TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~ 作:地味子好き
「ほう…私の名を知っているの」
本来ならば現れるはずの無い存在。
それが目の前にいる。
「なんで…こんなところに…」
私が狼狽えているうちに、マドカのラファール・リヴァイブは高周波ナイフを展開、こちらへ突っ込んできた。
「お前を…殺す!」
「ッ!!」
腕のフィールドで受け止めると同時に掌に装備されたエネルギー波発生装置…それを腹部へと撃ち込む。
「私を…なめないで!」
一撃!しかしマドカにダメージを受けた様子はない。
「…遅い」
相手の脚部が私の腹を直撃した…ドッと重い衝撃が腹部を襲う。
「がッ…!!」
そのまま地面に私は吹き飛ばされるが、何とか地面すれすれで体制を立て直した。
「だったら!!いって!」
背部バックパックを速やかに換装し六機のビットを展開する。
「ほう…お前も適性を…」
しかし四方八方から放たれるビームを流れるように避けていく。
…おかしい。見た目はラファール・リヴァイブだが機動性が明らかに違う。
「ならッ!」
ビームライフルを呼び出し、ビットで動きを誘導させ一気に押す…それが月詠の出した道筋―。
さらに左手には対艦刀を呼び出し、超高速で接近する。
その瞬間ISの警告音が鳴り響く。
「何ッ!……ああぁァァッ!」
燃えるような熱さ…そして鋭い痛みが背部を襲った。
そしてその攻撃の主、新たに表れたISの尾ひれ-それが私を地面に打ち付けた。
「エム!遊び過ぎよ。今日は挨拶だけ…そうでしょう?」
炎を纏った黄金のIS-すなわち
「初めまして…でも、互いに自己紹介は不要みたいね。」
「…スコール…ミューゼル…!」
亡国の幹部にして実働部隊、モノクローム・アバターの隊長…
今の私では到底勝てぬ相手であった。
「また会いましょうイレギュラー。エム!撤収よ」
「……」
彼女はそう言ってマドカを引き連れてどこかへ飛んで行く。
二人がが見えなくなると全身の力が抜けていくのが分かった。
あのまま戦っていたら、私は死んでいた。
その恐怖が今になって心へ訴えかけてくるのだ。
本来、ISが被弾したときその衝撃は来たとしても熱や寒さなどの感覚はその操縦者には来ない設計になっている。
しかし、それが幻肢痛のように私は感じた。熱くて…痛くて…怖かった。
予測も、演算も、脳波も、何もかも無力で私は使いこなせていない。
自然と涙が零れ落ちる…ただ怖くて、それで泣いた。
痛みじゃない、悲しみじゃない涙は…初めてだった。
何とか立って歩けるようになるまで回復したのは3分後、…時計を見ると私が外に出てから30分もたっていなかった。
今帰っても消灯の時間には間に合う…。
千冬さんに…言ったほうがいいのだろうか。
でも、私がそれを言えば彼女はさらなる苦労を負うことになる。
私のために千冬さんが…傷つくかもしれない。
それだけは避けないといけない。唯でさえ私のせいで彼女に苦労を掛けている場面があるのだ。
これ以上彼女が重荷を背負う必要なんて、どこにもないんだ。
私のせいで。私が理由で。私が………。
お ま え の せ い だ
どこかで聴いたことのある声。
ビルの一室。
あの日のこと。
「嫌…イヤ…違う…私は、違う…私じゃない、俺は!俺は何もやっていない!!ただ!皆のために!」
揺らめく光と唸るような音が飛び交う道。
俺は一歩一歩足を進めてゆく。
違うんだ。俺じゃない。
そう呟きながら。
お前だよ お前が全部悪いんだ
あぁ、そうか。
俺はこうやって、人に失望された死んだんだ。
家族も、友人も、会社の同僚も。
全てが信じてくれなくて、俺も俺を信じられなくなって。
そうして自分を終わらせたんだった。
―――――
「ありゃりゃりゃりゃ?うーんナノマシンの誤作動かなぁ?まぁ絶対死なないように黒薊が保護してるからいいけど」
篠ノ之束はディスプレイに映し出された一人の少女を見つめながらつぶやく。
「しっかし可愛いなぁ。本当に可愛い。ちーちゃんの目の前で殺してあげたいなぁ……」
そういうと彼女はテーブルの上にあったロールケーキを一口で食べる。
「束さんのことも、怯えながら懐いてくれて、本当にうれしいねぇ!」
彼女がキーボードを操作するとさらに無数のディスプレイが空に浮かび上がった。
「……あ、ちーちゃん来た。じゃあ、ついさっきの戦闘みーんな記憶消して…うーん急に貧血っぽくなって倒れたでいいかなぁ…よぉし、記憶の書き換えかんりょー!それじゃあ…!」
「もっともっと
―――――
「……かッ!…かッ!とうかっ!冬香!」
呼び声が聞こえた。
前もこんなことがあった気がする。
そうだ、また彼女を心配させてしまった。涙を流させてしまった。
「…ち…ふゆ…さん…」
「よかった…!冬香、目を覚まして…」
私の顔に涙が落ちる。
「ごめん……なさい……」
「冬香…?」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
心配かけてごめんなさい。迷惑かけてごめんなさい。私が、私が
だから、お願いします。
見 捨 て な い で く だ さ い
私は花。
薊の花。
黒く黒く腐り落ちる前の……墜ちる前の花。
貴女にいつも笑顔でいてほしいから
私に触らないで
キャラ説明に前世についての記述を追加しました。