法王の緑と申します。
遅れてしまいましたが、この場をお借りしまして挨拶させていただきます。
この物語は私がハイスクールD×Dの原作を同時進行で買いながら読みながらに加え、私が好きな物を放り込んでいこうかなと思います。
主人公の士藤千寿は原作主人公・兵藤一誠に近い性格をしておりますが、根本的には違う設定となっております。
そして、もしかしたら原作の名を借りただけの何かになるかもしれません。
それでは、遅くなりましたが宜しくお願いします。
2013.7/28
傍に立つ者①
「フフ……センジュくん、私の為に死んでくれない?」
なんだ!?夕麻ちゃんが姿が変わったぞ!?背中から生えた翼とか、この・・・なんなんだ?
嫌な感覚は。
姿形は明らかに変化して行っているのに・・・。
どうしてだろう?光の槍なんて、あんな物騒なモン持ってんのに俺は怖がっていない?
嫌な感覚がするってのに、どうして俺は嫌がっていないんだろうか。
胸が大きくて可愛らしい子。
それが彼女に対する俺のイメージだ。
俺に告白してくれて、俺の高校生活初にして俺の人生初の彼女。
向こうから告白してくれて、一目惚れだと言われた時は嬉しかった。
なのにどうしてこうなってしまったのか。
「なんでだよッ!なんで、なんで夕麻ちゃんが!」
「フフ、絶望しているの?御免なさいね、貴方の困った顔を見ているとゾクゾクしてきてね?加虐願望?って言うのかしら?―――――――じゃ、さよならセンジュ君?」
意識が薄れゆく中、俺は確かに「ソイツ」と紅い髪が目に入ったのを確認した。
濃い真っ赤な紅い長い髪のおそらく、ロングヘアーにしている男性でなければ女性だろう。
その紅さは燃え盛るような炎を思わせて、見る者を引き寄せる力がある。
ただ、「ソイツ」の特徴だけはちゃんと覚えている。
ゴツく逞しい肉体をした偉丈夫。
刺々しいデザインの膝当て。
下半身だけを見れば戦士を思わせるような、そんな格好であったが上半身もまた異様な物だった。
十字架の中心から突き抜けた手。
手首を完全に隠すような、その十字架は身の丈もある大きさで「ソイツ」の異様さを引き立てていた。
両肩にそれぞれ縦に一つずつ突き刺さっている十字架。
どこか、それは何かを俺が悔やんでいるのを露骨に伝えようとしているようだ。
イカつい不機嫌そうな顔。
それは単純に不機嫌なわけではないようで、まるで何かを抱え込んでいるような……そんな様子。
けど、俺は「ソイツ」を知っている。
俺と共にずっと此処まで生きて来た、俺と共に生きて来た「
我が駒王学園の屋上で一人で目を閉じて眠るのは心地よい。
そこに更にアイマスク代わりに俺の顔の上に適当な雑誌を置いておけば、俺の完璧なアフターヌーン…ナントカが完成する。
そう、これこそが俺の至福の午後の過ごし方。
さあ、今から愉悦の時間に酔いしれるぞー!
「やあ、センジュ君。……うわ、またソレ読んでるんだね。」
俺のアフターヌーンナントカを見事に破壊してくれたのはイケメン・
この男はいわゆる、爽やかイケメンと言うヤツであり、イケメンの定義に当てはまる何をしてもイケメンに見えるという謎の仕様だ。
いつものように俺が一人で屋上で昼食を楽しんでいた時にコイツと出くわし(俺は
そしてどういうわけか、コイツは二大お姉さまの一人の3年のリアス・グレモリー先輩と知り合いらしいのだ。
学園2大お姉さまとは姫島朱乃先輩、そしてリアス・グレモリー先輩を含めた二人のことを指す言葉であり全生徒憧れの的と言うべきか。
そんな人と木場は知り合いであるという。
“オカルト研究部”。
そこが木場が所属している部活であり、そこにリアス・グレモリー先輩と共に同じ空気を吸い同じ場所で時間を過ごしていると。
くーッ!羨ましいぜ!
「そういえば、君、いつになく嬉しそうだね。なにかあったのかい?」
「ククク、よく聞いてくれたな・・・!木場よ、俺についに彼女が出来た!」
女子からは「キャー!性欲の魔獣と木場くんよー!」「時代は士藤×木場なのかしら!?」なんて声が上がるほどに俺の評判は悪いわけなんだが、性欲に忠実に生きてきて一体全体何が悪いというのか。
しかし!そんな俺にも春がやってきたわけだ!さぁ、聞いて驚け木場よ!
「よかったじゃないか、おめでとう。これで僕は君の悪口を聞かずに済んだようだね?センジュ君?」
寝そべる俺に顔を近づけ、爽やかスマイルを浮かべる木場。
ええい、祐斗のやつめ!少しこっちが下手に回れば調子乗りおって……!
……ハッ!?
「フフフ、今の会話の中で僕のことを名前で呼んだね?嬉しいね、ちゃんと覚えていてくれたんだ」
「……俺には、お前くらいしか話しかけて来ないからだろ?」
妙に俺は嫌悪されている様子だ。
男子にも女子にも。
何組かは忘れたが、松田と元浜なる人物とぶつかってしまい、その時にすぐに俺はすまん、と謝ったが奴ら二人、走り去って逃げていってしまった。
「DQNとは趣味を分かち合えないんで、じゃあ俺らはこれで!」
と捨て台詞を残してだ。そのときに奴らが落としたエロ本がコチラ。
俺がアイマスク代わりに顔に被せていたヤツ。
「そういう割りにはもう少し頼りにしてほしいね?・・・とりあえずセンジュ君が彼女出来たことについてはさておき、君はその彼女さんに「奇怪現象」について言ったのかい?」
「割には、って……。あと、とりあえずって何だよ!?人が幸せについての報告しようと思ったってのによ!・・・まだ、言ってねえよ。お前にしか、この学校で俺の「奇怪現象」を知らせてすらないからな。」
「そうか、なら良かったよ。例えばだよ?例えば、君の彼女が君の敵だったとして・・・」
「……悪ィ、祐斗、それ以上言わないでくれ。たとえ、無二の友人のお前でも俺はこの怒りを押さえ込める自信が無いんだよ。」
『この魔女め!治療した悪魔もろとも殺してやる!』
俺の脳裏を過ぎったこの言葉。
可愛らしく、護ってあげたい、と思う庇護欲をそそられる金髪シスターの笑顔と共に。
俺は彼女のことをよく覚えていないけれど、俺は彼女の笑顔と優しさは覚えている。
名前も良く覚えていない、どんな話を聞いたか・したのかも覚えていない。
そんなあやふやで覚える気はあんのか、と言われても仕方ないくらいの記憶なんだけど、ときおり屋上で寝そべっている時に思い出してしまうのだ。
あの子を罵った忌々しい神父の顔と姿を。
だから、俺はその日から職業柄とかで差別する奴のことが気に食わなくなった。
俺の耳に届こうものなら直々にぶちのめしに行ってやったし、絡まれている奴がいたら俺がソイツに代わってぶちのめしてやった。
そんな事が続くから俺は集団の中で、学校の中で一人になったんだろうか。
異性に関係する話とか、この年の高校生なら誰でもしそうな下ネタ関連の話のひとつや二つも出来やしない。
俺のサイドにまで来てくれんのは、スカした様子でいつも爽やかなイケメンだけだ。
ワケ隔てなく接する奴なのかと思って一応、信用していたらコレだ。
だから、嫌なんだよ。
近くに置いてあったコンビニ弁当の空の器と紅茶の入っていた空の紙パックを回収し、俺は屋上を後にした。
後ろで祐斗が何か言っていたようだけど、気にしない方向で行く。
俺が持っている、「奇怪現象」については俺が解いてみせないと。誰も傷つかせやしない、絶対に。
士藤千寿が去って行った後、木場祐斗は一人取り残された。
「はぁ、友達になれたと思ったんだけどね……。」
一人、溜息をつきながら頬を搔く。あの日、はじめて昼食を屋上で共にした日から関わっていく中で彼のことは分かっていたはずなのに。
彼が差別を嫌う「
完全には、理解できていなかった。
「此処にいたのね、祐斗。……あら、どうしたの?友達とお昼ごはん食べるって行ってなかった?」
屋上への入り口から顔を見せるのは木場祐斗が所属するオカルト研究部の部長で三年のリアス・グレモリー。
駒王学園が誇る2大お姉さまの一人である。
容姿端麗であることに加え、長身・そして制服の上からでも分かる巨乳となんらかの雰囲気を放っていることから男女問わず人気であるのを木場は知っている。
「こんにちは、部長。ええ、その友達なんですが……。ちょっと喧嘩してしまいまして。」
爽やかながらにも自分に罪悪感を感じるようなことをやらかしてしまったかのような様子の木場。
そんな後輩の様子を見、木場に微笑みながらリアスは語りかけるように言う。
「貴方に相談してきたって言う、もしかして、例の彼?」
「はい、その彼です。なんでも、『奇怪現象』が起きてるみたいで……。自分が距離があるところにある何かを欲した時にソレが引き寄せられたり、彼が喧嘩した時に相手の不良が彼に不意打ちを仕掛けた際にナイフを持っていたらしいんですが、突き刺さる前にナイフが折れて相手を突き飛ばすように吹っ飛ばしたとか……」
何も知らない第三者がこの話を聞いていたのなら、何の話をしているのか理解できなかったろう。
ただ、リアスや木場にはこのことについて『
「分かったわ、放課後、部室で皆を呼んで話し合いましょう。……それと祐斗、貴方はその彼と仲直りしてから来なさい?いいわね?」
「はい、分かりました部長」
「それじゃ、午後の授業に送れない様にしなさいね♪」
少々真面目な面持ちから一変、優しい笑みを浮かべている表情に戻してからリアスは木場に向かって手を振りながらも、そのまま屋上を後にした。
一人、その場に残された木場は千寿にどのように謝ろうか、と昼休みが終わるまでずっと考えていた。
「センジュ君……」
これにて第二話終了となります。
いかがだったでしょうか?
この物語自体が原作そのものから乖離しておりますので、千寿の友人は木場だけにさせてもらいました。
お気づきの方も多いかもしれませんが、千寿の喧嘩の件は有名なあの人の設定と似させていたり・・・