「俺は俺だ。比企谷だ。比企谷八幡だ。マッカン、千葉、サイゼリヤ好きの比企谷八幡でそれ以上でもそれ以下でもない…………………て、何してるんだ俺は」
ブクブク.。o○
と頭半分を風呂に浸かり現実逃避を試みるが、
今の俺には無理な話で、壁の向こうから聞こえてくる声で現実に引き戻される。
「はちまーん、そっちにいって良い~?」
「だだだだー(だ、ダメに)!に決まってるだろ!」
アレがアレ過ぎて言葉になってねー。
そもそもアレってなんだよ。
アレって………。
「壊れた八幡?八幡が壊れた?どっちも一緒だー。アハハー」
稲城の声が響き渡る。
「………」
至って普通、通常運転だ。
俺は壊れていない。
まだ理性は崩壊していない。
~回想~
とある昼下がり、俺たちは炬燵でゴロゴロしていた。
「八幡、どこかに行こうよ~」
「寒い」
「………それならミカン取ってきて!」
「………最後に食べた奴が行けよ」
「………食べた人がいない場合は?」
最後に食べた奴………………浩志さんか。
「それは………ジャン「その前は八幡」………」
「HachimanGO!!」
稲城が某ゲーム似たフレーズを言う。
そこには様々な俺が出てくるのか………きっと特徴は目とアホ毛だろうな。
「俺はボールで捕まえられないぞ」
「ボールじゃないよ。本物の手錠だよ~。あはは~」
クルクル~からのガチャッ
「oh.....」
こうして俺は逮捕された。
罪状:最後のミカンを食べて取りに行かなかった罪
刑:何処かに連行される
~回想終了~
「ふぅ~、食べた食べた。ゲフー」
「はっ!」キョロキョロ
俺は何をしていた?
えーと、回想が終わって………終わってから……記憶がない。
そして、目の前にある御膳には何もなく、右手には箸を持ち、左手にはきっと締めのカニ雑炊。
「美味しかったね~。お腹一杯だよー。ゲフー」
稲城がお腹をポンポンと叩く。
「………」
俺の方はお腹が一杯なこの身体………何も味わっていないこの舌。
そして、殻が真っ赤な伊勢海老とカニ鍋………。
二泊三日のこの旅行(?)………明日は夕御飯は肉らしい。
「お、おぅ。こんなに美味しいならデザートも期待できるな」
「えっ!デザートは私を食べたいって!?」ヌギヌギ
「そんなことは言ってない!!」
「ふーん。そんなこと言っていいんだ」
稲城が既に二つの布団が隙間なく並んでひいてある部屋に移動する。
そして、そのまま寝ると思いきや俺の方を向いて浴衣の隙間からスーと太ももを…………「そんなことは………この俺がさせるか!」
俺は襖をピシャッと閉めた。
危ない危ない。
「それにしても作者、何も思い付かないからってこれはやりすぎではないか?」
知りません。
前書きに書いてあるように、現在作者は壊れていますから
大丈夫です。
「それはそれでダメなような」
………サラバ!
「逃げやがった」
今は作者なんてどうでもいい。
この暴走した物語を止めなくては。
「おーい、稲城ー」
シーン
反応がない。
寝たか?
それとも"ふり"か?
襖で相手が見えないので判断できない。
策士め………………いや、閉めたのは俺か。
コソコソ
スー
「稲城さ~ん、寝てます~?」
「zzz」すぴー
「………よし、風呂にも入るか」
と襖から離れようとした。
そのとき。
「八幡、だーい好き!」
「!!!」
バッ!と俺は再び稲城の方を向く。
「わたしは………あきらめない…よ」
「?」
このときの俺はその意味がわからなかった………………。
「ふぅ~極楽極楽」
露天風呂で一人、しかも貸し切り!最高すぎる!!
あいつは居ないことだしな。
居たらリラックスできないし。
「………………そろそろ恩返しをしないとな」
俺を俺だと見てくれた人たちに。
「一体なにから手をつけたら………」
お金を返すのもいいが、はっきりいって今の俺には無理だ。 普通の家計とは桁が違いすぎる。
う~ん、どうしたものか………。
こうして俺は稲城がいない分、風邪を引くまでゆっくりと考えることができた………………。
「くっしゅんっ!あ゛ぁ゛ぁ゛ーさ゛む゛い゛ー」
「あんな寒い外で寝るなんておバカさんだねー♪」
ちょんちょん
稲城が俺の腕をつつく。
「………」
なにも言い返せねー。
あのあと俺は露天風呂で寝てしまったそうで、気付いたら病院のベッドの上にいた。
「んーでも死ななくてよかったね~」
「何でだ?」
「出るから」
「何が?」
「非現実的なものだよ~♪」
「マジで」
「マジで」
ガチトーンで返されると信じるしかない………のか?
「それで旅行どうしようか?」
「………………」
風邪で最終日を台無しにした俺。
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「………また行けば良いよね!これは行くしかないよね!うんうん」
「お、おう」
「次は時期的に『花見』だね」
「そうだな」
「「………………」」
「今日はもう帰るね。バイバイ」フリフリ
「じゃあな。また明日な」
俺たちの道は続く、どこまでも。
その日の夜、俺は再びあの悪夢を見た。
俺はその夢に出てきた場所を知っている。
俺たちが出会ったあの場所。
縁を切る場所。