【完】ジョジョは奇妙な英雄   作:ふくつのこころ

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チェザーレ「運営さんに問い合わせてみたところ、別に登場人物設定載せても構わんそうです。」
チェザーレ「俺の先陣とは一体、なんだったのか。」

仮面異聞禄ペルソナ、載せてみました。「旅人のその後。」にてP3とフェアリーテイルのSSを待望される声がありましたが、ある程度進んでから投下するプロットを書いていきたいと思います。
残念だったな、チェザーレ。


赤き鼓動その④

「ほう?そこまで口を叩くか。身分の差と言うのを弁えてもらわないとな。この炎で肌を焼かれても、同じことが言えるか?」

 

「残念ながら、俺の肌は焼かれない(、、、、、)

 

『石の薔薇』は第二形態、Act.2へと変化して鍵爪ロープを持った、ブリキ仕掛けの人形のようなスタンドヴィジョンへと変化する。以前は少年のようなヴィジョンだった、それは『変化』しているようだった。

ライザーと睨み合い、胸倉を掴まれていてもなお、表情を崩さすに目を合わせて緑色の双眸には威圧の色がある。

自然界における、上位にある力を持つ上級悪魔のフェニックス。

リアスのグレモリー家もフェニックス家と同じ、上級悪魔で貴族である。上級悪魔はチェザーレを始めとする、人間や他の種族から転生した転生悪魔では及ばない力を秘めている。

人間が持つとされる力、神器(セイクリッドギア)の中には神や魔王を滅する程の力を持つ物もあるそうだが、千寿が『スタンド』を持つ以外には波紋呼吸法や『回転』の技術以外には大した力を持ち合わせていないように見える。

仮にも神や魔王を本当に倒せるとされる神器、神滅具(ロンギヌス)を宿しているならば話は別だが。

 

「(……ツェペリ先輩、ツェペリ先輩。ちょっと耳貸してください)」

 

不敵な表情で炎を出現させた金髪の男と『スタンド』を従える幼馴染の青年を見ながら、腕を組んでいるチェザーレの近くに小猫は向かい、腰回りをチョップした。しかし、チェザーレの反応はない。

小猫はチェザーレが反応するまで腰回りをチョップしていよう、と高速で腰周りへとチョップの連打を繰り出す。目の前でシリアスが行なわれている中、小猫はチェザーレのシリアスブレイカー振りを目前で目撃しているので反面教師としているため、あくまで無表情だった。チェザーレは痛さを耐え忍んでいるようだった。

 

「(む、なんだね、小猫ちゃん)」

「(気持ち悪いです、呼吸しないでください、酸素の無駄です。しどー先輩は勝つ見込み、あると思いますか?)」

 

あくまでチェザーレの呼称が木場に聞いた『チェザーレのあれな一面』を思い起こさせるものだったので、小猫はすぐに毒舌をビシャッ!と吐き出した。そんな素っ気無い無表情な後輩にやれやれ、と肩を竦めたチェザーレの声は小声でありつつも幼馴染への期待と自信に満ちた感情が篭る。

 

「(しどー先輩って……。お前ら、いつの間に打ち解けてるんだよい?)」

「(あらあら。気になる話をしているようですのね?私も混ぜて下さらない?)」

「(僕も混ぜてもらって良いですか?)」

 

いつの間にか、絶対に敵わない人(姫島朱乃)、波紋を教えると約束した後輩の木場までやってきた。こんなことしてる場合でないのも分かるし、暴走してしまいがちな無愛想幼馴染をストッパーに入らなくてはならないのも分かる。幼少時、一つ年上で当時から同級生より体格が大きく、背が高かったチェザーレを喧嘩でブチのめした当時の千寿(当時は現在に比べ、同級生より小さかった)。

そんな幼馴染が昔、よくやったゲームに登場した目の前にいるフェニックスに立ち向かっている。

悪魔として、身分を弁えるのならば、あんな風に食って掛かりやしないだろうが、たぶん、あの男は自分を曲げるような真似はしない。

チェザーレの知る幼馴染はそんなところだった。

 

「(そこまで聞くのならば、教えてやろう)」

 

チェザーレは間を大切にする男だ。そしてタイミングを大切にする男だ。常に『最悪のタイミング』と『最高のタイミング』を熟知するチェザーレにとって、『間』は非常に大切なもの。『間』が分かれば祖父直伝の『シャボン玉』をモチーフにした波紋技も使えるし、次の相手の動作を読める。

なので、あくまで同級生(朱乃)二人の後輩(木場と小猫)の前でも間を空けたが、

 

「(……先輩、待てません。)」

「(早く言ってくださるかしら?気になって、雷を暴発するかもしれませんわ♪)」

「(チェザーレ先輩、お願いします)」

 

どうも、彼らは待てないようだ。小猫は小さくファイティングポーズ、朱乃に至っては小さく雷をバチバチさせていて、木場はそんな二人を見て苦笑い。ライザーと千寿の様子を見守り、不安そうにおどおどしているアーシアが気になったからか、チェザーレは朱乃からの雷を恐れたのもあり、深呼吸して一言で済ませた。

 

「(知らん)」

 

「ライザー様、士藤千寿様。これ以上、続けられるのでしたら、私も黙っているわけには行きません。サーゼクス様の名誉のために、私も力を行使するつもりです。」

 

燃え上がる黄金のフェニックスと威圧する漆黒の獣はグレイフィアからの介入で争いを静かに止めた。ふと、千寿の中にイメージが浮かび上がる。『サーゼクス』という名前が夢に見た、あの赤い髪の父親の上司と重なって見えたが、そのイメージをかき消すように頭を振った。

 

「最強の『女王(クイーン)』と称される、貴方にそういわれると俺もさすがに怖いよ。化物揃いと噂のサーゼクス様の眷属だけは絶対に相手にしたくないからな。もっとも、今は『鋼鉄の戦車』と呼ばれた『Jojo』というのはいないようだがね」

 

「ライザー様、あの方のことは不快な事故です」

 

「分かっているさ」

 

ライザーが肩を竦め、身を引くとグレイフィアの方へと視線を向ける。ライザーの言葉に出てきた、『Jojo』の単語に千寿はつい反応してしまい、従える『石の薔薇(ストーン・ローゼス)』がビクッと『スタンド使い』の方へと向かい直り、ライザーの傍にまるで『なにか(、、、)』がいるかのように目を向けていた。

 

「愛しのリアス、キミの下僕の可愛らしい『スタンド』が反応したようだがね、ひょっとして教えたのかい?Jojoについて」

 

ライザーはフンッ、と鼻を鳴らしてリアスに声をかける。リアスは溜息をついて千寿の手を引いて、その白い指を千寿の大きな手を絡ませる。

 

「気味が悪いから、そう呼ばないで頂戴。むしろ、関係があるのよ。私のかわいいセンちゃんは、そのJojoの息子」

 

「!?」

 

衝撃だった。

自分の父親が、士藤譲寿(しどうじょうじゅ)もまた悪魔だったなんて。いや、夢の中に出てきた赤い髪の男がグレイフィアの言う『サーゼクス』ならば、小さい頃に出会った『サッジーにいちゃん』は恐らく……。

 

『なるほど、全てを思い出したのか。だが、今更の所でもう遅い。ジョード、お前の父親は死んだ。』

 

脳裏に浮かび上がるヴィジョン。ライザーのような、眩いばかりの黄金色の髪と後姿だけが浮かび上がる。眉の上に左手の中指と人差し指を当て、右手を腰につけている。千寿が部屋着として着るタンクトップのようなものを着ているが、タートルネックタイプのようだ。アクセサリーとして、腕輪にイニシャルが彫られたものを付けているが・・・文字がよく読めない。

 

「ぐ、ああああああっ!」

 

頭痛が襲う。突き刺さるような、頭痛。傍に立つ『石の薔薇』の姿がおぼろげになっていく。耳の置くまで聞こえてくるアーシアの悲鳴、リアスの心配そうな顔、駆け寄ってくる木場とチェザーレの姿。

最後に視界に映ったのは、ライザーが二ヤリと笑みを浮かべていて、あの顔面を殴り飛ばしたくなる衝動に襲われる。けれども、あくまでそれは衝動だ。叶わぬ願いだ。意識を失っては、上級悪魔、そして不死鳥の一族の者を殴り飛ばすのは不可能な夢。

気を失うのはこんなものなのか、と意識がプッツンと切れて千寿は気を失った。

 

 

気がつくと、そこは士藤邸だった。枕元にホリーからの手紙が添えられており、『起きたら、別に何も言わなくても良いわ。お母さんには分かるんだから。夕飯、好きな物を作ってあげたわ。byMom』と書かれていて、すぐ傍に温もりを感じる。

 

アーシアだった。

 

冷たい水が張った桶と桶の淵に置かれた、白いタオル。濡れている様子や千寿の額に貼られた所謂、冷えピタ。幼い頃、熱を出した時によく貼っていたもので、成長するにつれて熱を出すことはなくなったが、こうして冷えピタを貼っていると当時を思い出す。後にも先にも冷えピタをしたのは当時くらいで、今こうしてしているのをカウントしなかったら、数えるほどだろう。

 

「……あれ?センジュ……さん。……センジュさんっ!」

 

アーシアが胸元に飛び込んできて、それを千寿が壁に凭れて抱える態勢となる。服装はホリーが眠っている間に着替えさせてくれたのか、制服から部屋着へと変わっており、紫のタンクトップとジャージといった出で立ちだ。気を失ってから家に運んできたのは、おそらく、チェザーレだろう。オカルト研究部で『強い』者ならばリアスや朱乃が挙げられるが、純粋に腕力の強さだけなら千寿とチェザーレと・・・小猫が挙げられる。自分より年下でロリのようにも見える後輩の少女に家に運ばれるのは流石に恥ずかしかったので、癪だったが、チェザーレが家に連れてきたんだろうな、と思い込むことにしておいた。

 

「アーシア、まさか、お前……」

「突然倒れて、心配したんですよ!?チェザーレさんが家に運んでくれましたし、部長さんや朱乃さんも心配してました……」

 

アーシアは心配そうな様子だ。心優しい彼女は、目の前で傷ついたり気を失った者を見ていられないのだろう。だからこそ、その能力、聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)とスタンド能力の『天使達の手段(ハウツー・エンジェルズ)』は他者を治すのに特化している。後者の古びた教会で覚醒した『天使達の手段』は彼女が使用した際に精神を消耗している所から、『自らの体力を削って他者に生命力を分け与える』もの。アーシアは何処までも優しい。それはきっと、味方だけに収まらないだろう。敵を傷つけるには向いていない、その性格は確かに長所だ。人を思いやれ、人の気持ちになれるのは難しいものだ。

あくまでも、『自分のエゴのため』でしか生きられない千寿には眩しく映った。

 

「でも、目覚めてよかった。あ、ホリーさんが晩ごはん作ってくれたようですので、呼んできますね!」

「あ、ああ……」

 

間髪入れず、アーシアは部屋から出て行った。出て行き際に僅かに涙が光っているのが見え、そして少しやつれたようにも見える。彼女のことだ、『このまま、目を覚まさなかったらどうしよう?』と心配してくれたんだろう。それに、あの様子では自分が気絶している間に『なにか』あったと見た。

枕元に置かれた携帯電話のメールを確認してみると、アーシアを除くオカルト研究部の各々からメールが来ていた。

 

『差出人:搭城小猫

  件名:目覚められましたか?

  内容:しどー先輩、突然倒れたので吃驚しました。チェザーレ先輩や、部長の慌てっぷりがハンパ無かったです。十日後、先輩曰く、ゴールデン・フライドチキン野郎とのレーティングゲームの為、そのための対策を取るらしいのでしっかり休んで下さい』

 

『差出人:姫島朱乃

  件名:大丈夫?

  内容:センジュ君、突然、叫んだかと思ったら気を失って心配してしまいましたわ。あの(、、)ライザー・フェニックスに虚仮にされた分、見返してやりましょう。あと、置物のことですけど、焼き加減はどうしましょうか?』

 

『差出人:木場祐斗

  件名:どうしたんだい?

  内容:これを見てるときは多分、起きてるかな?無愛想で、以前より何故かテンション低くなった君だけど、あんな風に叫んで頭抱えて倒れるなんて思わなかったよ。

君って、何だか完全無欠なヒーローみたいに思っていたからね。ライザーとのレーティングゲームに備え、山篭りするらしいよ。ツェペリ先輩に聞いた話だと、君って剣技が出来るんだって?ぜひ、お手合わせ願いたいね。

それじゃ、おやすみ』

 

『差出人:チェザーレ・A・ツェペリ

  件名:おいこら

  内容:てめー、心配させんじゃねーよ、あとフライドチキン野郎に喧嘩売るな。俺、あのあと置き物置き物言われたんだからな、姫島に!てめーの気持ちも分からんでもねーが、てめー、チューボーの時にセンセーに言われたのを覚えてねーのか?『センパイハウヤマイナサイ』って。

ま、それがお前らしいっつーか。そうそう、じいさんのじいさんの言葉なんだけどさ、『勇気と無謀は違う』らしいぞ。気をつけつけ』

 

内容は似たり寄ったりなところがあるが、誰もが自分の心配をしてくれていた。変なミスをしているチェザーレが一際、際立って見えた。

いけ好かないライザーが父親の譲寿を知っていたり、先日に掴みかかったグレイフィアの口から漏れる『Jojo』の単語。自分が知る限り、ジョジョと呼ばれるのは周囲では祖父のジョセフと母親のホリーが譲寿をたまに呼ぶのと、自分がリアスから、そしてチェザーレと『サッジーにいちゃん』が夢の中で父の譲寿を呼ぶのに使っただけだ。

まだ整理することはたくさんあるが、その『合宿』とやらで波紋と『回転』、そして『石の薔薇』を強化させていくとしよう。不死身のフェニックスを初めとする、不死身の生命体達の攻略法はよく考えたものだ。祖父のジョセフが邂逅し、倒したという、『柱の男』。

再生される前に倒せば良い、とかつては考えたものだが、あんな炎を持っているとなると話は変わってくる。幼いときの千寿は『あくまでぼくがさいきょうかむてき』であることや、『向こうは決して此方に攻撃しない』ことを前提で作戦を立ててきた。起き上がって机の引き出しにある、『さいきょうのぼくがふじみのやつらをたおすためのとらのまき』と書かれた“黒歴史ノート”の大学ノートを取り出してパラパラとめくってみる。

 

字が汚すぎて読めなかった。

 

「それにしても、あの声は一体……」

「センジュさーん、晩ごはん持って来ましたー!」

 

気を失う直前に聞いた、『男の声』。父親の譲寿の声でもなければ、祖父のジョセフのものでもないし、『石の薔薇』に目覚めた時に聞いた優しくとも逞しい男のものでもない。

けれども、千寿はその男の声を知っている。たとえるなら、それはネズミが本能でネコから逃走し、ネコが本能でネズミを追いかけて捕らえるのと似ている。

かつて、“騎士”を目指していたとされる先祖のジョナサン・ジョースター。

その話をしてくれた、ジョナサンの孫のジョセフには騎士道のきの字も知らない様子が窺え、そもそもジョセフは剣を使わなかったそうだ(本人は祖母に一人前の“騎士”になれるよう、習わされたそうだが上達しなかったそうだ)。

しかし、今はその心配をするときではない。自分が気絶している間、献身的に看病してくれたアーシアのために悩んでいる様子を見せられないのだ。ほんの数時間のことだろうが、アーシアはきっと心配しただろうし、千寿としてもアーシアの心配そうな顔は見たくない。大切な人に笑顔でいて欲しいから得た力だ。

だから、今はアーシアと共に夕飯を摂るとしよう。

 

 

「……ふむ、これでジョースターどもに伝えられたか。」

 

そこは、何処までも漆黒で闇に支配された無音の部屋。

妖しげな魅力を、雰囲気を放つ大柄な首もとの縫合した跡、それに僅かにタートルネックのタンクトップから見える星形の痣を持つ金髪の男。壊れた肘掛け椅子に座り、背後には壁掛け時計のように彼の名前が刻まれたものがある。しかし、それは闇に吞み込まれて字が見えない。

闇に住まう者たちの王たる彼の周りには精鋭の従者達がおり、彼らは主の男を前にして沈黙を護っている。

 

金髪の男の名は、dio。

 

かつて、自分がこの“支配”する力を得ることが出来たきっかけにして未だ、その力を手に入れられない原因でもある男、ジョナサン・ジョースター。

彼は自身が復活したことをジョナサンの血筋の者へと本日伝えた。そのうちの一人は既に老齢。

忌々しいツェペリの孫とその孫も含め、今度こそ、自分の邪魔をする者を完全に葬ってやるまでだ。

ジョースターの血筋にある、“繋がり”は非常に深い。

自分が『人間だった』ころには知らなかった、神魔の存在。それも含め、完全に世界から葬ってやる。

 

「不老不死ッ!スタンドパワー!そして、神滅具(ロンギヌス)神器(セイクリッドギア)!これらを以ってして、このdioを帝王と言わずしてなんと言おうか!?ジョナサン、そしてツェペリの子孫ども。今度こそ、このdioが貴様らの息の根を止めてやろう……」

 

金髪の男――――dioは大きく両手を広げ、闇に染まった天井へと両手を仰ぐ。

タートルネックに隠された、その傷跡は最も忌むべき相手、ジョウジュ・シドーにつけられたものだ。ジョナサンと同じく、首周りに傷をつけた忌まわしき男。ジョナサンの血を引く者でなく、ただの名も知れないニンゲン。ジョナサンのせいで未だ、世界はdioの手の中には無い。dioはかつて、シドーに提示した。

 

『その手で妻と息子を殺せ、シドー。そうすれば、私はお前を我らの元へ迎えよう……。なに、恐れることはない。私の元へ来れば、永久の命と若さを保障しよう。忌々しき老いと『死』を恐れずにお前はこれからの生涯をこのdioに捧げるのだ……』

 

甘美な囁きは、その口調は、雰囲気は今、手元にある駒を配下として加えるときに役立った。神魔を滅することをも可能とした力、神滅具(ロンギヌス)を宿す者。人間を超越し、それでいて自らを高位の存在と自負してやまない傲慢な悪魔や神、天使や堕天使をも滅する力を持つ男。そんな男がまともな生涯を送れたはずがなく、自分の誘いを吞み込み、配下へと加わるのだと思った。

 

「あの男亡き今ッ!このdioを邪魔する者は数少ないッ!忌々しいツェペリとジョースターで力あるものは既に『老いている』ッ!未熟な、その孫たちはおそるるに足らず!冥界にはすでに手は回してあるッ!このdioの手に世界が手に入るのもあと少し!WRYYYYYYYYYYYYY!」

 

高らかとdioは自らの決意表明の演説をする。これまでになく、身体(ボディ)が馴染み、力に満たされる。ジョースターの血を受けるたびに強化される、この身体は完全にジョースターを殺して血を浴びたならば、この身に宿る神器と『スタンド』を強化できるだろう。冥界にも既には手を回してあるし、“気配”でジョナサンの血を継いだ者の一人が弱っているのが手を取るように分かる。

 

「dio!dio!dio!」

「dio!dio!dio!」

「dio!dio!dio!」

 

自らを称える、配下達が己の名を呼ぶ。この快楽は忘れられない。上に立ち、たった一人の帝王として君臨して愚民共を支配する。その圧倒的な力で。これからの計画は自らの“力”で支配する前戯に過ぎないのだ。

まずはジョースターとツェペリの血を根絶やしにし、冥界の内部を乗っ取って手中に治める。そして堕天使と天使、神話勢をはじめとする数々の勢力を敵対させ、互いが互いを潰しあっている間、dio自身は闇に篭り、全ての陣営が力を使い果たした時、dioが圧倒的な力を以って全ての陣営を潰してやるのだ。

 

「この世界は、このdioのものだ……。思わないか?我が『スタンド』よ。」

 

周りから上がる歓声を前に暗い所でも目の利く、夜目で自らの傍に立つ『スタンド』へと目を向ける。佇む彼自身の分身は無言のまま動作せず、停止したまま『彼自身』の言葉に小さな動作で頷いた。

 

 

夕食後、「安静にしていて下さいね」とアーシアに言われた千寿はベッドで座っていた。そろそろ、風呂に呼ばれる頃合だ。それまでに『石の薔薇』の調子を確かめようと、意識を集中させて念じてみる。

 

「『石の薔薇(ストーン・ローゼス)』ッ!」

 

後にAct.~と付いていないので、このときは通常時のAct.1が現れる。のだが、何も変化が起こらない。何度も念じ、叫んでみれど、変化がない。頭に()ぎる最悪の可能性。波紋や『回転』は堕天使に有効だったが、悪魔に通ずるか自身がイマイチない。ならば、最も頼りになるのが鍛え上げた肉体と『スタンド』能力だった。アーシア以外では、自分といれて二人ほどしかスタンド使いに出会っていない。ライザーは炎を操るフェニックス、その他にも眷属やらがいるだろうが、気絶していて見れなかった。こういうとき、自分が憎たらしい。あのとき、気絶さえしていなかったら、推測でも手は考えられただろう。スタンドが使えない今、また別の案が過ぎる。いや、これはやめておこう、と自らの手で一つのアイデアを振り払い、かつて行なっていた剣技が思いついた。合宿に行くならば木場は剣技の鍛錬をするはずだ。鈍ってさえいなければ、ライザーとの戦いで敵わなくとも上昇した運動神経と波紋を使い、立ち回りは出来るはず。

希望を見出したが、同時に大きな絶望が生まれた。

 

石の薔薇(ストーン・ローゼス)』が出せなくなっていたのだ。




お待ちかね、DIO様登場です。
そのまんま、というわけにもいきませんので、七部ディエゴのように表記を変えたりしました。
そして、今作でのジョナサンの設定では一部ジョナサンのように“紳士”ではなく、“騎士”を目指す、と言う風に改変してみました。
センちゃんの霊圧が消えた・・・!?な今回でした。
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