TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~   作:地味子好き

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学園編⑥

(おかしい…この教室に…何かが足りない気がしますわ)

 

セシリア・オルコットは授業を受けながらそう感じる。

 

キーンコーンカーンコーン

 

授業終了のチャイムが鳴ると、彼女は教室を見回した。

 

「一番右の列…いつも休み時間になると誰かいたような…」

 

神妙な顔つきをしているセシリアに対し、一夏は何かを察したかのように話しかけてくる。

 

「なぁセシリア。さっきからどうしたんだ?教室を見回したりして?」

 

「い、いえ。教室に何か違和感があるな…と。」

 

「違和感?」

 

と、一夏もまたキョロキョロと教室を見回した。

 

そして、一人の女生徒を呼ぶ。

 

「のほほんさん。ちょっといいか?」

 

「どしたの?おりむ~。」

 

布仏本音。一夏は教室のことなら一番詳しい彼女が最適と考えた。

 

「今日、なにかこの教室にあったか?」

 

「ん?いや。ふゆふゆが今日休んでることぐらいかなぁ…。」

 

「「ふゆふゆ?」」

 

二人の声が重なる。

 

「うん。ふたりとも気づいてなかったの?出席番号4番の天利冬香。体調悪くて休みなんだって~。ちなみに今日で二回目だよぉ」

 

いっつもお菓子くれるんだぁと付け加える。

 

「そうですか…。布仏さんありがとうございますわ」

 

「ありがとな。のほほんさん」

 

一夏は本音の頭をなでる。

 

「えへへ~。どういたしましてだよぉ~」

 

そういって、本音は席へ戻っていく。と同時にチャイムが鳴った。

 

(天利…冬香。申し訳ないですが顔も声もパッと出てきませんわね…。体調不良、風邪でしょうか…)

 

セシリアは深く考える。しかし、彼女が自分の目標であるという答えにはたどり着かなかった…。

 

 

 

 

 

―――――

 

IS学園の地下深く、特別区画。

そこにあるのは一体の石像、そして因縁の二人。

 

「そろそろ、納得のいく説明をしてもらおうか」

 

「何がだい?」

 

千冬の問いに束はとぼける。

 

「彼女とあのISについて」

 

「ふゆちゃん?束さんは大好きだよ!ちーちゃんもあんなに怒ってもらえるのなんて久々だったよね?好きになっちゃった?」

 

「ふざけるな!」

 

ガンと束の寄りかかる壁にひびが入るほど強く拳を打ち付ける。

 

「彼女を見てみろ!さっきまで心肺停止と再鼓動を繰り返していたんだぞ!ヒ(・)ト(・)だ(・)っ(・)た(・)ら(・)死(・)ん(・)で(・)い(・)る(・)!!」

 

「当たり前じゃん。だってあの子はちーちゃんと同じ人じゃない(ばけもの)なんだもん。だから束さん、あの子のことがだ~い好き」

 

「…束。お前は彼女に何(・)を(・)求(・)め(・)て(・)い(・)る(・)ん(・)だ(・)?」

 

千冬は束へ、より一層鋭い視線を向ける。

 

「人を超える研究…、その成果の抹消って言ったら?」

 

「……」

 

千冬は、あの夜彼女から感じた違和感が少しずつ現実になっていくのを感じた。

 

「ま、ふゆちゃんは束さんをいろいろ楽しませてくれるからね~。まだそんなことはしないよ」

 

トントントンと束の歩く音が響く。それに追従するかのように千冬も歩き始めた。

 

そして止まった先は…。

 

「暮桜…」

 

千冬はつぶやく。

 

「あの時の戦い。ふふっ。懐かしいなぁ。あの時の箒ちゃんにふゆちゃんをぶつけてみたいよ」

 

「あいつなら、赤月に勝てたとでも…?」

 

「さぁ。わからないね。まぁ、ふゆちゃんも人じゃないから分かんないけどね」

 

束は笑顔を浮かべる。とても、とてもすがすがしい笑みを…。

 

 

―――――

 

数日後、IS学園と提携している外部の医療センターで私は検査を受けていた。

 

「これで検査は終わります。見たところ異常はなくて本当に良かったですね」

 

30代くらいだろうか。既にベテランの雰囲気を醸し出した医師が私へ診断結果を渡してきた。

 

学校を休んでの数日間の検査。その時間は私、天利冬香にとって退屈なものだった。

そう名乗った神によって、なんともないことは分かっていたから。

 

「ありがとうございます。先生」

 

「明日から普通に登校しても大丈夫ですよ。」

 

「はい」

 

そう言って、私はセンターを出る。

 

目の前の駅からモノレールへ乗り、十数分、海を眺めながらIS学園前駅へと揺られていく。

 

駅前には千冬さんが出迎えてくれていた。

 

「千冬さん。待っててくれたんですか?」

 

「ん、まぁな。結果は?」

 

「なんてもないそうです」

 

学園への道を二人で歩きながら進んでいく。

 

無言―少し気まずかった。

 

「あ、あの、千冬さん」

 

私は勇気を出して声を出す。

 

「本当に、すみませんでした。私は、私は……自分のことが、もう……」

 

うまく、言葉がでなかった。言おうとするほどにどんどんと口調はたどたどしくなってしまう

しかし、私の顔は千冬さんをしっかりと見つめていた。せめてもの気持ちが伝わるように。

 

そして深く頭を下げた。

 

「冬香、顔を上げてくれ」

 

ポン―と肩に千冬さんの手が置かれる。

 

「私の方こそ、すまなかった。お前が言ってくれた通りだ。あの時の私はおかしかった。一夏のことも、お前のことも。私がもっと前に束に言っていればよかったんだ。そうすればお前がこんなに傷つくこともなかった。……たとえお前が何者だろうと、私はお前を信じる。今後ともよろしくな」

 

そう言ってくれた千冬さんの顔は、とてもやさしかった。

 




方向性のすり合わせってやっぱり大変ですね。
最初からこれっていうプロットを作らないと。
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