Fate/Grand Order【Epic of Lancelot】   作:カチカチチーズ

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頑張ったぜ☆
やれば出来るものなのだな。
次話はとりあえず金曜までお待ちを


竜の聖女

 

 

 

 

 

『────!!』

 

「邪魔だ」

 

 

 振るわれるランスロットさんの剣が襲いかかってきたワイバーンの群れを次々と斬り裂いていく。

 それでも零すワイバーンはいるわけで……それをマリー……さんやモーツァルト、マシュたちが倒していく。

 凄いとしか言えない。

 ランスロットさんの剣はまるでワイバーンをバターでも斬るかのようにさっくりと斬っている。一回倒されたワイバーンを触った事があるけれど、その時ワイバーンの鱗というか甲殻?は岩ぐらいに硬かった……でも

 

 

「────」

 

『ッ!!??』

 

 

 いとも容易く斬り裂かれている。

 ……サーヴァントってこれが当たり前なのかな?と思って他のみんなを見てみればマリーさんやモーツァルトは魔力弾?みたいなものでワイバーンたちを攻撃しているが決定打にはならず怯ませるだけで、その生じた隙をマシュやアストルフォ、ジャンヌが攻撃を叩き込んで倒していた。

 アルトリアさん?ランスロットさんみたいに容赦なくワイバーンを叩き斬ってるよ。

 

 

 そんな、ランスロットさんとアルトリアさんを見ていると私たちの力不足を切実に感じる……マシュが何だか陰があったのもそれが影響してるのかもしれない。

 

 

 

「────ちッ、アル」

 

「ああ、任せろ」

 

 

 と、ランスロットさんが何やらアルトリアさんに声をかけるとアルトリアさんはエクスカリバーを水平にワイバーンの群れへと剣先を向けて…………エクスカリバーの刀身に黒い魔力が纏って…………

 

 

「『卑王鉄鎚(ヴォーティガーン)』さあ、散れェッ!!!」

 

 

 エクスカリバーから放たれた黒い一撃。

 あれは……見た事がある。特異点Fでの最終決戦、キャスターさんに止めを刺したあの一撃。

 

 

『────!?』

『────!!』

『────!!?』

 

「まあ!」

 

「うっわ、つい引いちゃうぐらい凄いな」

 

「────」

 

 

 放たれた魔力がワイバーンの群れを軒並み吹き飛ばしていく。

 凄い。

 これなら!

 

 

「後は────」

 

『ああ!残りはサーヴァントだけだ!!』

 

 

 森の奥から聴こえる足音に私たちは身構える。そう、まだサーヴァントが残ってる。

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

「……こんばんは、皆様。寂しい夜ね」

 

「そうか?寂しいにしてはなかなか騒がしい団体客だったが?」

 

 

 暗い森の奥から姿を現したのは青い髪のサーヴァント……バーサーク・ライダーこと聖女マルタ。俺は軽口を叩きつつアロンダイトを彼女に向ける。

 

 

「ワイバーンと共に来たという事は……いや、ラ・シャリテで見たな。黒ジャンヌの手先とお見受けする」

 

「……そうね、聖女たらんと己を戒めていたというのに、こちらでは壊れた聖女の使いっ走りだなんてね」

 

「……壊れた聖女」

 

 

 彼女の言葉に何か感じるところがあったのかジャンヌが彼女の口にした言葉の内の一部を零す。

 彼女はそんなジャンヌに首を浅く縦に振り、肯定する。

 

 

「ええ、彼女のせいで理性が消し飛んで凶暴化(バーサーク)しているのよ。いまも衝動を抑えるのに割と必死だし、困ったものねまったく」

 

「それにしてはこうして会話できているようだが?」

 

「…………だから、貴女たちの味方になることは出来ない」

 

 

 流したな。いや、それはどうでもいい。

 

 

「では、どうして出てきたのですか」

 

「……監視が役割だったけど、最後に残った理性が貴女たちを試すべきだと囁いている。貴女たちの前に立ちはだかるのは『竜の魔女』。究極の竜種に騎乗する、最悪の結晶」

 

 

 彼女の言葉に空気が緊張していく、だがこの程度なんら問題は無い。

 

 

「私を倒しなさい。躊躇なくこの胸に刃を突き立てなさい。私ごときを倒せなければ決して彼女を打ち倒すことなど出来ない」

 

「甘く見られたものだな我々も」

 

「事実、相対して隙など無数にあったが」

 

 

 そんな俺とアルトリアの言葉に彼女は笑みを浮かべる。何処と無く聖女らしからぬ黒い笑みを。

 

 

「ええ、そうね。貴方ならばきっと簡単に彼女を殺せるのでしょう。ですが、それでは駄目だ、と貴方は理解しているはずです」

 

「…………」

 

「これから先の為にも」

 

「…………そうだな」

 

 

 彼女の言葉に俺は首肯する。

 何せそれは事実だからだ。

 俺一人が突出したところで意味は無い。あくまで主人公……この人理修復の旅の中心にいるべきは藤丸立香だ。これからの為にも立香を成長させるためにも…………

 

 

「……さて、いきましょうか。我が真名はマルタ。出番よ、大鉄甲竜タラスク!!」

 

「聞いたな!相手は聖女マルタ!すなわち────」

 

 

 地響きが暗い森に響く。

 来るぞ。来るぞ。

 マルタの後方の木々を打ち倒しながら一体の幻想種がその姿を現した。

 

 

「安心なさい。マスターだけは狙いません。だから、存分に戦いなさい!!我が屍を乗り越えられるか見極めます────!!!」

 

 

 杖を持ち直し彼女は力強く宣言する。

 俺はすぐさまアルトリアにアイコンタクトをし、叫ぶ。

 

 

「マシュ、ジャンヌ、アストルフォ!マルタを頼む!!」

 

 

 こうしてフランスにおけるサーヴァント戦、その第二回がこの暗い森で始まった。

 

 

 

 

───────────

 

 

 

 

 アストルフォとジャンヌ、マシュが駆けていく。

 本来、マスターを守護するべきシールダーであるマシュが前へと出るのは咎められるべきことだろうが狂化に今も尚抗うバーサーク・ライダーの言葉が本当ならば彼女がマスターを直接狙うことは無い。

 その為、マシュは立香の言葉もありジャンヌやアストルフォと共に前へと出ていく。

 

 

 立香とマシュをバーサーク・ライダーへとぶつけたのは、狂化されているサーヴァントとの戦闘がきっとマシュにも立香にも良い経験となると考えたが故の判断だろう。

 だが、肝心のランスロットはその戦闘に参加していない……ではどうしたのか?

 

 それはとても簡単な事だ。

 

 

「ハァッ!!」

 

「シッ!!」

 

『────ッ!!』

 

 

 黒き聖剣が、湖光の聖剣が、竜の鉄甲がぶつかり合い周囲に衝撃と金属音のようなモノが撒き散らされる。

 幻想種の頂点に位置する竜種・タラスクに対しランスロットとアルトリア・オルタは二人がかりで果敢に攻めていく。

 

 

『────ッ!!』

 

「ランスッ!!」

 

「ああッ!!」

 

 

 ブリテンという幻想と神秘の残る最後の国にて数多の幻想種やそれに近しい力を持っていた存在と戦い抜いた円卓の騎士にとって竜種の脅威というものは十二分に理解できる事柄であった。

 だがしかし。

 片やブリテンを守護する赤き竜の化身にして星の聖剣を携える騎士らの王の反転体(オルタ)、片や湖の乙女という幻想種の一角に育てられ更にはブリテンに潜む原始の呪力である黒く染まった魔力を受け継いだ魔女より加護を受けながら王の聖剣の姉妹剣であり竜殺しの側面持ち合わせる湖の剣を携える湖の騎士。

 ここにいるのが未熟な彼らならばいざ知らず、今タラスクと対峙しているのは卑王ヴォーティガーンを討ちしその後により強くなった王と騎士。

 そもタラスクはサーヴァントの宝具として召喚された竜種。

 はてさて、それがいったいどれほどのものか

 

 

「────シッ」

 

『────ゴォッ!?』

 

 

 ランスロットのアロンダイトが煌めき、タラスクの右後脚を斬り落とした。

 如何にタラスクの鉄甲や甲殻が堅牢であろうともアロンダイトは竜殺しにして無毀なる刃である星の聖剣。竜種の身を斬り裂けぬ道理などどこにもなく。

 一度、斬り裂ければもはやその後にあるのは蹂躙だ。

 

 

「ハァッ!!」

 

「フンッ!!」

 

『────ギォォッ!?』

 

 

 ランスロットがタラスクの甲殻を斬り裂き削る事で露出する柔らかい肉や傷へとアルトリア・オルタがその魔力を込めた一撃を次々に叩き込んでいく。

 外がどれほど硬くとも、中も硬いという事はなくタラスクはその蹂躙に悲鳴を上げるしかない。

 太陽にも等しい灼熱を放とうにも、その際の隙を狙ってランスロットがアロンダイトを喉下へ撃ち込んでいくため灼熱を放つ事は出来ず、鉄甲に籠ろうにも的確に籠った四肢に一撃を通していく。

 

 

「如何に聖書に記されし怪物の子孫と言えどもここまで来れば童話に出てくる(浦島太郎の)亀も同然か!!」

 

『────オノレェェ!!!』

 

 

 

 




アリサ可愛いお
可愛いおアリサ

やっぱり宝具の竜種って多少なりとも弱体化してますよね。
ところで白竜の血で超絶進化した卑王と財宝でいつの間にか進化した悪竜ってどっちが強いんですかね?やっぱりカリバーとかではまったく倒れなくてアルトリアが数時間粘って最後太陽とカリバーで足止め中にロンした卑王さんですかね?

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