TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~ 作:地味子好き
「間に合えぇぇぇ!」
私は黒薊を展開してブースターと光の翼を最大出力で放出する。
(ゴーレムのビーム…もしシールドを貫通されても一発なら耐えれる!少なくとも二人は守れる!)
私は二人の目のまえに…文字通り盾になる。
そしてゴーレムの超高出力が私を直撃した…はずだった…。
(何…これ。シールドエネルギーが減ってない…?)
「あれは…!」
「あの時の!」
どうやら鈴と一夏は無事のようだ。
「二人は早く戻って。ここは私が。セシリアさんにも同じことを伝えて。」
そういって二人を脱出させる。
(でも…なんでビームが…?)
すると、ポンと何かが表示された。
「斥力フィールド正常稼働…?」
その説明には特殊な斥力で形成したフィールドがゴーレムの高出力ビームをはじいたことを意味していた。
「なんでこれがこの子に…?」
そうつぶやくといきなりISのオープンチャンネルが入る
『やっほ~ふゆちゃん!』
「束さん…!」
『無事起動したみたいだね~。それ、くーちゃんが考えたんだよ~』
「クロエちゃんが…?」
『うん。高出力ビームの直撃をファクターに自動的に起動するように設定しておいたんだぁ~』
「これも全部束さんが?」
ゴーレムを見ると全く動く気配もない。
『当り前じゃん。束さんの実験品だよ~。それじゃ、あとは好きにやってね。それじゃ!』
と一方的にかけては一方的に切ってくる。
(それって、とんだマッチポンプでは……)
彼女との切れると同時にゴーレムは再び息を吹き返したように攻撃を始めた。
『冬香聞こえるか!』
「千冬さん!?」
私はゴーレムのビーム攻撃を避けながら千冬さんと話す。
『一夏たちが避難してからまたアリーナのロックがかかった。そちらへの教員の支援はできそうにない。……今すぐ逃げろ』
「そういうわけにもいきません。これは私が起こしたようなものですから」
束さんによるマッチポンプを他人に任せる訳にはいかない。
『……そうか。だがお前は私の命にかけてでも死なせない。ロックが解除するまで頼む』
通信が終わる。
(…ゴーレムの数は6機。そのうち4機は大型の刀を持ってる…。)
「…行くよ。黒薊!」
二機の長距離ビーム型に向かって突撃する。
イグニッションブーストに光の翼で加速し大型対艦刀を右のゴーレム。掌を左のゴーレムにぶち込む。
「まずは二機!いっけぇぇぇ!」
斥力フィールドをフル稼働させゴーレムのシールドを切り裂く。
(近距離型には…バックパック切り替え!)
光の翼がふっと消えフィン・ビットユニットへ換装される。
「行って!ファンネルたち!」
切り離された六機のファンネルが飛び出ていくのと同時に額のツノに赤いラインが灯り始める。
インターフェイスには『月詠』の文字が表示され、同時に脳へとてつもない量の情報が流れ込んでくる。
「見える!この前なんか比じゃない!」
あの暴走したときとは違いはっきりとくっきりと未来が見える。
「そこぉ!」
ビームマシンガンとファンネルを予測位置に一斉射!
「一機めぇ!」
しかし突然その未来は掻き消える。
「何…?黒薊!」
ゴーレムは腹に装備された何やら板のようなものを展開しこちらを囲んでいる。
そして…
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」
特殊な振動波が機体を包む。
(身体全体が、まるで割れるみたい…ッ!くっ…あぁ!)
激しい振動波は頭を直撃する。
(機体のシステムが、すべて…落ちてる!?)
予期せぬ攻撃だったために展開した斥力フィールドもその効力を失っていた…。
―――――
「行きなさい!アクア・クリスタル!」
周囲はいきなり薄暗い霧に包まれ始める。
そして、眼前のゴーレムへとまとわりついた特に濃い霧が爆発した。
「待たせちゃってごめんなさい」
「あなた、は…」
それは私の隣に座っていた、黒髪の女生徒。
「ここからは…私も戦うわ!」
彼女がさっと
「更識…楯無…」
「冬香ちゃん。後はお姉さんに任せなさい!」
学園最強が目の前に現れた。
―――――~アリーナ・管制室~
「何とか間に合ったか…。」
管制室で千冬がコーヒーを啜る。
(…楯無にも伝えておいてよかった)
先日の一件は千冬の中に影を落としていた。
何があっても天利冬香を守るというその一点。
日本国内の暗部であり、学園においても比較的自由に行動できる更識楯無にもその協力を申し出ていた。
「
山田先生が画面に表示されたデータを処理している。
「以前の模擬戦をした時よりも、30%、いや少なくとも50%は数値が上がっています!」
天利冬香の黒薊はまだ1年生で未熟とはいえエリートである専用機持ちを圧倒、襲撃した正体不明機も易々と撃墜していた。
到底半年程度しかISを動かしていない人間とは思えなかった。
「これが、適正Sってことなんですか…」
山田真耶は(やんちゃだった時期も含め)、織斑千冬から信頼を置かれている数少ない一人。
全ては話せなくとも冬香のことはある程度伝えられていた。
「ISの力をあれほどまで引き出している…山田先生、彼女のへの負荷だけ注視してモニタリングしてくれ」
私は彼女にそう伝え、状況を見ていた。
―――――~アリーナ・中心フィールド~
「でやぁぁ!」
ミステリアス・レイディの一撃が振動波発射機付きを撃破する。
「こっちもくらえぇ!」
対艦刀に斥力フィールドの効果を乗せ貫く。
「冬香ちゃん!最後!」
「はい!」
光の翼に再換装し掌に全エネルギーを込める。
「これで終わりだぁァァァァ!」
腹部に直撃したゴーレムはコアを残し跡形もなく消滅した…。
―――――
ゴーレムのリアルタイム映像、最後の一つが途切れる。
「くーちゃん。あの斥力フィールドはしっかり動いたみたいだよ」
「それはよかったです、束さま」
「何気にくーちゃんもふゆちゃんのこと好きだからねぇ~」
「えぇ。彼女は
そういいながら束は冬香から送られてきた一夏の写真や動画を整理し、なおかつ冬香の戦闘データを解析する。
「うーん今度は何を送ろうかなぁ。時期的に臨海学校くらいだよねぇ~」
クロエは紅茶を注ぐ。
「まだまだいろいろありますからね」
画面には試作、検討含め様々なパーツ案が表示されている。
それは常人には扱えぬ程度から生体IS融合の強化人間でさえ負担が多きするものまで。
「そ~だねぇ~やっぱりふゆちゃんはかわいくて面白いなぁ~」
束は冬香の写真を手に取る。
「ちーちゃんといっくん。ふふふ。箒ちゃんがいっくんとくっついて…その障害としてふゆちゃんが立つ…」
「とても美しいですね。束様。」
「あ、くーちゃんもそう思う?なんかでも言ってたよねぇ。形あるものが最も輝くのは
狂気を孕んだ笑い声が二人の身を包んだ。