TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~   作:地味子好き

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ブラック・ブレットが再始動するのが嬉しすぎて初投稿です。


修学旅行編⑪

再び京都を舞台に発生した混乱―。

 

無数の無人型ISによる襲撃と同時に、このIS学園の移動用に貸し切られた車両には爆弾が仕掛けられているという脅迫文めいた情報が流れた。

 

「どうだ、更識妹!」

 

「ダメ、車両はシステムごとオーバーライドされてます!直接爆弾を止めない限りは―!」

 

私はISの解析機能を用いて車両全体をスキャンする。

 

車両は全てシステムが乗っ取られているようだった。

 

「爆弾のコアシステムに、侵入して止められそうか」

 

「少し時間はかかりますが―やります!」

 

何としても、このシステムを解除してみせる。

冬香は命を懸けて私たちを守ってくれたんだ。

なら今度は、私が頑張る番。

 

「システムのバックドアから、いいえ、対策されてる…というよりこれはリアルタイムで切り替わっている!」

 

相手は私のカウンターに呼応するかのようにシステムを変化させている。

おそらく、相手も演算にISを使っているのだろう。

 

だったら手段は一つ。

 

(ISのニューロン・セーフティをオフ!本気で行くよ、力を貸して!打鉄弐式!)

『限界ギリギリまで行くのね!分かったわ!』

 

ISから神経系への負荷を最小限にするセーフティを解除する。

 

それはつまり、人間の限界まで脳を動かすということ。

 

たらりと流れる鼻血―。

 

これくらい、冬香の感じてきた痛みと重さに比べればどうってことはなかった。

 

 

―――――

 

 

「のほほんさん!」

 

二撃目、三撃目、四撃目―。

 

連続して着弾するビームはあたりの建物や人間など構いなしに襲い掛かる。

 

なんとかエネルギーフィールドを展開し防ぎきってはいるがこのままでは私も動くことはできそうにもない。

 

「ふゆふゆ!」

 

「ごめん、のほほんさん!もう少しだけ、耐えて!」

 

せめてほんの一瞬の隙ができれば全身展開できるのだが、ほんの0.1秒さえその余裕はない。

 

上空に浮かぶゴーレム・クロアザミはざっと見積もっただけで数十機。

 

しかし、ただ旋回して様子を伺っている機体もいる。

実際に攻撃をしてくるのは20機弱といったところだが―。

 

ただでさえ零落白夜を使う進化型。

 

被害を出さないように守りつつあの数を全て落とすのは、私もできるかどうか―。

 

そう考えた次の瞬間、ドォン―と空中で大きな爆発が起こる。

 

「何!?」

 

「ふゆふゆ!あれ!」

 

空へ指したのほほんさんの指をたどる。

 

空中では甲高い音を鳴らしながら幾重もの軌跡がゴーレムの群れへ突き進み、そして爆ぜていった。

 

「ミサイル!?なんだかわからないけど、今なら!」

 

私はその一瞬の隙をつきISを全身展開させる。

背部の非固定武装(アンロック・ユニット)の『白夏』『紅箒』が使えるだけでのほほんさんへの守りはだいぶ楽になる。

 

「のほほんさん、多分アイツの狙いは私。このBT兵器を防御につけるから、避難できる?」

 

「ふゆふゆ…うん。私だってひとりで行ける。ムリだけはしちゃだめだよ」

 

白夏、紅箒は一定のシールドエネルギーの消費と引き換えにその数を複数に分裂させることができた。

 

それでエネルギーフィールドを擬似的に囲うように展開させる。

 

「ありがとう。皆にも早く逃げるように伝えて!」

 

私はそう言って大空へと舞い上がった。

 

 

 

―――――

 

私は左手に対ISブレード「冬桜」を握りゴーレムへ一気に接近する。

 

「まずはこれで1機!」

 

冬桜へエネルギーを集中させ、一撃を加える。

横一閃の斬撃―。

 

しかしゴーレムはそれを受け止める。

 

「―ッ!性能が上がってる!」

 

以前はこの動きで確実に捉えられた。

だが現在は私の動きが読まれるように受け止められる。

 

「後ろにッ!あぁッ!」

 

360度をカバーするハイパーセンサーは後方に接近する二機のゴーレムを捉える。

しかし、その二機が発射したビームを私はフィールドを張って受け止めることもできずに直撃した。

 

1機の動きだけでも厄介、だがそれも無数。

 

シールドエネルギーはこの1回の交戦だけで既に半分を切っていた。

 

 

―ピピピピ!

 

今度は別種のアラートが鳴る。

ISが普及する前から使用されてきた、ミサイルの警告音。

 

「ッ!」

 

ドドドッと再び無数の爆発が起きた。

 

ゴーレムはすばやくミサイルをレーザーで迎撃し始めるが迎撃しきれずに直撃する数もそれなりにある。

 

私は一旦距離を取り、エネルギーフィールドを貼ってやり過ごすが…。

 

「このミサイルって―」

 

ハイパーセンサーは航跡と弾頭からAIM-928 『バード・ショット』と表示している。

 

アメリカ製の対IS用ミサイル、それも超が付くほど最新型―。

 

 

『そこのIS、どきなさい!』

 

 

ISのネットワークによる通信が入った次の瞬間、無数の光の軌跡がゴーレムを襲った。

 

 

「サンキュー!ナタ!おっしゃぁ!喰らいやがれェッ!」

 

 

それに呼応するかのように、ミサイルユニットを外したグレーのISが加速をかける―。

 

高等技術の個別瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)。

 

ゴン―ッ!と強烈な殴打がゴーレムを殴り飛ばす。

 

「黒いの!今だ!」

 

彼女が作ってくれた隙、私も見逃してはいない。

 

「はいッ!」

 

エネルギーをまとった一突きは的確にゴーレムを貫く。

 

「まずは1機、やるじゃねぇか!」

 

「イーリ、まだ敵はたくさん残っているわよ」

 

そう言って空域に突入してきたISは無数のビームを同時に発射してゴーレムを牽制している。

 

その美しい翼の中に、無数に広がるビームの砲口は猛禽類の爪を想起させた。

 

私も、彼と共に相対したことのある機体―。

 

「米国空軍第666特殊戦略航空団、『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』、ナターシャ・ファイルス」

 

「同じく米国国家代表、『震える牙(ファング・クェイク)』のイーリス・コーリング。アラスカ条約付属(アネックス)17適用のため現着!さぁて、やってやるぜ!」

 

思っても見ない援軍だった―。

 

 

―――――

 

 

「くそっ!零落白夜!」

 

 

同時刻。

 

専用機持ちが分散して行動していたのが幸いだったか、複数の無人機の襲撃に各地で対応が始まっていた。

 

しかし、相手が悪い。

 

天利さんのISを模した無人機は威力こそ劣るものの、おなじ零落白夜を使ってくる。

その上、腕は一流。俺たちが今まで戦ってきた無人機よりも数段洗練された動きをしていた。

 

「一夏、私がAICで動きを止める!」

 

「ラウラ!ありがたい!」

 

ゴン―と無人機の動きが止まる。

その瞬間に俺は零落白夜を使って薙ぎ払う。

 

「一夏!直上の急降下!!」

 

安心したのもつかの間、シャルの声が響く。

上を見上げると既にもう一機が近接戦闘の間合いに入り込んでいた。

 

「何ッ!うわッ!」

 

ザン―とエネルギーをまとった一撃が入る。

いくら威力が白式より低いとは言え一気に6割近くのシールドエネルギーが削られていた。

 

「一夏!絢爛舞踏でサポートする!」

 

寸でのところで箒がカバーに入ってくれた。

現状、1機だけならコンビネーションでなんとかできる。

 

しかし、それがこの空域だけで十数機も待っていた。

 

しかもすべてが単一ではない。

 

積極的に攻撃をする機体、様子見をするように旋回し続ける機体、隙をついての奇襲と一撃離脱を行う機体―。

 

まるで獣の群れのようでありつつも不気味さを孕んでいる。

 

「一夏さん!次の攻撃が来ますわ!」

 

そしていやらしいタイミングでの連続攻撃も厄介だ。

奴らは無人機ながらコンビネーションで仕掛けてくる。

 

 

「俺がカウンターを決める!皆は敵を引き付けてくれ!」

 

 

天利冬香は簪さんと二人でこいつを戦ったことがあるらしい。

 

だったら今俺たちはその倍以上の人数で戦っていることになる。

 

だったら、こんなところで負けてはいられなかった。

 




もう少し修学旅行編が続きます。
修学旅行編は全体的に戦闘パートが多いので、エクスカリバー編までいくつか日常パート挟みたいですね。
気力があるうちに頑張って書いていきます。
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