TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~   作:地味子好き

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Vsラウラ戦です。相も変らず戦闘描写がアレなのはお許しください。

それと前回の誤字報告ありがとうございました。適応させていただきました。


学園編⑩

放課後。第3アリーナの更衣室。私の身体は吸い寄せられるようにそこへ向かった。

 

ISスーツへ着替え…もはや意識せずとも身体は勝手に動く。ふと、頭を触るがいつも通りにカチューシャはついている。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ…か。」

 

今までは何とかありつつも勝つことが出来た。しかし今回の問題はAICをどう打ち破るか。それが問題である。

 

対エネルギー兵器に弱い…そこを突ければよいのだが…。

 

今回ファンネルのような誘導兵器はおそらく使っている暇がないだろう。

 

実際。ラウラはセシリアと鈴の攻撃を避けながらも戦闘している。

 

…暴走状態になればあるいは行けるのかもしれないが。流石にここで私が死にかけるような手段はとりたくはない。

 

白式の零落白夜のような能力があれば話は別なのだが…。

 

「どうしようね…。黒薊。」

 

考えられる唯一の手段は掌のエネルギー発生装置。俗に「シャイニングフィンガー」と呼ばれるもの。

 

この一手にかけるしか方法はない。

 

「せめて高出力のビームサーベルみたいなものがあればなぁ…。」

 

今度束さんに頼んでみようか。ものすごくピーキーな設定で送られてきそうだけど。

 

時計を見る。試合開始まであと5分。

 

私は椅子から立ち上がりピットへ足を進めた。

 

 

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アリーナ内には既にシュヴァルツェア・レーゲンが万全の状態で待機していた。

 

ピット内で黒薊のセッティングを終える。

 

『冬香。行けそうか?』

 

ISのプライベートチャンネルに千冬さんからの通信が入る。

 

「千冬さん?ええ。大丈夫ですよ。」

 

『…すまないな。』

 

「負けたときはちゃんと慰めてくださいね?」

 

冗談交じりで答える。

 

『…そうだな。負けたらしっかりと慰めてやる。安心して行って来い。』

 

千冬さんは少し間を開け、答えた。優しい声だった。

 

「天利冬香、黒薊出ます!」

 

電磁カタパルトがISを押し出す。

 

「ふん。相手が誰だか知らないが、私とシュヴァルツェア・レーゲンに勝てると?」

 

ラウラはいかにも自信満々に言う。

 

『良いか。お前達。ルールはどちらかのシールドエネルギーが6割を切る。もしくは20分経過時の残量SEになる。』

 

私とラウラへ千冬さんからのルール説明が入る。

 

『それでは試合開始!』

 

 

背部のブースターを吹かし一気に飛翔する。

 

右手に構えたビームマシンガンはしっかりとシュヴァルツェア・レーゲンを狙う。

 

「ふん。遅い!」

 

それをいとも容易く避ける。

 

「くらえ!」

 

88ミリレールガン(アハトアハト)。リボルバー式のその砲の初弾は避けた。しかし、避けた先に二発目が迫る。

 

電磁力によって加速された弾頭は正確にこちらに向かってくる。

 

「ッ!」

 

弾頭の接近を皮切りに脳内に多大な情報が入る。

 

スタンバイモードだったゼロシステムとラムダドライバが稼働を始めた。

 

弾頭が黒薊に接触し爆発が広がった。

 

 

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~ラウラSide~

 

(…まさかこんな程度とは。あれが教官の教え子だと?ふん。笑わせる。)

 

ラウラ・ボーデヴィッヒは嗤った。自身が考えていたよりもずっと相手の能力が低かったからだ。

 

相手の能力は最初の一撃で分かる…それが今まで培ってきた経験。

 

(まさか、初弾があれほど正確で…予想しやすい弾とはな…。)

 

先に六割以下になったほうが敗北。シュヴァルツェア・レーゲンの超電磁砲なら直撃で2割を削ることも可能であった。

 

(ここからワイヤブレードとプラズマ手刀に繋げる!AICを使う間でもない!)

 

直撃した超電磁砲の煙も晴れぬ中、ラウラ・ボーデヴィッヒは飛翔し一気に距離を詰めた。

 

「これで終わりにしてやるッ!」

 

ワイヤーブレードを射出し、プラズマ手刀を展開する。

 

…その瞬間だった。

 

「いけぇぇぇぇぇ!!!」

 

「ッ!!?」

 

突如放たれた相手の一撃はISのシールドを貫通。腹部には鈍い衝撃が襲い掛かる。そして機体のシールドエネルギーが一気に六割削られた。

 

(何…だと!?奴は無事だと!?」

 

感情が言葉へ変わる。

 

射出したワイヤ-ブレードはすべてはじかれている。まるで()()()()()()()()()()()()()

 

「まさか…奴もAICを!?」

 

ラウラ・ボーデヴィッヒは全く理解が出来なかった。相手をしているのが何なのか。相手の能力はどれ程なのか…。

 

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~冬香Side~

 

(直撃…来る!ラムダドライバ最大稼働!)

 

眼前にフィールドが形成され迫ってきた砲弾は直前で爆発する。

 

脳の中には絶えず様々な可能性…未来が映る。二射目を撃つ、後方へ回り込む、上方へ回り込む…

 

(この場合…だったらこれッ!)

 

一つの賭けに出た。自分だったどうするか。それをラウラが同じく動いてくれることを祈る。

 

以前千冬さんに言われたことがある。

 

相手の腕は間違いなく最初の一撃で分かる。手を加え入れるならそこだ。と。

 

要するにだ。射撃の場合正確に狙えばそれだけ()()()()()()()()()()()()()ということがわかる。

 

つまりこの時点で「優秀ではあるがトリッキーな戦法はしてこない」と相手に考えさせることが出来る。

 

その為に私はシュヴァルツェア・レーゲンを教本通りの狙い方で撃ち、相手の弾は初撃を避け、二発目でわざと被弾した。

 

ここまでは次の一撃のため。私の二撃目はコイツを使う。

 

(シャイニングフィンガーを、ラムダドライバにノせるッ!)

 

自分だったらどうするか。その答えは間違いなく近接格闘に繋げる。そこを逆手に取る!

 

ISのセンサーはシュヴァルツェア・レーゲンの接近を警告する。ゼロシステムが見せた未来の通りであった。

 

シャイニングフィンガーによって発生させた莫大なエネルギーをラムダドライバを用いてISのシールドを超えて打ち込む。

 

私の黒薊で唯一確実にAICを打ち破れる攻撃。これを外したら待つのは敗北。

 

「いけぇぇぇぇぇ!!!」

 

文字通り、シュヴァルツェア・レーゲンは()()()()()()()

 

『そこまで。』

 

千冬さんのアナウンスが入る。

 

『各々ピットへ戻れ。その後は各自自室へ戻ってくれ。以上。』

 

(勝った…んだよね。私。…良かった。)

 

私は大きく息を吐き機体をピットへ向け動かした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、Vsラウラ戦が終わり、次々回から個別トーナメント戦が始まります。

意見や要望。感想等ドンドンよろしくお願いします。

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