陰陽鉄学園 〜二つの恋と交差する因果〜   作:Y太郎

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合宿で諏訪に行ってきました。洩矢神社の絵馬奉納所に魔理沙が掛けられてたそうですが誰でしょうね掛けたの。…俺じゃないよ?そもそも行けてないから。

前回のあらすじ
お墓建てて捜索は空振りで…。


第7話 花さか橋姫 中編2

〜朝日side〜

―妖怪の山。

異常に広大なネ実市内で何故か唯一の山であり、ネ実市の南西部に位置する文字通り妖怪達の住処であるこの山は、陰陽鉄学園の生徒児童が一人暮らしする拠点にしていたり、山の中だけでも独自の経済が回っていたりする地域である。

我々調査隊は、その巨大な山に捜索に入るのであった…。

「ていっ」

「いった!?何すんだよ!?」

「巫山戯た思考が見えたのでつい」

「俺は心中まで存在を否定されるのか…」

「そうですね(キッパリ)」

「グサッ」

「まだやってる…」

「仲がいいのはわかったから早く案内してくれない?」

「「あっはい」」

なんだろう生き方を否定された気分。

「あーっ!温泉のおねーちゃんと変なおにーちゃんだー!」

「へっ…!?」

「え?」

そう声をかけてきたのは、学園の近くに建ってるファイナル幼稚園に通う妖精、エタニティラルバ。

…俺園児からも変な人扱いされるのか…どこが変だって言うんだよ…。」

「「全部だよ」」

「えぇ!?ここにも悟り妖怪が!?」

「声にでてたよー?」

「わかりやすいにも程があると思っていましたが、そうでもないんですね、勉強になります」

「それ絶対わざとだよな!?」

「はい」

「即答!?」

「おにーちゃんたちなにしにいくのー?」

「それはね…」

「捜索そっちのけで夫婦喧嘩してる組と途中参加なのに園児に詳しい説明ができるカーバンクルとの温度差は何なんだ…」

「「夫婦!?」」

「なんでもいいから真面目に探そうとは思わないのか君ら…」

夫婦発言は大問題ですよ!?何言ってんのこの犬!?

「…ってことなんだ」

「へぇー、じゃあママに聞いてみる?」

「「「「ママ?」」」」

待ってラルバって妖精だよな?妖精なのに親が…?

「うーん…とりあえず会ってみる?」

「そうだな、当事者たちがこのざまだし」

「「馬鹿にされた気がする」」

「そりゃしたもん」

「置いてくよー?」

「「「ちょ!?」」」

待ってくれんのかい!?

 

 

 

〜さとりside〜

「…んでうちさ来たわけか」

ラルバちゃんに案内された先にいたのは、山でも人嫌いで有名な坂田ネムノさんでした。ちなみに情報源は住人の心を読みました(キリッ)。

「ご迷惑をお掛けします…」

「…まぁえぇが。ラルバが連れてきよったやっちゃけぇの」

「ではあまり時間をかけるわけにもいきませんので早速…」

「その前に」

「「「?」」」

「あれほっといていいのけ?」

「あれ…?」

 

 

「よぉーし行くぞー!」

「それいけー!」

 

 

「…ほっときましょう。別にいなくても問題無いので」

楽しそうですしね。本来の目的も忘れて。

「あわれ言い出しっぺ」

「あいつ何がしたかったんだよ…」

「えぇんなら構わんが…」

ラルバちゃんが楽しそうなので良しとします。あとで報告しますが。

「おめぇらの聞きてぇこたァだいたい分かる。通り魔のこったろ?」

「あぁ、結構自信あった攻撃が通用しなかったからな…。山の連中なら1人くらい原因に心当たりのある奴がいてもおかしくないと思ってな」

「何しにきたんですか帰れ」

「そろそろメンタルの限界が…」

何か言っているようですが無視無視。

「ちょっと待った。よくよく考えたら俺達その通り魔について何も知らないんだが…」

「「えっ」」

「「「えっ」」」

「…大丈夫なんか?こんなんで…」

 

〜少年少女説明中〜

 

「…なるほどねぇ」

「「どうにかなりませんか?」」

「無理じゃね?」

「そんなぁ…」

「私達では手に負えない…と?」

「純粋な妖怪ってのはおめぇらがそう簡単に傷つけられるほどやわじゃねぇけの」

「悟り妖怪の貴女でも決定打は無いわ」

「…悪いこたぁ言わねぇべ。手ェ引いときな」

諦めたくない…ですが、諦めるしかないのでしょうか…。

「…やだね」

「「「「!」」」」

「さんざん馬鹿にされた挙句、呼吸するかのように殺生をし、悠々と逃げ回ってるやつを…あいつらが奮闘しているこの事態を、俺は諦めるようなことはしない」

朝日さん…。

「ここで逃げて…また『あんなこと』になるくらいなら俺は死ぬ気ででも戦う」

「…そうけぇ。そこまで言うんなら好きにしな」

「…あぁ、やってやr」(prrrr

「「「「「?」」」」」

携帯のコール音…?

「あ、悪ぃ俺の携帯だ…どうした?」

『現在位置から北東方向750mにて、それらしき反応を確認しました』

「わかった、用件が済み次第急行する。周辺警備を怠るな」

『了解』

「何かあったの?」

「エキビョウっぽい反応があったそうだ」

「…!」

ついに…見つかった?

「おめぇらの仲間もくっかもしんねぇべ。そったらなんか変わっかも知んねぇなぁ。今決めた覚悟、忘れんな?」

「…hai!」

そう言うや否や、朝日は駆け出した…って待ってー!

「置いてかないでくださぁぁぁぁい!」

 

 

〜side out〜

「…良いのか?何も解決したように見えなかったが…」

「あぁいうのは気持ちの問題だべ」

「要は気持ちの問題…ですか?」

「んだ。うちができるのはこんだけだべ。後は知らん」

「じゃあ俺達は見届けてみるとしますか」

「そうね。とりあえず追いかけましょ?余裕で追いつけるでしょ?」

「誰に聞いてんだ?当たり前だ」

「…気ぃつけれな」

「えぇ。お世話になりました」

 

 

 

〜大雅side〜

結局収穫の無いまま、帰宅しようということになり、俺達はメインストリートを歩いていた。

「あら」

「どうした?」

「珍しい場所で珍しい組み合わせを見つけたわ」

そう言ってパルスィが指さした先には、笠松と四季生徒会長がいた。

げ、生徒会長いるぜw何言われっか分かったもんじゃねえし、ほっとこうぜw

「珍しい組み合わせじゃない、逢引か何か?」

「んなわけあっかよ」

「私達は同じ生徒会役員、一緒にいてもどこもおかしくはありませんし、それは水橋さんもでは?」

「忍者が私生活で個人的に会ってるところならあまり見ないわ」

「水橋さんはストーカーか何かですか^ ^ ;」

「ただの偶然だっての…買い物に来るのは至って普通だし、俺にとっちゃこっちは帰り道だからな」

「ふうん…」

パルスィさん半信半疑のご様子。まぁ無理もない。

お前らはwなwしwきwけw

「ハイハイ後でな」

おいwww

餡刻が何か言ってるが重要でもなさそうなのでスルー。

「聞きましたよ、独自に通り魔事件の調査をしているそうですね」

げ、よりによって1番バレたらまずい人にバレてた。絶対お説教ルートだよなぁ…。

「えぇ、お小言を言うつもりでしたよ」

「会長って悟り妖怪だったの!?」

「貴方が特別わかりやすいだけです。…捜査の途中でパルスィさんの愛犬が亡くなったとか」

「……まぁ、ね」

「陰陽鉄学園の一生徒として、そして一人の人間として。あなた達だけにこの件を任せようと決断できるほど私は完成された人間ではありません」

「だからって止まる気は無いぜ?」

「言うと思いましたよ…全く、同じ危険なら、まだ協力した方がましだというものでしょう。絶対に複数人で行動すること。分かっていますか?」

「言われるまでもない…あんたはどうすんの?」

「あ?俺か?」

忍者にまで協力させる気かよwwwあいつが動くとは思えねぇwww

…言われてみれば、確かに何かと理由をつけて断りそうだが、そんなことないだろ。きっと。

「最善手を尽くすつもりだから、人手は多いに越したことはないのよ。ちなみに学園の先生には軒並み伝えてあるから」

いつの間に…。

「はぁ〜…。お前らと絡むとこれでもかってくらい厄介事持ってきてくれるよなぁ…ったくわかりましたよー手伝いますよはいはい」

ウッソだろおいwww

けっこうあっさり手伝ってくれるようだ。

 

ankoku「どういう腹積もりだよお前」

ninja「死んだシロな…昔はよく一緒に遊んでたからよ」

ankoku「らしくねぇな」

ninja「うるせぇ」

 

「…とはいえ、今日はもう捜索は厳しい時間だが…」

実際、今6時をまわっているため、明日も学校の身には捜索に費やせる時間がないわけで…。

「私達も結局帰宅途中だったものね」

「仕方ありませんね。捜索は明日からということで…」(prrrr

突然携帯のコール音が辺りに響いた。

「…?誰のだ?」

「あ、私ね。もしもし?」

『水橋先輩ですか?ナズーリンです』

「何かあったの?」

『先程、うちのネズミが一匹、消息を絶ちました』

「…!」

『座標を送りますので、そちらに向かってください』

「分かったわ。それじゃ、向こうで落ち合いましょう」

『くれぐれもお気を付けて』

「えぇ」

どうやら、協力者かららしい。

「なんて?」

「それっぽいのがいたらしいわ。場所はあっち」

そう言ってパルスィが指さしたのは、妖怪の山だった。

「なるほど、居てもおかしくないところですね」

「あっちは確か…朝日たちが行ってなかったか?」

「丁度いいわ、連絡して合流しましょう」

「OK。電話しとく」

俺達5人は妖怪の山へ向けて駆け出した…。




・裏tell
サシでのみトークができる技術。原理は不明。
テレパシー的な何か、と思っていただければ良いかと。
サシで“のみ”と言ってるように、このトークで話した内容は指定した1人だけに伝わり、他の人には分からない。ただしログ(履歴のこと)は残る。
作中では話者の名前と半角カッコが使われる。色変えも考えたが、本文より目立つのも問題だろうし、指定した色をいちいち確認するのも作業効率が宜しくないのでやめた。


書いてる途中で3500字を超えたので、やむなく戦闘シーンはお預けでございます。無念。
予告詐欺しちゃって本当に申し訳ない限りです…。
次回こそ本当に戦闘シーン突入となります。

パルスィは学園の先生ほぼ全員に伝えてあると言っていましたが、実はこれだけでおよそ500人ほどの猛者たちがこの事件に協力していることになります。学園側の被害者数に対して対応の仕方が随分とえぐい気がしますねw
次回はその教師陣がなんとほとんど出てきません!(だってモブいっぱい出すと何が何だか分からなくなりそうで…)

いい加減このシナリオに決着をつけて先に進みたい…。けど戦闘シーン初書きですからきっと下らない推敲をした結果見るに堪えない描写でまみれるんだ、知ってる。
ってことで期待しないでください…。

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