TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~   作:地味子好き

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接触編①

パチリと私は目を開ける。

 

「・・・知らない天井だ。」

 

服は着てきたものから変わっておらず、私は特に何かされた感覚もないままベッドから起き上がる。

 

(まさかこんなセリフを本当に言うとは思わなかったな。)

 

周りをキョロキョロと見回すがベッドのほかに特に何もない。

 

部屋の大きさは8畳ぐらいである。

 

「私は・・・そうだ。検査に行ってそれで部屋に入って・・・。なにこれ・・。」

 

左に向けていた首を右へ動かしたときだった。目の前に人がいた。

 

「ひゃっ!?」

 

「やぁやぁ起きたね。君。」

 

うさ耳をつけドレスを着ている1人の女がそこには立っていた。私はそれに見覚えがあった。

 

「篠ノ之・・束?」

 

「そうだよ!束さんだよ~。」

 

「こ、ここはどこなんですか!?なんで私を!」

 

少し怒り口調で言っても篠ノ之束は一切表情を変えない。

 

「束さんはね~ちょっと気になってるんだ。君の事。」

 

「わ・・私?」

 

「そうそう。なんでさぁ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「へ・・・?」

 

私は素っ頓狂な声しか出なかった。

 

(ISの適性がS?・・・もしかしてこれがアイツの言ってた転生のプレゼントって事か!?)

 

「束さんびっくりなんだよ。どんなに適正が高くても常人はいってAだよ。でも君はS+。ちーちゃん並みの数字を出してるんだよ?」

 

「い・・いや、分かりません。」

 

「そっかー、分からないかー。じゃあ無理やり吐かせるしかないよね。くーちゃんアレ持ってきて。」

 

デバイスに向かって束が喋ると呼ばれて1人の少女が移動式のトレーを押してやってくる。

 

「クロエ・・・クロニクル。」

 

ぼそっと呟く。が、しかしその一言を逃すほど束の耳は衰えていなかった。

 

「あれー?なんでクーちゃんの名前も知ってるの?ますます怪しいね?これは自白剤じゃ足りないかなぁ?」

 

彼女の声には人知れぬ怖さが混じっていた。

 

「い、言います!言いますからぁ!」

 

「もう。最初からそうしてくれればいいんだよ。」

 

ケロっと顔と声が変わる。

 

(やばいやばい、今の篠ノ之束の眼は完全にやばい奴の目だったぞ。)

 

「じゃあ聞かせてもらおうかな。クーちゃんもおいで。」

 

「はい。束様。」

 

2人は持ってきたトレーをテーブル代わりにしながら紅茶を飲み始めた。

 

「あの・・まず、私がこの世界の人間じゃないって言ったら信じますか?」

 

「あはははは!面白いね~君。でもいまいち信じられないなぁ。」

 

(どうしよう・・・・そういえばニュースで男性操縦者がどうのってやってなかったよな・・・。たぶん原作前なのかな・・。)

 

「白式と紅椿って言ったら信じてくれますか?」

 

篠ノ之束はきょとんとした表情になっていく。同時に彼女の額から汗が流れだしてきた。

 

「ど、どどどどどうしてそのことを知ってるのかなぁ?」

 

(うわ・・明らかに動揺してる・・。)

 

「これで信じてもらえましたか?」

 

「うん、うん。信じるよぉ。信じる!クーちゃん部屋変えよう。この子にもお茶の準備してあげてね!」

 

「分かりました。束様。」

 

ペコリとこっちにお辞儀をして部屋の外に出ていく。

 

「じゃあベッドから出て。場所を変えて話を聞きたいから。」

 

ーーーーーーーーーー

 

~???・リビング~

 

「じゃあ改めて自己紹介からしようか。」

 

テーブルの上には紅茶とマドレーヌが置かれている。

 

「はい・・・。私の名前は天利冬香です。一応中学3年生です。あ、あまりは天空の天に利用の利、とうかは冬に香って書きます。」

 

「ふーん、冬香ね・・。じゃあ私は・・・知ってるよね。」

 

「あ、はい・・。篠ノ之博士。」

 

「あ、束さんってよんでいいよ。ふゆちゃん。」

 

「えっ・・ふゆちゃん?」

 

「そう。冬に香だからふゆちゃん!いいでしょ?」

 

「ええ。まぁ良いですけど・・。」

 

そう言って会話しているとクロエが来る。

 

「遅くなりました。束様、お客様。」

 

「ああクーちゃん!紹介するよ。ふゆちゃんだよ!」

 

別の紅茶を持ってきたクロエはめちゃくちゃ困惑した様子でこちらを見てくる。

 

「ああ・・、天利冬香です。」

 

「冬香様・・ですね。クロエ・クロニクルです。」

 

ペコリとお辞儀する。その姿は小動物を連想させ、なんとも可愛らしい。

 

「さて、クーちゃんも来たことだし本題に入ろうかな。」

 

「本題・・ですか?」

 

クロエが持ってきた紅茶をすすりつつマドレーヌに手を伸ばす。

 

(あ、これ美味しい。)

 

「本題って言うのはね、ふゆちゃん。私と一つ取引をしないかい?」

 

原作でも見せていたおちゃらけた彼女の姿ではなく至極真面目な様子で言う。

 

「取引・・?」

 

私はきょとんとする。

 

「そう。取引さ。もし君が今から私の言うことを聞いてくれたら、力になってあげる。君にとって不利はないはずだよ。」

 

「具体的な条件は?」

 

「そうだね・・・。ふゆちゃんにはIS学園に入ってほしいんだ。と言っても、スパイをしろってわけじゃない。君は知ってると思うけど、いっくんと箒ちゃんこの2人の様子を定期的に報告してほしいのさ。」

 

(なかなか悪くなさそうだな。・・・新聞部あたりに入ればそう難しくないだろうし。)

 

彼女の眼は本気だった。さっきと同じでその言葉には何かと安心感がある。何故か分からないが信用できるのだ。

 

「こっちにはどんな利点が?」

 

「私とちーちゃんが後ろ盾になってあげる。それと・・専用機もあげちゃうよ。」

 

(わーお・・・・マジか。条件としては最高じゃないか・・。)

 

「やります。ぜひやらせてください。」

 

「うん。その返事が聞きたかったよ。あ、それともう一個条件良いかな?」

 

「なんです?」

 

「うん。いっくんの事絶対に好きにならないでね?私が君の事殺しちゃうから。」

 

この時束さんは明らかに語尾にハートをつけていた。でも私はこの笑顔を一生忘れることはできないとそう悟った。

 

 

 

 




クロエちゃん全然喋りませんね。自分で書いててですけど。

文章のクオリティが低い・・・。

3話目で「とうか」じゃなくて「ふゆか」にした方がよかったんじゃないかって思い始める自分。

そう言えば地の文の時は「私」になります。


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