Fate/Grand Order【Epic of Lancelot】 作:カチカチチーズ
2日目!
古戦場をひた走りながら、執筆してます!
皆さんは箱開けてますか?作者は古戦場メインなのでそんなに開けれてません!
「ん……」
目を開ける。しかし、すぐに私は目を閉じてしまう。
カルデアとは違う明かり、人工のではなく天然モノの明かり、つまるところ太陽の陽射しが私には眩しかった。
その為、私は顔を俯かせてからゆっくり目を開いていく。
そうしてしっかりと視界を確保して顔を上げた私の目の前に広がるのは草が生え広がった丘と言えばいいのだろうか、そんな丘がいくつもある場所だった。
「ふぅ、今回も無事、転移に成功しましたね先輩」
隣からマシュの声が聞こえ、そっちに視線を寄越せばそこにはいつもの制服ではなくデミ・サーヴァントの格好をしたマシュがいて、その後ろの方に辺りを見回すアストルフォとシャルルがいるのがわかる。
恐らくここがローマないし、その近くなのだろう。
……一瞬、ランスロットさんの姿を探してしまったが大丈夫。ここにいなくてもランスロットさんやドクターがしっかりとサポートをしてくれてるんだ。
「風の感触、土の匂い────どこまでも広くて青い空。不思議です。映像で何度も見たものなのに、こうして大地に立っているだけで鮮明度が違うなんて」
……マシュ。
そうだ、ランスロットさんが言ってたけどもマシュはカルデアで生まれてずっとカルデアにいたから……。
そんなマシュに私は声をかけようとして
「そりゃそうさ!絵や他人から聴いたモノよりも自分の足でそこに立って自分の目でそれを見る。それが何よりも凄いんだよマシュ」
「しゃ、シャルルマーニュさんにアストルフォさん……!?」
アストルフォとシャルルがそんなマシュの肩に手を置いて、笑ってる。それはマシュの反応に喜んでいるようで、私もそれに釣られていつの間にかに笑みを浮かべていた。
そうして、私もマシュへと駆け寄ってそのまま飛びつく。
「マーシュ!」
「わっ!?先輩ッ!?」
いきなりだったからか、一瞬マシュは盾を動かそうとしてたけどすぐに私を受け止めてくれた。この鎧……意外と柔らかいんだね……というかそれよりも盾動かそうとしたの見て寒気したよ、いやホントに。
ん?なんかマシュの胸元が動いてるような、って!?
「フォーウフォーウ!!」
「フォウさん!?」
「いまマシュの胸元から出てこなかった!?」
何してるんですかフォウさんや!?なんて羨まけしから……羨ましい事を!?いや、待って欲しい私は後輩の胸の中に入りたいわけじゃあないんだ。そう言う変態じゃあないんです、だからランスロットさんやめてください。
…………大丈夫、オーケー、私はノーマル。
「キューキューウ!フォー!」
「……ど、どうやら、フォウさんは今回同行すると言ってるそうです……。狭い基地より外の世界の方がいいから、だとか…………私もたまには外の世界でのびのびした方が良いと思いますが……良いんでしょうか?」
「うーん、でも着いてきちゃったものは仕方ないしなぁ……」
そう言いながら、私はなぜ故か私の頭の上に乗っているフォウを落とさないように軽く顔を上げて──────
「……ここにもあるんだ、「あれ」」
私の呟きにアストルフォやシャルルもマシュも理解し頭上、空を見上げる。
そこにはフランスの時にも見たあの光の輪が変わらず存在していた。
「あの光の輪。前回、フランスの空にも存在していたものと同一です。いえ、すいません、同一であるように見えます……正確に観測出来ているわけではありませんので」
「アレ、なんなんだ?一体。軽くサーに説明されたけども……あんなにデカい───」
そう、マシュとシャルルが話していると電子音が響いた。
カルデアからの通信だ。
『光の輪、か。相変わらず、こちらからはしっかりと観測出来ないんだよ』
『だが、無視出来るモノじゃあないのは間違いない。少なくとも人理焼却と無関係なわけではないだろうからな。引き続き調査は進めておく』
ドクターとランスロットさんの声が端末より発せられてから、ドクターの映像が投影される。こうして通信が聞こえたり見えたりするとやっぱり安心するなぁ。
『ところで、そこは……おや?首都ローマ……では、ないのかな?』
「いえ、ドクター。ここは丘陵地帯です。古代ローマの都ではないと思われます」
『あっれぇ?おかしいな……確かにローマの首都じゃないっぽいね。転送位置は確かに固定化したはずなんだけどなぁ……』
ありゃ?予定とはズレてる?
それは一体どういうことなんだろうか……。
『まあ、レイシフトなんてモノをしている以上、いくら位置を固定化したところで多少のズレが生じるのは仕方ないだろう。それにレイシフト自体ほとんどデータもないんだ。これからの任務でその辺りは精度を高めていく必要がある』
「へぇー、アレ?ドクタードクターもしかして時代が違うってことは……」
『いやいや、流石に時代は正しいよ。特異点の存在する一世紀で間違いない。ローマ帝国第五代皇帝─のネロ・クラウディウスが統治する時代。それは確かだ』
ランスロットさんによる解説?で私の中の疑問はすぐに晴れ、次の疑問も慌てたように言うドクターによってすぐに解決した。良かった、これで実は予定の時代よりも前の時代とか後の時代〜とかだったら、目も当てられないや。
それにしてもローマ皇帝ネロ……世界史習ったけどもなんか、こう悪いイメージしかないんだよなぁ……なんだっけ迫害してたんだっけ?…………それぐらいしか世界史してないや…………皇帝ネロよりもカエサルとかの方が長くやった気がする。なんか、カエサルと他の二人の三大巨頭的なヤツ。
『しかし、残念だな。見たかったんだけどなぁ……まだ人に愛されていた時代の繁栄のローマが……まあ、仕方ないか』
『……ロマニ。まあ、いい、マシュ、立香、何か周囲で変わったモノとかは見受けられないか?それとアストルフォ、しばし飛行は控えてくれ』
軽くドクターに呆れながらもランスロットさんが出した指示に私たちは周囲を見回してみる。
ん?……なんだろう。
「フォーウ」
「はい、フォウさん……聞こえてきます」
「……こりゃあ」
「そうだね。この声は───」
どうやら、私以外も聴こえてるらしい。通信越しのドクターに聴こえていないのか、投影された映像のドクターは首を傾げてる。
「どこかで戦闘が起きてるっぽい」
「ああ、マスター。丘の向こうで戦闘をしてる……それも大勢でだ」
やっぱり。私の言葉を肯定するシャルルの言葉に私は表情を顰めてしまう。
憶えたくはなかったけども、この感じはフランスでもあったような大勢の人が戦っているモノ。フランスだと相手はスケルトンだとかワイバーンだとかだったけども…………そういう唸り声は聴こえなかった。
多分これは人同士のだ。
『多人数戦闘?戦争、か?いや、いやいや。ありえない話だ!この時代に首都ローマ付近で本格的な戦闘があったなんて話はないぞ!?』
『馬鹿。特異点だ───竜の魔女のジャンヌ・ダルク然り、特異点たらしめる何か歪みがあるんだ。そういう事だってある。ありえないなんてありえない』
「だな、サー。流石だ。人理焼却なんていうとんでもないありえない事態が起きてるんならそれぐらいのありえない、が起きてもおかしくないってな!」
困惑するドクターにランスロットさんが冷静な判断を下して、それにシャルルが反応する。私もランスロットさんとシャルルと同じだ。
特異点なんていう場所なんだから、歴史に異常が起きてるんだから、そう言うありえないが起きてるのは当たり前だろう。
だから。
「音の方に急ごう、みんな!」
今はそのありえないに対処するしかない!
私たちはその戦闘が起きている場所へと走っていった。
シャルルマーニュの口調がイマイチ安定しなくて辛い……でも、頑張る。
それとデモンエクスマキナ買いました!でも、諸事情でやれるのは来週からになりそうですね……