会話多めになっていると思います。
これに限らず、今後ドラマ演出の為に会話の多い回が出てくると思いますが、こういうのってどうなんですかね?
ま、関係なく出すんですけどね。(自己完結)
うねる海上を漂う1人の男、雨に打たれながらももたれる彼は徐々に意識を取り戻し始めた。
「ぐぉぉぉ... へっ、鮫の餌には、なってない、ようだ、な...」
ひとえにボードのおかげと言うべきか、奇跡的にも彼は所々骨折気味だったが内臓破裂までは至らなかった。
またしても死の運命から生き延びてしまった上、命懸けという意味では4度目に当たる生還である。
荒波を必死に耐えながら陸に向かおうとするが、ここで彼のプライベート回線に通信が入った。
普段、この回線を滅多に使うことが無い為に一体何事かと通信に出た。
「・・・こちら、J・マックス。名を述べられたし、どうぞ。」
『俺だ、ジェイ。予想通り、生きていたようで何よりだ。』
「はっ、おかげ様でなキザ野郎。危うく向こう側が見える所だったが、この通りだ。」
『それだけの口が利けるなら安心だ、そこで無理を承知だが頼みがある。』
「・・・言ってみろこの野郎。こうなりゃ最後までやってやる。」
今、あいつ等はエンジンをやられた関係上すぐに着陸する必要がある。
だが、肝心の着陸地点である羽田空港には着陸許可が一向に下りない。
これはおそらく、政府か防衛省が噛んでいるに違いない。
しかし、悠長に許可を待っている時間も無い。エンジンを吹き飛ばされた際に燃料漏れが発生し、飛んでいられるのは後数十分持つかどうか...
操縦は神崎がしているが、大型機経験はほぼ皆無のようだ。そうか、ライセンス持ちの俺を引きずり落とす魂胆もあったのか。
何にせよ、早急に対処すべき要件だ。
『武藤達と連絡を取っていたんだが、無線に割り込まれてしまったよ。』
「なるほど、俺の通信回線を使えば奴らの妨害は受けない、ってわけだ。」
『やれるか?』
このプライベート回線は、下手な通信回線よりセキュリティレベルが高く、国防省でも介入するのは至難の業だと自負している。
「ビッチの相手より楽勝だぜ。」
俺は携帯端末を取り出し、すぐさま武偵校の回線につなげる。
「打つ手、無しかよ!」
「・・・待って下さい! 秘匿回線で通信が入ってます。」
「通信だと?」
『聞こえているか? 聞いてるなら応答しろ。』
「その声、ジェイか!? 大丈夫かよ、飛行機から落ちたって聞いたぞお前!?」
『今、話してる奴が死人に思えるか? 時間が無い、手短に話すぞ。』
「あ、ああ... そうだな! 分かった!」
『いいか? 今から、俺の回線を経由して遠山達につなぐ。お前らが頼みの綱だ。』
「分かった、こっちもあいつ等に伝えなきゃなんねえことがある。頼んだぞ!」
『全く、あいつも良い友を持ったもんだな。』
『こちら防衛省、当機はただちに誘導に従い着陸地点へ...』
『騙されんじゃねえぞ、キンジ! あいつ等は既にお前らを見捨ててるっ!!』
思った通りだ。既に、遠山達の機体の周りには自衛隊お抱えのジェットが飛んでる。
撃墜許可まで下りているのは驚いた、VIPも乗せてるであろう乗客の命を救うよりも市民という建前を優先したんだからな。
ま、予想できたことだがな。
『いいか、キンジ! 武偵は決して仲間を見捨てねぇ、俺達も何とかする!!』
『ああ、分かった。』
そして、遠山は
学園が点在する位置とは別に、ダダッ広い"空き地島"と言われるとこがある。
そこなら障害物も無いし、緊急着陸で被害が出る心配はほぼ無い。考えたもんだな...
ただ、対角線上限界まで使って着陸できるかどうかの距離故にかなりの危険が伴う。
加えて、今の時間帯では真っ暗闇の中でそこを特定するのは不可能だ。時間もあと僅か...
『くそっ! どうなっても知らないからな!!』
・・・武藤の奴、思いっ切り飛び出したみたいだが... まさか、今から? 無茶しやがんな、と思えば...
『つーわけで、悪いがジェイも手伝ってくれねぇか?』
「負傷者に無理難題を言うってか? 上等だこの野郎。」
『頼むぜ! 俺もあるもの出せるだけ出してやる!』
まったく、どこまでも真っ直ぐで義理堅いっつうか、馬鹿みたいに素直っつうか...
「聞いてたか、お前ら?」
『任せとけ! 俺の伝手であるだけ用意する。へへっ、まさかこんな思いがけず俺のドラテクを披露することになるとは、腕が鳴るぜ!』
『普通のライトが数個位じゃ、間に合わないかもな。試作型の超光源照射機を出そう。』
「決まりだな、俺もヘリで向かう。」
そうこうしている内に、彼の元へ黒い塗装の武装ヘリが飛来した。
このヘリ、操縦者すらも乗っていない完全無人化されたオリジナルカスタム機なのだ。
ワイヤーで吊り上がり、中へと入っていく。
「奇跡って奴を、現実にしようじゃねえか。」
「見事に何も見えないな...」
「そうね...」
空き地島上空付近、既に着陸態勢には入れる状態にはある。
しかし、肝心の着陸地点は何処にあるのかすら見えない分からないという、予想以上の暗さだ。
このままでは... だが、何も無い筈の場所に1つ、また1つと光が出てくる。
気づけば、その光は空き地島の形を照らし出すように輝いていた。
そこにヘリも飛んできて、ライトで着陸地点へ促している。
あいつ等か、遠山はすぐにそれを察知した。
『キンジ! 俺、学校の使えそうな物全部持って来た!! 後は何とかしろっ!!!』
『知り合いに頼んで借りてきた! "緊急事態"だ、つってな!!』
『まったく、この少人数でこれ程用意するとなると、少しは鍛えてる俺でも流石に疲れるぞ...』
「お前ら...」
『このチャンス、無駄にするんじゃねえぞ?』
「・・・ああ!!」
全ての運命を乗せて、飛行機は仲間達が作った"最後の希望"へと突っ込んでいった...
「お前は本当に無茶をするな。普通なら死んでる所だぞ?」
「やめてくださいよ先生、あれは正真正銘の"奇跡"ですよ。まあ、これに始まったことじゃないですがね。」
今、俺がいるのは病室の1つだ。散々動きまくってたように思った奴もいるかもしれねぇが、俺思いっ切り骨折してたからな?
遠山と神崎、乗客達の乗った飛行機はギリギリ着陸に成功し事無きを得た。
けど、短期間で2度も世話になるのは今回が初だ。そうそう世話になって堪るかよ、なりたかねぇよ。
散々な目にあった事件だったが、終わってみればまた不死身説を濃厚にしてしまう結果になっちまってた。
「J・マックス... やはり、"不死身の男"の名は伊達じゃないってとこか。それも全て、お前の幸運のおかげか?」
「運勢は万年最悪ですがね...」
そうさ、この悪運と不運が混ざり合った存在の俺だからこその結果なんすよ綴先生。
2つが均衡を取り合った結果、この有り様なんだけどなっ!
「まあ、そんな事はどうでもいいけどな。」
しかし、俺の回答は全く気にした様子も無く窓際に移った先生は外の様子を見ながら続ける。
「1人で突っ走り過ぎるなよ? 今回は偶々"運に救われた"だけだ。お前には、仲間がいることを忘れるな。いつも間違った時に間違った場所にいる奴、それがお前だからな。」
「・・・・・・。」
分かってますとも。今回のことで、それは酷く痛感した。
今まで、たった1人でやってきても何の問題も無かった。だからこそ、それでもやっていけるといつの間にか思っていた。
仲間と呼べる奴はいたかもしれない、だが心の奥底では何処か疑問を持っていたのかもしれない。
所詮は何処までいっても人間だ、いくら今の俺でも1人でやれることには限界がある。
情けない奴だよ本当に... 後輩達にあれだけ大口叩いておきながら...
だが、その後輩達は事件の後に俺に会いに来た。心配した様子だった、1度の関係の筈の俺を...
柴田も、米村も、武藤も、不知火も、遠山も、あの神崎も、同じ俺を案じてくれていた。
ははっ、ここまでくると笑えてくるぜ。孤高気取りで居続けたつもりだった、自分にな...
「確かに、俺はいつも自分の意志とは関係無く巻き込まれ、1人でやり遂げてきたと思ってました。もし、偶然でないとするならば... それはもう『運命だ』としか言いようがありません。」
ここで変わらなきゃあ、俺はもうこの先、生き残れないかもしれない。だからこそ...
「けど、これからはあいつ等もどんどん巻き添えにしていきますよ。お互い様ですからね。」
今は、ここから始めていこうと思う。俺ばかりじゃ不公平だしな。
「ふっ、そうか...」
綴先生は、俺の回答に満足したのか、静かに病室を出ていった。
日の光だけが、俺を見ていた。その時に、不意に俺の携帯が音を立てた。
「よう、遠山か。」
『おう、無事か?』
「昨日話したばかりだろ... そうじゃなきゃ、俺は留守電にも出てねぇさ。」
『はは、いつものお前で安心したよ。』
この談笑もいつぶりか... 懐かしくも思えてくるな。
「遠山よ...」
『ん?』
「改めて、よろしく頼むぜ。」
『何だよいきなり... まあ、転校までの付き合いだろうが、よろしくな。』
「ああ。」
『アタシも忘れてもらっちゃ困るわねっ!!』
『ちょっ! おまっ...』
『こーらー! キンちゃんにくっつくなぁー!』
耳をつんざくような大声が聞こえてきたと思えば、あっちは相当賑やかみたいだな。
『それと、堅苦しいのはいいからアリアでいいわ。アンタも"仲間"なんだからね。』
「ふっ... ああ...! 分かった、アリア嬢。」
『仲間を信じ、仲間を助けよ』、か...
・・・信じてみるか、この幻みたいな世界を、生き抜く為に...!!
ソロはいいぞぉ...! 最近のゲームは、多人数物が多くて俺らは肩身がマジ狭いっすよ。
昔みたいに、1人用ゲーム作って、どうぞ。
あと、新作スライ・クーパー(日本語)こっちでも売って...(切実)