を含めた他のメンバーも側で見ているが、こればかりは見守るしかできない。

 

「もう一回……うわぁ!」

 

『千歌(ちゃん)!?』

 

「千歌、これは難しいしライブまであまり時間がないのは事実だ。でも絶対焦るなよ?焦って怪我したら元も子もないんだからな?」

 

「わかってます……もう一回」

 

焦ってはいないようだが……時間が無くなってくるにつれて焦ってくるかもしれない。その時はしっかり止めないと……

 

学校での練習では、成功することはなかった……

 

 

----------その日の夜----------

 

「うわぁ!?」

 

 

 

十千万前の砂浜で千歌は練習をしている。まさか達也もこんな時間まで外で練習しているとは思っていなかったのか、砂浜にはいない。代わりと言うべきか曜と梨子が見守っている。

 

 

「ねぇたっちゃん」

 

「ん?どうした穂乃果?」

 

「砂浜の方から千歌ちゃんの声聞こえた気がするんだけど…」

 

「……えっ」

 

今日の夜は東京から来た穂乃果と一緒にいる。その穂乃果が砂浜の方から千歌の声が聞こえた気がすると言うけど……まさかこんな時間まで?

 

「ちょっと見てくる」

 

「うん……行ってらっしゃい……待って、私も行く」

 

「穂乃果も?」

 

「うん、私の時みたくなって欲しくないから」

 

「……わかった」

 

1人で行くつもりだったが穂乃果もついてくるみたいだ。まぁ穂乃果も前に無茶したこともあったしほっとけないんだろうな。

 

砂浜に行くと千歌がまだ練習をしていた。少し離れたところで曜と梨子は座ってみている。まずは2人から話を聞くか。

 

「曜、梨子」

 

「「先生!?」」

 

「私もいるよ〜」

 

「「えぇ!?」」

 

曜と梨子は俺が来たことに驚いたが、それ以上に穂乃果の登場に驚いている。まぁ当然か。

 

「お前らずっと見てたのか?」

 

「すみません。梨子ちゃんや先生に言ったら止められるからって」

 

「たしかにライブまでそんなに時間がない。でも夜通しやることでもないだろ。なんで止めないんだ」

 

「実は果南ちゃんに朝までにできなかったら諦めてもらうって言われたんです。だから曜ちゃんも私も止められなかったんです」

 

朝までにって……果南のやつなに考えてんだよ……そんなことしたら焦って怪我する可能性だってあるじゃねぇかよ……

 

「まさか休憩なしでぶっ続けでやってるなんてことはないよな?」

 

「「……」」

 

「はぁ……とりあえず1回休憩させる」

 

「「でも!?」」

 

「文句は言わせない。最初に千歌と約束したの忘れたか?力づくでも止めるってこと」

 

「「……」」

 

休憩なしでこのまま続けるのはさすがにまずい。怪我される前に1回止めねぇとな。

 

「千歌!」

 

「先生!?なんでここに!?」

 

「そんなことより1回休め!」

 

「嫌です!ライブまでになんて言ってられないんです!朝までにできないと……」

 

「それはもう2人に聞いた。それでも休憩なしはダメだ!少し休め!」

 

「嫌です!」

 

「そっか、それじゃあ約束通り力づくで……」

 

「たっちゃん待って!」

 

「「穂乃果(さん)!?」」

 

「千歌ちゃん、ちょっと私と話そう」

 

「…………わかりました。少しだけですよ」

 

俺が力づくで止めようとしたら穂乃果が声をかけてきた。千歌と少し話がしたいみたいだし、ここは任せるか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ごめんね?時間ないのに」

 

「少しだけなら大丈夫ですけど…」

 

「千歌ちゃん、焦る気持ちはわかるけどちゃんと休憩はいれないとダメだよ」

 

「そんな時間……」

 

「気持ちはわかるよ。私もそうだったから」

 

「……え」

 

 

千歌と穂乃果はみんなから離れた場所で2人きりで話している。どこまで話すかわからないが、穂乃果は過去の失敗について話そうとしてるみたいだ。

 

 

「最初のラブライブの時はね、今みたく予選があるわけじゃなくてランキング形式だったの。それで上位20組で優勝を争う形だったの。それでμ'sはランキングを19位まで上げたの」

 

「凄い、さすがμ's……」

 

「でもね、その後私が突っ走っちゃったせいでライブ中に倒れる事故を起こしちゃった。ライブ前日にたっちゃんが止めようとしてくれたのに……私はたっちゃんに酷いこと言っちゃったんだよ」

 

「そんなことが…」

 

「それに大事な友達が悩んでいたのにそれにも気付けなかった。ライブのことばかり夢中になってたから私には黙ってたみたい。その後μ'sがμ'sじゃなくなりそうになっちゃったし……」

 

「そうだったんですか…知らなかった」

 

「だからね、たっちゃんや千歌ちゃんの友達の言うことはちゃんと聞いて無理はしないで欲しいかな」

 

「はい……果南ちゃんに朝までって言われて焦り過ぎたのかもしれません。ありがとうございます穂乃果さん」

 

「どういたしまして。

 

千歌ちゃん……ファイトだよっ!」

 

「はい!」

 

 

話を終わらせた2人は立ち上がってみんなのところまで戻っていった。時間はあまり残っていないが、千歌の顔からは先程までの焦りは和らいでいた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「先生!穂乃果さんと話してて休むこともできました。続けていいですよね?」

 

「もちろん。本当は夜通しでやって欲しくはないけど朝までって言われたなら仕方ない。その代わり時々休憩挟むからな?」

 

「はい!」

 

穂乃果と戻ってくると、すぐに千歌は再開したがっていた。まぁ少し休めたし朝までだから特別に許してやろう。

 

「穂乃果、ありがとな」

 

「ううん。家でも言ったけど私の時みたくなって欲しくないからね。私はみんなが心配してるのに大丈夫な風に見せて結局倒れて…たっちゃんにも酷いこと言っちゃった。千歌ちゃんは同じことになって欲しくないだけだよ」

 

「俺も一緒だ。ほんとなら顧問の俺が言うべきなんだろうけどな」

 

「それでもね、経験した私が伝えたかったの。ごめんね?役割取っちゃって」

 

「気にするな。さ、千歌のこと見守ろうぜ」

 

「うん!」

 

穂乃果にお礼を伝えて少し話した後千歌のことを見守ることにした。あと何日かあるなら凛を呼んで教えてもらうことができたと思うけど……もう約束したなら仕方ない。

 

さっきからできそうでできない状態が続いてる。頑張れ千歌…

 

「千歌ちゃーん!」

「頑張るずらー!」

「ギラン!」

 

「みんな…来てくれたんだ」

 

みんな来てくれたんだな。つーか何時だと思ってんだよ。人のこと言えないけど……

 

みんなの応援を受けて千歌がまた挑戦する。こういう時はできそうな気はするが……また失敗した。

 

「できるパターンだろこれー!」

 

気持ちはわかる…みんなが応援に駆けつけてくれたからできた……ってなるパターンだっただろう。現実は甘くはないが……

 

「どうして……」

 

「千歌…ちょっと休ませるか…」

 

「たっちゃん待って」

 

「穂乃果?」

 

1度休ませようとしたが穂乃果に止められた。穂乃果の向いてる方向を向いてみると、曜と梨子が何かやりそうだ。

 

「がおー!普通怪獣りこっぴーだぞー!」

 

「普通怪獣ヨーソローもいるぞー!」

 

「ズビビビビ!」

 

曜と梨子が普通怪獣?まぁ千歌の真似だろうがそれを急にやりだした。というか最後のは花丸か?

 

「千歌ちゃん、まだ自分が何もないって思ってる?」

 

「……だってそうでしょう?」

 

「千歌ちゃん、今こうしてAqoursとしてやっていけてるのは誰のおかげ?」

 

「え?それは曜ちゃんや梨子ちゃん、Aqoursのみんなや顧問になってくれた先生、それに街の人たちのおかげ……」

 

「1番大事な人を忘れていませんか?」

 

「え?」

 

ここはこのまま任せて大丈夫だな。

 

「千歌ちゃんがいたからだよ。千歌ちゃんがスクールアイドルを始めたいって思ってみんなが集まってきたんだよ。千歌ちゃんがいなかったら今のAqoursになってないんだよ。だから自分には何もないだなんて思わないで」

 

「みんな…」

 

「な〜んか曜に全部言われて顧問の役目まで回って来ねえな〜」

 

「えへへ」

 

「千歌ー!」

 

いや〜ほんと今回曜や穂乃果に役割取られてるせいで顧問の俺がやることないな。それにいつの間に果南との約束の時間になってたみたいだ。3年生3人が砂浜に来てた。

 

「行ってこい千歌!」

 

「はい!」

 

みんなに見守られて3年生がいる方まで走り出していった。みんな成功すると信じて見守っている。

 

「千歌…ありがとう」

 

3年生3人の近くまで行くと夜通し練習していたことをやる。

 

そしてついに……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さっ、お前たちの番だ!みんな行ってこい!」

 

『はい!』

 

ラブライブ予選、他の学校のスクールアイドルの出番が終わっていき、ついにAqoursの順番になった。

 

「みんな行くよ!

 

1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

「アクアー!」

 

『サーンシャインー!』

 

行ってこいみんな。今のお前たちなら絶対予選突破できる。

 

みんなを見送った後急いで客先に戻りそこからAqoursのライブを見ている。順調にパフォーマンスをしていき、ついに千歌の重要な場面になった。そしてこの予選のために練習していたロンダートバク転を見事に決めた。

 

「決まった…最後まで気を抜くなよ…」

 

千歌のロンダートバク転が決まった後も順調にパフォーマンスを続けていった。途中果南が笑顔でいたが涙を浮かべていたのに気付いた。2年前できなかったことができたんだ、そりゃ嬉しいよな。

 

そのままみんなは最後までやり切った。贔屓目で見るわけではないが、今までいろんなスクールアイドルを見てきた経験からして、今のところAqoursはトップだろうな。

 

【MIRACLE WAVE】

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それでは!決勝に進む3組を発表します!」

 

「いよいよか」

 

「通過できるよね?たっちゃん」

 

「きっとできるさ」

 

俺と穂乃果は客席から結果を見守り、みんなはステージ上で祈っている。

 

……通過してくれ

 

「決勝に進む3組はこのグループです!」

 

司会者のコールと共にスクリーンに決勝に進む3組が映し出された。そこにはAqoursがトップ通過という結果になっていた。

 

「みんなやったな」

 

「よかったねたっちゃん!」

 

「ああ!」

 

みんなよくやった。

 

「千歌ちゃん!」

 

「これって…夢じゃないんだよね?私たち…予選突破したんだよね?」

 

「そうだよ!夢なんかじゃないよ!」

 

『やったー!』

 

「それじゃあみんな行っくよー!

 

全速前進ー!」

 

『ヨーソロー!』

 

「からの敬礼!」

 

みんなやったな、ほんとによかった。あとは決勝戦で最高のパフォーマンスをするだけと言いたいが……

 

その前に入学希望者の人数がどうなっているかだ。

 




今回はここで終わりです。
次回ですが、他の作品のアニメ編を終わらせてしまってからこっちに戻るのでいつ投稿できるかわかりません。

それまでお待ちください。

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