パジャマな彼女。より『白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャカノ・パラレル』   作:GOHON

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第1話『二度目の出逢いと、雪姫の心』

 

<01話>

 

高校1年生の夏──

俺、目覚計佑の幼馴染が……宙に浮いていた。

上半身だけパジャマの、下は生足で。

「変なところみるなーっ」

ゴッ。

その幼馴染の正拳が眉間に決まり、倒れこむ。

──夢でも見てるハズなのに、めちゃいてぇ……

そして、一体どこから夢だったのやらと今日の出来事を思い返し始める──。

 

────────────────────────────────

 

ピリリリ……ピリリリ……

アラーム音で、目を覚ました。

(あー……昨日はちっと遅くまで星眺めすぎたなぁ……

うぅ……さっさと起きねーと、確かアイツ、今日は朝練なかったハズ。

何してくるかわかったもんじゃねーんだから……)

そうして身体を起こそうとした瞬間、

ドバァァン!!

『起ォーきろォ~~~ッッッ!!!』

ドアが壊れる勢いで開くと同時に、大音量が響き渡る。

ギュィイイイィィ……

ビリビリと、残響音と目覚ましのベルがハーモニーを奏でた。

……耳鳴りがまだ収まらない中、ガマンできずにツッコミをいれる。

「……おいこら。おまえそれ拡声器……」

「あっ……はは……おっ起きたカナ……?」

自分で音波兵器をぶっぱなしてきておきながら、自身もダメージを受けて耳を抑えこんでいる『アイツ』……音巻まくら。

「『起きたカナ? じゃねーよ!! どこまでエスカレートするつもりだよおまえっ」

「いやー……持って帰ってくるの大変だったんだよ? 監督に散々拝み倒してようやくさあ」

「テメーの苦労はきーてねーだろ!!」

「コラーっ!! 何だ今のはーっ」

俺の母親(目覚由希子・年齢はとりあえず伏せておく)までが現れた。

おっとつまりこれは……

「ごっごめ」

コイーン!

言い切ることも出来ずに、おたまの一撃を喰らうまくら。うん、当然この流れになるわな。

「ご近所迷惑でしょうがぁっ!!」

「ごめんなさぁい……」

涙を目にためつつ、今度は発言を許可されたそいつの姿に、

──フっ……ざまぁ

「アンタもだよ計佑っ」

ゴッ!

「おっ!!……オレは悪くねーだろ……」

──しかもげんこつ通り越してヒジかよっ……

寝坊した訳でもないのに理不尽すぎる仕打ちだとは思うが、

……まあ我が家では別に珍しいことでもない。

コイツのせいで俺がとばっちりを受けるなんてことは。

 

このやかましすぎる、俺にとっては妹みたいな存在。

といっても、物心ついた時から一緒の腐れ縁ってだけで、本当の兄妹ってわけじゃないコイツ。

まくらの母親は早死にしてしまい、忙しい親父さんにかわってウチのお袋がよく面倒をみていた。

そういう訳で、コイツはウチの母親によく懐いているし、食事だって殆どをウチで食べる。

だからもう家族みたいなもんって訳だ。

 

─────────────────────────────────

 

「はーっ……全くいつもいつもアイツは」

望遠鏡をカチャカチャといじる計佑。

机には星や鉱石の本。顕微鏡。天体観測は計佑の趣味だった。

お年玉を何年もためてようやく買えた、宝物の望遠鏡。

買って半年になるが、朝からの天体観測は欠かしたことがなかった。

 

「計佑ーっごはんーっ」

まくらの声が届く。

「はいよー」

計佑が一階へと降りて、食卓へ着いて。

「今日も熱くなりそうだねー」

ぼやきながらまくらがテレビをつけると、CMが流れはじめた。

『鏡よ鏡よ鏡さん──・・・世界で一番美しいのはだーれ?』

うええええええ!!??」

突然のまくらの絶叫に計佑、由希子ともにむせた。

「なんだよお前っ、いきなり奇声上げやがってっ!」

「これっこれこれ!!」

「ん? わーキレイなコねー」

「計佑っ、ほらほらわかるでしょっ!?」

「は?」

言われて計佑もテレビに目を向ける。

「雪のような結晶素肌・・・kamebou "snow white"・・・」

『白雪フェイス』

キャッチコピーの締めと同時に、確かに綺麗な女の子がアップで映りだされた。

「スッゴイよねー!!ウチのガッコの先輩がテレビCMだよっ!!」

「先輩がCMって日本語足りてねーぞおい……」

いきなりのハイテンションについてけない計佑が、冷めたツッコミを入れる。

「白井雪姫先輩……図書委員長で清楚で成績優秀で!

スゴイ美人でいつも笑顔をふりまいていて!! 勿論先生たちにまで大人気!!」

少年の言葉など聞く耳持たないまくらのハイテンションは続く。

「憧れるよねー……アタシも努力したら『ムリ』」

計佑がまくらのセリフを遮った。

「なっ何割り込んできてんの……」

「確かに。そのナントカ先輩は美人でスーパーだろうけど。

だからこそだな……お前ん家は鏡ないのか? じゃなきゃわかってるだろ」

ぐっと詰まったまくらに畳み掛けるように

「お前、目はよかった筈だけど……メガネ買いに行くんならつきあってやるぞ?」

「……うがーっっ、もういいよっ!!」

「鏡よ鏡よ鏡さん──私をあのヒトみたいに美人にして・・・とでも唱えるかー?

まー、『ダメだ。その願いは私の力を超えている。』って鏡割れちゃいそうだけどなー」

どこかの神の龍のモノマネを混ぜながら更にまくらをからかう計佑。

「んがーーっっ!! 計佑~~っ」

まくらが立ち上がり、計佑につかみかかろうとする。

「ほらっ、ホントに遅刻するわよっ」

一定のラインを超えると入る、いつも通りの、鶴の一声。

──そう、この日も朝まではいつも通りだった。

 

─────────────────────────────────

 

キーンコーンカーンコーン……午前最後の授業の終了チャイムが鳴った。

 

「あー……ハラ減ったー……」

「おっ? 今日はどうしたんだよ計佑?」

計佑へと話しかけてきたのは、友人の茂武市だった。

「まくらのやつがよー……自転車学校に置いてあるから今朝は乗せてけって。おかげで余計にカロリー消費しちまったんだよ今日は」

「はっはー、いつも通り仲のいいこったなーお前らは」

「どこがだよ……ただのケンカ兄妹でしかねーだろ」

「しかしまー羨ましいわ……あんなカワイイ幼馴染と家族同然の付き合い・・・このリア充がっ」

「あ? カワイイ幼馴染って……まくらのことか? お前本気か??」

顔をしかめる計佑に、はーっと、これみよがしにため息を付いてみせる茂武市。

「よく言うよなー計佑……あのな、狙ってるヤツ多いんだぞ彼女のコト?」

「ええぇ?」

「一年生にして女子ソフト部のエース! 彼女がいれば

万年一回戦のウチでも県大会も夢じゃないと言われる逸材!

天真爛漫100パーセントの健康美少女! 名前にちなんで『眠り姫』と呼ばれて──」

「あーもーわかったわかった。腹減ってるから、もーまくらのうんちくはいいからとにかくメシ食わせてくれよ」

しかし、計佑の希望はまだ叶えられることはなかった。

「目覚くーん、今日の理科当番はお昼休みの間にコレを理科準備室に運んでおく様に、って」

「あ、委員長……って、うわ、こんなでかいもん一人で運べってか?」

クラス委員長・須々野硝子の指すダンボール箱は、1メートル四方はありそうな大きさだった。

「おい茂武──」

「おーっとオレ今日はパンだったんだ売り切れちまうー、んじゃな計佑ー」

茂武市が、金属のスライムのような逃げ足を披露してみせた。

「あんにゃろ……」

「あー、目覚くん……よかったら手伝うけど?」

遠慮がちに、メガネの少女が申し出る。

「んー……なんだ、箱はでかいけど中身は軽そうなもんばっかだな。一人で大丈夫だよ委員長」

「……あ……そう? うんそれじゃ……」

残念そうな声を出しながら、すごすごと少女がひき下がる。

見る者が見れば一発でわかりそうな言動だったりするのだが、この少年はさっぱり気づかない。

「先にメシ食いたいとこだけど・・・しょーがねーか、仕事は先に片づけちまおう」

 

─────────────────────────────────

 

「くっ・・・重くはねーけど、ここまでデカイとやっぱ厳しかったか・・・前が見えないってのはどうにもな」

えっちらおっちら、ようやく準備室までたどり着き、

「よいっしょ・・・」

軽く蹴りつけるようにしてドアに足をかけ、その足で開く。

「失礼しまーす・・・」

 

─────────────────────────────────

 

──えっ、誰・・・!?

 

追手から逃げて準備室に飛びこみ、ドアにもたれて一息ついていた少女は、

そのドアが蹴られた事でビクリとドアから身体を離して振り返った。

すぐにドアが開き、

 

──見つかった・・・!?

 

覚悟した少女だったが、彼女の視界に入ってきたのは、まず巨大なダンボール、

そしてそれを抱えている生徒の足だった。

 

──なんだ、違った・・・

 

ほぅと軽く息をついたが、安心するのは早かった。

前が見えていないその人物は、彼女の存在に気づかずズイっと部屋に踏み込んできたのだ。

 

「! 待っ──」

 

─────────────────────────────────

 

「待っ──」

「え」

聞こえた声に反応は間に合わなかった。加えて、足元に転がっていた何かで足が滑る。

「うわっ・・・」

抱えていたダンボールを放り出すも、もうバランスは取り戻せず──

バターン!

受け身も殆どとれずに倒れこんでしまった。

「ってぇぇ……」

痛みに顔をしかめていた計佑だが、

ふと、左手が柔らかいものを握っていることに気づいた。

──なんだこれ・・・

遮光カーテンで窓が覆われた室内はかなり暗い。

しかし開きっぱなしのドアからの光があれば、自分が握っているものが──

 

──女子の胸ぇっ!?

 

とわかるには十分だった。

はわっと慌てて手を離し、謝ろうとした瞬間、

「そっちは捜したのかー!?」

男性のそんな声が聞こえてきて、目前の女性がギクリとした。

彼女は慌てて立ち上がると、ドアをピシャリとしめつけ鍵をかけて、

また身を翻すとまだ倒れたままの計佑に覆いかぶさってきた。

 

──!!!???

 

ドアを閉められ、暗くなってしまった室内では相手の顔は良くわからなかった。

しかし突然女性にのしかかられて、平然としていられる訳もなく、

半ばパニックになって硬直してしまう計佑。

そんな計佑の口あたりを、女性の手が塞いでくる。

 

───!!!??!?!!??

 

もはや目を白黒させるばかりしか出来ないでいると、

「声・・・出さないでね。お願い……」

言われなくても、完全に硬直してしまっている計佑。

「おい、もうホントに時間ないぞっ。早く見つけてこいよっ!!」

ガタン! ガチャガチャッ!!

そんな声の主が、ドアを開けようとしたきた。

しかし鍵がかかってる以上開くはずもなく、

「理科準備室で鍵か・・・普通なら施錠したままのはずだな」

確かに薬品がある部屋を通常開けっぱなしにする筈はないのだが、

その常識的な思い込みが、彼にとっては仇となった。

「くそっ、一体どこなんだよっ」

悪態をつく声が、足音と共に遠ざかっていく。

「……はー。助かった・・・」

つぶやく女性の身体から力が抜けるのを感じた瞬間、計佑の金縛りもようやく解けた。

「あっあのっ……」

口にかぶせられた手に軽く力をかけ、口を開く。

「あ・・・ごめんなさい。突然こんなことしちゃって」

ようやく、彼女がどいてくれた。

パンパンと服をはたく音と共に、彼女の声が続く。

「ホントにごめんね。なんか巻き込んじゃうみたいにして……」

「やっ、全然……別に……」

ショックが抜けきらず、まだカタコトしか発言できない。

「最初から鍵かけとけばよかったのよね・・・うっかりしてたなぁ」

そんな独り言らしきセリフをいう女性。

多少目は慣れてきたが、やはり彼女の顔の細部はわからなかった。

「あの・・・なんか追われてるんですか? ヤバイんなら先生に連絡とか」

ようやく思考と会話能力がもどってきて、そんな風に話しかけたが、

「あー……うん、そんなんじゃないの。

ちょっとこう……オーディションを受けさせられそうになってただけで」

「えっ? オーディション……?」

「あっううん!! そんなことより、貴方、名前は?」

「あっ……1年の目覚計佑です」

名乗ってから、自分がずっと敬語だったことに気づいた。

自分と同じ学生なら、同じ学年の可能性もあるのだけれど。

胸をつかんでしまった罪悪感と、一連のショッキングな流れからのせいなのかもしれなかった。

「……私は三年の白井雪姫」

「あっ、先輩ですかやっぱり……ん? 白井雪姫って……あれ? なんか聞き覚えあるような──」

「ねえっ」

その白井先輩が遮るように声をあげた。

「それより、もうちょっとだけ手を貸してくれないかな……? なんとか裏門まで見つからずに行きたいんだけど」

「見つからず……ですか」

計佑が、足元に転がる自分の運んできた巨大なダンボール箱を見下ろした。

「……スネークごっこって知ってます?」

 

─────────────────────────────────

 

「っ……っ……」

ぷるぷると危なっかしい足取りで、計佑がさっきまでは軽かったダンボール箱を運んでいる。

「ねえ・・ホントに大丈夫・・・?」

「だっ 大丈夫です・・・ 」

 

──ホントはかなりやばいんだけど・・・っ

 

あるいはお姫様だっこのように、相手もこちらに掴まってくれているならともかく、

体育会系でもない、細めの少年が40キロを超えるダンボール箱を持ち運ぶというのは

かなり厳しいことだったのだけれど。

計佑はよくやっていた。

「えっ!? やっ! きゃっ!」

「ちょっ、声出したらヤバイですって!!」

突然の雪姫の声に、計佑も思わず普通の音量で注意してしまう。

「ごめっ」

ダンボールの中から、今度は小さい声で少女が謝ってきた。

 

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──でも……おっ……お尻に指が──!!

 

限界まで力りんでいる少年の手がどんどん汗をかいているせいで、

手のひらが支えている部分のダンボールが、次第にふにゃふにゃになっていく。

そして、その部分はちょうど雪姫のお尻がある場所で。

 

──うーっ……わざとやってる訳じゃないんだろうけど……っ!!

 

持ち直すためか、時々位置を変えたり、指先がめりこんできたり。

 

──~~~っ・・・!!

 

声をあげる訳にもいかず、計佑とは違う理由で少女が震え続けていた。

 

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「つっ・・・つきました」

ようやく裏門に雪姫入りのダンボールを下ろし、計佑がぜーぜーと荒い息をついて膝に手をついていた。

箱から、赤い顔をした雪姫がゆっくりと出てくるが、荒い息で俯いている少年は気づかない。

雪姫もまたあさっての方向を向いたまま、礼を口にする。

「助かったわ。……ありがとう」

「全然っ……それじゃっ」

雪姫が、裏門を乗り越えようと手を掛けるが、そこで計佑にちらりと視線を向ける。

計佑はまだ膝に手をついていて、雪姫には計佑の横顔しか見えなかったが……

「……あ。君は……」

「 ? はい……? 」

計佑も、ようやく膝から手を離して雪姫へと目を向けた。

 

──えっ……このヒトもしかして。ナントカ先輩っ!?

 

そこで初めて、今朝まくらが騒いでいた、テレビに出ている女性だと気づく。

 

──うわー……生で見ても、確かにすごいキレイな人だなー。

そっかー・・・隠れてたりしてたのは芸能人だったからなのか。

 

暫くの間、ぼーっと見とれていた計佑だが、

その間ぼおっとしていたのは雪姫のほうも同じだった。

「あの、……先輩?」

先に我に返った計佑が、話しかけてきておいて黙りこんでしまった少女へと声をかける。

「あっ、ううん……ところでさあ」

すると雪姫は慌てたように目線をそらし、裏門を乗り越えながら続ける。

「キミ……最初に胸さわったの」

「うえっ!?」

ギクリとする。ここまで触れられなかったので、てっきりスルーしてもらえるのかと思い込んでいた。

「……ワザとじゃないの?」

「えぇっ!? そんなっ!! 違います違いますっ」

慌てて両手を振り、必死に否定する。

芸能人に痴漢した男──そんなレッテルを貼られたら、自分の学校生活はオワリだ……!!

恐怖で肝が冷え、熱くなっていた身体が一気に冷めた。

裏門を乗り越えた雪姫がちょいちょいと手招きする。

「こっち来て」

さっきまでとは違う、何やら企んでいるような表情の少女。

逆らえる立場にない少年が、ビクビクしながらも近づく。

雪姫はそんな様子の計佑をニマニマと待ち受けて──

ぐいーーーっっっ!!!

「いたたたた!!!」

耳を思いっきり引っ張られた。

「痛いいたい痛いですっ!!!」

振りほどく訳にもいかず、甘んじて罰を受けるが悲鳴までは抑えられなかった。

「さっきはお尻まで触ってきたよね」

「ええっ!??」

そんな覚えはない。流石に捏造冤罪まで上乗せされる訳にはいかなかった。

「そっそんなっ……!! 知らないです……っ。してないでしょそんなことっ……!!」

「ふーん、とぼけるんだぁ?」

言いながら、反対側の耳まで少女が引っ張ってくる。

「──!!」

雪姫と正面から向かい合う形になった。

すぐに耳への力は緩めてもらえたが、至近距離にある美貌に、息をつく余裕もなく。

「とぼけた振りして、実はスゴイプレイボーイだったりするのかなぁキミは……」

「だから違いますってばっ!!」

顔を逸らそうとするが、両手に耳を押さえられていてそれも許されない。

さらに雪姫がこちらの目を覗きこんでくる。

「んー?? じゃあ何で目を逸らすのカナ?」

 

──顔が近いからに決まってる!!

 

そんな悲鳴をあげたくなるが、それも恥ずかしくてできない。

ふと雪姫の左手が計佑の顔から離れ、彼女の顔が横に流れた。

何事かと思う間もなく──

 

「スケベ」

 

ささやかれ、そのまま耳に息を吹きかけられた。

完全に固まってしまう少年。

そんな少年に、雪姫はまたニンマリと笑うと、

「ありがとっ、じゃあね!」

たたっと駆け出していく。

「へっ……へ……?」

計佑は、しばらくの間真っ赤な顔のまま、棒立ちを続けていた──。

 

─────────────────────────────────

 

──随分うろたえてたなぁあのコ……顔も真っ赤にしちゃって。

初めて会った時は、結構泰然としてる感じだったのに。

 

少年の事を考えながら、雪姫自身も、自分の振る舞いに驚いていた。

 

──自分のほうから、男の子に触れたりするなんて……

 

雪姫は、男性には苦手意識があった。

同年代の少女たちより大きく膨らんでしまった胸をチラチラと見てくる男子生徒にいつも抵抗を感じていたし、

自分の外面だけを見て告白してくる男たちにも、嫌気が差していたからだ。

 

──なのに、私があんな風に振る舞えるなんて。

あの時の男の子だとわかってからは、

……いや、今にして思えば準備室の一件から、どこかいつもの自分ではなかった気がする。

コンプレックスの胸に触られたりした相手なのに、あんな頼みごとをしてしまうとか。

いつもの自分だったら、

男のコとふたりっきりなんて、かなり緊張する状況の筈なのに随分と自然体でいられた。

彼が「あの時の男の子」だとわかってからは、なんだか更に調子にのってしまった。

 

──耳元に息をふきかけるとか……!! 絶対やりすぎだったよー///

 

今になって恥ずかしくなってくる。顔が熱いし、胸がドキドキする。

 

──でも、向こうもあんなに赤くなっちゃうなんて。

 

自分としてはちょっとイタズラっぽくしてみただけのつもりだが、

あんなに狼狽えるというのは、もしかして彼には殊更妖艶に見えていたとかなのだろうか?

 

──まさかね。そんな訳ないか……

 

雪姫の外見を褒める声は珍しくない。

しかし雪姫としては、それを鵜呑みに出来ている訳ではなく、

コンプレックスからくる不信感があった。

結局のところ、本気で自分の美貌に自信がある訳ではない雪姫にとっては

そんな考えを肯定する事もできず、クスリと苦笑して。

勝手に進められていたオーディションの一件などで抱いていたモヤモヤは、いつのまにか消えていた。

そんな自分の変化には気づかず、雪姫は足取り軽く家へと向かうのだった。

 

─────────────────────────────────

 

その日の放課後。

計佑は赤い顔をしてまだ席についていた。

この日の午後は、度々昼休みの一件を思い出しては、モヤモヤとして過ごすハメになったのだった。

 

──くそっ・・・なにうろたえてんだオレ、いつまでも・・・あんなのちょっとからかわれただけだってのに。

 

「どした計佑。熱でもあんのか? 顔赤いぞ」

茂武市が話しかけてきたが、

「いや、なんでもねー・・・じゃーな茂武市」

今の顔を人にみられるのが嫌で、茂武市からも顔をそらしながらフラリとたちあがる。

「なんかホントに様子おかしいけど・・・気をつけて帰れよー」

友人の挨拶に片手で答えると、計佑は自転車置き場に向かった。

 

─────────────────────────────────

 

──ない!!??

「チャリがないっ」

チェーンで繋いでおいた自転車がなかった。

──えっ、盗まれ・・・あ!?

一瞬パニックになりかかったが、暗証番号を知ってる人間のことを思い出した。

いつもはまとわりついてくることが多い幼馴染。

今日はなぜか昼からさっぱり姿を見せていなかったが……

「アイツにきまってるーっ、なんのつもりだバカやろう!!」

すぐにまくらのケータイに電話をかける。つながった瞬間、

「おいてめ──」

プツッ。切られた。

ギリリと歯を噛みしめ、もう一度かける。

かえってきた反応は

『──おかけになった番号は電波の届かない場所にいるか、電源が入っていない──』

定番のアナウンスだった。

「っっのヤローーっっ!!」

まくらのチャリの存在を思い出すも、まくらの自転車はチェーンではなく鍵タイプだ。

そして当然計佑はその鍵をもっていない。

 

昼休み、先輩にからかわれてから悶々とくすぶり続けていた感情が、この追い打ちで完全に怒りとして爆発した。

──まくらァァァァ!!!

走りだす。走り続ける。走り続けて──

 

─────────────────────────────────

 

「まくらーっ、……テメ何勝手にっ・・・ヒトのチャリ・・・っ……乗っ取ってんだバカヤローっ・・・」

一時間以上走り続けてようやく家についた計佑が、居間へと倒れこんでいた。

ゼヒーゼヒーしながらも、どうにか悪態をつく少年に、

「……お前が悪い」

ソファに寝転んだままのまくらが、頭だけつきだしてぼそりと答えた。

「なっ・・・何ふざけたこといってんだテメーっ!!」

まさかの言い草に怒り再燃、立ち上がり、ソファの前にまわりこむ。

「ひゃっ、まっ待って!!」

まくらが裏返った声をあげた。

「……なっ!!」

まくらは仰向けで寝転んでいた。いや、問題は姿勢ではなくて──

「いやあっ!!」

仰向けの姿勢だったまくらが身を翻してうつぶせになる。

 

──バッ・・・バスタオル・・・

 

正確には、バスタオル一枚を身体にまきつけただけのまくらがそこにいた。

今はクッションに完全に顔を埋めてしまっている。

肩甲骨から上の全部が素肌。

顔を覆うように折りたたまれた腕、それに押された乳が脇から僅かに覗く。

お尻はギリギリ隠れているくらいで、計佑が一歩下がればその中が見えてしまいそうなくらいだ。

 

──なっ・・・なっ・・・!!

 

固まってしまっていた計佑だが、股間まで固くなるのを意識した瞬間、

はっとして慌てて後ろを向く。

 

──まっまくら相手になんだよこれ・・・今日はなんかおかしいぞ俺っ。

くそっ、あの先輩と会ってからこっちどうなって・・・

 

「けーすけ……」

「なっなんだよっ」

呼ばれて顔だけ振り向くと、いつのまにかまくらが立ち上がっていた。

・・・自分の両肩を抱くような姿勢で。

「ねえ・・・計佑はさ・・・みっ・・・見たいとおもう?」

「なっ・・・何をだよ? 主語がなきゃ意味わかんねーだろうが」

「……言わせないでよ。 わかってるクセに」

まくらが、スルっと肩を抱いていた手を下ろし、胸元が覗く。

「わっ・・・わかんねーーーよっ!! 何もわかんねーからとにかくやめろっ、なんでもいいから服きろっはやく!!!!」

計佑の声が裏返る。

「服着ろ? わかんないとか言っといて・・・やっぱりわかってるじゃんそれ・・・」

ずいっと近づいてきたまくらが、前かがみの計佑を上から見下ろす。

目を細めたその表情は、長年一緒にいたはずの計佑が見たこともないものだった。

計佑の顔にまくらの両手がそえられる。

「ひゃめ・・・」

もうろれつもまわらない。

──そして次の瞬間、まくらの表情がくずれた。

「完全にひっかかってる・・・」

 

──え!?

 

頭が真っ白になる。

くるりと身を翻すまくらが、バスタオルの中から肩紐を引っ張りあげ、また半回転。そしてバサっとバスタオルを脱ぎ捨てる。

「アタシっ、完っ全勝利っ!!!」

そこには、キャミソールとホットパンツを身につけたまくらがいた。

 

茫然自失の少年、

そんな計佑を尻目に、まくらは満面の笑みでソファに飛び込むと、ゲラゲラと笑い始めた。

「ひーっひっひっ、今の顔ってば最高ぉー! アハハハ!! マジうけるー!!!」

ひたすら笑い転げてみせる幼馴染。

「……おまえ……」

ようやく思考回路がもどってきた少年が低い声で呟いた。

「あーっはははっ・・・なにー?」

「ふざけんなっっ!!! 」

まくらとのふざけ合いもケンカも日常茶飯事だった。

しかし、まくらに本気で腹を立てたのは随分久しりだった。

 

──こんなマネされて笑える訳ねーだろうがっ!!!

 

計佑とて多感な思春期の少年だ。

その性欲をこんな風におちょくられては、とても平静でいられる筈もなかった。

ギリっとまくらを睨みつけると、それ以上は言葉もなく立ち去ろうとする。

「けっ計佑、ごめん・・・!」

まくらが、本気の響きの謝罪をしてくるが──無視した。

いつもの遊びゲンカのようにさらりと許せる気は、まるでしなかった。

 

─────────────────────────────────

 

「あーしまった・・・寝過ぎちまったか・・・」

部屋へ戻った計佑だが、怒りが収まらず、この日はいつもの天体観測も身が入らなかった。

ちょっと気分転換でもするかと横になり──目が覚めた今は、もう12時を過ぎていた。

──バタンっ!!

そこに由希子が飛び込んでくると、荒い声を上げた。

「計佑っ、あんたくーちゃんのことしらないっ?」

「・・・はぁ? まくらだって・・・? 」

夕方の一件を思い出して顔をしかめてみせたが、

「くーちゃんがまだ家に戻ってないのよっ、あんたちょっと捜して来て!!」

「・・・どーせコンビニとかってオチでしょ・・・」

「くーちゃんがこんな時間に起きてるわけないでしょーがっ!

アタシは連絡待ちで家にいるから、ほらっ早く!!」

「・・・ええー・・・」

まだどこか寝ぼけていた計佑だが、

「ぐずぐずせんとさっさといってこいっ」

ゴス!!

強烈なヒジとともに叩きだされてしまった。

「つおー・・・だからなんでいつもヒジなんだよ・・・せめてゲンコツに」

ぶつぶつと恨み言が口をつくが、痛みで意識ははっきりしてきた。

「捜せといってもなー・・・俺も心当たりなんてねーのにどこ捜せと・・・」

 

──あーもーっ!! 夕方のコトといい、一体なんのつもりなんだあいつは~っ!!

 

ギリギリとまた怒りがこみあげてきたが、

頭の痛みがおさまってくると、危機感が芽生え始めてきた。

 

──確かに、10時過ぎには寝ついて朝まで起きないハズのアイツがこんな時間に家にいないなんて初めてじゃないのか・・・?

 

「・・・・しゃーねーなーもうっ」

チャリを漕ぎ出すと、いつしか全速力で走り出していた。

行きつけのコンビニをまわり、ファミレスへ行き、学校まで走り、

母親に確認の電話をして、今度はゆっくりと周りを見回しながら走り、

家まで戻り、わかってはいても母に直接確認したり……

気がつけば深夜2時を過ぎていた。

 

──あーもーホントわかんねーぞ・・・マジでどうしたんだよアイツ。他に心当たり・・・うーん・・・

 

最近の行動範囲は全部まわったハズだ。だったらもう・・・

 

──昔行ったような場所まわってみるしかないか・・・

 

─────────────────────────────────

 

──流石にないとは思うんだがなぁ・・・こんなとこ・・・

 

木々やぼうぼうの雑草の中を、クモの巣を払いながら進んでいく。

 

──ガキの頃はよく来てたんだけどなぁ・・・この坂をぬけると、たしかひまわり畑があって・・・

 

ちょっとだけノスタルジックに浸りながら、林を抜ける。

月光の中、視界には一面のひまわり。

しかし今の計佑の意識にとまるのは──

「いたっ!!」

まくらがいた。こちらに背を向けてベンチに座っていて後頭部しか見えないが、間違いないハズだ。

「まくらー!!」

大声で呼びかける。

その声に反応したのか、まくらの身体がくらっと傾いてベンチの背に完全に隠れてしまい、姿が完全に見えなくなる。

「あのなーっ、いい加減にしろっ!」

安堵と怒りを同時に覚えなから駆け寄る。

ベンチの前に回りこんでみると──スースーと寝息をたてるまくらがそこにいた。

その姿に、安堵の気持ちは怒り一色に塗り替えられていく。

「何のんきに寝てやがるコラーっ」

「ひゃあああっ、なにナニ何なのー!?」

少年の怒声に、まくらが飛び起きた。

「今何時だと思ってんだバカヤローッ!!」

「えっえっ!? えーと・・・何時?」

逆に尋ねてくるまくら。

「二時過ぎだよっ! 夜中のなっ!! ・・・ていうか、もう三時過ぎてるんじゃないか?

たくもー・・・やっぱり心配なんていらなかったんじゃねーかよ・・・」

ぽかんとするまくら。

「・・・なんだそのツラは」

じろりと睨む計佑。

「えっ、なんでもない」

慌てたようにパタパタと手を振るまくら、しかしぱあっと笑うと

「へへ……計佑。探しにきてくれたんだ・・・もう怒ってない?」

その一言で夕方のことを思い出す。

……思い出して、顔をしかめた。

夕方の一件を忘れた訳ではない。

けど、バタバタ走り回ってるウチに、もうどうでもよくなってきたのも確かだ。

「・・・はー。もーいいよ」

しかし、釘はしっかり刺しておく。

「言わなくてもわかってるだろうけど。

オレ本気でキレてたんだかな。もうあんなマネはするんじゃねーぞ」

「うん。絶対にもうしないよ。本当にごめんなさいでした」

深々と頭を下げるまくら。

「あー。んじゃさっさと帰るぞー。みんなすげー心配してんだからよー。……そうだ、まずは連絡を・・・っと」

歩き出しながらケータイを取り出すと、

「・・・ねえ計佑覚えてる?」

「何をだよ・・・ってうぉ!? 電波届いてねーじゃん!」

「子供の頃にさあ、そこの清瀬川に・・・」

後ろをついてくるまくらが話し続ける内容は、計佑が覚えていないものだった。

聴き続けていても思い出せることはなかったし、

正直面白くもなかったのだが、黙って聴き続けててやってはいた。

そこで、懐かしそうに明るく話していたまくらの声のトーンが突然下がった。

「きょっ・・・今日さ・・・」

そこまで言って、まくらの声が止まる。

「・・・なんだよ?」

「やっ・・・だからその・・・今日・・・」

「お前・・・ホントに今日おかしいぞ? マジでどーしたんだよ?」

「・・・それは・・・」

しかし、やはり先をつづけないまくら。計佑は、はぁっと大きくため息をつく。

「とにかく。早く帰るぞ、ホントに。みんな心配してんだから」

ようやく林を抜けたところで、あらためてケータイで連絡をとる。

「あ お袋? まく──」

「計佑っ。あんた今どこにいるのっ」

すごい声でかぶせられ、言葉を続けられなかった。

「とにかくすぐに来なさいっ。第一救急病院よっ!!」

「えっなに、何なんだよ・・・こっちはやっと」

「今連絡があったとこなのよっ。母さんたちもこれから病院に向かうところよっ!! わかったらアンタもすぐに来なさいっ」

由希子がまくし立ててくる。

「何もわかんねーよっ。何で病院なんかに──」

言ってる途中で、ぞわりとした。

 

──慌てて病院に行かなきゃって・・・そんなの誰かに何かがあったからに決まってる・・・

 

「誰になにがあったんだよっっ!!」

計佑の声も荒くなった。その声にかえってきた返事は──

「くーちゃんに決まってるでしょっ!!」

プツッ……ツーツーツー……

 

──・・・は? まくらって・・・え?

狐につままれた気分でまくらを見る。

その時、まくらの身長がいつもより高いことに気づいた。

さっきまで、ひまわりや草木をかき分け前に進むことに注視していて、

まくらの立ち姿を確認したのは今が初めてだった。

 

──なんで……こいつの目線がオレより上にあるんだ?

 

見上げてから、足元までを見下ろす。

……そこで、信じられない物を見た。幼馴染の足が地面についてない。

 

頭が真っ白になった計佑に、まくらの声が届く──

「計佑・・・わたし死んじゃったの・・・かなぁ?」

 

 

──────────────────────────────────

 

 




<1話の後書き>

これは僕の初めての小説(みたいなもの)ですが、この1話もこのあとがきも実は二度目です。
本当の初めては第2話になります。

とりあえず、「大きな分岐点」として考えているあたりまでは、
基本的に原作に沿っていくつもりなんですけど、
そのまんまやるのもちょっとつまんないので、ちょこちょこ改変は入れていってます。

反省点なんていっくらでもあるんですけど、
初めてのチャレンジでいいものを目指しすぎてたら
いつまでも完成しないと思うので、まあ妥協していきます^^;
(26話書き上げてみてからの追加コメント・今見るとやっぱり色々とアレですね……うん。
語彙なんて増えてる筈もないし、勉強とかも特にしてないのですけど、やっぱりそれなりに量書くとちょっとは
上達するもんなのかなぁ……と感じてしまいます)

以下は、自分で自分の作品の解説を始めてみたいと思います。
まあ僕的には「下手くそなりに、一応色々考えたんですー、勘弁してください」って意味も一応……

まくらによる先輩紹介の中から「物静か」を削ることにしました。
原作中、雪姫先輩に「物静か」なシーンはなかったような気がするんですよね。
カリナといっしょのシーンはともかく、硝子や茂武市がいるシーンでも
普通にふるまってたように思いましたので。

視点としては、計佑と雪姫先輩の二人にしてるつもりです。
原作は計佑とまくらの物語なので、その二人の視点になってましたけど、
でもそういえば、まくら復活後は計佑視点ばかりだったような?
あれは先輩ルートも匂わせるための演出だったのでしょうか……

あと、まくらのタオル姿にときめいたのも、先輩の影響が強い感じにしてみました。

まくらが何故あんな性的いたずらをしかけたのかは、
漫画では一目瞭然ですがこちらではよくわからなくしてあります
(といってもまあ、原作未読でも勘のいい人にはバレバレでしょうね)。
先にも書きましたが、原作知らずにこれを読んでくれている人は普通いないと思うんですが、
ただまあ、もしそんな方がいると仮定してそんな方にコミックを買いたくさせるテクのつもりです(^_^;)
「コミックを買えば、まくら視点が読める!彼女の心情が気になる方は本屋にゴー!」
っていう補完商法な訳ですm(__)m

まあ、本命の理由としては、先輩の比重を増やしていくつもりの話であるこれにおいては、
まくらにあまり感情移入させるような作りにはしたくないというのがあります。
それから、まくらのいたずらにブチ切れる計佑に説得力を持たせたいという理由もありました。
あのシーンは、原作でも一応キレはしますが、
すぐにおさまる程度の怒りとして描かれてますよね。
しかし僕としては、思春期男子に仕掛けるにしてはあまりにも悪質だよなぁ……(-_-;)
と感じてましたので、やはり本気でキレさせたい。
なので、まくらが何故あんなマネをしでかしたかわからないように
(わかってるとまくらに同情心がわきますもの)
バッサリまくら視点のシーンを切り捨ててます。
ついでに、まくらの笑い転げ方にも、ちょっと悪意が潜んでいそうな表現にしてみたつもりでいます。
そうして、少しでも計佑の怒りを正当化しようとしてみたり。
ただ、女の子にキレっぱなしというのも感じ悪くなってしまいますので、
その後のまくら捜索シーン、原作ではイマイチ真剣にやってない感じに描かれていましたが、
こちらではちゃんと心配してるふうに書いて、バランスをとったつもりでいます。

さらには、二巻での先輩を心配するシーンへの伏線も兼ねてる……のかな?
原作二巻の先輩を探しまわるシーンですが、
勿論直前に見かけたチンピラの存在があってのこととはいえ、あそこでは計佑がすごい勢いで先輩を心配してますよね。
しかしあの時の計佑と、1話でのまくらがいない時の計佑での温度差がありすぎて、
ちょっと計佑のキャラに納得しづらいかなぁ・・・
と思いましたので、こんな感じにしてみました。
勿論、「まくらが失踪したあげく、霊になってしまった」
という経験から、「夜に女の子がいなくなった状況」にトラウマができた結果、
あの二巻の計佑の必死の心配につながってるって解釈が普通なのかとも思うんです、けど……。
でも、僕は計佑のことは人間的には好きなんで、
ちょこちょこ株はあげていきたいしこんな風に書いてみました

その計佑くんですが、最初は原作以上に色恋に鈍いイメージにもしてみました。
「白井雪姫」の名前を覚えてないとか。
準備室では顔がよく見えていないってコトにしたのは、
計佑が「芸能人・美人だから手を貸したわけではない」という形にしたかったからです。
そのほうが計佑の人柄が良さ気になるし、色恋に鈍い表現にもつながるかなと。
まあ、乳揉んでしまった罪悪感から手伝ったのかもですが^^;

それから、雪姫の心情も考えてのことですね。
芸能人である自分を知る人物には、雪姫は抵抗あるんじゃないかと思いましたので。
・・・まーこんなふうに考えたのは、
サンデーの傑作ラブコメ「レンジマン」の影響もあるんですけど。
あっ、余計な宣伝かもしれませんけど、ラブコメ好きで
「モリタイシ」さんのレンジマンを知らない方、もしいらっしゃいましたら
それは勿体ないと思いますよー!!
1巻ではまだ本命ヒロインが話の中心にいなかったんですが、
本命ヒロインが主人公と本格的に絡みだしてからは、神漫画の一つといってもいいです!!

で話を戻しまして・・・

先輩と計佑の関係に関する伏線というか・・・これ伏線っていえるのかなぁ……(-_-;)
まあ自分ではそのつもりのやり取りも入れてますね。実は初対面ではないっていう。
原作では、ページの制限とかもあって出来なかった様子でしたものね。

雪姫が、顔も見えない状況なのにも関わらず、もう運命的に計佑を意識した風にもしてあります。
雪姫先輩は、もう徹底的にファンタジー目指しますので(^^)

雪姫先輩の、計佑への呼びかけの違いにもちょっぴりこだわり。
「あの時の彼」と気づくまでは「貴方」「君」で、そのあとは「キミ」にしてみたんですね。

先輩お昼で中退したみたいになっちゃいましたけど、
この日は三年生は昼までだった設定ということに想定してます(^^ゞ
原作だと、なんだかんだ言っても仕事いったんでしょうけどね雪姫なら。
でも僕の妄想では雪姫は芸能人はやめてしまうことになってるんでっ(^^)

今回はこんなところです。
こんな話でもよろしければ、また続きを宜しくお願いします。
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