勘違い、は主人公目線じゃ分かりにくいかもです!なんとなく察してる人もいるかもですが(いるのかな)
後にジョット目線も書こうと思うのでそこで勘違いをさせていこうかと…
「さぁ、着いたぞ」
「えっ、あ、着いたんだ……え?ここって…?」
何故ジョットが私に触れられるのか、とか食事できないのにどうするか、とかいろいろ考えて混乱しながらジョットに手をひかれて、連れていかれたのはとある建物。
かなり立派な建物だ。でも、レストランってわけでも飲み屋ってわけでもない雰囲気のここは、一体どこなのだろう?
「ねぇ、ジョット…ここは…?」
「ん?あぁ…知らなかったのか、ここは自警団だ」
「ーーーっ!?自警団って!」
な、なんで自警団に!?食事に来たんだよね!?
それにここって…ジョットの仕事場ってことだよね…?しかもここにはジョットの大事な仲間の人たちもいるってこと。
つまり、ジョットが誰もいないはずなのに1人で喋ってる、なにこいつ変なやつってなってしまう!
私が幽霊だって知らないジョットは当然、私の存在を仲間の人に知らせるんだろうけど…絶対相手にされずにジョットが頭の心配されて終わる…。
い、今すぐ帰らなければ。そう決意した私はジョットの手を振り切って帰ると伝えようとしたのだけど…
「ジョット!私、ちょっと用事を思い出したから」
「ジョット!?なんでお前!今日非番のはずだろ!?」
用事を思い出したから帰る、と言い切る前に、私の言葉を遮った声の主が、ジョットに詰め寄っていた。
ジョットは声の主を見て、「あぁ、G」と気軽に声をかける。仲間の人なのか、その顔は心優しくて温かい笑みを零していた。
接してる雰囲気から、十中八九、仲間の人なんだろうけど…ジョット、今日休みだって言ってたよね…?ほんとになんでここに来たの?お昼食べると言って仕事場に行くのはおかしい気がする。
思わずジョットを半目で見つめていると、ジョットが私の存在を思い出したように私をチラリと見た。
「アリーチェ、こいつは俺の右腕のGだ」
「……そう、なんだ」
そのまま、ジョットはおいてけぼりの私に向かって声の主を紹介するために声をかける…けど。
一瞬、心臓が止まるかのように感じた。いや、実際心臓止まってるけど…そうじゃなくて、ジョットは私に話しかけたのだ。恐らく私を見えないであろう右腕さんの前で。
右腕さんには、ジョットが誰もいない場所に話しかけている変な光景に見えていることだろう。
まずいなぁ…仲間の人たちに会わないうちに帰ろうと思ったのに…。
「ジョット?」
「ん?なんだG」
私は右腕さんの言葉を緊張しながら待った。ジョットを訝しげに見てるから、私が見えていないのかもしれない。いや、予想はしていたけれど…ジョットに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。変なやつ扱いされたら、どうぞ私を恨んでほしい…
内心涙目で下を向いて、顔を合わさないようにしていた時だった。
「そっちの女の子は誰だ?」
「え……?」
「あぁ、そうだった。G、この子はアリーチェだ。この間出会ってな。今日少し付き合ってもらった礼に、ここの飯を奢ろうと思ったんだ」
「え、え…?」
「そうだったのか…嬢ちゃん、俺の名前はGだ。今日はジョットに付き合ってくれてありがとうな。アリーチェ、だっけ?よろしくな」
右腕さん…Gさんは私の視線に合わせてかがんで、握手の手を伸ばした。
私も恐る恐る手を伸ばしてGさんの手に触れると、ジョットのように手に触れることが出来た。
いや、待ってそうじゃなくって…。
「な、んで…」
「ん?どうしたんだ、嬢ちゃん」
「アリーチェ?そんなにお腹減ったのか?」
なんで、なんで……なんでこの人も私が見えて、話せて、触れられるの!?
私のことが見えて触れられる人がジョットだけじゃなかった事実に信じられなくて、パチパチと瞬きを繰り返す。今日は驚いてばっかりだ。Gさんも霊感があるとか、そんな感じなのかなぁ…。
とりあえず、ジョットが変なやつ扱いされなくて安心したけれど、ジョットはGさんの他にも仲間がいるんだ、と言って私を更に中へ案内しようとしていた。
まさか他の仲間の人たちにも私が見える、なんてことはないだろうから、私は今ここで帰るべきだと強く思った。そうでなくても、ここにいて良いことはなにもない。ジョットとGさん、2人に迷惑をかける予感しかしない。
「嬢ちゃん?食堂は向こうだぞ?ジョットが案内するから」
「あの、私…」
「G!!大変だ!敵対組織が思ったより早く攻めてくるという情報を入手した!急いで作戦を……って、ジョットもいるのか!?」
本日2回目、今度は神父姿の青年が私の言葉を遮ってきた。よほど急いでるのだろう、だいぶ焦った顔で私たちの前に現れた。
「なっ!?…わかった!急いでむかう!」
「…俺も行こう」
「ジョット…しかしお前は今日は…」
「あの組織はお前達だけでは難しいだろう。それに…俺は大丈夫だG、アリーチェのおかげでリフレッシュできたからな」
「ジョット…わかった、無理はするなよ」
「わかっている」
…多分お仕事が入ったのだろう。私をおいて進む会話に、あれ、これって私帰ってもいいのかな?と1人で勝手に帰ろうとしている私がいた。
ジョットも私の存在を思い出したらしい。数分悩んだ後、申し訳なさそうな顔をして私の頭に手を置くと、目を細めた。
「すまない、アリーチェ。仕事が入ってな…食事は他のやつに案内させるようにするから、1人でも大丈夫か?」
「…!」
私はその提案に喜びの涙を滲ませてこくりとうなづいた。ジョットは変わらず申し訳なさそうな顔をしている…が、私にとっては願ってもないこと、この隙に帰れば幽霊だとバレずにすむ!
「大丈夫だから、私はいいから!お仕事、がんばってね!!」
私はジョットを安心させるようににっこりと笑いながら、ジョットの背中をぐいぐいと押して仕事に行くように言うと、ジョットは私のことを気にしながらもなんとかGさんと共に歩いていった。
ジョットの心配そうな視線に手を振ると、ジョットの命令で来たのだろう。優しそうな顔の男性がこっちに走ってきたが、もちろん幽霊である私が見えるはずなく、男性はきょろきょろと私の目の前で、見えるはずもない私を探していた。
「あ、あれ…?10歳くらいの女の子がここら辺にいるから、食堂まで案内しろって言われたのに…いないじゃないか…」
「…そりゃぁ、私は幽霊だもん」
「帰ったのかなぁ…?とりあえず、後で報告しておくか…」
ハテナマークを浮かべている男性の目の前で、私は、さて、帰ろう。と近くの壁をすり抜けた。
その途中、究極を連呼していた神父姿の人と頭がパイナッポーな形の人と、随分若くてわがままそうなお坊ちゃんとかを見かけたけど、みんな一様にとても忙しそうだった。
そうして、何回か壁をすり抜けていくと、ようやく外に出られた私は、安堵のため息をついた。
なんとかバレなかったなぁ。よかったけど、Gさんにも私が見えるのはとても驚いた。案外、霊感を持った人なんて沢山いるのかもしれない。そして、そんな人たちなら、私の未練を見つけて成仏させてくれるのかなぁ…。
…なんて、すごく他力本願なことを、私は先ほど別れたばかりのジョットを思い出して考えた。
......................................................
後日、自警団にてーー
「あの、スイマセン…この間食堂に案内するように言われたアリーチェという女の子、俺が行った時には既にいなくて、恐らく自力で帰ったのだと思われます」
「はぁ?お前…小さな女の子が、広い自警団の中から迷わずに自力で帰れると思うのか?」
「え、でも…」
「まぁ……居なかったんなら、他のやつに迷子と間違われて外まで案内されたのかもしれないな」
「…そうですね」
(でも俺、命令された時すぐに行ったのに…あんな短時間で居なくなるなんて…もしかして幽霊だったり………なんて、あるわけないか!)
はい!最後のは部下と上司の会話でした!
部下くん惜しい!ニアピン賞!!
自警団の設定がひどくあやふやですが、そんな感じだと大雑把に見てもらえたら嬉しいです…(震え声)
評価と感想、誤字脱字よろしくおねがいします!