fast garden ジャングルの孤島から宇宙に至るまでの日々 作:ARice アリス
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身長は俺と同じくらい100センチ程度かな?
ポケットのいっぱいついたごつい服を着ている
なんかずぶ濡れで服が重そうなので引き上げてみる
重い!
浜辺から6メートルくらい引き摺って来た
暗いから顔は見えにくいな
前世の中途半端に遺った記憶からボタンを開け
下着も服を脱がした上着だけだが
一応社会人だったので裁縫くらいはできる。
近くの葉っぱと太い生枝を採取し手先で自然と頭に浮かんだ【葉っぱ腰衣】を作り装備する
『前世と身長差は無い』のが悲しい処かな
これは障害でもなく、会社の定期健康診断では医師からは存在がファンタジーと言われていた
両親は覚えていない、思い出せない
暮らしていた現代社会の状況も覚えている
世界でも一番平和な国で首都圏に暮らしており集合住宅で一人暮らしをしていた
私のような人物は存在せず
たぶんまともな結婚は絶望視されていたが
この子の服はたき火近くの枯れ木に引っ掛けて乾かしている
大きなうちわになりそうな熱帯林の葉っぱで寝かせている
ズボンも乾くだろう
整った顔をしている
「ウ~っ!」
先程からうなされている、神様転生した地だ。言葉が通じるのかわからんが
頭を撫でてやると笑顔になりスヤスヤと安心して眠っている
数度繰り返していると分かる言葉が返ってきた
「兄様ぁ~……ファリスは……」
この言葉を聞き上の下着とズボンを着用させた
髪も短いし、てっきり男かと
ベリーショートボブだったのか
月も沈みうすら明るくなってきた頃
「こ、こ、ん?」
ぼんやりとだが目が覚めたようだ
「大丈夫か?ゆっくり身を起せ…」
ソイツの身体を支えゆっくりと上半身を起こす
「アンタ…誰?ここ!」
目が覚めてきたか混乱しているな
「ここは島だ、私も漂着者でな。流れついたアンタをたき火の前に移動した」
改めて彼女は正座しこちらに身を向けた
「あ、ああ、失礼、俺は…マッチ」
「モード・マッチだ、ミニ・モード商会をよしなに」
困ったなと俺は頬を掻く
「すまない、記憶が」
喰い気味に彼女は押し寄せる
「喪失か!?」
ああ、と頷くと空手なジェスチャーで商品の説明をし始めた
「西の地より取り寄せられた乾燥した『魔法の粉末』!こいつがよく効く!それに物覚えには
…クジラの…」
一気に戦意喪失しどうしたかと尋ねると
彼女の所有する乗っていた一世一代の賭けに出た商易船がクラーケンというイカのバケモノに
襲われ水底に沈んだそうだ
曰く航路から外れ近い道を選べと彼女自身が命じた
「陸地に戻っても取引相手から告発されて俺は金無しの詐欺師だしな…」
落ち込んだ下を向いた顔から彼女の一転した笑顔に黒い艶のある髪が朝日に輝く
「アンタとここで暮らすのも手、かもな」
握手、だろうか手を差し出したそのままにするわけにもいかないし握り返した
「交渉成立、にひひ。ねえ、旦那様?」
ど、ど、と言葉に詰まっていると
我々の種族では肌を大胆に見せるのは婚約相手のみで
「下着まで乾いていたしねっ!」
既成事実、である
彼女の来ていた商人服のポケットから古びた羊皮紙を取り出すとおもむろに羽ペンの代わりに
近くにあった黒い羽を手に
「結婚しましょ?」
それはいいが…
「では、私は『ミニ・デモ・エ・リカ・ファリス』」
オレは名前が思い出せないと言うと
「村役場が必要ね。周囲の調査も必要だし…」と私と同じように羊皮紙から黒いインクが染み
だすようにメニュー画面が映し出されていた
彼女曰く生まれたときより得ていた異端の秘術だそうだ
と、押しかけ妻ならぬ打ち上げ妻によって初の手料理は朝に出たバナナの様な味の固い外皮の
中は柔らかい丸い果実とこちらは彼女の国特有の保存食の虫の甘露煮を頂き
自然環境のサバイバルと利用品に着いてレクチャーをしていただいた
師匠と仰ぐ事にしようか…?
昼は彼女の知らない石ナイフを増産し石斧を生産に至った
固い甲殻バナナこと現地でも『バナナ』を木を伐採し採取、外皮は家の建造に
夕方には浜辺に高屋根造りの食糧庫兼家を造った
ダイジェストでこの通り
夜であるが、今は…
浜辺を散歩している
「帝都はね城塞都市で石造りの家々が狭く並んで…」
彼女の世界の話を聞いていた
大きく分けて
妻の生まれ故郷、経済力で成り立っているが圧力かけられる『島国』
多神教の小国が集まる世界トップの影響力『宗教国』
厳しい戒律なのに階級社会の『連邦』
世界の警察『共和国』
最近軍備を拡大し続ける火種になりそうな『帝国』
剣と魔法と弓矢と投石がメインだそうだ
魔法は化学物質の反応のような物を起こす
例えば炎の導火線を一直線に描く為には必要な物質を粉状にして振り被ると空中で炎の道が出来上がるといった不思議なものだそうだ
要は戦闘目的の錬金術だな何と表現したものか変わり者が多いとか、遅滞戦闘に使われ嫌われ者だとか
一気に言われて頭がパンクしてきた…
じゃあ、と今度は星の読み方を教わり
恋人座で、と横を向くと言いつつ彼女がキスをしたのは衝撃的だった
帰ったらバナナの葉で同衾して眠る、そんな二日目でした……
個人的なサブタイは押しかけ妻な漂流者
テスト投稿改稿、見直し無し