ロールプレイ好きが魔王として好き勝手やる話 作:カレータルト
(意訳;毎度報告ありがとうございます)
なんかファルシのルシがコクーンをパージみたいなことになって反省
人名とか設定ならまだしも、「これ誰だっけ」みたいなことになるのは個人的に嫌ね
もうちょっと独自の名前とかは入れないべきかも、後でなおすかも
落ちて往く
堕ちて征く
一寸さえも見通せぬデータの闇の中を、方向性すら判別できなくなる曖昧な世界の中を。
重力すらない空間の中を、ただ下へ下へと落ちていく。
果たして重力すらもない空間で”落ちる”というのが正しいのかは分からないのだけど。
「……ふむ」
体感では、信じられない速度が出ている。
この先にいる何かに吸われているか、それとも何かに打ち出されているか、自然落下に反した軌道を感じていた。
これほどの速度は常人であれば間違えなく耐えられないであろう……肉体的にも、そして精神的にも。
しかしながらここは間違いなく現実ではなく、いくら凄まじい速度が出ていようとも肉体的には全く問題がない。
そして『オレ』は、この程度で動じるような柔な精神性を持ち合わせてはいない。
この程度の落下は段差から降りるようなものであり、腕組をして考えることは当然として欠伸をする余裕すらあった。
あの人間にこの場所へと落されて暫く、頭の中へとひっきりなしに流れ込んでくる情報の方が憂慮すべきことだ。
なにしろその量が膨大なのである、魔王の身とて軽い頭痛を覚える程度にはキャパシティを圧迫するほどの物量――舌打ちをしつつどうにかこうにか捌き切るが、如何せんきつい。
しかしながらどれもが無視しても良い情報ではない、それらはオレの知り得なかったこと……秘匿されていた『魔王』にとっての情報だからだ。
(オレを含めた六人の魔王、性格、攻撃性、能力、領土――及びに誓約、配下の特性。知りたい情報は全てある、が――関係性は不明、なるほど)
与えられた情報を、現状を、考慮される予想を。集めて捏ねて、叩いて潰して、総括として纏め上げる。
口角を上げて笑っては、重量すらも感じない程慣れ親しんだ相棒をポンと叩いた。
「あの野郎――オレに、魔王相手のロールを即興でしろってことかよっ!」
設定は練った、まあ設定厨としてはまだ4割ほどしか練りきれてないが稼働させるには十分だ。
だが他の魔王に対しては完全に未知、データ上の設定やステータスは渡されたものの容姿や言葉遣い、関係性などは不明、つまりどう立ち回るのかはっきりと決められない。
おまけに同じ魔王だ、初対面ではあるまいしそれなりの間柄は既に構築されているだろう、ぎこちない言動も出来ない。
いや、許されるかもしれないがオレの矜持が許さん。親しい間柄に対していきなり「や、やぁ、久しぶりだね……名前なんだっけ?」なんてほざくようなものだ、認められるわけがない。
求められていることは多く難しい。魔王としての威厳と個性、けれども突出するのではなく埋もれもしない匙加減、今後に幅を持たせる余地。
俺様キャラをするのは容易だがそれで他キャラとの関わりが薄くなったり独尊過ぎてついていけなくなるのはいけない、どうせなら他の魔王とも絡みたい――否、絡んでくるようなキャラが欲しい!
試運転としては上々、エンジンも掛かってるしモチベーションもある、どんな奴でも掛かってこい!
「がは、はははっ!! あはぁはははっ!! 征くぞ、征くぞぉ!」
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Tips『魔界』;
人間を始めとして多種多様な種族が営む世界『ミレニアル』と表裏一体の名も無き世界、昼夜の概念があるミレニアルと異なり常に薄暗く、立ち込める濃い魔力によって全土が人智を越えた魔境と化している。六人の魔王を擁するが、彼らは指導者というより魔界の礎としての役割を担っているので為政者は存在しない。 対義語;神造世界『ミレニアル』
Tips『魔王』;
魔界に君臨する絶対的存在、魔族総員にとっての宗主、指導者ではなく魔界の存在に関わる礎。魔界そのものと契約を結ぶことにより圧倒的な力と誓約を課せられた者達。常に六人であり欠員が出た場合誰かがそこに座る、それには儀式も規則もないが「礎として相応しくない=力がない」と思われたが最後、他の魔王により再び欠員が作られる。 対義語;勇者
Tips『恩恵と制限(魔王)』;
魔王として座に就いた者が持つ力は世界の壁を通り越し、ミレニアルに『蝕災』という形で傷跡を残すことが出来るほどとなる。そのカリスマは自らの軍団を持てるまでに高まり、また自らの軍をミレニアルに派兵できるようになる。ただし、直接ミレニアルに手を出すと非常に高い『均衡力』が発生するようになる。 類義語;魔災(ミレニアルでは魔力が及ぼす災害と考えられている為)
Tips『均衡力』;
ミレニアルと魔界は表裏一体且つ完全に分かたれた関係としてバランスがとられている。即ち両世界を越える者は『存在してはならぬ者』として世界から多大な負荷が掛けられる。魔界そのものである魔王がミレニアルに顕界を試みた場合、消滅あるいは存在することすら辛うじてという程に弱体化してしまう。
Tips『絶対適応力(適応力)』;
魔王がミレニアルに顕界する際には強烈な均衡力が発生するが、魔王となるほどの実力者は均衡力を打ち消すほどの存在力をもって世界に己を認めさせることが出来る。均衡力を相殺できる度合を適応力と言い表し、魔王の脅威度を測るパラメータの一つとして使用される。魔王ですら低ランクしか有せず、高ランクの適応力を見せる存在は何かしらの所以がある。
Tips『脅威度』;
遥か太古より度々文献に姿を見せた魔王、その実力をパラメータとして明確にし、比較等を容易にするため学者たちが考案した判定式。『敵対度』『顕界頻度』『推定適応力』等を分類し、各値をAからEにランク付けた後で総合的に比較判断を下す指標とする。ただし曖昧かつ抽象的に示される魔王も居る為、あくまで被害から考えられる仮定に過ぎない。
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【Movie Start】
神が作りし最初にて最高の傑作、それが命に溢れ、天の恵みを存分に享受する『ミレニアル』ならば、その裏には神が作り損ねし欠陥品が積み上げられている。
そこは名すら与えられず、永劫に許されることのない地。神の不条理と不合理によって虐げられる不毛の世界――魔界。
神の影は日を遮り、溢れかえった濃い瘴気によって弱者は数分たりとも生きてはいられない。
よしんば生き残ったとしても、生き延びれば生き延びるほど臓腑は瘴気を溜め込み続け、まともな存在ならば長くは生きられない。
されども、ここは神に見放された地。
そこに産まれる者は須らく、理を踏み躙り、知を嘲嗤う神の反逆者、それが”魔物”。
たっぷりと、まるで嗜好品の如く瘴気を吸い込み、汚濁をもって力とする。
他者を食らい、貪り、溜め込まれた瘴気を自らのうちに取り込むことで強くなる――魔界とは、弱肉強食を形にした場所なのだ。
野生のままに生きる魔物は、その力に応じて自然に序列を作り出す。
強い者はより強い者に従うのが摂理、これに逆らった者の歩める道は二つ、即ち『反逆して、強者をも喰らう』か『死』のみ。
より強い者に、純粋に強い者に、野性的に強い者に、従い従い従って、やがて行きつく先は必然『最強』の位。
ありとあらゆる条理を笑って蹴飛ばし、世界の規律をも鼻息で吹き飛ばし、魔界における幾千幾万幾億の頂点に立ち、崇拝と権力を一手に引き受ける絶対者。
それが、”魔王”と呼ばれる存在である。
魔界にも当然、地形という概念は存在する。
ただしその中には底すら見えないほどの断崖絶壁、水ではない何かに満たされた湖、ミレニアルの存在が見たらその瞬間ロールチェックが入るような悍ましいものが取り揃えられているが。
一つの国家にも相当する面積を誇り、あらゆる影に凶悪な魔物が潜む魔界有数の大森林『ヌェル=ガ森林』もそのうちの一つ。
生半可な実力の者が近づけば最期、あっという間に引き込まれて骨すらも残らない。知性を有すほどの実力者でも近寄りがたい魔界の中でも有数の危険地帯である。
この森で生き延びたいのであれば最低でもLv70が必要、それでも骸を晒す危険と隣り合わせの森林地帯――その中央に、忽然と佇む城がある。
あまりにも唐突に、まるで”そこに城が建てられるように誰かが無理やり盛り上げた”様な高台に建つ堅牢な要塞。
広大な森と比べても遜色がない程巨大なそれは、例え森の外からでも遠目に見えるほど、憚ることなく傲然とそそり立つその様子にはまるで敵に空襲を受けることを考えても居ないよう。
その様子は弱肉強食の魔界においてはあまりにも無防備、あまりにも脆弱、己の隙を晒すなどという阿呆がまかり通る場合がただ一つだけ存在する。
要塞――正式名称は『ヘルセレム大城塞』であるが、ここが奇襲を受けたことなど事実一度もなかった。
それはヌェル=ガ森林の上空を飛んでいると捕食されるからではなく、城塞に特殊な結界が貼られているわけでもない。
この要塞を恒久的な難攻不落の聖域としている要因はただ一つ――『ここが魔王の本拠地である』という事実。
あらゆる魔物にとって、此処に用もないのに近づかないことを説明するのはそれだけで十分すぎたのだ。
ヘルセレム大城塞の中央部、複数存在する建屋の中でも最も高く、最も無骨な装飾が施され、最も厳しい警護が敷かれる塔、通称『主の御座』。
全ての中枢を担うこの塔の第12階は此処を支配する魔王が直属の配下ですら特例なしに入ることを許されぬ階層である。
それは大層な宝玉を収めているからではなく、魔界の秘密が眠っているわけでもない。
この階にあるのは巨大な黒い六人座りの机と椅子、ただそれだけ。
重要なのはその机でも椅子でもない――一体そこに誰が座るのか、それが問題なのだ。
「――――――……」
普段は、そして百年単位ですら使われることがあるか怪しいその机の傍で一体の魔物が落ち着きなく部屋を往復していた。
上半身は逞しい人間である、精悍で彫りの深い顔つきをしており髭や髪は意外なほど整えられている。だがその下半身は巨大な茶色の馬であった、脚を上げるたびに磨き上げられた蹄が姿を現す。
往復するその歩幅は一定であり、心ここに在らずと言わんばかりに考え込みながらも動作はきびきびと無駄がない、その様子は半身半馬よりも歴戦の兵士を思い起こさせた。
「まったく、奴はまだ来んのか――……」
ブツブツと呟くその声は決して小さくはない、それどころか部屋中に良く響く声だった。
本人の意図しない無意識だろうが、煩い。しかもその口調は誰かを咎めるように高圧的である。
絶えず部屋を往復しては不満の意を表す彼を、テーブルに一辺に座る青肌の女性がちらと見やったが、何かを言う前にふと目線を落としてしまった。
「信じられん、まったく信じられん――これで何十度目だ? 蛮族には時間の概念がないのか? これだから知性のない奴は嫌いだ――!」
声はどんどん大きくなる、気のせいか部屋の温度が上がったようだ。
しかしながら特に目立った反応を見せたのはその女性のみ、後の三人は我関せずといった態度で自らの位置に座しながら勝手なことをしていた。
女性の対面に座るのはどこか憂いた顔をした青年であった、人間でいえば二十代の若さであり、控えめに言って凄まじい二枚目であることは間違いない。
人外の美、それを己の身で証明せんが如く綺羅星のような輝きをその貌から溢れさせるが、彼の表情は憂鬱極まりないといったそれだ。
しかしどこまでもネガティブな表情すらも麗しい、ミレニアルであれば間違いなく道行く乙女が胸をときめかせ、節操のないロマンスを夢想するほどの美貌だが、彼もまた理を外れた存在である。
その背から伸びるは異形の翼、透き通るガラスのような双翼はよく見ると数十、数百にも及ぶ薄羽の束、蝋燭の光が映り込むたびにチカチカと眩い光を反射する天然の鏡であった。
その左に座するは珍妙な姿をした老人である、ふさふさとした髭や髪は完全に白く、相当な年であることを感じさせる。
その服装は高いとんがり帽子にゆったりしたローブ、それらは星や可愛らしい模様で彩られ、さながら絵本から出てきた魔法使いのよう。
しかしながら彼が熱心に手入れをしているのは、誰がどう見てもエレキギター……エレキギターである、比喩ではない。
手慣れた手つきで弦に触れればみゅぃぃんと気の抜けた音が鳴る、半身半馬の男はそれを無視するようにして往復を続けていた。
「自らの立場に自覚がないのか、それともわざとか――奴なら後者もありうる、まったク、アイツハイツモ、イツモイツモイツモッッッ――!」
部屋の温度は、無視できない程に高温となり始めていた。
原因は間違いなく発言の内容が変化し始めた男――その体からはシュゥシュゥと音を立てながら熱気が発せられている。
先程までは何もなかった尾の先はメラメラと赤い炎を纏わせて、怒りを表すように振りまかれていた。
唸り、歯軋りする様子は誰がどう見ても尋常ではない、既に部屋の温度は活火山の火口程に達し、呼吸すらままならない筈だ。
「ねえおじさま、彼は何であれほど怒ってるの?」
だが、そんな彼を指さして疑問を呈する者が居た。
幼い声、それに見合った容姿、人間でいえば精々十歳に達するか達さないかの年頃の童女。
見目は可愛らしいものの、しかしながらこの異常な状態で怒り狂う者相手に対するあまりにも不遜な言い方は聞いている方が肝を冷やす。
しかし、それを咎める者は居ない。
代わりに、彼女の後ろから生えるように姿を現した二人分の影がそれに答えた。
「それはね、六席の内一つが欠けているからだよ。可愛い私のシェスカや」
「それはね、また彼女が遅れてきているからだよ。愛しい私のシェスカや」
その声色はどこまでも優しく、愛おしむ様だ。
それを聞いたシェスカと呼ばれた少女は、そっかと言ったきりどこかから取り出した人形で遊び始めた。
一の席に座す女は伏目を崩さず
三の席に座す老人は恍惚とした顔で音楽を奏で始める
四の席に座す青年は気だるげに羽繕いをはじめ
五の席に座る少女は人形の腸を引き摺り出す
「アイツガッ! アイツがクレバオレハイマスグニデモウゴクッ! ヤツザキニシテッ! ヒキツブシテッ! ゼツメツサセルッ!!!!」
その傍らで遂には炎を巻き上げ始める半人の男――その瞳は紅く染まり、最早この状況を生み出した当事者よりも別の存在に対する怒りをぶつけていた。
憎悪を露わにして今すぐにでもミレニアムに駆け出していきそうな様子、それを無視する他の面々、最早収拾のつけようのない状況――
「おうインセロス、またロデオの練習でもしてんのか?」
その声は、いつの間にか開け放たれた扉の向こうから聞こえてきた。
部屋にいた五人全員の視線がそちらに向く、その内の数人は酷く面倒くさそうな表情をしている。
第十二階の扉は控えめに言って大きく、重い。
欠片であっても持った魔物を潰し殺すことが出来る、それだけの逸話がある『ヘウナ岩』から切り出された分厚い一枚岩は、遠く離れたこのヘルセレムに運び出すだけでも多くの死者を出すほどだった。
それは魔王の権力がいかに凄まじいかを示すものであるが、当然ながら動かすのにもとんでもない力が必要となる。3メートル四方の扉であっても鍛え上げられた魔王の部下が八人掛からなければ開閉出来ない程だ。
無論その一人一人が精鋭部隊、ヌェル=ガ森林どころかミレニアムへの遠征にも幾度となく列席した古強者、魔界でも勝てる者は限られる戦士たちであり、彼らはこの扉を開く仕事を誇りにすらしていた。
それが、たった一人に開けられた。
悠然とした顔で、揃った面子を見据えるその姿からは微塵の疲れも感じさせない。
怒り心頭と言った様子の半人半馬――『インセロス』と呼ばれた男に笑いかけるその姿は、準備運動にすらならんと言わんばかりだ。
「てか、あっちーなオイ。ティフォニア、こいつに水でも浴びせてやれ」
「―――………ソ……」
一の席に座っていた女に声を掛けるその顔つきは、女というよりも男性的な凛々しさと自信に満ち溢れている。
その服装は魔獣の毛皮に金属のプレート、おまけに牙や羽の雑多な装飾品だらけ、自らの戦果を誇示するような衣装は統治者というより蛮族の長と称する方がふさわしい。
その体躯は巨大であり並の人間より半身分は大きい、筋骨隆々としたインセロスとも張り合えるほどに横幅も広く、けれども女性らしい膨らみも感じられる。
紅い髪を揺蕩わせ、紅い瞳の奥は相手の本心を見据えるような魔力を秘めている、担いだ両刃斧を壁に立てかければ、自分の方を向いてぶるぶると震えるインセロスに向けて肩を竦めた。
「どしたよ、今日はちゃんと来ただろうが……ああ、ちょっと酒を引っ掻けてきたけどまぁ――――」
「トォォォォォォオオォォルゥゥゥゥゥウゥッッ!!!!!!!!!」
その絶叫は、そしてその後にやってきた衝撃波は、それだけでヌェル=ガ森林の魔物の大半を気絶させるに十分な威力を持っていた。
こういったシナリオ形式苦手みたいだから多くは入れない予定
あくまで本編は内海ちゃんのメタメタだしね!
お気に入り1000件らしいですよ、ありがとうございます
……やっぱりVRMMOでオレTUEEEEだから?