TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~   作:地味子好き

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臨海学校編⑤

この『花月荘』で作戦会議が出来るような部屋は多くない。恐らく本館北側の大広間がそれにあたるだろう。

 

私は今、そこの数メートル手前、そこで止まっていた。()()()()()()()()()()

 

 

「やぁ-ふゆちゃん。昨日ぶりだね。」

 

「束さん…どいてはもらえませんよね。」

 

「うん、君が何をしようとしてるか…なんてのは事情を知ってるような人ならだれでも考えることさ。」

 

 

彼女がアクションを起こした…と言うことは必ず何か、原作とは違う何かが起きる。

 

彼女を異様ともいえるような空気はそれを私に伝えるのには十分だった。

 

「ふゆちゃん…君はどうしてみんなの元に行こうとするんだい?」

 

「………」

 

私は何も言えなくなる。そういえば、何故私はこうして走ってきたんだろう。

 

気が付いたらそう考えていて、気が付いたら…そうなっていて…

 

「君は束さんと初めて会った時…この世界の住人じゃないって言ったよね。そう、君が私たちと何の干渉もできない世界から何らかの高次元的力によってこの世界に来たとして………」

 

ああ、そうか。彼女は理解しているんだ。並行世界も、転移も、彼女はできると考えているんだ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう-あからさまにそうなのだ。私が何のアクションも起こさなければこの世界もすべて原作の通りに動く。

 

「なのに…何故君は今動いたんだい?いくら束さんが君を見つけて、ISをあげたからと言ってそうまでして行動するメリットは…ないよね?」

 

「……守りたいから…」

 

「守る…?学校の皆を?」

 

「いいえ。私が…()()()()()()()()()()()()()()()()()()、それだけです。」

 

「ぷっ…ははははははっ!」

 

いきなり彼女は笑い出した。

 

「そっか、じゃあ行ってきなよ。ふゆちゃん。」

 

彼女はまだひーひー言いながら笑っている。

 

「あ、そうだ。ふゆちゃん」

 

私が足を進めようとすると束さんはまた私の事を呼んだ。

 

「なんです?まだ何か?」

 

「へへっ言い忘れてた。私がここにいるのはね、()()()()()()()()()()()()()なんだよね。」

 

私はその言葉を聞いて駆け出した。時計を見ると11:40を指している。

 

作戦はもうすでに-始まっていた。

 

 

~~~~~

 

「アレは…船!ああっクソ!密漁船が―」

 

雪片弐型から放たれていた光の刃は消失し、展開装甲が閉じる。

 

最大にして唯一の好機は…失われてしまった。

 

「馬鹿者!何故、何故犯罪者なんて助けた!」

 

「箒…そんな…そんなこと言うなよ!力を手にしたら-弱いやつのことが見えなくなるなんて…お前らしくない!」

 

「わ、私は…」

 

紅椿の手から雨月が落ち…そのまま粒子になって空中へ消えた。

 

(不味い…!リミット・ダウン…!)

 

一夏が箒へ手を伸ばした瞬間―センサーが新たなるISの接近音を伝えた。

 

『よぉークソガキ共。守ってもらった借りとしてテメェらをボコらしてもらうわ!』

 

インターフェイスにはラファール・リヴァイブの表示が現れる。

 

しかしそれは教員機でもシャルのリヴァイブ・カスタムⅡでもない。

 

アンノウン。彼らにとっては未知の存在だった。

 

「何!?ぐあぁぁぁぁ!」

 

ラファール・リヴァイブから発射されたレール・バズーカの直撃が白式を襲った。

 

「いちかぁ!」

 

そのまま白式は速度を落とさず、ただひたすら海面へのダイヴを続ける。

 

(あぁ…箒…リボン…切れてんじゃねーか…。へへっ、髪おろしたのも可愛いな…ああ、箒…早く…逃げろ…)

 

「あ、あぁ…一夏…一夏ぁ!」

 

「ゴチャゴチャうるせーぞクソガキィ!」

 

謎のラファール・リヴァイブはそのまま加速し、紅椿へ蹴りを加える。

 

「La…!」

 

そして追撃するように銀の福音はその主砲を紅椿へ向け発射した。

 

(ああ…すまん…一夏…私も…今そっちに…)

 

無数の光が迫りくる中、篠ノ之箒は死を覚悟し…目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やらせるかぁぁぁぁぁ!』

 

その声と共にこちらに接近する無数のレーザーは霧散した。

 

一度、似たような光景を見たことがある…と箒は思った。

 

眼前には漆黒の機体に走る深紅のライン、そして光り輝く翼。

 

忘れるわけもない。自分たちの前に幾度となく現れ、時には敵となり、また時には楯となったその機体。

 

代表候補生-角谷奈津美。

 

「ここは私に任せて、早く逃げて!」

 

その一声が箒を絶望から引き戻した

 

「あ、ああ。すまない…!」

 

紅椿は加速する。それは逃げるためか。いや違う。必ず相手を叩き潰すため、一瞬だけ刀を鞘に戻すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~

 

箒を守る-そう思うほどに斥力フィールドはその強靭さを増してゆく。

 

そして数十発のレーザーはすべてラムダドライバから生まれた斥力フィールドにはじかれた。

 

『敵機Aロスト新たなる敵機確認排除開始』

 

銀の福音は翼を広げ急速に接近する

 

『La…!』

 

そして再びレーザーを放った。

 

「そんなものでぇ!」

 

黒薊を一気に加速させ斥力フィールドを展開しながら近づいてゆく。

 

そして斬艦刀-アロンダイトを手に呼び出す。

 

『Laaaa!!!!』

 

「せいやぁぁぁぁぁぁ!」

 

一撃-は届かない。アロンダイトが銀の福音へ迫るその瞬間に爆ぜた。

 

「何っ!?きゃぁぁぁ!」

 

「へっ、こいつがスコールの言ってたやつか!悪りぃが、こいつはアタシらの獲物何でなァ!」

 

オレンジをベースに薄紫のカラーリングをしたラファール・リヴァイブ。

 

「お前は…オータム!」

 

謎のラファール・リヴァイブ。それは亡国企業のコマの一つ。オータムだった。

 

「大正解!」

 

大型のバズーカを装備し機動力もカスタムしているようだった。

 

銀の福音からいったん離れ体制を立て直しつつ、再加速。

 

「黒薊ッ!」

 

IS用プラズマ・ナイフを装備したオータムは空中を踊るように無駄のない動きでこちらへ接近する。

 

「追いつかれる!?」

 

「成程ぉ、余剰エネルギーを推進力に変換してるってカラクリねぇ…!」

 

「だったらぁ!」

 

ビームトンファーを起動し、180°のターン、真っ向からヘッドオンの姿勢へ移行!

 

ラムダドライバによる斥力フィールドを前面に展開

 

「はッ!そんな馬鹿な技が引っかかるかよォ!」

 

トンと空中に静止したかと思えば一気にオータムは急降下する。

 

「何!?」

 

黒薊の加速を急に止めてもその動きについてはいけなかった。

 

『La…!』

 

そして背後に現れたのは銀の福音

 

「嘘…!」

 

放たれた数十のレーザーは私の背部を的確に貫いた。

 

フィールドはもう間に合わない。

 

「待ってたぜぇ!この瞬間をよぉ!」

 

そうして…眼前にいるオータムへの対応もできず私はプラズマ・ナイフの直撃を受けた…。

 

 

 

 

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