ヒーローと言えば、ウルトラマン派のジョード(筆者はデビルマンが好き)。
だから、仮面ライダーっぽい赤龍帝の鎧はお好みじゃない。
矢はどうしよっかな、と思ってます
短いような、長いような夢はまるで蝋燭に灯った炎のように呆気なく終わった。
すっかり忘れてしまっていると思っていた、俺の小さい頃の思い出。こないだ見た夢の中ではリアス先輩の兄貴のサーゼクスが出てきた。
俺が生まれてはじめて、俺の中に宿っている力に頼ろうとしたときは俺の身体はボロボロでトサカ野郎とトサカ野郎にぴったりなマジシャンズ・レッドなるスタンドに一方的にボコられていた。
俺を兄ィと慕うダニーの期待に応えられなかった。
兄貴と言えば、先輩の兄貴のように余裕を持って兄弟や家族を護るもんだと俺は思う。一人っ子でお調子者なチェザーレが兄貴かと言われればそうじゃない。
理想の兄貴像ってのは、オヤジなんじゃねえかって思う。憎たらしいといえば憎たらしいが、あのトサカ野郎やオヤジの名が出れば懐かしそうな顔をするグレイフィアと言うメイド。
《よォ、まだ眠っているつもりか?》
『赤いソイツ』ーーはまるで人間のような姿をとって座っていた。はじめての邂逅から敗北した時も一緒だった、こいつを知っている。俺の左腕の中に期せずして入っていた、赤い龍のドライグ。
「眠っている暇はない。俺は一刻も早く、アイツをブチのめしに行かなきゃならねえ。リアス先輩を泣かせたんだ、それだけでヤツを殴る理由がある」
《……変わらないねえ、先代の一人と。先代も同じような理由をもっていたよ、数が多いから、そのうちの一人だがな》
懐かしそうな面持ちで語る、ドライグは椅子から立ち上がった。立ち上がってみれば、ドライグは俺より背が高い。
いや、俺が小さいのか?
《その先代は死ぬまで俺を押さえつけていたな。面白いヤツだったよ、それにお前と同じように波紋を覚えていた。スタンド、というお前やあのフェニックスが使っていたものを使っていた》
「それって、どこのどいつだよ。まんま、前までの俺じゃないか」
懐かしそうなドライグの話の中に登場する、その所有者は少し前の俺のようだ。俺の今の服装はアーシアと別れたときの服装。アーシアと、別れたときの服装……?
《気づいたか?今のお前の状態を。そんなんじゃあ、不死身の存在は倒せない》
不死身と聞くと俺の脳裏に蘇る、ジジイの話。全人類を支配しかけていた、人類が文明を築く前に存在していた“柱の男”の特徴。太陽光や太陽光と同じ働きを持つ、波紋でなければ倒せない者達。
「だから、俺はお前に頼んでいるッッ!力を寄越せと!俺があのトサカ野郎に打ち克ち、リアス先輩を取り戻すためにだ。」
周囲に広がる暗雲はまるで、俺が戦闘中に抱えていた不安が靄のように包み込み、霧のような働きを示している。
《……なるほどな、やはり人間は面白い。今まで頼ることすらもしないヤツに頼み込む理由が他者とはな。お前はパワーアップができていない。「白いヤツ」や俺が望んだのに》
ドライグの声は一度低くなり、そして俺の元へと歩いてきてしゃがみこんで俺の頭に手を置く。
ソイツはーーその姿は、俺が小さい頃に大好きだった『スペリオン光線』を必殺技とするヒーローが等身大となっている状態と同じだった。
《本来の最高の力を解放した姿が決まってあるんだが……、今のお前は“殻”を破ったから違うな》
あらためて自分の姿を確認してみると、長ランに学生帽といった戦闘前の姿に戻っている。そして前に立つのは巨大な赤い竜。
背中に感じるのは、『立ち向かう為』の精神が具現化した存在、俺の『スタンド』の姿。
霊長類の『赤ん坊』のような手の長い鉄球を打ち出す姿ではなく、カウボーイのようなカギ爪ロープを持つ『少年』のような姿じゃない。
俺はもう、
その姿は長身の鎧のようなものを纏う、球体関節の腕を持つ存在。『スペリオン光線』を放つ、あの巨人と瓜二つのその姿を俺は知っている。
「そいつも、また教えてもらおうじゃあないか。俺は勝たねばならん、あの野郎に。アイツのスタンドをボコれる手段があっても、アイツのあの炎をボコれる手段がなくては意味が無い」
「まぁ、ある程度は自分でやってみよう」
《その調子だ。お前は力に溺れる、と言うよりは“頼りたがらない”からな。石橋を叩いてわたるタイプだろう?お前》
皮肉っているのか、それともドライグは俺を評価しているのか。一度は俺が大好きだったヒーローの姿を取り、そして元のドラゴンの姿へと戻った。……きっと、ライザーに敗北して自身を消失していた俺を叱咤してくれたんだろう。鎧のようなものを纏う、その姿から俺の左腕にあるものと同様のなに感じるし、あのライザーの炎の攻略法は『十秒ごとに倍加していく赤龍帝の篭手』の能力にあると見た。
波紋をも増強し、鉄球の回転の力を強化した『スタンド』や『波紋』、『回転』、そして『
「慎重、と言ってもらいてぇな。俺は何十も手を持つ男だ、策略はあって困らない。」
《その調子だ、センジュ。お前が俺の力を引き出すには、ソレ相応の対価を払ってもらおう。大きくなるにつれて。それは俺からの大きな選別だ、対価は『これからの可能性』に賭けた……。俺は
意識がハッキリしていくのと同時、ドライグは俺の視界から少しずつうっすらと消えていく。
新しく感じる、目醒めた力は今までの力を感じられない。鉄球を飛ばす第一形態、相手を縛り上げる第二形態。
これは、俺の『覚悟』に退路がないという証拠だ。まだまだ感じられる、『可能性』はドライグが語ったものと同じだ。
さぁ、リベンジマッチと行こうじゃあないか?
ドライグの叱咤がドライグを師匠へと押し上げようとしている件について。