現在リースは戸惑っていた。
「どうして今の時期に来たの?」
「どんな趣味なの?」
「専用機は持ってるの?」
「リースちゃんハァハァ」
などなど様々な質問が投げかけられてくるからだ。
もっとも最後の人物についてはテクニクスにいた研究員、イリア・パッフェルのような雰囲気があったため是非お近づきになりたくないと思った。自分はノーマルなのだ。
「一気にまくしたてるな馬鹿ども」
ここで止めに来たのはブリュンヒルデ、織斑千冬である。
「アルフェンシアはヘリックテクニクスに所属しているテストパイロットだ。そして学園に来たのは武装のデータ収拾だ。」
何暴露してくれてるんだろうこの人は。
―――噂に違わず怖い人ですね
(クノが怖がっていうのは珍しい)
―――怖がってないですよ? ただ単に噂と変わらないと言っただけです。
「それと機体だが、リーンヴォルフという第二世代中期に開発された、所謂旧式、型落ちと言われる機体だ」
「さらっと人の専用機の話までしないでください」
普通そういうことは言わないと思うと思うのは私だけだろうか?
リースは自分の常識が間違ってるのだろうかと不安に思う。
「山田先生、機体についての説明を頼む」
「あ、はい。第二世代の中期に開発されたヘリックテクニクスの第2世代ISリーンヴォルフ。
その機体は武装をえり好みせず、機動性に富んだ機体で装甲は若干薄いもののそれを補って余りある機動性と接近戦能力に優れた当時名機とまで言われた現在ISシェア4位にある機体です。
しかしこの機体より同コンセプトで優れたラファールリヴァイブの登場によりその数は減少し今では10数機しか存在していませんが新人には敷居が低く、玄人にはその信頼で応えてくれる今でも愛用したいと言う人の多い機体です。
そしてこの機体最大の特徴は地上での小回りの良さです。地上での運動性という1点においてなら第3世代機以上に動いてくれる機体です。ですがISは空戦が多いので殆ど発揮されることはないですけど」
「あの、詳しく説明されると私が今後やりにくくなるのですが」
正直、ここまで話されると自分の戦法だとか戦略だとかいろいろばらされそうで不安になるのだ。
―――知ってくれてるのは嬉しいんですけど、ここまで熱くなれるとちょっと退いちゃいますね…
「山田先生、熱心なのはいいがこれ以上の説明はこいつらには必要がない。リーンヴォルフは消えて行く機体だ」
そう、リーンヴォルフはいずれ消えて行く存在。これはどんなに高性能なもので逢っても何れは同じ道をたどる。絶対の摂理なのだから。
「そ、そうですね。では他に質問はありませんか?」
「では、山田先生、わたくしはリースさんと模擬戦をしたいのですが宜しいでしょうか?」
青いカチューシャをしたカールヘアーの少女、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットが提案をした。
―――うわ、実際にあんな髪型をした人っているんですね。私初めてみました
(クノ、それは私もおんなじだから)
「ほう、理由はなんだ、オルコット?」
「はい。専用機持ちとしての実力が気になるのと、わたくし自身、一夏さんたちと練習を続けて来たので自分の力がどれほどついたか試したいのです」
その目は自分の力をどこまでも伸ばしたいという純粋な思いが宿っていた。
―――えっと、なんというか物凄くやる気に満ちた人ですね。見た目に寄らず
クノキはイメージと離れていた為に若干引いているようだった。
「わかった。時間は明日の放課後、第3アリーナで行う。アルフェンシアもいいな?」
「解りました」
この雰囲気では断ることが出来そうになかったのでリースは了承した。
(これから先、どうなるんだろう…)
リースはこれから先の学園生活に一抹の不安も持った。
うん、実に短いですな。
次回はきっと長くなるはずだ