キリトside
魔理沙と別れてすぐ近くの茶屋に入ってから数十分が経った。
「ねぇねぇアスナ、これ良いでしょ〜」
「へぇ〜、こんなのも売ってるんだ〜」
「うん!それ以外にもこんなのとかもあるんだよ〜」
「ちょっとこれは高価そうね」
「そんな事も無かったよ」
「じゃあどれくらいしたの?」
こんな感じで全然話が違う方向に行っている状態が、続いている。
「なあ、アクセサリー談義はまた今度にして今は何でユウキがこっちにいるのかを話そうぜ」
「あっ、そうだったね」
「本気で忘れてたのかよ」
「あはは、ごめんねキリト君」
キリトが話題を切って本題に移ろうとしたら、ユウキとアスナは小首を傾げて、その後やっと思い出したのかユウキはその事を隠さずに言葉にして、アスナは苦笑いをしていた。そして、それを見たキリトは思わず項垂れてしまった。
「それでユウキさんは何故ここにいるんですか?」
「それはね〜……」
ユイがユウキに聞き、それをユウキは過去を振り返る様に答えた。
それはユウキがALOで、大勢のプレイヤーに看取られてアスナの膝の上で息を引き取った時のこと。
現実のユウキの体は徐々に命の炎が燃え尽きて行っている途中でいきなり鼓動が止まった。
医者たちはその現象が何なのか分からず調べようとしたが、担当医であった倉橋医師が『これ以上彼女の体を苦痛に晒すのはやめて差し上げましょう』と言ったので、他の医者も人道的な面での考えでユウキの体は解剖されずにいた。
だが、ユウキはその姿を、その医師たちの会話を聞いて、見ていた。
その理由は、
『ここ……は……』
『ここはスキマ。現実と幻想の間、と言った感じかしらね』
ユウキはスキマの中にいた。
そしてそこがどこか分からない場所であることをつぶやくと後ろから、女の声が返ってきた。
『あなた……は……?」
『私は八雲紫。現実の世界とは隔絶されている場所、幻想郷の管理者よ』
その女の名前を聞くと八雲紫と名乗った。
『僕は……どうしてここに………?』
『貴女は死んだの。でも、私は貴女の行動がもっと見てみたいの。だから幻想郷に招待しに来たのよ』
紫はユウキを指差しながら微笑を浮かべて言った。
そんな紫を見てユウキは言った。
『どうして…僕を?』
『貴女は私の起こす異変に参加してもらいたいの』
『でも僕は……死んだんじゃあないんですか?』
『えぇ、だから良いのよ』
ユウキは紫の言葉に首をひねる。
死んだから良い?それはおかしい。だって死ぬとは生命活動が止まるという事だから、必然的にその人物は動けなくなる。
『貴女の疑問は最もね。ならまずは幻想郷がどういう場所かを説明しないといけないわ』
そう言うと紫は語り出した。幻想郷がどういう場所で、どんな人物がいて、何が常識で、何が非常識なのかを。
『でもそんな場所に僕が行っていいんですか?』
『えぇ。貴女はもう一度、途中からにはなってしまうけど人生を歩むの。それに言ったでしょう。これから起こす異変に貴女が、必要だと』
『なら分かった。僕は幻想郷に行くよ!僕が必要ならね!』
『ありがとう。ならついて来て。幻想郷へ案内するわ』