声を出さない提督
あれから今日で三年か、永いようで、早かったな、でも、どんなにカウンセリングを受けても毎年あの日のことが絶対に夢に出る、あの日も暑い日だったな。
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叢雲「はあ?出かける?」
提督は頷く
叢雲「どこに?」
紙「裏山」
叢雲「なにしに?」
紙「今お盆でしょ?」
叢雲「分かったわ、その代わり私も行くわよ」
提督は考えるように腕を組み、承諾した
叢雲「わかったじゃあ準備す」
紙「全員でな」
叢雲「じゃあみんなを集めるわね、と言っても13人だけど」
放送叢雲「えーこれから裏山に行くから準備して集合」
曙「来たわよ」
潮「そんなにツンツンしなくてもぅ」
漣「そうだよぉ、ホントはツンデレなのみんな知ってるから」
朧「そうそう」
曙「っ────うっさい!!」
電「暁ちゃん!起きるのです」
暁「ふぇ?」
雷「かわいい!(もう、ヨダレなんか垂らして)」
響「建前と本音逆だよ?」
不知火「皆さん揃いましたね」
雪風「雪風お腹すきました!!」
陽炎「はいはい、後でね」
島風「やっとみんな来たのー?!おっそーい」
曙「あんたはいつもいつも速いの!」
パンパン!!
「!!」
提督は手を叩いて皆の注目を集める
紙「これより、裏山の墓地に向かう、道中は滑るので各自2人1組を作れ!」
叢雲「でも誰か余るわよ?」
提督はまた、考える仕草をしてジェスチャーを行う。
叢雲「1人、は、俺と、組め」
叢雲がジェスチャーの解説をし終わった瞬間、場の空気が明らかに変わった。
島風「余った1人は」
不知火「提督と」
曙「手を繋ぎながら」言ってない
雪風「滑る山道を」
陽炎 「エスコートしてもらえる?」言ってない
駆逐艦達「(これは譲れない!)」
叢雲「じゃあ私でいいわね」
駆逐艦達「ええ?!」
暁「どうしてよ!」
陽炎「そうよ!」
叢雲「え?!何でそんなに怒るの?」
暁「そ、それは」
叢雲「理由は秘書艦だからよ?」
正論を言われた駆逐艦達は黙ってしまう。
雷「じゃあ電と」
暁「私は響と」
島風「私は雪風と!!」
曙「私は潮と」
陽炎「不知火」
不知火「はい、分かってます」
朧「漣」
漣「ほいさっさー、レッツゴー」
20分後────
漣「と言ったけど今どこら辺?」ズーン
曙「さ、さぁ知らないわよ」ハァハァ
島風「みんなおっそーい」
潮「そんなに走るとコケるよ?」
ズルッ、ゴン!
見事にコケの生えた岩の上を踏んだ島風
島風「いったーい!!」ぶえぇぇー!
電「(ふふ、かわいいのです)」
雷「大丈夫?」
漣「ん? コケ の上で コケ る」
朧「ぶふっ!」
島風「わーらーうーなー!」
艦娘達の中で小さな笑いが起きた、しかし先頭の提督と叢雲組は見向きもしない、なぜなら。
叢雲「ちょっと!ちゃんとエスコートしなさいよね!」
紙「スマン」
叢雲「全くもう!」
しっかり手を繋いで歩いているので、提督はエスコートをするのが忙しく、叢雲は照れてそれどころではなかったからだ。
叢雲「んん?(それにしても司令官の手は、なんか頼りないな、何でだろ)」
紙「何か?」
叢雲「なーにも、それよりこの手首に巻いてる包帯なに?」
紙「それは、昔の傷跡があるんだよ」
叢雲「ふーん(嘘ね、手首の傷と言ったら、アレしかないじゃない)」
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紙「そろそろだ」
叢雲「みんなーそろそろだそうよ!」
暁「レディーをこんなに歩かせるなんて!」プンスカ
「まぁまぁ暁ちゃん仕方ないのです」
「そうよ」
「そうだよ」
漣「ぼのりん、抱っこー」
曙「腹パンならやってあげるわよ?」
陽炎「不知火、大丈夫?」
不知火「大丈夫です」
紙「着いたぞ」
叢雲「墓地?」
首を横に振る提督
叢雲「え、でも、多過ぎない?この島に島民なんかいた?誰のお参り?」
紙「全部艦娘達だよ」
叢雲「艦娘達って今まで誰も沈んでないじゃない」
紙「お前らは知らないだろうな」
「?」
紙「昔な、と言っても2年前だ」
叢雲「・・・・それで?」
紙「あの鎮守府で大きな防衛戦が起きたんだよ」
紙「そう、思い出したくもない、でも、今日この日だけは絶対に思い出す、夢に出るからな」
紙「ま、鎮守府にいた艦娘達は全滅したんだよ、叢雲、お前以外は、でもクズのせいで殺してしまった」
叢雲「え?どういうこと?」
紙「まぁ、話を戻そう、ここは艦娘達の墓地だ、一応、体が綺麗なやつはそのまま埋葬した、髪飾りとか肉片とか内臓とかを鑑定してもらって誰のものかが分かるようにもなってる」
叢雲「嘘、これ全部艦娘の墓?!」
紙「こら、一応お墓だぞ?大声出すな」
叢雲「あ、ごめん」
紙「お前らは、駆逐艦の所に行ってこい、自分の名前があるから変な気持ちになるかもしれないが」
叢雲「分かったわ、それと」
提督「?」
提督は首を傾げた
叢雲「あの建物なに?」
叢雲が怪訝そうな顔で尋ねる
紙「骨や髪飾りは埋めてあるが、内臓とか肉片は・・・ホルマリン漬けにしてある、見に行きたいんなら言えよ?」
叢雲「・・・・OK、見に行かないわ」
紙「俺は、少し一人にしてくれ」
叢雲が無言で手を振ったのをみて提督はその場を去った。
女の子の内臓をホルマリン漬けにして保存するとか、我ながらサイコパスですね
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