Fate/Grand Order【Epic of Lancelot】   作:カチカチチーズ

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右腕の痛みがぶり返し気がつけば日曜日。
本来なら早く投稿できたろうに……
悲しいことに金曜まで忙しい。もうどうすればいいのよォ!!

パールヴァティー当てましたか?作者は致し方なしと貯蓄を選びました。GOD EATER3や新アプリのアリサに興奮しつつ次話を書きたいと思います


フランスの道程2

 

 

 

 

「さて、拠点設置も終了し落ち着いた所で改めて自己紹介をさせてもらおうか」

 

 

 拠点設置を終了させ、周囲の木々を適度に切り開いた事で作ったいくつかの切り株に布を敷いてモーツァルト以外を座らせたランスロットは頭部を覆っていた兜を外してそう笑いかける。

 そんなランスロットを見て観測室のロマンは静かに『うわぁ、女誑し』と零すのをランスロット 聴き逃さず小さい声で「後で倉庫裏な」と呟いた、がそれにモーツァルト以外は気づかない。

 

 

「私は……人理継続保障機関カルデアの特異点探索隊のリーダーを務めているマスター兼サーヴァントのランスロット・デュ・ラックだ。クラスはセイバー」

 

「……ランスのサーヴァント。クラスはセイバー、真名をアルトリア・ペンドラゴンだ」

 

 

 穏やかなマスターと不機嫌そうなサーヴァントという正反対な自己紹介をする主従にモーツァルトは何となく何故アルトリア・オルタが不機嫌なのかを察し、マリーはランスロットの名に反応した。

 しかし、マリーが口を開く前にランスロットは自己紹介が滞る事を察知したのか立香らに自己紹介を続けるよう目で促す。

 

 

「あ、……ええっと、ランスロットさんの部下?をしてます特異点探索隊のマスターやってます。藤丸立香です、よろしくお願いします!」

 

「先輩のサーヴァントを任されています。デミ・サーヴァント、マシュ・キリエライトです……クラスは……シールダーです」

 

「次は僕だね。マスター……ええっと、立香のサーヴァントをやってるシャルルマーニュ十二勇士が一人アストルフォだよ!クラスはライダー、よろしくね!」

 

「……カルデアに所属しているサーヴァントではありませんが彼らと協力関係にあるサーヴァント、真名をジャンヌ・ダルクです。どうぞよろしくお願いします」

 

 

 全員の自己紹介が完了した事を確認したランスロットは何か言いたそうにウズウズしているマリーに一度断りを入れて本題を話し始める。

 

 

「まずはカルデアと現状を説明させていただきたい。お話ししたい事はおありでしょうが今はどうぞ御我慢してください」

 

「そうね、説明の後にたくさんさせていただきますね」

 

「ありがとうございます。では、まず我々カルデアとは────────」

 

 

「現状は歴史のターニングポイントに出来た七つの特異点により人理焼却が行われ────────────────」

 

 

 ランスロットの説明はわかりやすく噛み砕いて説明され、マリーもモーツァルトも改めてジャンヌ、立香らも人理焼却とカルデアの目的を理解した。

 観測しているロマンは内心『アレ?説明係の僕ってこれもういらなくない?』と思いつつランスロットが作り置きしていたクッキーを口に運んでいた。

 

 

「────と、まあ……こちらの事情及び目的はこういうものです」

 

「……そう、つまりそういう異常事態では私たちみたいにマスターのいないサーヴァントがいてもおかしくないのね?」

 

「ええ。恐らく貴女がたは竜の魔女の呼んだサーヴァントに対するカウンターに近い者だと思います」

 

「……カウンター」

 

 

 ランスロットの説明にマリーは納得し、カウンターという言葉にジャンヌはなるほどと頷く。

 事実、ジャンヌやマリー、モーツァルトは竜の魔女黒ジャンヌによって呼ばれたサーヴァントらへのカウンターとして呼ばれている。その事実を知識で知っているからこそランスロットはこうも自信のある言い方が出来た。

 

 

「……と……堅苦しい話はここまでにしておこう。どうぞ、御我慢はここまでとさせていただきます」

 

「────ええ!とてもとても待ったわ!あ、大丈夫よ。ちゃんと話は聞いていましたから!」

 

 

 ランスロットの許可に目に見えて喜ぶマリーに立香とマシュは驚き、モーツァルトは呆れていた。

 

 

「湖の騎士に聖女!お二人に出会って、一緒に戦えるなんてとても光栄よ!」

 

「そ、そんな……」

 

「こちらこそ、王妃と共に戦えるとは光栄です」

 

 

 興奮するマリーにやや困り顔で反応するジャンヌに慣れたように礼を述べるランスロット。

 そんな対称的な反応を示す二人に立香はつい笑ってしまう。

 

 

「幼い頃に聴かされた円卓の騎士の御噺の中でも貴方の御噺はとても好きでした。何度聴いても飽きる事がないくらいに!」

 

「それはそれは……ですが、貴女の御家はフランスの王家と仲が悪いと聞いていましたがその辺りは問題なかったのでしょうか?その、フランスの田舎騎士と蔑まれていたりなど……」

 

「いいえ!貴方がた円卓の騎士の御噺は国関係なく讃えられていました!」

 

「な、なるほど……」

 

 

 ランスロットはマリーの憧れの篭った強い言葉の数々に若干引き気味になり、少しマリーから離れた。

 

 

「……(原作でもテンション高い王妃と思ってたがアレだな……従妹(ネル)を思い出させるな……いや、あの馬鹿娘はもう少し大人しいか?)」

 

 

 生前の記憶、その中で今のマリーに似た知己を思い出しながらランスロットはアルトリア・オルタのもとへと近づいていく。

 代わりにジャンヌをマリーへの生贄ではなく話し相手に添えて。

 

 

「……いいのか?王妃と話さなくて」

 

「……アル、言葉尻から怒気が洩れてるぞ」

 

「ほう、そうか。つまり理由はわかってるのか?ん?」

 

 

 藪蛇だったか、ランスロットはアルトリア・オルタに聞こえない声量でそう呟きつつアルトリア・オルタの頭をやや乱暴に撫で付ける。

 

 

「むぅ……」

 

「お前とて分かるだろう。新しく参入した者とはコミュニケーションを交わして命令系統を構築しつつ信頼を築く必要がある」

 

「そうだな。ランス、今のお前は私のマスターである以前にこの特異点調査における纏め役だ。その立場上現地で得た戦力との信頼関係の構築をするのは分かる……だがな、自分のサーヴァントを蔑ろにするのはどういう事だ?ん?」

 

「…………いや、まあ、それもそうだが」

 

「つまり、お前はそういう奴なんだな?これはエレインも嘆くだろう」

 

「エレイン関係ないだろ」

 

 

 ランスロットはアルトリア・オルタの言葉に苦々しく笑いつつマリーに振り回されているジャンヌやモーツァルトのセクハラ発言に困るマシュと立香を守るアストルフォを見る。

 目の前の光景にランスロットは何処と無く既視感を覚えつつもこれから先にある筈の事を考える。

 

 

「………………」

 

「……ランス、何を考えているかは知らんがいまは目の前の事に集中しろ」

 

「ああ」

 

 

 脳裏にチラつく嘗ての戦いをランスロットはひとまず脳の片隅へと追いやる。

 まだまだフランスにおける特異点調査は始まったばかりである以上その先の特異点を考えている場合ではない。

 黒ジャンヌ……竜の魔女ジャンヌ・ダルク・オルタ、彼女が使役する邪竜ファヴニール。未だランスロット以外にファヴニールを知っている者はいない以上こちらのファヴニールがどれほどなのかは分からない。

 ランスロットは出来るだけ早くにファヴニールを倒す為のキーであるジークフリートのもとへ行こうと考えつつ周囲の警戒を始める。

 

 

 

 

───────────

 

 

 

 

 さて、マリーとヴォルフガングとの交流を始めてからそれなりに時間が経ち、空は暗くなり始めた。

 そろそろか。

 俺は腰のアロンダイトの柄に触れる。

 

 

 森が騒がしくなってきた。獣人の様な駆ける音ではなく風圧やら踏みしめる音が僅かに感ぜられる。

 ヴォルフガングを見てみれば、あちらも音に感づいたようで顰めっ面をしている。ならば、黙っておく必要も無い

 

 

「ロマンッ!!」

 

『え?……ッ!サーヴァント反応一騎と多数のワイバーンの反応を確認!!気をつけてッ!』

 

「へぇ、君も気づいてたんだ」

 

「何、育った場所が場所なのでね、こういう森の音には敏感なんだ」

 

 

 アロンダイトを抜き放ち、鎧を装着する。

 ワイバーンだけなら片手間で終わる。問題は来るであろうサーヴァント……バーサーク・ライダーとその宝具。

 

 

「最悪の場合、槍を使う事も視野に入れておくか……」

 

 そう、俺は自身の大盾を見ながら呟いた。

 

 

 

 

 





マリーの会話が大変だったお!!
でも、次はタラスク殴り!楽しいね!!
社畜ロットが社畜イーターになればいいのにアリサ可愛いお
(´・ω・`)
ハロウィンイベを考え中です。腕の調子とかそのへん考えて書きたいと思います

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