Fate/Grand Order【Epic of Lancelot】 作:カチカチチーズ
今日で二話目の投稿だ。
時間軸などは本編とは違っております。
本編とはちょっと違う未来なので気にしなくても大丈夫です。
…………ついにこの日が来てしまったか。
思い返されるのは去年、一昨年の惨劇。
……いや待て、まったく身に覚えがないのにどうしてその二回ともの記憶があるのだろうか。
────ハハッ
地獄に堕ちろクズ。
ともかく、目を覚ました俺はどこぞのクズか何かのせいで、ある覚えのない二回のハロウィンの記憶が思い返される。
一回目は元々のそれ……前世の知識通りで何も変わらなかったようだが……問題は二回目のハロウィン。
俺の…………ランスロットのいる場所には我が異母弟ことエクターがいた。
フォフォーウ──────回想────
『あ、兄上ッ!?』
『マシュ!殴っていい許す!!』
『はいッ!!』
『ガフッ!?ゴフッ!?ま、まって……ゴベバァッ!!??』
『ああ、エクターが見る見るうちにボロ雑巾になっていく…………ですが、これも仕方がない事なのでしょう』ポロロン
『複雑な家族関係なのね……』
フォフォーウ────終了────
俺とマシュに叩きのめされるエクター……別に悪いとも思ってないし後悔なんてしていない。
むしろ清々しく満ちている…………まあ、俺自体にそんな覚えはないんだがな!…………ともかくそんな記憶が存在していることに不安があるが忘れよう。
さて、三回目のハロウィンはどんなだったか……駄目だな。そもそも剣豪とハロウィンどっちが先にあったのかすら憶えてなかったのだから、その辺りはどうしようもないな。
部屋着からいつもの格好に着替えてマイルームから出る。
行きたくはない。行きたくはないが……行かなければならないのだろう。うん、丁度いい今回のイベントで少し前からやりたかった事をやろう。
そして、適当に道すがら道連れを見繕うとするか。とりあえず一人目として───
「パライソ」
「────ここに」
名を───表記上真名ではないが音声的には真名を言っているよ。byみんな大好き花の魔術師───を呼べばどこからともなく、忍然とした眼帯の少女が現れる。
彼女はアサシン・パライソ。英霊剣豪七番勝負に出てくるサーヴァントの内の一人。前世での剣豪に関するサーヴァントで武蔵以外に唯一記憶に残っているサーヴァントでもある。
ちなみに記憶にある某音楽家のようなアレな格好ではなくきちんと服を着た姿……恐らく第二、第三再臨辺りの格好だ。
「どうなされたでござるか、御館様」
「今日が何の日か知っているか?」
「……たしかハロウィンなる日と聞いているでござる」
どうやらハロウィンという日なのは知っているがハロウィンがどういうものなのか、このカルデアにおけるハロウィンがどういうものなのかは知らないようだ。これならいけるか?…………いや、流石にな……
「実はだな、そのハロウィンで少し人手が必要なんだ。トリスタンかベディヴィエール辺りを探して食堂に連れてきてはくれないか?」
「御意」
俺の頼み事に一言応えて、出てきた時のようにどこかへ姿を消したパライソ。
流石にな。カルデアに来たばかりの彼女を地獄に巻き込むのは気が引ける。それならトリスタンやら円卓勢を道連れにするのが気分的にもいい。
「さて、食堂までの道すがら何人かに声だけでもかけてみるか」
はたして何人いけるだろうか。
────────────
《匿名:太陽のマッシュポテト》
『やはりハロウィンですか。私は断固として行きませんからねランス』
『ガウェ院』
《匿名:私こそがセイバーオブセイバー》
『ハロウィンですか?セイバーの気配がしないので行きません』
『知ってた』
『それはそうとお腹が減りましたアビスウォーカー』
『…………』
《匿名:ダークソウル・蒼の大狼》
『…………グルルル』
『────』(機嫌が悪そうなので今回は遠慮させていただきたい)
『…………』ひとりでにジャグリングが起きている。
『わかった。留守はよろしく頼む』
《匿名:神槍日本代表》
『む、ハロウィンか……ふむ……よし、お主ほどの男が頼むのだ。行かせてもらおうか』
『────そうか。それは助かる』
────────────
……………………と、まあ四人目……四人目?でハロウィンへの同行者を無事獲得した俺は同行者……胤舜と共に食堂の一角で茶を啜っていた。
「胤舜はもうカルデアに慣れたか?」
「うむ、皆良くしてくれる。多種多様な国、時代から来ているというのになかなか良い者が多い。これもお主らカルデアのマスターやカルデアのスタッフのおかげだ」
「そうか、それはよかった」
軽快に笑う彼に俺はホッとする。
ここカルデアもだいぶ大所帯となった。新しく召喚されたサーヴァントがなかなかカルデアに馴染めず孤立してしまうのは同じサーヴァントとしてあまり好ましくないからな。
これは良かった。
「ところで、胤舜はカルデアのハロウィンについて知っているか?」
「ああ、何やら拙僧と同じ槍兵の娘が企画しているらしいな。後はその娘が毎度毎度やらかすと聞いている」
「ああ、それで合っている。色々とアレな企画ではあるがこのカルデアではそういったイベント事が好まれる…………ライブとかさえ無ければ充分楽しめるんだがね」
そうか、それは楽しみだ。と湯呑みを片手に笑う胤舜に最後の言葉が聞こえてなかったことを少し良かったと思いつつ、そういうアレなハロウィンと知っているにも関わらずに参加してくれる事に感謝の念が絶えない。
だからこそガウェイン、お前は後で叩き潰す。
と、そこで
「御館様」
「ん、パライソか」
背後から声をかけられ振り返るとそこにはパライソがトリスタンを連れて立っていた。
ベディがいないが……逃げたか。
「ありがとうパライソ。後で南瓜のケーキを差し入れに持っていこう」
「……!!こ、これぐらい、た、容易い事でござる……で、ですが……その、ありがとうございまする!?」
そう言ってパライソはこの場から消えた。どうやら先日にパライソや武蔵、インフェルノ、柳但に振る舞った南瓜のケーキがお気に召したようだ。作り手としてそれは嬉しく思う。
さて、トリスタンに視線を投げかけるとトリスタンは一歩下がった。
「なんでしょうかランス」
「ハロウィン。お前も」
「拒否権は」
「ない」
「知ってました」
お前が逃れる事などKINOKOが許そうとも俺が許さない。
「ふむ、それで拙僧とお主、トリスタンの三人だけで行くのか?」
「いや、そこに立香と誰かが入る」
胤舜が投げかけた質問に俺はすぐにそう返す。
憶えていないから誰がついていくのかはわからないが……まあ、きっと誰かついてくるだろう。多分
「あ、胤舜殿!!ちょおっと手伝って欲しい事があるんだけども!!」
「む、あ、待て武蔵!?」
「…………」
「…………」
食堂に顔を出した武蔵に止める間もなく連れていかれる胤舜。
「…………胤舜、離脱……だと」
「なんと……」
これ以上減っては面倒か。
俺は席を立って、すぐさまトリスタンの鎧の襟首を引っ掴み、逃がさないようにして食堂から出ていく。
「ゴフッ!?」
「行くぞトリスタン」
「せ、せめて、そこ以外を掴んでほしいのですがぁ!?」
仕方がないので襟首ではなく肩を掴むことにする。逃さない。
先日、迷惑をかけたのだから、否が応でもハロウィンにつれていく。人のギフトを使って俺らをボコボコにしよってからに……ガウェイン以上の堅さを手に入れるな、やりづらい。
「ら、ランス……まさか先日の件をまだ怒って────」
「あ?」
「いえ、何でもないです。はい」
そんなこんなで中央管制室へと入ると既にそこには立香、マシュ、レオナルド、新宿のアサシン……そしてエミヤやロビンフッドに茨木童子、ヘクトールらがいる。
今回の道連れは多いな。
「おっと、我々は見送りだ」
「チッ」
「君を待っていたのさ、ランスロット」
エミヤの言葉に軽く舌打ちをして、俺はトリスタンと共に立香と新宿のアサシンのもとへ行く。
「よし、それじゃあ全員揃ったから行くよ、いろんな手順は省略だ!三度目のハロウィン、楽しんできたまえよ────!」
レイシフト開始────────
ハロウィーンのキャスター『星五』
クラス:キャスター
真名:ランスロット・デュ・ラック
性別:男
宝具:血に酔うか、葡萄酒か(シャッセント・レス・デモンズ)
保有スキル:
・置換魔術:EX
・精霊の魔術:A+
・己が栄光の為でなく:A
クラススキル:
・対魔力:B
・陣地作成:A
・道具作成(武器):A-
宝具……血に酔うか、葡萄酒か(シャッセント・レス・デモンズ)
Buster 敵単体に超強力な攻撃[Lv]&宝具強化[OC]&敵に呪い付与(5ターン)[OC]
スキル……
置換魔術……自分の被クラス相性変更(シールダー化)(3ターン)&全体Arts強化(3ターン)
精霊の魔術……味方全体に星付与状態(5ターン)&自分のNP付与
己が栄光の為でなく……自分に回避2回&攻撃力ÜP(3ターン)&BusterÜP(3ターン)付与
……黒コートに仕掛け武器多数持ち……