TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~ 作:地味子好き
(おかしい…。この教室に…、何かが足りない。)
セシリア・オルコットは授業を受けながらそう感じる。
キーンコーンカーンコーン
授業終了のチャイムが鳴ると、彼女は教室を見回した。
「一番右の列…いつも休み時間になると誰かいたような…。」
神妙な顔つきをしているセシリアに対し、一夏は何かを察したかのように話しかけてくる。
「なぁセシリア。さっきからどうしたんだ?教室を見回したりして?」
「い、いえ。教室に何か違和感があるな…と。」
「違和感?」
と、一夏もまたキョロキョロと教室を見回した。
そして、一人の女生徒を呼ぶ。
「のほほんさん。ちょっといいか?」
「どしたの?おりむ~。」
布仏本音。一夏は教室のことなら一番詳しい彼女が最適と考えた。
「今日、なにかこの教室にあったか?」
「ん?いや。ふゆふゆが今日休んでることぐらいかなぁ…。」
「「ふゆふゆ?」」
二人の声が重なる。
「うん。ふたりとも気づいてなかったの?四番の天利冬香。体調悪くて休みなんだって~。ちなみに今日で二回目だよぉ。」
いっつもお菓子くれるんだぁと付け加える。
「そうですか…。布仏さんありがとうございますわ。」
「ありがとな。のほほんさん。」
一夏は本音の頭をなでる。
「えへへ~。どういたしましてだよぉ~。」
そういって、本音は席へ戻っていく。と同時にチャイムが鳴った。
(天利…冬香。あまり記憶にありませんがあの眼鏡をかけているおとなしそうな子ですわよね…。あの子に何かある…?)
セシリアは深く考える。しかし、彼女が自分の目標であるという答えにはたどり着かなかった…。
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~IS学園・地下~
「そろそろ訳を説明しろ。」
「何がだい?」
束はとぼける。
「彼女とそのISだ。」
「ふゆちゃん?いい子だよね~。束さん大好きだよ!」
「ふざけるな!」
ガンと束の寄りかかる壁にひびが入るほど強く拳を打ち付ける。
「彼女を見てみろ!さっきまで心肺停止と再鼓動を繰り返していたんだぞ!
「…束さんからはまだ言えないよ。そう。まだ今はね。」
「…束。お前は彼女に
千冬は束へ、より一層鋭い視線を向ける。
「人を超える研究…。その成果の抹消って言ったら?」
「なッ…!?」
人を超える研究の成果の抹消。その言葉を聞き、千冬は驚愕の表情を向ける。
「ま、ふゆちゃんは束さんをいろいろ楽しませてくれるからね~。まだそんなことはしないよ。」
トントントンと束の歩く音が響く。それに追従するかのように千冬も歩き始めた。
そして止まった先は…。
「暮桜…。」
千冬はつぶやく。
「あの時の戦い。ふふっ。懐かしいなぁ。あの時の箒ちゃんにふゆちゃんをぶつけてみたいよ。」
「あいつなら、赤月に勝てたとでも…?」
「さぁ。わからないね。まぁ、ふゆちゃんも人じゃないから分かんないけどね。」
束は笑顔を浮かべる。とても、とてもすがすがしい笑みを…。
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~数日後~
「これで検査は終わります。いや、見たところ異常はなくて本当に良かった。」
カエルみたいな顔をした医師が私へ診断結果を渡してきた。
学校を休んでの数日間の検査。その時間は私、天利冬香にとって退屈なものだった。
ユライヒ。そう名乗った神によって、なんともないことは分かっていたから。
「ありがとうございます。先生。」
「明日から普通に登校しても大丈夫ですよ。」
「はい。」
そう言って、私は病院を出た。モノレールへ乗り、IS学園前駅へと揺られていく。
IS学園駅前には千冬さんが出迎えてくれていた。
「千冬さん。待っててくれたんですか?」
「ん、まぁな。結果は?」
「なんてもないそうです。」
「そうか…。なぁ、天利…。」
「ん?なんですか?」
「もし、…いやなんでもない。」
「なんですか?教えてくださいよ。」
「本当に何でもないんだ。気にしないでくれ。」
…なぜか、そう言った千冬さんの目はどこか遠いところを見ているようだった…。
まず、IS12巻読んでないとわからないネタを入れてしまい申し訳ありません。
12巻はすごかったですね。他作品なら最低でも三巻分の展開を一巻に収めている気がします…。
しかし、まぁいろいろ書いてありましたね・・。
11巻のあとがきで弓弦氏がISの設定資料集を出したいみたいなことを書いていましたが、販売されたら即買いに行きますね…。
FSS:designsみたいな…。
感想等、よろしくお願いいたします。