Fate/Grand Order【Epic of Lancelot】 作:カチカチチーズ
書いてて、うーん、と思いました。
いえ、この部分は仕方ないと思ってます。極力原作に沿って書いているんでこうなることはわかってましたが……うーん
これは一回気分転換がてらに何か書いて見た方がいいのかな
「…………レイシフトは成功したか」
目を開ければそこには草原が広がっていた。
目頭を揉みつつ周囲を見回すとやや離れた場所に立香らがいるのを確認する。
「アル」
「なんだランス」
何故か俺の背後に立っているアルに指で上を見ろと伝える。
そして、一拍遅れて、
「……なんだアレは」
驚愕の声が聞こえた。
俺はそう思うのも仕方ないと考えながら立香らのもとへと歩く。
「調子はどうだ立香、マシュ」
「あ、ランスロットさん」
「はい、大丈夫です」
どうやら彼女らもレイシフト完了したばかりで周囲の状況を確認していないと見える。
俺は後々混乱させない為にまずは上空のアレを教える。
「二人ともアレを見ろ」
「アレ…………え?」
「…………なんですか、アレは……」
俺は改めて空を見上げる。
そこには空にかかった光の輪。
この時代に有り得ざるもの。無論、俺はその正体を知っているがいまは語るべきではない。
「少なくともこの時代にあんなものがあるという情報はない。恐らく未来消失の理由の一端だろう……ロマンに聞いても十中八九同じ答えが返ってくるぞ」
「……はい」
俺はこれ以上アレに集中し過ぎるのも問題だろうと思い話を変える。
「さて、マシュ時間軸の座標を」
「はい…………時間軸の座標確認しました。どうやら1431年です」
「……1431年? ……それってたしか」
「百年戦争だっけ?」
周囲を見回していたアストルフォとようやくきたアルトリアが話に参加し始めた。
「イギリスとフランスの戦争だな。たしか、フランスに領地を持っていたイギリス王とのフランス王継承問題、だったと思うが」
「あながち間違いではない。とりあえずイギリスとフランスによる戦争だが――」
「はい、この時期は戦争の休止期間の筈ですね」
俺らの話に若干立香がついていけてない気がするが俺は気にせず続けていく。
説明なら移動中でも可能だろう。
「ロマン、通信はどうだ」
『――よしっ、大丈夫だ! それで現地はどうだい?』
「…………映像を送る」
上空の光帯の映像を送る間に立香がマシュから百年戦争について聞いているのを視界の端に収めつつ、俺はこれからを考える。
何かの変化が無ければこの特異点に現れるサーヴァントに対して変化はない筈だ…………まずはジークフリートを探し、その呪いの解呪を優先するべきだな。
『これは――光の輪……いや、衛星軌道上に展開された何らかの魔術式か?何にせよとんでもない大きさだぞ?』
「ああ、それにこの時代にそんなものがあったという情報はない。……こちらでも情報を探すが基本はそちらで解析してくれ」
『ああ、任された。君たちは現地の調査に専念してくれ……まずは霊地を探してほしい』
「ああ……ロマンの言った通り俺たちはまず霊地を探す。いいな?」
「はい」「大丈夫です」
俺の指示に二人は返事をしてくれたが……ふむ、なんだろうな。カルデアの部下でもなく、騎士たちでもない少女らに指示を飛ばすというのはいまいち慣れない。
ガレスやモードレッドらとは違い、ある程度彼女らの事を考えながら指示をしなければいけないな。
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「あれ? ねぇーランスロットー、兵士の一団がいるよ? 多分斥候部隊かな?」
「なに?」
ランスロットらが霊地を探し移動している中、唐突にアストルフォがやや遠くを見ながらそう言ったのを聞いたランスロットはすぐさまアストルフォのもとへ向かいアストルフォの見ていた場所を見る。
なるほど、確かにいた。少人数ではあるがしっかりとした武装の兵士らが。
「どうしましょうか、接触しますか?」
「ああ、霊地を優先するべきだが、少なくとも街または村に寄って休息する必要もある」
「わかりました」
「危なくないかな?」
「大丈夫です。見たところヒューマノイドですから話し合えばきっと問題ありません」
心配する立香にマシュはそう言って兵士の一団へと向かおうとした所、アルトリアにその肩を掴まれ止まった。
「へ? あの、何故止めるんでしょうかアルトリアさん?」
「……マシュ、貴様では友好的すぎる。多少の警戒のある方がこの場合は吉となる。ランス」
アルトリアの言葉にランスロットはやれやれ、と首を振りながら一人、兵士の一団へと近づいていく。
立香と違いランスロットの格好はカルデアの制服ではなく、鎧をやや軽装にしたモノを纏っていた。
傍から見れば旅の騎士と言っても通じるだろう。
「ところでマシュ」
「はい、何でしょうかアルトリアさん?」
「貴様はフランス語は話せるか?」
「え……日常会話なら辛うじて」
「ならば正解だったか」
アルトリアはマシュの返答に一人頷き、その理由にアストルフォは気づいたようでアストルフォも頷いた。
立香もマシュもそれには気が付かない。
そんな二人にロマンが助け舟を出した
『ほら、マシュはフランス語より英語を使う機会の方が多かっただろ?なら、きっとあの兵士たちに話しかける際にフランス語ではなく英語を使う可能性があったからね』
「…………え、その……いえ、そうですね。今考えると英語で話しかけていた可能性の方が高いです」
「……あー、そっか百年戦争だもんね。英語で話しかけたら襲われちゃう」
ロマンの言葉にマシュと立香は納得する。
「それにしても、ここって僕やランスロットがいた時代のフランスより未来なんだよね?そんなに変わんないなぁ……」
「それはそうだろう……いや、変わっているだろ。少なくとも幻想種の数は圧倒的に減っているはずだ」
「あー、そうだよね」
アルトリアの言葉に首肯するアストルフォ。
と、そこに
「お前ら、終わったぞ」
「あ、ランスロットさん」
「それでどうでした?」
戻ってきたランスロットにどうだったかを問うと半眼で答える。
「とりあえずは砦までは案内してくれるようだ」
「そうか、それはよかった」
こうして、カルデア一行は兵士らと共に砦へと向かう事になった。
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お知らせですが、イベントアンケをしようと思います。
予定ではサンタと贋作は確定しています
〇時に活動報告でアンケ出しますね