【完】ジョジョは奇妙な英雄   作:ふくつのこころ

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名前:???
パワー:?
スピード:?
持続力:?
射程範囲:?
精密動作性:?
成長性:A

DATA
逞しい肉体をしたスタンドヴィジョンであることと成長性以外が現状では判明。
両手首は二つの身の丈ほどもある十字架に隠れるようなっており、手だけが出ている。
両肩に突き刺さった二本の十字架と下半身が刺々しい膝当てが特徴的なスタンド。
現状では能力は判明しておらず、以前に射程範囲内に入った危害を加える不良たちを叩きのめした。



傍に立つ者②

あの後、俺は学校が終わってから一人で帰ることになった。

特に祐斗が用事がない日は俺は奴と下校している。好きで帰っているわけじゃあないんだが、あいつと帰っていると鬱陶しくなくて大して問題はない。顔が近すぎることが欠点だが、それさえ除けばこいつはただ微笑んでいるだけで俺を怒らせない。

昨日貰った、あのチラシは一体なんだったんだろう?まぁ、いいや。夕麻ちゃんと今からデートできるか連絡してみよう。

携帯電話を取り出し、電話をかけてみる。時間帯的には既に学校終わっているんだろうなぁ、と思ったときに俺の耳に聞こえた無機質な事務的な機械の声。

 

 

『現在、この番号は使われておりません』

 

 

沈黙だった、ショックだった。

どうして突然いなくなってしまうのだろう?せめて、せめて連絡してくれたらいいのに。

なにか俺に非があったのか……?

 

 

「オマエが、士藤千寿だな?」

 

イライラしている時とか、最悪なタイミングで声の主は現れた。

服装から見る限り、学生なのだろう。

先日に俺が相手をし、ナイフを持った奴が俺に不意打ちをしようとして「奇怪現象」によって複雑骨折を起こした奴の仲間なんだろうか?今、お礼参りに来られても困る。俺は今自分で言うのもなんだが怒りを抑えられる自身が無い。

ふと感じたことなんだが、昨日からやけに俺のテンションがハイになる時がある。

主に夜だ。

深夜アニメをたまに見るときがあるが、その『たまに(・・・)」を除けば俺は毎日早く眠っている(寝る子は育つ、と言うのは本当なんだろうか。身長は187だ。高いってもんじゃあない、いくらハーフとはいえ少し不便な時もある)。

 

今、俺は声の主のまわりにいる奴らを相手にしたら手加減できる気がしない。

今の俺はプッツンしちまっている。そして、こんなときや「奇怪現象」が起こるのもまた俺の感情が昂ぶった時なのだから関係があるんだろうか。

ジジイに聞いてみよう、と俺が先程の連絡の後にジジイにメールしたことを思い出せば、俺がこいつ等をスルーしていることを気に食わず、歯軋りしたリーダー格の奴が俺に襲い掛かってきやがった。

手には金属バット、まわりの奴らは鉄パイプ。

そんなものを持って警察に職質されないのか、と気になったものだが俺が考えるより先にそいつらは俺に向かって金属バットと鉄パイプを振り回して襲ってきやがった。

 

剣をやっている祐斗のような、鍛錬を積んだ動きや構えではない我武者羅で狙いを定まっていない動きだ。

こんなものは普段の俺なら簡単にかわす事ができるが、いかんせん今の俺の状態は多勢に無勢。

一人も同然。

そんな状況下では大量にいたら全員の攻撃がかわせるわけも無く、数発急所に叩き込まれて俺は血を吐いた。

 

「が……はっ……」

「ハハハハ!いつかにやられた奴からの仕返しと思え!てめーのような奴がぬるま湯になってしまった風呂につかれるとは思ってんじゃあないぞっ!」

 

 

 

 

「「「フハハハハハハハ!」」」

 

 

煩わしい、笑い声が響く。

それからは一方的なリンチになるであろうことが予想されたので口端を切ったので血を滲ませたまま、近くにいた奴の顎に掌底を叩き込み、気絶させた後に武器の鉄パイプを奪取する。

リーチは祐斗が普段使っている竹刀ほどリーチがあるわけじゃあないんだが、たまにアイツの試合や鍛錬をしているところを見させてもらっているので、見様見真似とは言わないが真似はそれなりに出来る。

素人より上手く、プロには負けるレベルの剣。

それだけの技術でただ闇雲に鉄パイプを振り回すだけの不良には丁度いいらしく、他の奴らの頭を両手で掴んで互いを正面衝突させた後に軸にして回し蹴りを食らわせる。

 

連れてきた人数が少人数だったおかげだろう、そんなに酷い怪我をしていない。

あとは金属バットを持ったアイツだけ。

アイツさえ叩いてしまえば通報を受けて警察が来るその前に叩きのめしさえすれば、そのままとんずらしてしまえば俺には何の非もない。

 

「あとはオメーだけだ。」

「怪物的な強さだな、士藤千寿。俺の手下から聞いた話じゃ、今付き合っているらしい女も絡まれているところを助けに入ったそうじゃねえか?」

 

俺にはアイツの言葉が耳に入らない。

別の単語だけが、忌々しい単語だけが俺の耳の中に脳裏に残って剥がせない。

 

 

 

“怪物”。

 

 

遠い昔、神父風貌に言われた言葉と似たような意味を感じさせる。

俺を助けてくれた金髪シスター。

アイツは俺を助けたばかりに殺されそうになった。

俺が、怪物であるばかりに。

俺のせいで……。

 

 

「クク、終わりだッ!以前と同じような、以前と同じような時間と耐性と状態で死ね!士藤千寿!」

「!?」

 

ハッと我に返り、奴の言葉が俺を包んでいたシャボン玉を割る。

そして振り返ると、そこには俺を以前にこの状態に近い否、この状態そのままをまるで再現するようにナイフを構える手下の奴がいた。

俺に突き刺さんとするナイフはソイツが両手で握っていて後、数センチのところで俺の身体に刺し込まれてしまいそうだ。

 

ここで終わってしまうのは、それはそれで『それもまた運命なのだ』と認めてしまうのもいい。

俺は決して諦めない!……なのに、何故だ?何故身体が動かない?俺はオッパイが好きなだけの性欲旺盛な華の高校生。

それの……それの何が悪いんだッ!

金髪シスターに会う!そして礼を言う!まだ食べたことの無いラーメン屋を巡る!夕麻ちゃんとまたデートする。

血を吐いても、ボロボロのズタボロになってしまっても……俺は生きる!生き残りたい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“『生きたい(・・・・)』んだよーッ!”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんだァーッ!?俺の腕がひしゃげてナイフが『折れて(・・・)』やがるッ!いてえよ!いてえよ、大山田さん!」

 

俺は覚悟を決めて立ち往生をすることにした。

目を閉じて死んでなんかしてやらん。

あくまでも俺らしく。

オッパイが好きであることを堂々と発現することの出来る俺らしく死んでやるのだと覚悟した。

一瞬、世界が止まった気がしたが何も起こらなかった。

ただ、ただ俺の眼前で起こっている光景は目を疑うものだけだった。

 

『俺をナイフで突き刺そうとした奴の手がひしゃげている』。

 

何があったのか分からなかったが、俺にも何が起こったか分からなかった。

俺にわかることは「奇怪現象」が起きて、俺を刺し殺そうとした奴が痛さのあまりに悶え叫んでいることと俺の目の前に見える“(ヴィジョン)”。

 

両肩に突き刺さった十字架。

身の丈ほどある十字架は手が突き出ている為に手首を上手く覆い隠しており、その大きさは異常だ。

下半身はまるで武装をしているようであったが、なにより目立つのは刺々しい膝当て。それすらも違和感を感じさせないのはコイツが筋骨隆々の逞しい肉体をしているからなのか。

 

 

 

 

だけど、俺はこいつを『知っている(・・・・・)』。

こいつが何であるかを。

どんなものかは分からないが、俺はこいつを知っている。

 

「ま、また起きやがったな!?『奇怪現象』!何度も、何度も起きてよォ!ブッ殺してやるぜ!」

 

俺の前でナイフ男がバタッ、と倒れてしまった後に聞こえる震えるような声。

ゆっくりと。

ゆっくりと俺は目の前の“大山田”とナイフ男が呼んだ男に近づいていく。

 

“像”を従えながらだ。

 

 

「お、おい!此処は見逃してくれよ。な?」

「だが断る。」

「そ、そんな事言わないでな!?千寿さん、俺、あんたのことを見くびってたぜ。なぁ、頼むよー。俺らについてくるんなら、イイ女紹介するしさぁ。ボンッキュッボンだぜ?」

 

突然媚びるように俺に命乞いを始めやがった。

俺は悪魔だ、堕天使だって風に言って騒ぎ出すやつらのことも気に食わないが、こんな風に弱者を食い物にして、そして自分がピンチに陥ったときに命乞いをするような奴も気に食わん。

 

だから、俺は何も言わずに“像”を大山田の奴と俺の前に立たせてスゥゥゥゥと息を吐いてから息を吸い込んだ。

本能で理解している、俺がやるべきこと。

 

 

 

「ゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴラ、ゴルァ!」

 

思い切り俺は奴の顔に“像”によるラッシュを叩き込んでやった。

さすがにやりすぎてしまうと過剰防衛になってしまうので、ある程度力を加減しつつ顔に食らわせてやったのだ。

ボロ雑巾同然になった大山田やその他の手下を放置し、警察の姿とパトカーの音が遠くから(・・・・)聞こえてきたので、俺は“像”を収納して大急ぎで全力疾走で走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ほう?大したパワーだ。だが、なんだ?“はぐれ”なのか?誰の眷属なのかは知らんが、とてつもなく強大な力が感じられるな・・・」

 

スーツ姿の男は先程の奇妙な風体の使い魔のような物を使役し、不良を一掃する学生服の少年の戦いの一部始終を眺めていた。

最初は完全に形勢が不利でいつ彼らにリンチで殺されてもおかしくない状況にあったというのに少年がリーダー格の不良のオオヤマダとやらと僅かな会話を交わしている間に不意打ちとしてナイフを持った少年に奇襲された時、あと僅かでナイフが刺さるというのに学生服の少年は『覚悟』を決めたのかナイフを恐れて目を閉じるのではなく、あえて目を見開いて自分の運命を受け入れようとしていた。

 

少年が運命を受け入れたときに突然、彼の中から現れた十字架が肩に突き刺さり身の丈ほどもある十字架から手を突き出している、筋骨隆々の偉丈夫が現れて手で軽くナイフ男の腕をひしゃげさせてしまった。

今までにこのような使い魔が現れる現象をスーツ姿の男は見たことが無い。

誰かの眷属であるならいざ知らず、“はぐれ”であるのなら見逃すわけにはいかない。

“はぐれ”の身にして、あんな強力な力を持った偉丈夫を召喚できるなんて有り得ないし、いずれ脅威となるからだ。

 

 

「……悪く思うなよ、小僧」

 

“悪魔”の脚力で地面を蹴り飛ばし、その場から去ったスーツ姿の男は小さく呟いた。

ただ、一つ彼が見逃していたものがあるとするなら・・・・・殴ったりするたびに十字架に『ひび』が入っていることだった。

 

運命は少しずつ、迫り来る――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第三話、いかがだったでしょうか?
ここでの千寿のモノローグにおける“ジジイ”とは殆どオリジナルキャラクターのようなものであり、ジョジョにおけるジョセフと似て非なる存在です。
主人公がスタンドに目覚めたきっかけとなったのは第三部におけるDIOが目覚めたからでなく、自ら『覚悟』を決めたために発現した生まれつきのものとなっております。

ハイスクールD×Dの皮を被っているだけのような本作。
本作は本来の正史なら救われる筈の無かった者が救われ、関わりの無かったはずの者と関わりを持っているなどと半オリジナル作品となっています。
スタンド能力以外にハイスクールD×Dの重要な要素たる、神器についてはまた主人公に与えようと思うのですが、此処で一つ皆様に案をいただきたい。


千寿にセイクリッドギアは必要かどうかを!

あらすじを書き換えようと思っていましたが、ちゃんと主人公がモノローグであらすじ詐欺をしていなかったので書き直さなくてヨカッター!と思った私。

今回もご愛読アリガトウゴザイマス!

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