TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~   作:地味子好き

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クラス対抗戦編①

激動の四月を乗り越え、五月になった。

新入生という気分も取れはじめ、学園生の心はクラス対抗戦へと移り始めている。

 

さて、私がぶっ倒れて検査がすべて完了するまでの約一週間、IS学園に来ていなかったわけだが…。

 

相変わらずクラスの皆は一夏に夢中。私を心配してくれたのは簪ちゃんとのほほんさんだけだった。

 

「私って、そんなに存在感ないかなぁ…」

 

「どうしたの?いきなり?」

 

となりで一緒にテレビを見ていた簪ちゃんがこっちを向く。

 

「いや、1週間も休んだのに思い返せば声かけてくれたの簪ちゃんとのほほんさんしかいないなぁって」

 

「のほほん…?あ、本音ってそう呼ばれてるんだ」

 

「うん。のほほんさんはみんなと仲いいからね。私もそうなりたいよ…」

 

さて、現状説明が遅くなってしまったのでいろいろと。

 

クラス代表選は明日の月曜から。そのため鈴への貧乳発言はもうとっくに終わっている。

それと、私は今日一日千冬さんのところで黒薊の解析をしてもらっていた。

 

『月詠』

 

それが新しく加わったシステムの名前。

端的に言えば、『勝つための演算機』だ。

 

黒薊に搭載されているハイパーセンサーと、あのカチューシャから敵の情報を収集、自動的に勝利に対する演算を実施し、それを操縦者の頭脳へと送り込む。

 

……どこかで聞いたことのあるシステムである。

 

私が無意識化にISを操縦したのはこれが原因なのではないか―ということだった。

 

暴走するところまでそっくりじゃないか。

『むぅ…違うよ。あれはそのまま使えばもっとひどい事になってた。だから私が代わってなんとか大丈夫だったのに…』

他に黒薊はブラックボックス化されているところが大きく高度なプロテクトによってほとんどのアクセスを拒否しているらしい。

『当然!認めた人にしか触ってほしくないからね!』

 

と、いうわけで何もわからないよりはマシ程度のことが分かっての帰宅だった。

 

そして今は簪ちゃんが録画してくれていたアニメとニチアサを見ていたところだった。

 

「ねぇ、冬香。」

 

「ん?どうしたの?」

 

「なにかあったら私にも相談…してね」

 

「もちろん」

 

簪ちゃんの頭に手を乗せ、そっとなでる。

 

「…ありがと」

 

簪ちゃんは頬を赤くし、こっちに寄りかかる。

 

(あ゛あ゛あ゛あ゛かわいいな!この娘!)

 

楯無さん、私はあなたの気持ちが分かりますよ。

こんなに可愛い娘が妹だったら私も溺愛しますので。

 

さて、明日のクラス対抗篇は、一つのターニングポイントである。

一夏と鈴の二名が戦うなか、『ゴーレム』という無人ISがこのIS学園を襲撃する。

 

ただ、今までのことから考えて、原作通りに話が進むとは完全には言い切れなかった。

 

強化型が来るのはないか、複数機が襲ってくるのではないか、より高威力な武装なのではないか、

 

そして―誰かが犠牲になるのではないか

 

と、最悪の展開が頭によぎる。

 

もしどうなったとしても、私がこの世界に来たことで生まれた『綻び』は、私が戻さなければならない。

 

そうなったときに、私は、動くことができるのだろうか。

 

少しばかり心臓の鼓動が早くなる。

 

どうやらまだ、この不安症は消えてくれそうにない。

 

 

―――――~翌日・第二アリーナ~

 

「すごい人…」

 

中国期待の新人VS世界初の男ということもあり会場はすでに人で満員だった。

今回簪ちゃんは不参加らしく本日も専用機の開発へ直行していた。

確かに、試合表を見ると4組のクラス代表は彼女の名前ではない。

 

さて、私は簪ちゃんを見送ってきたので少々出遅れてしまった訳だが…もう席はない。

最悪立ち見を覚悟していたが何とか空いている席が二つあった。運が良い。

 

「隣いいかしら?」

 

と、一人の生徒から声をかけられる。状況からして彼女も遅れてきたようだった。

 

「あ、はい。どうぞ」

 

さて、アリーナ中央へ目を向けると一夏の白式、鈴の甲龍ともに向かい合っている。

 

『それでは両者試合を始めてください!』

 

アナウンスともにビーとブザーの音が鳴る。

 

ガギィン!と甲龍の一撃を白式が受け止めた。

 

「さすが、やるわね~」

 

と、さっき隣に座った人が言う。

 

(ん…?なんだかこの声聞いたことあるような…)

 

隣を見るとそこにいたのは黒髪でロングの女子生徒だ。

見たところ上級生だろうか?

少なくとも1組ではこんな生徒見たことがなかった。

 

(気のせいか…)

 

次の瞬間会場がワァァァっと沸いた。

 

鈴が一夏の連続攻撃をいとも容易くかわしたのだ。

 

『アンタの動きなんかこの前のに比べれば!』

 

ISのオープンチャンネルで鈴が言う。

 

(…この前の私あのレベルより速い攻撃してたの…?)

 

正直あの時のことはほとんど覚えていない。

 

記憶があるのは月詠システムを起動したこと、そしてあのくそったれの神と喋ったことくらい。

記録映像とかも残ってるわけじゃなかったから余計びっくりしている。

 

そして、一夏がイグニッションブーストを使ったとき…。

 

超高出力ビームがアリーナを襲った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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