いわゆる幽霊になりまして   作:幸い

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はい、1日1話の投稿を目指しています幸いです!1日1話投稿は、出来れば、なので暖かい目で見ていただけると嬉しいです!

今回は初代ファミリーのあの人と絡みます!そして主人公はいつ幽霊だとバレるのか…w


幽霊になって人を慰めまして

青々とした空が広がる、よく晴れた午後のこと…

 

「うぅ、ひぐっ…が、ま、ん…グスッ…」

「…………」

 

路上で大泣きする青年が、私に抱きついて泣きわめいてきました。

 

あぁ、この人も私が見えるのかぁ…じゃ、なくて…

 

一体なんなのこれ!?

 

......................................................

 

それは遡ること小一時間前…

私は暇を持て余して街をふらふらと歩き回っていた時だった。

 

大通りを歩いてまたドジをやって物にぶつかってポルターガイストだと騒がれても困るので、私は人通りの少ない路地裏を選んで歩いていた。

 

路地裏と言っても、ネズミが走り回っていたりあちらこちらにゴミが放ってあるような不潔な道を歩いていた訳ではなく、静かで人のいない閑静な道を私は歩いていた。

 

よく晴れた日に、そんな気持ちのいい道を歩いていた私の耳に小さな啜り泣くような声が聞こえた気がした。不思議に思いながらもそのまま少し進むと、私の視界の端っこにひとつの影が見えた。

 

よく見えないけど…猫かなにかかな?

 

そこまで不思議に思わずに近くまで寄ってみると、そこに居たのは紛れもない人間。そしてよーく見てみると、どうやら若い青年のようだった。

 

その青年は、道の端っこでうずくまりながら肩を震わせていた。時々、私の耳にさっきの啜り泣く声が今度はハッキリと聞こえてくる。

 

この人…泣いてるのかな。

 

気になった私が青年の顔を覗こうとしゃがみ込もうとすると、青年はビクリと体を震わせて、私を見上げて目を見開いた。青年と目が合って、私も目をぱちくりと瞬かせる。

 

「えっ?」

「ひぇっ…お、おまえっ、だれ!?」

 

とっさに私は辺りを見回して他に人がいないか確認するが、人通りの少ないこの路地裏には私と青年の2人しかいなかった。つまり、この人が話しかけてるのって…

 

「…私?」

「お、お前以外に誰がいるんだものね!?」

 

私は自分を指さしながらたずねると、青年は顔を真っ赤にしてうなづきながら私を指さした。

 

あぁ…この人も見える人なんだ……へぇ、そうなんだぁ。これで4人目だからなのか、私は少し驚いたけれどジョットの時のように過剰に反応することはなかった。

 

泣いていたのを見られたのが恥ずかしいのか、青年は勢いよく私から顔を逸らすといじけたように地面をいじりだした。私はなんて声をかけようか迷って、つい、言ってしまった。

 

「えっと…あなた、泣いていたでしょ」

「なっ…!!わ、悪いものね!?」

「いや、悪くは無いけど…」

 

やっぱり恥ずかしいかったらしい。泣いていたことを指摘すると、また顔を真っ赤にして大きな声を出すけれど。私はというと、素直に認めてるあたり好感が持てるな、と呑気にそんなことを思っていた。

 

「てゆーか、お前は誰なんだものね!?」

「え?あ、私の名前はアリーチェだよ。えっと、あなたは?」

「……ランポウ、だものね」

 

名前を聞かれたので素直に答えた私は、いまだしゃがみこんでいるランポウに手を伸ばしながら名前を聞くと、ランポウは仕方なさそうに名乗りながら私の手を掴んで立ち上がった。

 

その顔はすっかり泣き止んでいるけど、目に溜まっていた涙を見て私はどうしてこんな所で泣いているのか気になってしまった。

 

「ねぇ、なんで泣いていたの?」

「…お前には関係ないものね。むしろ、どうしてお前は見ず知らずのやつの話が聞きたいのか、オレさまはまったく理解できないし…」

 

だ、だいぶ生意気だなぁ。この人、見た目で考えると私より歳上のはずなのに子供の私が、この人子供だなぁって感じるのはどうしてなんだろう。

 

「え〜…ふつう、泣いてる人がいたらさ。そばに行って、話を聞いてあげたくならない?」

「……お前、お人好しなのか」

 

なんですかその残念な人を見る目は。そしてお人好しで納得するんじゃない!

 

「お人好し…かはよく分からないけど!でも、泣いている人がいるのに無視して…目の前を通り過ぎるなんて、出来ないよ」

「…やっぱりお前、お人好しだものね」

「はぁ……あなたがそう思うなら、そーなのかもね」

 

人が真面目に答えたのに。私に残念な人を見る目をむけてなお、お人好しと言うランポウに私は折れてにこりと笑ってうやむやにした。

 

「……でも、そういうところはプリーモに似てるかもね」

「え?何か言った?」

「…べつに何も」

 

ランポウがぼそっと何かを呟いたけれど、声が小さくて聞き取ることが出来なかった。私は首をかしげながら聞き返してみるけれど、やっぱり誤魔化されてしまった。

 

「……ねぇ、お前は」

「まって、ランポウ。私はお前、じゃないよ。アリーチェって名前、教えたでしょ?」

「はぁ?…べつに呼び方なんてどっちでもいいものね」

「よくないっ、そんな事言ってると友達できないからね?」

「お前には関係ないものね」

「またそれ…」

 

関係ないという言葉にちょっと肩を落とした私だけど、ランポウの目から涙がすっかり消えていることに気がついて、よかったと笑みが零れた。

 

「…何笑ってるんだものね?」

「ううん、泣き止んでよかったと思っただけだよ」

「…お前、変なやつなのね」

「面と向かって変って言われるの初めてなんだけど…」

 

変、という言葉に顔を引き攣らせながら困った感じで笑って返すと、ランポウは少し警戒を解いたみたいで、先程より柔らかい雰囲気になった。

 

「でも、悪いヤツではなさそうだものね」

「えぇ…悪くはなくても変ってこと?それっていいの?」

「プリーモも変だから、一緒だものね」

「そのプリーモさんが誰かわからないけど…プリーモさん、変って言われてるけどいいのかなぁ…」

「別にいいものね。それにお前と少し似てるし…」

「へぇ!そうなの?」

 

私に似てると言われてるプリーモさんが、どんな人なのか想像していると…ランポウが訝しげに私を見ていることに気がついた。

 

「どうしたの?」

「…そーいや、お前、なんでこんなところにいたのだものね?」

「お前じゃなくてアリーチェだってば……ここにいた理由?え〜、特に理由なんてないけど…強いて言うなら、なんとなく…かなぁ」

「…やっぱり変なやつなのね、お前」

 

誤魔化すように笑って言うと、ランポウは呆れたように私を見つめてきた。

 

うぅ…だって、ポルターガイスト騒ぎにならないように気を使ってたからです。なんて説明できないし…

 

頬を引きつらせながら笑うと、ランポウも興味がなくなったのかそれ以上聞いてくることはなかった。深く詮索しないでくれるのは、正直とてもありがたい。

 

「私なんかより、ランポウは?」

「何がだものね?」

「ランポウは何でこんなところで1人で泣いてたの?」

 

じーと見つめながら問えば、ランポウは気まずそうに視線を逸らしながらいやいや口を開いた。また誤魔化されるのかと思ったら、どうやら違うらしい。

 

「………お前には関係ない、と言いたいところだけど特別に教えてやってもいいものね」

「あ、ありがとう…?」

 

無駄に態度が大きいけれど…でもランポウの、ワガママにみせて意外に素直なところは好感がもてるなぁ、とか思いつつ、ランポウの言葉に耳を傾ける。

 

「…オレさま、仕事でいつもいつもプリーモに言われて前にたたされるんだものね」

「仕事…?」

 

ランポウ、ちゃんとお仕事してるんだ…なんか、意外だなぁ。ワガママ言ってやりたい放題やってるイメージだった。反省しよう…なんか悔しいから口には出さないけどごめんね、ランポウ。そして分かるよランポウ、前に立つのって緊張するよね…

 

「…仕事のことは詳しくは言えないもんね。でも、オレ様の仕事は前にたってやりたい放題することだものね」

 

やりたい放題やってた!?私の予想はちょっと合ってたの!?緊張してない!?

 

「でも、オレさま、ほんとは前にたたされるのも、たつのも嫌で…でも、オレさま、プリーモにそんな事言う勇気、ないから…」

「…それで、悩んでたんだね」

 

よく見ればランポウの目尻には水滴が溜まっていて…私は背伸びをして、ランポウの頭に手を伸ばした。

 

お仕事のことは私にはさっぱりわからないけど、でもなにかしてあげたいと思った。私は無意識にランポウの頭に手を伸ばして、ゆっくりとなで始める。

 

「うん、すっごいがんばったんだね」

「……う、ん。オレさま、前にたつのは怖くて、嫌で…でも、ファミリーのために、なにか、したくて…!」

 

撫で続けると、涙と一緒に弱音もポロポロとこぼれ落ちる。そのままよしよしと撫で続けると、ランポウはとうとう大泣きして、ついには私に抱きついてまで泣き始めた。

 

あ、やっぱり私に触れられるんだ……じゃなくて!!私、一応女なんだから!!お願いだから離れてほしい!

 

離れろ〜とランポウの腕をぐいぐい引っ張るけど、腕にはがっちり力が入っていて、女の私ではかないっこない。ランポウを離すのをすっかり諦めた私は、されるがまま、そのままの状況で放心状態になっていた。

 

......................................................

 

そして最初にもどる。

 

私はすっかり困り果てていて、ひたすらに泣きわめくランポウの頭を撫でているほか、思いつかなかった。下手したらこのまま、夕方までこの状態でもおかしくないなぁ、とか思い始めていたちょうどそのとき、人の声が聞こえた。その声は小さいが、確かにこちらに向かって近づいていて、話し声なので人の声だとわかる。

 

あ、これ見られたらマズイ。マズイのは私もそうだけど、一番はランポウだ。だって、私のことを見えないほかの人から見たら、これ…見えない誰かに抱きついて泣きわめいている異常な光景である。

 

私は急いでランポウをどうにか引き剥がそうともう1度引っ張ってみると、意外にもすでに泣き疲れて腕に力の入っていないランポウの腕を剥がすのは、とても簡単だった。すんなり解放された私は、ランポウに何も言わずにその場から逃げ去った。

 

さすがにランポウに何か言ってからいなくなるべきかと思ったが、聞こえてくる声がだんだん大きくなることに焦って、つい近くの壁をすり抜けてそのままその場から逃げだしてしまった。




はい!泣き虫で避雷針なランポウくんでしたw
何も言わずにいなくなる主人公、ひどいですねww

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