TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~ 作:地味子好き
部屋へ差し込む光が私を目覚めに導く。
カーテンを開けると目の前には綺麗な真っ白い砂浜と青い海が広がっている。
身体もすこぶる調子がいい。
「さて、先ず千冬さんに会って、元の部屋に戻ってそこから朝食会場かな…」
この旅館、朝風呂はできるようなのだが特段入りたいという気分でもない。
私は頭を掻きながら立ち上がる。…私はあの銀の福音と戦えるんだろうか。
「ええと、眼鏡は…」
テーブルの上にある眼鏡を取りそのまま私は教員の部屋に向かった…
~~~~~
砂浜では大勢の生徒が列をなしている。
あの後部屋に戻った私だが、貧血と言う話は結構広まっていたらしい。
私が以前ぶっ倒れたことを唯一認知していたのほほんさんが皆に私を病弱キャラのように言ったらしいのだ。
ともかく、有難いことである。『天利冬香はこんな人間だ』というイメージが広まれば私はそこに乗っかるだけなのだ。
とそうこうしているうちにお遅刻したラウラちゃんがやってきた。
…そういえばここで束さんは私に何かリアクションをするんだろうか。
そこんところをくみ取ってくれればいう事は無いのだが。
「それでは各班振り分けられた実習活動を始めろ。専用機持ちは言われなくてもわかっているな?」
千冬さんがそう言って指示を飛ばす。
さて私の班は…確か超高機動状態での『撃鉄』の命中率に関する試験。まぁつまり『速く動いてド真ん中に当てろ』と言うことだ。
「ちぃぃぃぃぃぃちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
おっと、そうこうしているうちにあの人がやってきたようだ。
「あ、あれ篠ノ之博士じゃない…?」
そう言ったのは隣にいた谷本さんだった。
「そうだよね~。写真のまんまだね~」
右隣にいたのほほんさんも話しかけてくる。
「と、とりあえず、私たちは準備しよ…?」
そういった瞬間上空から一機のISが降ってきた。
「じゃじゃーーーん!これが箒ちゃんの専用機!その名も『紅椿』!全スペックが現行のISを上回る私のお手製なのだ!」
そういえば私の黒薊も彼女の手製だが白式の零落白夜のような特殊能力も、赤椿のような全身の展開装甲も装備されていない。
いや、彼女の道楽で作ったISなら何か特殊な装備、(頭のアレとラムダドライバは除くとして)がついていてもいいような気がする。
…それに武器に名前もついていない。いや私が勝手にシャイニングフィンガーだとかアロンダイトとか呼んでいるんだがそれにしても武器に名前がついているのが常識なこの世界でなんで名無し何だろう。
それに第三世代としてのイメージインターフェイスを用いた特殊武装だってフィンファンネルしか…あっ!
そうか、私の黒薊の特徴は
つまりは…ストライク、インパルス、はたまたF90と言うわけか。
ちなみに、現状換装できるバックパックは二種しかない。
「えっ…私のIS事実上の二世代…?」
「ん~?ふゆふゆどうしたの?」
「あっ、のほほんさん。いや、なんでもないかな。うん。」
「それよりもしののんすごいね~。あんなに綺麗に飛べるなんて。」
のほほんさんが指さした上空を見るとそこには赤椿を纏い空を駆ける箒がいた。
彼女用の調整がなされた赤椿はそれこそ手足の延長線である。
「ふゆふゆ、羨ましい?」
私が無言で見つめているとのほほんさんが聞いてきた。
「箒の事?」
「うん…ふゆふゆは一生懸命準備してたから見てなかったけど、さっき三組の生徒が、しののんが家族って理由で専用機をもらえるのはずるいっていってて…」
「私は別にそうは思わない…かな。」
ぶっちゃけ、私も専用機貰ってるわけだし。
「それに、多分すっごく大変だったんじゃないかな。」
空中では紅椿が雲を貫き、ミサイルをエネルギー刃で撃墜していた。
爆炎から風を切って赤椿が現れる。
ふと周りを見るとほぼ全員が私と同じように彼女を見つめていた。
「全員注目!」
千冬さんがパンパンと手をたたいて声を上げる。
「現時刻より引率教員は特殊任務行動へ移る!専用機持ち以外の生徒は速やかに旅館に戻り連絡あるまで自室で待機!以上!」
一斉に周りがざわつく
「中止…ってこと?」
「特殊任務って何?」
「何が起きてるの?」
まだ16、17の少女たち。不測の事態に冷静に対処できるはずなどないのだ。
「とっとと戻れ!勝手に部屋の外に出たものは我々で拘束する!いいな!」
千冬さんが一喝。私も戦おう、
~~~~~
さて箒を除く私たち四人は部屋に戻ってきた。
計画はこうだ。私が何が起きているかこっそり見に行くといって部屋を抜け千冬さんに接触、口裏合わせを行い角谷奈津美として皆の前に現れる。
うん、文句なしのシナリオだ。
「結局、何が起きてるんでしょう?」
「う~ん、ただ事じゃないってのは分かるんだけどね~」
のほほんさんはお菓子の袋を開け、むしゃむしゃ食べていた。
「…私、見てこようか?」
「え…っと天利さん?さっき織斑先生が出ちゃダメって…」
「そうですよ。見つかったら怒られるじゃ済みませんよ?」
谷本さんと四十院さんがそう言ってくる。しかし私は立ち上がり、
「私、意外と野次馬根性あるからさ、ちょっと行ってくる!メールで逐次のほほんさんに知らせるから!」
そういって部屋の外へ飛び出した…。
今回は少し短め&いつもより駄文となりました。
一応後三回で収めたいなと思っています。
ああ、そうでした。
なんと『Web小説創作書庫-とある創作の二次小説』様にて紹介記事が掲載されていました!
いやはやなんだか感無量です。この場で感謝を申し上げます。
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