リアスが来るより先に眷属悪魔に成り立ての身で堕天使をスタンドで撃退してしまったんですけど、果たして千寿に神神器は必要なのか、なんて考えてしまったり。
スタンド名は原作のジョースター家らしく、鉱石の名前を付けようかと。
あと能力、時間関係の方が良さそうですよね。
ライザー戦、このへんで能力を出すのもいいかもしれませんが、ラスボスでもないので切り札っぽくやるのはやるせない感があります。
禁手はまた別で作るのか、それともキラークイーンみたいに覚醒させるのか。
法王の緑の戦いが、始まる!
意識を失った後、不思議な夢を見た。
「君は……?」
聞いた事が無いはず。けれど、それでも懐かしさを声の主から感じる。自分より大柄な肉体、二メートル近くはあるだろうか?
背が高く大柄で爽快な青年のイメージを持たせる。顔が見えないことが難点だが、それさえ除けば不思議な暖かさが身体中を広がってゆく。
一度も出会った事が無い、おそらく男であろうが安心感のある声だ。堕天使を『
「そうか、“君”なんだね?その痣を見て分かったよ。不思議だなぁ、この感覚」
もやがかかって見えないが、彼はきっと笑いかけているんだろう。大柄な身体を持つので何か突っかかってくるんじゃないか、と身構えていたが決してそんな事は無かった。着ているものは夏場で着るタンクトップ。ちょうど、祖父のジョセフと同じ位置に星型の痣がある。
駒王学園指定の制服では完全に隠されているので、プールや肌を現す機会がある更衣のときでなければ他人には見えないだろう。
「そろそろ起きなきゃいけない時間みたいだね?さぁ、朝だよ。君は起きる時間だ。僕は何時でも見守っているからね」
「テメェ、何者なんだ?」
意識が戻っていく為なんだろうか、目の前の男の身体が光っていって消えてゆく。遠い昔にいなくなってしまった父親とまた違う、別の懐かしさだ。せめて消えていく前に、ということで千寿は男に尋ねた。
「なんか、ちょっと好戦的だね?でも、紳士的なところもあるようだ。僕は・ョ・・ン・ースター。君の……だ。」
「んだよッ!?聞こえねえぞ!?はっきり言えよ!」
手が光りだしているのでそれに気がつくと、身体もまた大柄な男と同じように光り始めている。どうやら、光っているように見えるだけで実際には自分の身体が光っているようだ。
誰かが呼んでる声がする。そろそろ、彼の言うとおりに“朝”が来るようだ。
こちらに手を振って笑顔を向けてくれる。
最後まで男の名前はわからなかった。
☆
「……!……ん、ュくん!」
長い夢を見ている気がした。
奇妙な夢だった。その夢には大柄な男が出てきて、俺に話しかけているものだった。こころなしか、ジジイに似ていたり写真だけでしか見たことがないオヤジに似ていなかったが、お袋には似ていた。
俺は確か、あのヘンな野郎をぶっ飛ばして……?
「よかった、生きてた!私のこと、分かる?」
視線に入ったのは紅い長い髪に豊満な肉体の……リアス・グレモリー?
何故、リアス・グレモリーが此処に?以前の俺ならいざ知らず、手放しで喜んだんだろーが、今の俺は喜ぶ気にもなれねえ。
それに、どうして全裸でその雪のように白い肌を曝け出してやがんだ?俺は地面の上に寝ているはずだったんだが……。
「起きたかの?ジョード?」
俺の部屋の開いた扉のところで凭れているジジイが俺に声をかける。
俺が夢に見た、あの二メートル近い男と同じくらいの背丈であるが、それほど筋肉があるわけではないらしい。
若い頃、“柱の男”なんて奴らと戦ったらしいが、正直話半分なんじゃないかと思っている。
今の様子と当時の様子を知っている、おばあちゃんに聞いた様子じゃあ全然違う(ジジイに心底べた惚れらしく、今の様子より美化されているような・・・、そんな話し方だった)感じがする。
ただ、リアス・グレモリーの前でその名前を呼ぶな。
「聞いたぞ、ジョード。この綺麗なお嬢さん、リアスちゃんがお前の“センパイ”じゃと?羨ましいのう、ワシもあと少し若かれば……」
「ウフフ、お世辞が上手いですわ、おじい様。私もセンジュ君も用意してから向かいますね?」
「おお、うちの馬鹿な孫を頼んだぞ」
ジジイが思わせぶりに去り際に俺にアイコンタクトを送ってきやがった。
――――――お前好みの、大きな胸をした女の子じゃのう?
なんで俺はジジイにちーせー時にアイコンタクトなんてのを習ったんだ?ガキの考えることは良く分からん。
「……余計なお世話だ」
「え?なにか言った?」
俺の隣でリアス・グレモリーが首を傾げる。全裸の豊満な胸をした赤い髪の美少女。少し首を傾げるだけで揺れやがる。中世ヨーロッパの貴族は全裸で眠ったそうだが、溢れ出る高貴そうな雰囲気はリアス・グレモリーが上流階級出身でそこの令嬢だ、と言われても俺は信じてしまいそうだ。
「何にも言ってねえよ」
「そう?じゃあ、そろそろ用意しなきゃね?私の学校の用意は部室に置いてあるし、色々話さなきゃいけないから」
どうも、
気にいらねえ奴をやりすぎるくらいにぶちのめし、祐斗くらいしか友人がいなくて、マズい飯を出すレストランにはテーブルに代金を叩きつけて帰る俺でも、こいつの言うことが何かは分かっているつもりだ。
「そうそう、一応、お母様やおじい様には一応、話しておいたわ。あと、だめよ?センジュ。おじい様のことをジジイなんて言っちゃ。」
「良いだろうが、その辺は俺の勝手だ。それに向こうも俺のことをバカ孫っつーわけだし。」
「それでも……っ!」
「詳しい話は後だ。母さんが朝飯を用意してくれている。早く着替えろ」
ベッドから起きて学校に行く用意を始める。
今日の時間割の教科書を制カバンに詰め込み、制服へと着替える。
誰だったか覚えてねーが、近所で仲の良かった俺より年上のいわゆる、『おにーさん』でセンパイに当たる男が俺にくれた長ランの方がどうもしっくりと来る。
別に駒王学園の制服が気にいらねーわけじゃあないが、俺には合わない気がするのだ。
「ちょ、ちょっとセンジュ!?制服は学校の奴を着なきゃ……!」
「ちゃんとこれは学校に届出を出している。それに、俺の
「そ、そう。届出を出しているのなら、何もいえないわ。私、待ってるわね」
リアス・グレモリーは着替えるのが早いのか、すでに制服に着替え終わっていた。
やれやれだぜ、健全な男子高校生の着替えているところを覗くなんて趣味がお前にはあるのか?
「あっ、ご、ごめんなさいっ!」
「謝らなくったっていい。アンタは早く行け。ほら、母さんが話したそうにウズウズしてやがる。」
扉の近くでソワソワとしながら、リアス・グレモリーを待っている、お袋の方を指差せば顔を紅くしながら、
「リアスちゃん、センジュが着替えているのを見るのは構わないけど、先に食卓についていなさいな」
「はい、お母様」
なんて言って俺に小さく手を振ってリアス・グレモリーはお袋の後を付いていって俺の部屋から出て行った。
自分で言うのもなんだが、アメリカンフットボールの選手みてーな大柄でがっしりした体形をしている。
お袋は「おじいちゃんに似たのね」なんて言って喜んでいたが、昔から病弱だった手前、今のように健全な身体になれたのは正直に言って嬉しい。
同年代よりも筋肉が多いのがアレだが、それさえ除いたら特に生活に支障はないから逆に過ごしやすい、ってとこか。夜に力が増してしまって、昼間の太陽がニガテになるなんつー吸血鬼染みた体型になるのは勘弁だ。
「……そろそろ行くか」
着替え終えた俺は長ランの裾をひらり、と揺らめかせて部屋を後にして食卓に向かった。
☆
「それにしても、リアスちゃんは日本語が上手なのねぇ?」
「ありがとうございます。父の仕事の都合で日本に来ることが多くて……」
「それに可愛いし礼儀正しいからのう。リアスちゃんなら孫娘に欲しいくらいじゃ。うちの孫だったらよかったのに」
「そんな、買いかぶりすぎですよ!」
先ほどから、ずっとこの調子だ。
お袋の質問は『世間話』で済ませりゃあいいかもしれねーが、ジジイの目がリアス・グレモリーの胸のほうに行っているのはリアス・グレモリーの隣に座っている俺が分かるんだから、おそらく気がついているんだろう、当の本人は。
それでも嫌がる素振り一つ見せない辺り、ジジイの言うように『礼儀正しい』からか否か。
もしかすると仮面でも被ってんじゃねーか、って思っちまうな。
「のう?バカ孫よ?」
ジジイがニカッと笑って俺に振ってきやがった。
お袋やリアス・グレモリーの視線が俺に集まってきやがる。
不思議なもんだ、リアス・グレモリーの視線が集まってきやがる。
やれやれだぜ、こっちは最後の楽しみに取っておいたダシ巻き卵を楽しんでいる最中だってのに。
してやったり顔が地味に腹立つぜ、ジジイ。
ということで俺はジジイのダシ巻き卵を素早く取ってやった。
「あーッ!?ワシのダシ巻き卵がッ!?」
頭を抱えるジジイを見て俺は、いつも俺から一本とってやった、と言わんばかりにするドヤ顔と共に言う、
「次にお前は、『よくも、ワシのダシまき卵を取ってくれたな!?このバカ孫がッ!』と言う!」
「よくも、ワシのダシ巻き卵を取ってくれたな!?このバカ孫がッ!……ハッ!?」
自分が言われる時はシャクだが、自分が言ってやるのには最高の台詞だな、ジジイ。
俺が手も足も出ねー時に好き勝手しやがった野郎の所業をメモっていた時に使ったことがあるが、そのときの奴の顔もまた見物だったな。
アイツの場合はザマァミロって感じだったが……。
「ちょっと、センジュ君!?おじい様にお前だなんて……!」
「いいのよ、リアスちゃん。パパと千寿にとっては、これが『
俺に食って掛かろうとするリアス・グレモリーをお袋は制する。
いっつもベタベタしやがって、とか言って悪かったと思っている。
さて、ジジイが俺に対してまくし立てているが聞こえない振りをしておこう。
また絡まれるのもマズイ。
このジジイ、老いてやがる癖にそこらのチンピラより手強いと来た。認めたくはねーんだが、このジジイの教えによって助かったこともあるんだから、
「……ご馳走様。歯ァ磨いてから、学校行って来る。」
「大体お前は……。なんじゃ、もう、そんな時間か。ジョード、お前の学生カバンにリアスちゃんと
「だからジョードと呼ぶんじゃねえってんだ。……ああ?なんでカバンに」
「いいから。早くとっとと行け、バカ孫が」
どんだけ俺が羨ましいんだよ……。
スージーQおばあちゃんにちくっても良いんだな?そうなんだな?ジジイ?
俺が食器を持って流し台へと持って行った後、リアス・グレモリーとジジイとお袋が何か話していたが、まにあわねーようにしないと教師がまた面倒臭ェ。
さっさと歯ァ磨いて学校行くとするか。
☆
私がジョード・ジョースター又は士藤千寿と過ごして分かったことはまず、『そんなに悪い子じゃない』ってこと。
少し口が乱暴で私のことを先輩と思っているのかすら分からないけど、『転生』させる時に私が持っている
転生してそんなに経たないうちに堕天使を撃退してしまうことでさえも規格外だって言うのに、傷の治りが早かったり、彼まで全裸にならなくても私が全裸になって抱きつくことで魔力を供給するようにするのはラクだったけど、おじい様に見つかったときの説明が手間取ったわね……。
「そういえば」
「なんじゃ、リアスちゃん?」
「ん?なに、リアスちゃん?」
「センジュ君のお父様って、どんな方なんですか?センジュ君の机に飾ってある写真を見させて貰ったんですけど、おじい様やお母様、おばあ様は映っておられたのに・・・」
そのとき、センジュ君のお母様やおじい様の動きが止まった。
おじい様に至っては箸を両方とも落としてしまい、カランカラン、と皿の上に落としてしまう始末。
そこまで聞いてはいけないことだったんだろうか?だとしたら、悪い気がする。
「千寿の父親はのう……。」
センジュ君を『ジョード』と呼んでいた、おじい様が『センジュ』と呼び方を変えた。
先ほどのセンジュ君とはしゃいでいる(彼の顔は無表情だったけれど)様子と違って真面目な顔になった。
こうしていると、センジュ君と……凄く似ている。
「パパ、もう良いわ。私が話す。センジュの父親はね、失踪してしまったの。」
もしかして、
「そうなんですか。ごめんなさい、変なこと聞いてしまって。」
「いいのよ、リアスちゃん」
「そうじゃ。ホリーも気にしておらんし、ワシものう。それに、センジュがあのように愛想が悪いと気になってしまうのは当然のことじゃ。あんな奴じゃがのう、内に秘めた心の中にはきっと『黄金の精神』が宿っておるはず」
笑って許してくださった、おかあ様。
冗談交じりにウィンクして怒っていないことを示す、おじい様。
この人たちは凄く良い人だ。
『黄金の精神』のことについて気になったが、歯磨きを終えたセンジュ君が私とおじい様とおかあ様を凄い睨んでいた。
『いつまで喋ってんだよ。早く行かねぇと遅刻すんだろーが?』
少なくとも、私にはそういっているように見えた。
☆
登校中。
俺はあれこれ、リアス・グレモリー最近の様子について聞かれた。
数が多かったのでいくつかをリストアップしておこう。
『最近はよく眠れるか』
『何か変わったことはないか』
『食事がちゃんと摂れているか』
『人間関係が上手く行っているか』
……覚えているのは、だいたいこれくらいだ。
人間関係、ってところで
あんなことを言っちまったら、話しかけ辛いじゃねえか。
祐斗の奴は確かに良い奴だ。
だけど、俺は知っている。アイツの『プライド』が高いことを。爽やかに振舞いながらも、どこか裏があるような。
そんなところがあるからなのか、うるせー女はあいつの姿が見えるたびにギャーギャー言っている。
「センジュ君?聞いてるの?」
「あ、ああ……」
どうやら、リアス・グレモリーは俺に話しかけていたらしい。
考え込んじまっているせいで話を聞いていなくて、機嫌を悪くさせたようだ。
やれやれ、女ってのはうっとーしい奴も大概だが、相手にしねーと更に面倒な事になるようだ。
そーこーしているうちに駒王学園に到着した。
「きゃー、リアスお姉さまと士藤よー!」
「どうして、あんな不良とリアスお姉さまが……。」
リアス・グレモリーと俺のほうを見ながら何人かの女子生徒がざわざわと騒ぎながら、こちらを見てヒソヒソ話をしている。
鬱陶しい……。
「うっとうしーぞッ、このアマ!」
「きゃー!士藤が怒ったわー!」
「素敵!もっと怒って、士藤!」
一喝入れておいた。
きゃー、とか言って逃げていくくせに頬を赤らめるな、畜生。
「じゃあ、俺は此処で。」
「あ、待って!放課後、使いを送るから!」
リアス・グレモリーの声を背に俺は教室へと向かうことにした。
やれやれ、人だかりが出来ているから早く去りたいってのもあるんだがな。
☆
感心したと思ったら、女の子に向かって「このアマ!」はないんじゃないかしら!?
でも、そんなにみんな嫌がっているわけじゃないし……。
不思議な子もいたものねぇ。
私の大切な下僕たちは個性的だけど、ここまではないんじゃないかしら?
「じゃあ、俺は此処で」
「あ、待って!放課後、使いを送るから!」
先に行ってしまった。
何をそんなに怒っているのかしら?
私、何かしたっけ?
……あっ。
センジュ君を待たせていたわ。
以上となります。
歩兵の駒がリアスの持ち合わせているものでもセンジュを足りなかっ為、『台無しの駒』なるものを登場させてみました。
言ってしまえば上に何にも乗っていない台座のようなものです。
そんなものが必要になるくらい、消費しなくてはいけない所を見ますと、原作の承太郎を眷属悪魔にするとしたら、駒が大量にいるんじゃないでしょうか?
スタープラチナや承太郎のスペックと良い、時を止める力と良い。
半端な数の悪魔の駒じゃ足りない気がするんです。
今回もご愛読ありがとうございました。